郡徹は転生者である   作:シンマドー

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 やっと完成した…
 文才が無いとここまで辛いなんて。
 では、本編どうぞ


第十五話   力の対価

 

 あの時の徹さんの笑顔に少し違和感があったのは間違いではなかった。

 でも、その時の私は気付くことができなかった。

 …いえ、あの時言っても徹さんは嘘をつくでしょう。

 それでも聞いておけばよかった。

 あの対価は、あまりにも理不尽すぎるのだから。

 

 

 

 

 

 

「(一体…何が起きたんだ?)」

 

 自分は今の状態に混乱していた。

 なぜあの時自然に右腕が出たのかを、そして、なぜ自分は球子の持つ旋刃盤を召喚出来たのかを。

 

「徹!」

 

「うおっ!?」

 

 球子の声で自分は我に帰ったと同時に、サソリ型の攻撃がまたきた。

 それを旋刃盤でなんとか防ぐ。

 

「ちっ、お返しだ!」

 

 旋刃盤で尾針を上に飛ばす。

 

「(まずはあの針を何とかしないと)」

 

 あの針を壊すには十分な破壊力のある武器が必要だ。

 自分は旋刃盤を消して拳を構える、すると両腕にまた光が纏わる。

 

「ハアァッ!」

 

 自分は尾針に拳を叩きつけた。

 叩きつけられた尾針は、鈍い金属音を鳴らし、拳を叩き込んだ所を中心にヒビが入り、次第にヒビは広がり始め、そして壊れた。

 それと同時に、両腕にまとわりついた光は無くなり、武器が姿を表した。

 

「今度は友奈さんの手甲を!?」

 

「あの数秒で今度は友奈の武器を…一体徹に何が起こっているのか、タマにはもう分からないぞ」

 

 球子と杏が驚きの反応を見せる。

 それもそうだろう、旋刃盤で尾針を上に飛ばし、流れるように旋刃盤を消して手甲を召喚して尾針に叩き込んで壊したのだから。

 それに…

 

「(なんか自然の流れで友奈の手甲を召喚して壊しちゃったよ、しかも一撃で!?)」

 

 自分も混乱しているのだから。

 まさか尾針を壊したいと思ったと同時に、体が勝手に旋刃盤を消して拳を構えるし。しかも構えたら両腕に光が纏わるし、勢い任せに声を出しながら拳を尾針に叩き込んだら、一撃で尾針が壊れてしまうのだから。

 

「(ああくそっ!もうなるようになりやがれ!)」

 

 そう自分は思い、サソリ型の本体めがげて飛んだ。

 サソリ型はまだ尾針を再生している途中なため無謀みな状態だ。

 

「(このチャンスを逃すわけには行かない!)」

 

 そして、サソリ型に拳を叩き込もうと落下の勢いを使い、距離を縮めようとする。

 しかし…

 

「うおっ!?」

 

 サソリ型は尾針を使わず、尻尾で凪ぎ払った。

 自分はそれを防ぐが、場所が空中だったため踏ん張ることもできずそのまま勢いで遠くに飛ばされる。

 そしてそれを追撃するようにバーテックスが数体突撃してきた。

 

「(くそがっ!このまま手甲で一匹ずつ倒していたらサソリ型の再生が終わっちまう!…だったら)」

 

 自分は地面に足がつくと、身体強化で足を重点的に強化し、思いっきり地面を蹴り、突っ込んでくるバーテックスの方に跳躍した。

 そして手甲を消して次の武器をイメージする。

 

「(イメージするんだ。素早く倒せる武器を…)」

 

 すると光が集まり、一瞬で刀を作った。

 自分は鞘をつかみ、流れるように居合の構えをとった。

 

「(なぜだろう…分かってしまう、初めて体験しているのに、俺の体だけが、慣れているように勝手に反応している)」

 

 そう思っていると、バーテックスとぶつかる寸前まで来ていた。

 

「来いっ!『源義経』!」

 

 そう口に出した瞬間、体の全身から力が湧く感覚がした。

 それと同時に刃を鞘走りさせた。

 速度を維持したまま、ひと振りひと振りが神速の速さで、自分に来るバーテックスを斬った。

 

「(後はサソリ型だけだ!)」

 

 視線をサソリ型に戻す。だがサソリ型の方も再生が終わっていたようで、迎え撃つように尾針を構えていた。

 

「(あれを防いでも最悪、重傷レベルだな…遠距離武器は出るのか?)」

 

 そう思った自分は、刀を消して、遠距離武器のイメージをする。

 するとまた光が集まり、今度はクロスボウになった。

 自分はクロスボウを取ると、すぐにサソリ型に向けて乱射した。

 乱射された矢は、サソリ型には効かないものの、少しでも標準はずらせただろう。

 

「(この一撃に全てを!)」

 

 武器をクロスボウから手甲に変える。

 破壊力のある手甲にこの速度だ。これを受けたらサソリ型でも一撃で倒せる。

 

「終わりだああぁぁあああ!!」

 

 自分は叫びながら全力の拳を振るう、それと同時にサソリ型も尾針を突き飛ばす。

 ふたつの攻撃は交差する。

 自分はサソリ型の正面部を破壊し、サソリ型は自分の肩をかすめた。

 

「(よし、やったか!?)」

 

 そう思い振り返ると、サソリ型の正面部が自分の攻撃によってデカイ空洞を作っていた。

 しかし……

 

「(な、嘘だろ!?)」

 

 まだサソリ型は終わっていなかった。最後の力を使って自分も道連れにするきだろう、自分の方に向けて尾針を突き飛ばそうとしていた。

 

「(早く防御を――ッ!?)」

 

 防御をしようと体を動かそうとするが、体が全く動こうとしなかった。多分肩にかすめたときにサソリ型の毒をもらったのだろう。

 

「(ここまでか……)」

 

 そう思い、目を閉じた時だった。

 

「勇者パーーーーンチッ!!」

 

 上空から声が聞こえると、何かが地面に激突して、強い衝撃から風が発生する。

 自分は抵抗出来ぬまま風に飛ばされ、地面と体が強くぶつかった。

 

「たく、一体なにが起きたんだよ」

 

 そう言って目を開くと、尾針を向けていたはずのサソリ型は無惨にも破壊されており、その中心には、友奈が立っていた。

 

「とおさん!大丈夫!?」

 

 友奈が、動けない自分の所来て心配そうな顔で聞いてきた。

 

「ああ、大丈夫だ。ちょっと毒をもらったがな」

 

 自分は大丈夫と返す。

 だが、自分は今の友奈の姿に一つ、疑問点があった。

 

「…なあ友奈」

 

「ん?どうしたの、とおさん?」

 

「友奈の頭に生えている角とその巨大な手甲は一体なんだ?」

 

 そう、今の友奈の姿には、あまりにも友奈の体には合わない手甲と鬼のような角が二本、頭に生えていたのだった。

 

「えっとね…『酒呑童子』って言う精霊を宿したらこの姿になっちゃって…」

 

「(結局、その力を使うことになるのか…俺の実力不足だな)」

 

 自分は溜息をついた。

 あの時ちゃんと一撃で倒せれば、友奈は『酒呑童子』を使わずに済んだだろう。

 

「(もう過ぎてしまったことは仕方ない、部屋に戻ったら対策でもねるか)」

 

 内心そう思っていると、ちょうど戦いが終わったのか樹海化が解け、元の風景に戻った。

 戻ったと同時に毒も抜けたので、体が自由に動けるようになった。

 今回の戦いで、友奈の精霊『酒呑童子』を使わせてしまった。でもその代わり、球子と杏が生存することが出来た。

 大きな結果を出せた自分は嬉しい余韻に浸っていた。

 …まあ、それはすぐになくなったけど。

 

「さて徹、聞かせてもらおうか」

 

 現在、自分は久しぶりの若葉の尋問を受けていた。

 

「え、えっと…今回に関しては俺も知らなかったんだ。うん、仕方のないことだ」

 

「ほーう、球子と杏から聞いた話だと、知らない割には余りにも動きが良すぎると聞いたが…本当に知らなかったのか」

 

 あ、やばい、あれ絶対怒ってる奴だ。嘘ついたら絶対やばいやつやられるに違いない。

 正座しているから顔が見えないのがせめてもの救いだな。

 でも、今回の事に関しては本当に自分にもわからないのだ。

 

「だから俺は本当に知らないんだって」

 

 そう言い、顔を上げた時だった。

 

「(球子と杏、それに友奈になんで黒いモヤ(・・・・)がかかっているんだ…?)」

 

 自分は目を疑った。

 なぜなら自分の映る視界には、球子と杏、友奈だけが黒いモヤにかかっていたのだ。

 その黒いモヤを見ていると、突然三つの黒いモヤは動き出し、一箇所に集まってひとつになった。

 

「――――」

 

 若葉が何か言っているが、何を言っているのか聞こえなかった。

 

「(あれ?そういえば、今回の戦闘で切り札を使ったのは、球子と杏、友奈だったな…まさか、あの黒いモヤは!)」

 

 自分が気づいたときにはもう遅かった。

 その黒いモヤは、自分の体の中に入っていった。

 入った瞬間、ひどい目眩と頭痛に襲われた。

 

「(たくっ…そういうことか、新しい武器が使えるが、その対価が、()()()()()()()()()()()()()()()()()ってことか)」

 

 みんなが心配そうな顔で声をかけているが、自分の耳には届かず、そのまま自分は意識を失って倒れた。

 

 




 次回、入院期間中暇だから諏訪で手に入れた本を読む

 はあー、ここまで期間が空くとやばいな。
 資格勉強やらで遅くなると思いますが、できる限りペースアップしますので次回をおたのしみに

 感想お待ちしております



 安芸真鈴をどう球子と杏に合わせるか考えなくては…
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