ブルーモーメント   作:はじ

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蜻蛉切り!

「今度はあきつ丸か」

 

俺の名前は暁だ。退職届けを出したのに受理されず、有給消化されてる悲しい艦娘だ。また、説得に来たんだろうか?

 

「実は相談がありまして・・・・・・」

 

「・・・・・・相談?」

 

嘘だろ!三度の飯より闘う事が大好きな生粋のバトルジャンキーのこいつが相談だと!

 

「実は、次回予定されている大規模作戦に合わせてクーデターを画策している馬鹿共がいるのであります」

 

あぁ、仕事ね。そう言えばこいつ憲兵隊の隊長だっけ。良かったこいつから恋愛相談なんてされた日には悪夢でうなされそうだ。

 

「きな臭い話だな。標的は、元帥をはじめとした親艦娘派か・・・・・・それでその情報はどこまで信用出来る?」

 

「100%でありますな」

 

こいつ言い切りやがった。ということは、うわ、ドヤ顔してやがる。

 

「準備がすでに終わってるからであります」

 

やっぱり・・・・・・

 

「その方が効率が良いでありますから」

 

全く何の為の憲兵なんだろう?

 

「お前はただ暴れたいだけだろう」

 

「隊長はよく分かってるでありますな」

 

嫌だもぅ、闘う舞台を整えたかっただけじゃないか!憲兵隊を私物化しやがった。誰だよこいつを憲兵隊の隊長にしたのは・・・・・・元帥だったな。

 

「もう隊長じゃないよ。特務隊は解散しただろう?」

 

「今回の件で復活させたいと隊のメンバー全員から要望がありまして、私が来たのはそれを伝える為です」

 

「全員からか・・・・・・」

 

本当にどうしよう・・・・・・全員からとか怖いんだけど!あきつ丸も含めてあいつら頭のネジが外れてるんだよな、まるゆだけだよ癒しは。鳳翔は普段まともなだけに戦闘の時のハジケっぷりが凄いし、球磨は「鮭食べたい」って北海道に行って手配されてた人食い羆を邪魔だって絞め殺してお土産って持ってくるし、雪風は「幸運の女神のキスを感じちゃいます」ってギャンブル依存症だし、誰だよこいつら建造したの・・・・・・元帥だったな。吹雪からもう建造しないでくださいって泣いて止められてから建造してないや。大型建造でもないのにあきつ丸とまるゆ建造しちゃって書類が大変なことになったしな。

 

「隊長、どうしたんです。そんな遠い目をして?」

 

「いや、いろいろ考えててな。まぁ、元帥はお前とまるゆが護衛について鎮守府は残りの三人がいれば大丈夫だろ」

 

「それでは隊長は復帰ということで皆には伝えておくであります」

 

「いつそんな事言ったよ!」

 

こいつと話してると悩んでるのが馬鹿らしくなるな。

 

「そう言えば今日はカレー大会でありますな。隊長の優勝予想は誰でありますか?」

 

「第六の三人だな」

 

「珍しく身内贔屓な予想ですな」

 

「俺の持ってるカレーレシピの中で一番のレシピを渡してあるからな」

 

「おや、今までのカレーは一番じゃなかったのでありますか?」

 

「その時食いたいカレーを作ってたからな」

 

「十分美味しいカレーでしたがそれでも一番じゃなかったのでありますか?」

 

「そうだな、まぁあれはあれでうまいカレーだからな」

 

元の世界のバイトしてたカレー屋のトップ5のカレーだから旨いに決まってる。テレビの取材も来てた店だしな。こら、こっち見てやれやれみたいな顔をするな!

 

「そう言えば吹雪さんから伝言があるのを忘れてました」

 

「ん、なんだ?」

 

「大規模作戦前の個人演習大会のエントリーどうしますか」

 

個人演習大会か・・・・・・出なくてもいいや。むしろ出たくない。艦種別と無差別があるけど出るとうるさいんだよな。呉の大和と長門や佐世保の武蔵と金剛とかたまにトラックの那珂が・・・・・・那珂は大人しくアイドルすれば良いのに。

 

「出ない。俺は退職届を出してるんだから参加しなくても良いだろう」

 

「それであります!何故退職届を出したんです?」

 

「もう、仕事したくないから」

 

「・・・・・・しなければ良いであります。もともと人間達の仕事でありますから、隊長は艦娘のことだけやれば良いであります」

 

「その艦娘の為の仕事だからなぁ」

 

「もう形は整っているのだから任せれば良いんですよ」

 

「いいのかなぁ」

 

「隊長は社畜精神溢れてるでありますな」

 

社畜いうな、俺の心に刺さるから。

 

「ところで、吹雪は知ってるのか?」

 

「何をでありますか?」

 

「クーデター」

 

「知らないですな。大規模作戦総旗艦でありますから余計な心配をかけるのも問題になりそうですし、表は吹雪さん、裏から特務隊でしょう?」

 

「そうだったな・・・・・・」

 

ため息がでる。シンプルに、元に戻れば良いか・・・・・・

 

「さて、それでは戻るでありますよ。皆に隊長復帰を伝えなきゃならないでありますからな」

 

「大規模作戦の日程は変わってないな?」

 

「えぇ、変わってないです」

 

「これを持って行け、お前にやる」

 

壁にかけておいた刀を渡す。

 

「これは?」

 

「柱島の工廠妖精が遊びに来てな、暇潰しで作った艦娘用の軍刀だ。銘はまだない。陸軍出身のお前にぴったりだろう?」

 

「良いでありますな、今までのは深海棲艦を切ると折れてましたから・・・・・・」

 

「はぐれで試し切りしたけどきちんと切れたぞ」

 

すっぱりいきすぎて焦ったけど・・・・・・

 

「ありがたく頂きます。銘を決めて貰えませんか?」

 

何が良いかなぁ、あきつ丸だからなぁ。

 

「こんなのはどうだ、『蜻蛉切り』。あきつ丸が死ぬ時はその刀で自刃する、それまではその刀がお前の相棒だ」

 

「蜻蛉を切る為の刀でありますか、良いでありますな!それまではこの力、守る為に使わせて頂くであります」

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