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「何故暁さんが参加してないのです!」
「本当だ!何故『魔王』が出ていない?リベンジ出来ないでわないか」
殺気だつ大和型、呉の大和と佐世保の武蔵が吹雪さん詰め寄っている。苦笑いを浮かべるくらいしか出来ることがない長門だ。
「そういきり立つな。暁さんが出ないのは次回の作戦に参加しないからだ」
ほっ!と安心したような安堵の表情を吹雪さんが浮かべている。助け船を出せて良かった。
「参加しないだと!どういうことだ!」
「次回作戦はこの国の総力を上げたもののはずでは?」
うぉっ、標的がこちらに変わってしまった。まぁ、知らない仲ではないしなんとかしてみよう。
「・・・・・・そうか、お前達は駆逐艦一隻いないだけで作戦が失敗すると言いたいんだな。情けない。大和型の名が泣くな」
「なんだと!」
「お前達はわかっていない。暁さんがどれだけ強くても駆逐艦なんだ。戦艦とは艦種も役割も違う。そんな存在の何をこだわっている」
「負けたままではいられないだろう」
「そうです。その駆逐艦に破れた私達はなんなのですか?」
「それはお前達が弱いからだろう!暁さんは言ってたぞ。「大和も武蔵も戦艦の癖に闘い方を知らないんだな」ってな。言ってる意味が分かるか?お前達は闘い方を知らないから負けたんだ。今のようにわめいてるうちは暁さんには絶対に勝てんよ」
艦種の違いによる闘い方・・・・・・暁さんらしい言い方だったな。闘い方を知らないから負けた・・・・・・まぁ、闘い方を知っていても暁さんに勝つのは相当骨が折れるがな。私が知る限りでは、暁さんに勝った事があるのは吹雪さんくらいのものだろう。それでもようやく戦術的勝利B 判定だったが・・・・・・もちろん私も勝った事がない。砲撃が効かないからって間接技はないと思う。いつも砲撃や魚雷を目眩ましに使い超接近戦をされて負ける。私も学んで近づくパターンをしらみつぶしに消して行くのだがな、気づくと負けてしまう。
「それに次回の作戦の総旗艦は吹雪さんだ。暁さんにも勝利したことがあるこの人がいて失敗すると思っているのか?」
あっ!あぁ、失言だ。くっ、元帥を笑う事が出来ん。二人の雰囲気が・・・・・・あれ?
「『魔王』に勝っただと・・・・・・」
「さすが『鬼嫁』と言うべきなのでしょうか」
い、いかん!大和が、大規模作戦前に使い物にならなくなってしまう。
「『鬼嫁』ですか・・・・・・」
「・・・ひっ!」
「吹雪さん何か漏れてる!いい笑顔なのにどす黒い何かが漏れてるぞ!」
「暁さんを気にするくらい元気が有り余ってる大和さんには私と個人演習をしましょうか?」
そう言うと大和の腕を掴み引き摺りながら行ってしまった。
「長門よ。元帥旗下の艦娘は皆化け物ばかりなのか?」
「そんなことはないぞ。一部の艦娘だけだ」
「一部だけでも異常だろう、なんださっきのは、駆逐艦が大和型戦艦をただ力だけで引き摺って行ったぞ!」
「吹雪さんは、暁さんに砲雷撃のやり方を教えたいわば暁さんの先生だからな」
「大和は、生きて帰ってこれるのか?」
「吹雪さんとタイマンは、限界突破するかトラウマ抱えるかだけど、大和なんだから大丈夫だろう!」
「答えになってないぞ」
「うちの駆逐艦が超えられたんだ、大和が超えられないなら戦艦の肩身が狭くなるだけだ」
「・・・・・・長門は倒したのか?」
「な、何を言ってるんだ武蔵?私は戦ってないぞ」
「どういうことだ?」
「あの人とタイマンしたら轟沈してしまうじゃないか!」
私が知る限り、元大本営から移動した艦娘達はトラウマ持ちだ・・・・・・
「おい!さっきまでと言っていることが違うぞ」
「気にするな、大和なら大丈夫だろう。何せ暁さんと闘いに来たんだから・・・・・・吹雪さんに勝てなきゃ暁さんに勝つなんて出来る分けないだろう」
「それはそうなんだが、元帥旗下で無差別に出るのは誰なんだ?」
「不知火だ・・・・・・」
「は?吹雪じゃないのか」
「不知火は暁さんの弟子だぞ。簡単に勝てると思うなよ」
こんにちは!暁だ。一応転生者でもある。今俺は夕張に渡した設計図を元にカスタムされたコンテナのテストを兼ねて来た北海道からの帰りだ。
「という事が個人演習大会前にあったクマ」
「それで大和はちゃんと呉に帰れたのか?」
「2日ほど入渠してから帰ったクマ」
「2日って轟沈レベルじゃねぇか!」
いくら禁句を言ったからってやり過ぎだろ、戦艦が轟沈クラスのダメージってことは魚雷を何発当てたんだ?
「大和が抵抗も出来ずに踊らされてるのを見て周りはドン引きだったクマ」
そりゃそうだ、ただの駆逐艦がこの国の名を冠する戦艦を一方的に殺ったら引くだろう。
「ただ次の総旗艦が吹雪さんと知ったから皆言うことを聞くと話てたクマ」
何それ?ただの恐怖政治じゃないの?
「それで球磨は何しにこんなところに来たんだ?」
「哨戒任務という名の鮭漁クマ!」
そう言えばこういう奴だったな。
「隊長こそこんなところで何してるクマ?」
「今住んでる所に妖精さんが燻製用の小屋を作ってくれたから鮭を獲りに来た帰りだ」
「球磨も食べたいクマ!」
ダメって言ってもついて来るだろうな。
「しょうがないな、ただ時間がかかるから次の作戦の時に持って行くよ」
これで回避出来たな。出来れば隠れ家はあまり知られたくない。
「やったクマ!ところでそのおっきい艤装は何クマ?」
「これか?夕張と妖精さんがアニメに出てきた武装を形にしたもんだ」
俺しか装備出来ないけどな。試作の時に吹雪は重さで沈んでいったし、艦これってこういうことも出来るんだな。俺は吹雪ほど砲雷撃が上手くないから物量に頼る事にしたいという要望に夕張達がネタ装備で答えてくれた。この世界のアニメシリーズ、『カンタム』に出てくる装備を形にしたものだ。花の名前がついた人形のロボットに最大火力をというコンセプトで作られた補助ユニットを模倣したその名も『ヤタガラス』戦艦の砲撃能力と雷巡の雷撃能力、駆逐艦の速度を越える能力を兼ね備えた補助ユニットだ。
「夕張が妖精さん達とこそこそやってたのはそれだったクマか」
・・・・・・うん、確実にバレてるな。まぁ、資材は俺の手持ちから出してるから良いか。
「そうだ球磨、これを鳳翔に渡してくれ」
「何クマ?」
「マグロだ」
俺は魚雷発射管からマグロを取り出して渡す。ここに来る途中で大量に氷を買って中に突っ込んである。管制システム関係は帰ってから作る事になってるから即席のクーラーボックスだ。
「すごいところから出てきた」
語尾を忘れるほど、驚くことか?
「頼んだぞ」
「元帥大変です」
「どうした?」
「大洗漁港に新種の深海棲艦が出たそうです」
「何!被害は?」
「ありません」
「はぁ?」
「それが・・・・・・人語を解し、大量の氷を購入して艤装にいれていたとの事です」
「何それ?」
「私もよく分かりません」
「大事な作戦前だ、哨戒を増やして情報を集めてくれ」
「分かりました」