郡徹は転生者である   作:シンマドー

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 FGOのデータが消え、最初から始めた自分です。マーリン消えたのは正直辛いと思った。

 誤字やら駄文やら脱字などがあると思いますが、本編をどうぞ

 


第九話   遠征、そして警告

 デートの日から数日が経った。

 その数日間、侵攻が数回起き、後の『丸亀城の戦い』と呼ばれるバーテックスの大規模侵攻も来たが、若葉の件の解決、イレギュラーの自分がいた事で無事、完全勝利を収めた。

 

 

 

 

 そして今日、自分たち勇者六人、巫女のひなたは、瀬戸大橋記念公園に立っていた。

 これから自分たちは、結界の外へ調査遠征に出かけることになった。

 ひなたからの神託で、しばらくは侵攻が来ないこと分かり結果、遠征に行くことになった。

 多分バーテックスの大規模侵攻で、敵側は大幅な戦力を使い、それが原因でしばらくは襲撃は来ないだろうと推測できる。

 今回の遠征の目的は、生存者がいる可能性の高い北方を目指す。

 そして移動手段はバーテックスがいる為、徒歩のみだ。

 

「さて、誰がひなたを背負うんだ?」

 

 ここで問題だ。さっき自分が言ったとおり、勇者たちは問題ないが、普通の人間の身体能力と変わらないひなたを勇者たちの中の誰かが背負って移動しなければ行けなかった。

 

「すみません、皆さん」

 

「気にすることないよ、いつもヒナちゃんには、私たちができない巫女のお仕事をやってもらってるんだから!」

 

 ひなたは申し訳なさそうに言い、それに友奈が明るく答えた。

 

「ありがとうございます、友奈さん」

 

 友奈の言葉に、ひなたは微笑んで礼をいう。

 

「それじゃ、最初は誰が二人を背負ってくか、ジャンケンで決め――」

 

 球子が言い終わる前に、若葉がスッとひなたをお姫様だっこした。

 

「では、行くか」

 

「「「「………」」」」

 

「まあ、そうなるわな」

 

 若葉のごく自然にお姫様だっこすることに、自分以外のみんなは一瞬呆気に取られていた。

 

「当然かのようにお姫様だっこするなんて……」

 

「なんか、見てるこっちが照れるっ!」

 

「………」

 

「千景、なぜそこで俺を見るんだ……」

 

「……別に……」

 

 杏と球子は頬を赤らめていて、千景は自分の方を向いて、いかにもやって欲しそうな目をしていた。

 

「……?何かおかしいか?」

 

「…まあ、若葉がおかしいと思わなければ、それでいいよ…」

 

「お姫様と王子様みたいだね!」

 

 若葉の反応に、自分は少し呆れた表情をし、友奈は感心したように目を輝かせていた。

 これにはひなたも、照れたような笑みを浮かべ、若葉はいまだにきょとんとしている。

 

「じゃあ、若葉ちゃんの荷物は私たちで持つね!」

 

「そうだなっ!」

 

「よーし! それじゃあ勇者、しゅっぱ~つ!」

 

 若葉の荷物を他の勇者たちで分担したあと、友奈の掛け声を合図に、自分たちは跳躍をし、瀬戸大橋を通って本州へと向かった。

 

 

 

 結界の外はまるで世界の終わりだった。

 建物はほとんど破壊されていて、ここにはもう、生存者が居ないのが当たり前だと分かってしまう。

 バーテックスに破壊尽くされたこの世界は、空気が以前よりも綺麗としか思えなかった。

 

 

 

 そうしている内に、神戸に着いた。

 自分たちはかろうじて形を残しているビルの屋上に降り立った。

 そこから神戸の全景を一望するが、ここも同様、破壊尽くされていた。

 

「「「「「「「グーとパーで別れましょ! ほい!」」」」」」」

 

 時間を短縮するため、二手に分かれて探索することになり、グーパージャンケンでグループ分けをした。

 結果、自分、千景、ひなた、若葉。そしてもう一方は、友奈、球子、杏というグループ分けになった。

 こうして、三時間後に神戸港のフェリー乗り場近くに集合することに決め、それぞれ別方向に向かった。

 

 

 

 廃墟と化した街並みを歩きながら、生存者の気配を探す。

 崩れた建物の瓦礫や横転した車が各所で道を塞ぎ歩き回るのも困難だった。

 どれほど多くの命が、ここで失われたのだろうか。

 

「(考えたくもねえな……)」

 

 人の命は無限ではない、いつか終わってしまう。

 自ら命を終わらせる人もいる。

 だが今は違う、今は奴らが命を勝手に消していく。

 奴ら、バーテックスに消されてしまう。

 最悪な最後を奴らに与えられてしまう。

 

「(くそっ!今はそんな考えは捨てろ!)」

 

 自分は深呼吸をして、気を取り直した。

 

「生き残ってる人は、いないのでしょうか……」

 

 ひなたがポツリとつぶやく。

 

「ここも全滅したのよ……きっと……」

 

 千景の口調にはやるせなさと怒りが滲んでいた。

 

「まだそうと決まったわけじゃない。どこかに避難した人がいる可能性だってある」

 

 そんな中、若葉だけは、まだ生存者がいる可能性を捨てていなかった。

 自分もまだ人が生きている可能性があると信じていたかったが、実際にこの光景を見てしまえば、そんな希望、雀の涙ほどしか無いと思えてしまう。

 

「(それでも…その希望を信じるしかないんだ……)」

 

 そう思い、自分は生存者を探し続けた。

 

 

 

 あれから三時間後、自分たちは待ち合わせの場所で他の三人と合流した。

 結局、生存者を見つけることができず、他の三人のほうも見つけることはできなかった。

 

 

 

 日は落ち、あたりが暗くなってきた頃、球子の提案で、自分たちは六甲山近くのキャンプ場跡でキャンプをすることになった。

 球子の活躍もあり、テントを張ることや焚き火を起こすのが早く出来た。

 そして、夕飯も食べ終わり、自分以外のみんなは川で汗を流しに行った。ちなみに自分はバーテックスが奇襲してくる可能性があるため、川の近くにある寄りかかれる岩に寄りかかり、川に背を向けて見張る見張り役を受けた。

 

「ううっ、冷たいっ! これが夏だったら、もっと楽しいのになぁ……こう、水のかけ合いとかしてさっ!」

 

「うわっ! 何するの、タマちゃん!」

 

「友奈も水、かけてこい! せめて気分だけでも、夏のキャンプ気分を味わうんだ!」

 

「よーし、わかった! だったら容赦しないよ!」

 

 見えていないが、水のバシャバシャっとする音から球子と友奈が水のかけ合いをしていることが分かる。

 

「冷たい水に浸かる時は、ジッとしているべきだ……動けば、体温を余計に持っていかれる」

 

「ええ、まったくですね……」

 

「冷水の中で動き回るなんて、銃撃戦の中に自ら飛び込んでいくようなもの――」

 

「うりゃああっ!」

 

「ひゃあああ!」

 

 さっきよりも大きい水の音と杏の悲鳴から、球子が思いっきり水をかけたんだろう。

 

「むむっ、不意打ちは卑怯ですよ、球子さん!」

 

「うるさーいっ!どうせ動いてもジッとしてても冷たいんだっ!だったら、お前らも遊べーっ!」

 

「そうそう! みんなも一緒に楽しもうよ!」

 

「くっ、ならば私も容赦しないぞ!」

 

「……えい」

 

「きゃ!やったなーぐんちゃん、それー!」

 

 みんなの楽しんでいる声が聞こえる。

 その声を聞いた自分は思ってしまった。

 

「(俺はたどり着くことが出来るのか…?みんなが笑顔で、そして勇者が一人も死なない運命に変えれるのか…)」

 

 自分は不安に思っていることがあった。

 それは今までの自分の行動だった。

 自分はここまで、みんなが不幸になる所を回避してきた。そのこともあって諏訪の二人、そして人々を救うことができたのだ。

 しかし、そのせいなのか、最初のバーテックスの侵攻の時、記憶にないことが起きてしまった。

 自分は抑止力を受けずに運命を変えることができる。でも、抑止力が効かないせいで、自分の余計な行動で、最悪な運命に着いてしまうんじゃないかと不安になってしまう。

 

「(…暗い考えはよそう…大丈夫だ。記憶にないことが起きたら、それを自分が解決すればいいだけだ。例えそれが、自分が犠牲になろうとしてもだ)」

 

 そう思っていた時だった。

 

『みーつけた』

 

「っ!?誰だ!」

 

 急に後ろから声が聞こえ、自分は勢い良く後ろを振り返り、周囲を一心不乱に見る。

 その声は、少年のような声だったが、それを聞いた時、殺気のようなものを感じた。

 それはまるで、子供が新しいおもちゃを見つけ、それをどう壊そうか考えている感じだった。

 

「(なんだったんださっきのは…?)」

 

 後ろに振り返った時にはもう、それを感じるのはなくなっていた。

 自分は落ち着いて、正面に視線を戻した。

 

「(あっ)」

 

 正面を向いたとき、自分は気づいた。

 自分は見張り役を受け、みんなが川で遊んでいる中、自分はその川に背を向けて見張っていた。

 そして先程、後ろに向いてしまったため、視線を正面に戻した時、そこに見える光景は……

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

 みんなの全裸姿だった。

 しかも、見えてはいけない部分が見えてしまうというラッキースケベをリアルで体験した。

 

「(さて……せめて苦しまずに殺ってくれ……)」

 

 自分はもう色々と察していた。これから起きること、この天国のような光景が地獄に変わることを。

 そして……時が来た。

 

「「「「「「きゃあああああああああああ!!」」」」」」

 

 そこからはリンチの嵐だった。

 大鎌の背と刀の峰と旋刃盤の表面と手甲の本気の攻撃だった。

 自分は悲鳴をあげることもかなわず、その攻撃を受け、自分は意識を落とした。

 

 

 

「てっ、死んでしまうわ!!」

 

「ひいっ!」

 

 自分は目が覚め、上半身を起こして思いっきり叫んだ。

 だが、目覚めた場所は先程の所ではなく、ただ真っ白な空間に自分はいた。

 それにさっき、久しぶりに聞き覚えのある声が聞こえたような。

 自分はその声の主を見た。そこに居たのは……

 

「え、えーと、久しぶりですね徹さん」

 

 自分をこの世界に送り出した張本人の姫神がいた。

 自分がいきなり叫んだことが原因なのか少し震えていた。

 

「久しぶり、って言いたいとこだが姫神、どうして俺がここにいるのか聞いてもいいかな?」

 

 自分はそう言うと、姫神は姫神は一旦落ち着いて、笑顔で答えた。

 

「えーとですね、徹さんに伝いたいことがありまして、徹さんが寝ているときに伝えようと思ったら、なにがあったかは知りませんが、徹さんが気絶していたので体は置いて魂だけここによんだのです」

 

「なるほど」

 

 なんか魂だけここによんだとか物騒なことを言ってるけどそれは別にいい、ただ姫神にあの光景が見えてなくて本当によかったと思っている。

 

「で、伝いたいことってなんだよ?」

 

 とりあえず、早く戻ってみんなに謝なければいけないため、本題に移した。

 

「そうですね、こっちもあまり時間がないんで手短に伝えます」

 

 そう言い、先程まで笑顔だった姫神の顔が真剣になった。

 自分もあの姫神の真剣な顔から、何か重要なことが伝えられると思い、耳を澄ます。

 

「徹さん、これは警告です。明日の大阪で、彼に出会ったら絶対に逃げてください。彼はバーテックス側の転生者であり、徹さんと同じ、抑止力の影響を受けずに運命を変える力を持っています」

 

 その言葉はあまりにも衝撃的だった。

 

 




 次回、大阪に行った徹たちに待ち受けるものとは?
 次回のおたのしみに。

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