郡徹は転生者である   作:シンマドー

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投稿が遅くなり、申し訳ございません
色々と事情があって遅くなってしまいました。

駄文やら誤字脱字があると思いますが本編をどうぞ


第十話   天の神からの転生者

「俺と同じ力を持っているか……だがなぜ逃げなければ行けない?敵側だとしても話し合いは――」

 

「出来ません」

 

 言い切る前に姫神に断言されてしまった。

 

「徹さん、言っておくと敵側の転生者は私がやったわけではなく、人類の敵、天の神がやりました。なので、敵側の転生者が味方に寝返ることはまずないと思ってください」

 

「なるほど…」

 

 天の神に転生された転生者が寝返ることはないのか…変なことでも吹き込まれたか、洗脳の可能性があるな。

 

「…徹さん、その転生者は天の神に力と情報を貰っただけで、あなたの考えている、洗脳や変なことを吹き込まれたというのはないんです」

 

 自分が言う前に姫神から答えが帰ってきた。

 

「まじかよ……じゃあその転生者はここに転生する前からやベー奴ってことか」

 

「はい、その転生者は平然と人を殺す殺人鬼です」

 

「殺人鬼って……いや…まさかな……」

 

「どうしました?徹さん?」

 

 自分は川の出来事を思い出した。

 突然と後ろから聞こえた少年の声、それと同時に来た殺気、それからわかることは……

 

「なあ、姫神…その殺人鬼ってまさか――」

 

「っ!すいません徹さん、もう時間ないようです。これ以上ここに居続けると、天の神に気づかれてしまいますので」

 

 そう言って、少し焦っている姫神はあの時と同じように自分の方に手をかざした。

 殺人鬼の件は実際に見ればいいとして、それよりも今まで気になっていたことを言わなければ。

 

「姫神!最後に聞きたいんだが、この剣は一体何なんだ!?」

 

 少しずつ意識が遠くなっていく中、自分は剣を召喚し、姫神に見せた。

 

「ごめんなさい!徹さん!その剣は色々と複雑で、今は説明する時間はありません!多分、そちらの世界の本に載っていると思いますので!自力で見つけてください!」

 

「はあ!?ちょ……待て……よ…」

 

 姫神のまさかの人任せの返答に少し怒ろうかと思ったが、先程よりも意識が遠くなり、自分は意識を落とした。

 

 

 

「………」

 

 姫神は意識を落とした徹の魂が帰る所を最後まで見届けていた。

 

「(言えなかった…真実を…私が原因なのに、言うのが怖くて言えなかった…)」

 

 姫神の目には涙が浮かんでいた。

 いつか言わなければいけない時が来るのに、恐怖でそれを言うのができなかった。

 

「(徹さんはまだ彼と対等に戦える力を持っていない…でも、いつか徹さんの力は無意識に進化する。今はそれを信じるしかない)」

 

 姫神は涙を拭い、祈るように手を合せ目を閉じ、口を開く。

 

「徹さん、あなたはこの先、多くの苦しみを味わい、そして地獄を見ると思います。それでもあなたは進み続けるでしょう。何度も世界をやり直し、人々の希望を集め、その希望をあなたに全て託しました。それもこれも全て――」

 

 姫神は祈りを止め、視線を正面に戻し目を開ける、そして…

 

「私が犯してしまった罪なのだから」

 

 姫神は呟くように言った。

 

 

 

 翌日の朝、自分はテントの中で目覚めた。

 外からはみんなの声が聞こえる。

 

「(誰かがここに運んでくれたのか…とりあえず外に出てみんなに謝るか…)」

 

 自分は意を決してテントから出た。

 テントから出ると、みんなは朝食の準備をしていた。

 とりあえず自分は誰かが言う前よりも早く、土下座をした。

 何度も何度もした結果、何とか許してもらえた。

 その代わり、みんなからの距離が少し遠くなったけど。

 

「(……大丈夫だ。自分の心は硝子ではなく鉄で出来ている…だから大丈夫だ…)」

 

 その時に食べた朝食の味はしょっぱかった。

 

 

 

 朝食が終わった自分たちは片付けをし、荷物をまとめ、梅田に向かった。

 梅田に着いた自分たちは話し合い、結果、梅田駅と大阪駅の地下街を探索することになった。

 そこからは記憶通りだった。駅の階段には、破壊されたバリケードがあり、そこから暗く荒れた地下街を、懐中電灯を点けながら進んで行った。

 

「誰かいないかーーーーーッ!?」

 

 通路を歩きながら若葉が何度も呼び掛けるが、自分たちの声と足音以外、何も聞こえなかった。

 

「人がいた痕跡はあるのですけどね……」

 

 ひなたの言ったとおりゴミ箱が倒れ散乱していた。その中から生活ゴミが見える。

 

 

 

 そして歩き続けると、円形の広場に辿り着いた。

 中央に、水を吹き出していない噴水設備がある。

 

「な……なんだよ、これっ!?」

 

 球子が声をあげる。その先に見える光景は最悪としか言い表せなかった。

 白い塊、率直に言うと人骨が山のように積まれていた。

 大量の死体がここに積まれ、そして白骨化した。

 

 杏が悲鳴を上げた。

 ひなたも力が抜けたのかその場に座り込んでしまった。

 他のみんなも、呆然と立ち尽くしてしまっている。

 

「……ひどい……地上は、ボロボロになって、地下も、こんな……」

 

 千景はこの光景に恐怖し、声が震えていた。

 

「(精神的にくるな、この光景は……)」

 

 そう思っていたその時だった。

 

「誰っ?」

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

 奥の暗い通路から一人の少年が出てきた。

 その少年は自分たちと同じ中学生ぐらいの体格で、声からは自分たちを警戒している様子が感じ取れる。

 

「大丈夫だ。私たちは助けに来たんだ。安心してくれ」

 

 若葉は少年を落ち着かせるように言葉をかけ、一歩ずつ近づいて行く。

 少年は若葉の言葉を聞いて安心しているのか逃げずに立ち止まっていた。

 

「…………」

 

 他のみんなは動かず見守っていく中、自分だけはあの時の姫神の警告を思い出し、胸騒ぎしていた。

 

「(運良くあの少年だけが生き残った可能性があるが、なぜだろう、嫌な予感がする…)」

 

 自分はすぐに若葉の所に行けるように足を一点集中して身体強化する。

 

「この手を取れ、君を安全な所に連れて行く」

 

 そうしているうちに若葉と少年の距離は近くなり、少年に手を取らせようと若葉が手を差し伸べた。

 

「いや、別に連れていかなくてもいいよ、『勇者』さん」

 

「っ!若葉!そいつから離れろ!」

 

 その少年の声を聞いたとき、予感は確信に変わった。

 少年が若葉になにかする前よりも早く、足場を思いっきり蹴り少年の所に一瞬で向かった。

 そして…

 

「離れろ!」

 

 足場を蹴った反動を使って、思いっきり少年の顔面に拳を叩き込んだ。

 拳を叩き込まれた少年は抵抗出来るはずもなく吹っ飛ばされ、暗い通路の中に消え、大きな衝突音が暗い通路から聞こえた。

 

「なっ!徹、何を!?」

 

「とおさん!?」

 

「なにやってんだ徹!?」

 

「徹さん!?」

 

「兄さん!?」

 

「徹さん…なんで…」

 

 みんなは突然の自分の行動に驚き、それぞれの反応が来た。

 もっといい方法があったと思うが、咄嗟に出たのがこれだった。

 

「みんな、後で説明するから今は――」

 

「もーひどいなー、急に殴ってこないでよ、おかげで殺しそこねたじゃないか」

 

 そう言い切る前に、先程吹っ飛ばした少年が無傷で暗闇から出てきた。

 

「ちっ!流石にこれで倒せるわけないもんな」

 

 無傷だったことに自分は舌打ちをする。そしてみんなからの反応はと言うと。

 

「「「「「「………」」」」」」

 

 みんな信じられない光景に呆然としていた。

 そりゃ、生身の人間に耐えられないレベルのパンチを食らって無傷なのは驚きもんだよな。

 

「まーまー、まずは自己紹介でもしようかな、僕の名前は新崎亜門(しんざきあもん)、天の神様から使命を請け負った転生者さ」

 

 新崎は口角を吊り上げ、自分たちに自己紹介をした。

 

「新崎と言ったか、私には何を言っているのかさっぱり理解できないが、これだけは言える。貴様、ほんとに人間なのか?」

 

 若葉は新崎に質問した。若葉の目からは、少し警戒していることが感じ取れた。

 

「うん、僕はちゃんとした人間だよ。僕は天の神様から力を貰っていてね、そのおかげで体が頑丈なのさ」

 

「…そう…なのか…」

 

 新崎の返答に若葉は困惑を隠せないようだ。

 

「そろそろいいかなあ、僕は彼に用があるんだ。ねえ、徹くん」

 

「あんたにその名前で言われたくないな」

 

 なんで名前を知っているのかわからないが、多分、みんなの会話を聞いて知ったんだろう。

 

「そう?…まあいいや、徹くん、とりあえず――」

 

 新崎がそういった時、突然自分に、あの時川で感じた殺気を感じた。

 

「(まずい!)」

 

 自分は咄嗟によけようとするが、そうする前よりも早く新崎は自分の所に一瞬で来た。

 そして、自分は何もできないまま…

 

「ぐはっ!」

 

 蹴りをもろに喰らい打ち上げられた、そのまま勢いは止まらず天井を突き抜け、地上に飛ばされた。

 体制を立て直そうとするも、気づいた時には新崎は自分の上を取っていた。

 

「――君の力、見せてもらおうか、イレギュラー」

 

 新崎はそう言い、そのまま蹴りをくらわせた。

 

「ぐっ!」

 

 自分はそれをガードするも、空中にいたため勢いを殺せず、自分はそのまま地面に激突した。

 

 




次回、転生者同士の戦いですかね(勝ち目ないけど)

次回の投稿も遅くなってしまいますが、気長に待っていてください。

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