ブルーモーメント   作:はじ

5 / 21
長女の秘密?

ズドラーストヴィチェ。暁型二番艦の響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ。今日、佐世保鎮守府から横須賀鎮守府に転属になったよ。姉妹である雷や電は別の基地から明日来るらしい。横須賀鎮守府には元帥が建造した暁がいるんだよね。佐世保にはいなかったけど鹿屋基地の暁が佐世保に研修で来ていてたくさん話をしたからレディっぷりには理解があるつもりだよ。

 

「よく来たな響。案内するぞ」

 

これは誰だい?第六駆逐隊って言えばセーラー服じゃないか!目の前の相手は本当に暁かい?白いワイシャツの上に黒いベスト、スカートじゃなくて黒いズボン。あぁ、特Ⅲ型を表すバッチがベルトのバックルになっているのか!分かった。これは私服なんだね。でもダメじゃないか、勤務中は制服着用の義務があったはずだよ。

 

「暁なんだよね」

 

「暁だよ。ボーっとしてどうした、移動で疲れたか?着任の挨拶したら休めるようにしてやるからちょっと我慢しろよ」

 

いくぞって言って歩き出しちゃった、追いつかないと。私じゃなくて俺って言ってたけど本当にこれが暁なのかい?サプライズでドッキリとかじゃないよね。

 

「そんなに俯いて具合悪いのか、本当に大丈夫か?」

 

「ねぇ暁、制服はどうしたんだい?」

 

「ん?これが俺の制服だぞ」

 

「違う、第六駆逐隊は皆、セーラー服のはずだよ」

 

「そう言われても建造された時からこの格好だったしな」

 

どういうことだい?鹿屋も任務であった佐伯湾の暁もセーラー服を着ていたはずなのに。

 

「服が違うから驚いてたのか?まぁ、気にするな。他所は他所、家は家だ」

 

気にするに決まってるじゃないか!不死鳥もビックリだよ。

 

「入るぞー」

 

えっ!ちょっと待って何で元帥の執務室のドア蹴り開けてるの?本当に何なのこの人?暁の皮を被った何かじゃないの?

 

「君が響か、ようこそ横須賀鎮守府へ、これからよろしく頼むぞ」

 

普通だ。元帥は普通だ。でも、ドアの蹴り開けは注意しないんだ。

 

「響は調子が悪いみたいだから、今日は休ませてやってくれないか?旅行は明日、雷や電が来た時に一緒にやるから」

 

「構わないぞ、そんなに急ぐ事でもないしな、吹雪、予定の調整頼む」

 

「分かりました。佐世保からは遠いですからね、疲れがでてるんでしょう」

 

「俺は部屋の準備をしてこよう。吹雪案内を頼む」

 

暁が部屋をでて行ったのを確認するとため息が出た。吹雪を見ると佐世保にいる吹雪と変わらない。何で暁だけ違うんだ?

 

「少し質問をいいだろうか?」

 

「なんだい?」

 

軽いな元帥。佐世保の提督とは大違いだ。

 

「暁は、本当に暁なのかい?私の知っている暁とは全然違うんだが」

 

「そのことか・・・・・・」

 

「そうですねぇ・・・・・・」

 

二人とも苦笑いを浮かべ言葉を濁している。何だろう聞いてはいけない事なのだろうか?

 

「暁は建造した時からあんな感じだったよ。響は妖精さんの乱は知っているかな」

 

「佐世保の新人研修で勉強したよ」

 

「あれって、主導したの暁なんだよね。僕が知ったのは終わったあとだったけど・・・・・・」

 

妖精さんの乱。待遇改善を求めたストライキ。これにより日本中が大混乱に陥った。建造・開発のストップはもちろん、艦娘は単独で装備を動かすことは出来ない。装備妖精がいて始めて動かせる。艦娘も海に出ることが出来なくなった事件。これにより『艦娘・妖精保護法』が制定された。それを主導した?意味が分からない。

 

「暁を建造してそんなにたってない時期だったんだけど、家は普通に出来てたからねぇ、その時は吹雪と暁しかいなかったけど」

 

「そうですね。資材の流通がストップしてたから暁さんの座学してましたね」

 

「それで問題は、第二次妖精さんの乱の方だね」

 

第二次妖精さんの乱。確か、艦娘の給料の着服とかのブラック基地が増え妖精さんが実力行使にでて多くの提督や憲兵が処された事件だったはず。

 

「そのせいで大本営が横須賀に移動する事になって僕もここに移動して元帥なんて立場になっちゃったんだけど、大本営潰したのは暁なんだよね」

 

「はぁ?」

 

「あの時は後始末が大変でしたね」

 

元帥と吹雪が遠い目をしてる。何してんの暁?大本営潰すって馬鹿なの?

 

「ちょっと行ってくるって言って大本営潰すなんて思わないよねぇ・・・・・・」

 

何その近所に買い物に行ってくるノリ。そんなんで潰されたの大本営!

 

「海軍内の情報統制で妖精さん達がやったことにしたけど、これで暁を表に出せなくなっちゃったんだけどね」

 

「罰を受けなかったのかい?」

 

「罰も何も初めから暁はそこにいなかったことになってるから、まぁ、今後のことを考えたら単艦でしかも駆逐艦がその時の最高戦力揃えた大本営襲撃を成功させるんだから解体とか出来ないよね」

 

ぶっ飛んでるとしか言いようがないよ。元帥も頭のネジ外れてるんじゃないの?そんな危険な艦娘を側においてるなんてどういう神経してるんだ?

 

「少し変わってるけど、暁は優しいんだよ。守る対象が人間ではなく艦娘や妖精に向いてるけど、悪いことをしたらちゃんと叱るしね。だから、もう少し僕にも優しくしてくれると有難いけどね」

 

「元帥はもう手遅れじゃないですか?」

 

「そうなの!」

 

暁のことは変わってる姉と思えばいいのかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。