郡徹は転生者である   作:シンマドー

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 遅れてしまってすいません。
 勉強が忙しいため、書く時間があまりなく。
 勉強が落ち着くまでは、六日間投稿でやっていきます。




第十七話   当たり前の日常

 

 あれから翌日、自分は退院することができた。

 医者は、自分の左目の視力を失ったことを気にしていたが、魔力で強制的に視力を一時的回復して誤魔化しておいた。

 

「徹さん、昨日の古文書の解読が終わりました」

 

「いくらなんでも早いと思うんだが、杏」

 

 そして今日教室で、杏から昨日の古文書の解読の報告が来た。

 

「それがですね、学校の教科書に古文について書かれている所があったじゃないですか、それを参考にやったら案外簡単にできまして」

 

「あー、なんか先のページにあったな、でもあれ最低限のことしか書かれてないような…まあいいや、それで解読したのをまとめたやつは?」

 

「ここに」

 

 そう言い杏は折りたたまれた一枚の紙を見せつけた。

 

「ああ、ありがと――「その前に」」

 

 紙を取ろうとしたらなぜかよけられた。

 

「別に渡してもいいですが、徹さんに一つ聞きたいことがありまして」

 

「ん?なんだ聞きたいことって?」

 

「昨日の病室でのことですよ、私が帰ったあと、タマっち先輩となにかありましたか?」

 

「なにがあったと聞かれてもなあ……ただ雑談してただけだよ」

 

「なにを言っているんですか徹さん!タマっち先輩は今教室にはいないんですよ。嘘なんてつかずに正直にいってください!」

 

 興味津々な杏に自分は少し恐怖を覚えた。

 

「ほんとにたいした話じゃないんだが…そんなに気になる?」

 

「当たり前じゃないですか!だって今日の朝の出来事を見たら気になるに決まってるじゃないですか!」

 

「朝の出来事って…」

 

 自分は朝なにがあったか思い出してみた。

 

 

 

 それは朝の教室での出来事だ。

 

「よお、おはようみんな」

 

 その時自分は教室にいるみんなにあいさつをしていた。

 

「いくらなんでも退院が早いのではないか?」

 

「まあ、あんま重傷ってほどじゃないからな、早めに退院したんだよ、若葉」

 

「それでも今日の学校は休んでもいいのでは?」

 

「そうだよ!それにぐんちゃんもこれには黙っていなかったでしょ?」

 

「ええ、私が何度も学校を休んだ方がいいって言っているのに兄さんは大丈夫って言って話を聞いてくれなくて…」

 

「みんな心配しすぎなんだよ。今までみんなに心配された場面があったか?」

 

「「「「前回の戦闘」」」」

 

「うっ」

 

 若葉とひなた、千景、友奈が口を揃えて言った。

 

「おはようごさいますって、どうしたんですか徹さん?」

 

 そんな話をしていると、杏が入ってきた。

 

「おはよう杏。いやな、さっきまでみんなからの精神攻撃をくらっていたんだよ」

 

「全て徹の自業自得だかな」

 

「まあそうとも言うな……ところでいつも一緒に来ている球子の姿が見えないんだが」

 

「それがですね、タマっち先輩の部屋に向かおうとしたら、寝坊したから先に行っててと連絡が来まして、なのでそろそろくると思いますが」

 

 杏が言い終わると、廊下から走る音がだんだんとこちらに近づいてくるように大きくなり、そして足音が止むと同時に教室の引き戸が開いた。

 

「はぁ…はぁ…間に合った!」

 

 教室に入ってきたのは、息を切らした球子だった。

 

「珍しいな、球子が寝坊して遅れるとは」

 

「昨日色々とあってな、それが原因で寝坊したんだ」

 

 昨日色々って、見舞い以外に何かあったのか?

 

「たくっ、いつもらしくねえな、()()

 

「「「「「!?」」」」」

 

「ん?どうしたんだみんな?俺なんか変なことでも言ったか?」

 

 

 

 

 あっ、ここだ。

 完全に地雷踏んでる。

 どおりで杏以外のみんなは耳を傾けているわけだ。

 それにタマもみんなを見て何か察したようにどっか行くし。

 

「……あー」

 

「ふふふ、どうしたんですかそんな冷や汗をかいて、さあ私がわざと帰ったあのあと、なにがあったのか聞かせてもらいます!」

 

 だめだ。肝心なタマがいないから逃れられない。

 というか今聞き捨てられない言葉が聞こえたんだけど…

 

「…はあ、仕方ない。正直に話すよ」

 

「ふむ、では聞かせてもらおうか」

 

 なんでさっきまで離れて耳を傾けてたのに、当たり前のようにみんな近くにいるんだ。

 

 

 

 そして、みんなに病室であったことを正直に話した結果

 

「球子、あんまり一人で抱え込むなよ」

 

「若葉ちゃんの言う通り、みんな同じ考えなんですから」

 

「そうだよたまちゃん!ぐんちゃんもそうでしょ?」

 

「ええ、球子さん、あなたは間違っていないわ」

 

「タマっち先輩…そんな思いがあったなんて…うう…」

 

「教室に戻ったらなんでみんな、突然タマに優しくするんだ!?まさか徹、話したのかみんなに!?…徹?なんで合掌するんだ。おい徹?徹ー!?」

 

「許せ、タマよ」

 

 タマがみんなからのほめ殺しを受けている中、自分はただ合掌していた。

 

 

 

 

 そんなことがあり放課後、自分たちは教室に残っていた。

 なぜかというと…

 

 

 

「それでは、徹さんが遠征で私たちに黙って入手した本を発表します」

 

「待て杏…発表する前に徹、何か言うことは?」

 

「後悔が生まれたが反省はしていない」

 

「よし歯を食いしばれ徹」

 

 杏の古文書の解読した内容をみんなに発表するついでに説教が行われているからだ。

 ちなみにみんなは椅子に座っているが自分だけ正座している。

 

「まあまあ、落ち着いてください若葉ちゃん。そういうのは後にしてください」

 

「すまないひなた、今は古文書の発表が先だな。杏、本の発表を」

 

 今も後悔が生まれたよ。これが終わったら即逃げるとしよう。

 

「こほん…それでは解読した内容を発表します」

 

 そして、杏による発表が始まった。

 自分もよく聞こえるように耳を集中させる。

 

「今から千年前の話です。ここ日本にヤマトと呼ばれる大きな都があり、その都の王を守る二人の守護者がいたらしいのです。そしてその二人には、神の力が付与した聖剣を持っていました。一人は邪悪な心を打ち払う力を願えば、浄化の力を与えられる、浄化の剣を持ち。もう一人は、ただ戦う力を願えば、圧倒的力が与えられる、勝利の剣を持っていました。浄化の剣を持つ守護者は人々の穢れた心を浄化し、都の平穏を守り、勝利の剣を持つ守護者は数々の戦で、圧倒的力をふるいました」

 

 その時にバーテックスが来たら一体どうなるんだろうか…まあいま考えることじゃないけど。

 

「しかし、二人の持つ剣は次第に変わっていきました。数千万の民の穢れた心を浄化していくなか、浄化の剣は黒色に染まり。数々の戦を勝利していくと、勝利の剣は黄金の色に染まりました。そして、それと同時に二人に変化が訪れました。浄化の剣を持つ守護者は、次第に浄化していくにつれ人々の穢れた心を恐れ始め、ついには穢れた心を無くすため、民を殺し始めました。次に勝利の剣を持つ守護者は、戦をしていく内に、己の中に欲が生まれ始め、王になろうと守護者二人でヤマトに攻め込みました」

 

 ん?まさか自分が持つ黒い剣と、新崎が持つ黄金の剣って…

 

「そして、ヤマトの兵士たちと人々は、二人の守護者によってなにも抵抗できずに殺され、ヤマトの王も二人によって殺されてしまいました…これが、古文書に書かれていた内容です」

 

「「「「「「………」」」」」」

 

 杏の発表が終わると教室に静寂が訪れた。

 それもそうだろう、こんな胸糞悪い終わり方なんだ、誰も言葉が出ないだろう。

 

「すまんな杏、胸糞悪い内容を解読してもらって」

 

 とりあえず、こんな内容を解読してもらった杏に自分は謝罪した。

 

「別にいいですよ、私が勝手にやったことなんですから」

 

 杏は笑顔でそう言った。

 

「そうか」

 

「徹さん、この本返しますね」

 

「あ、ああ、分かった」

 

 杏はカバンから古文書を取り出して渡してくれた。

 その際――

 

「最後のページに徹さん宛の手紙が挟まっていましたよ、まだ私は読んでいないので安心してください」

 

 ボソッと自分に聞こえる声で杏は言ってきた。

 

「すまない」

 

 自分はボソッとお礼言った。

 早速寄宿舎に戻って読もうと思ったが、その前に――

 

「さて、覚悟は出来てるな徹」

 

「あっ、あはははは…」

 

「若葉さんの背中から鬼の顔が……」

 

 若葉が笑顔で言っているのに、その後ろから鬼の顔が見えてしまう。

 ああ、これ絶対ヤバイやつだ。

 

「死んでたまるか!」

 

「待て!徹!」

 

 自分は死にたくないので即座に立ち、逃げることにした。

 

 

 

 あれから数時間後、徹の悲鳴がみんなに聞こえたのは言うまでもなかった……

 

 

 

 




次回、あの人を登場させようかなー

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