ありがとうございます。今後とも頑張っていきますのでよろしくお願いします。
では、本編をどうぞ
そして翌日、タマと杏の怪我が落ち着いた頃、その日が来てしまった。
大社から、結界の外の瀬戸内海上で形成されつつある進化体バーテックスを討て、という任務を言い渡される日が。
六人は勇者システムを起動して変身し、結界の間近の瀬戸大橋の上に立った。
この結界の先に、進化体のバーテックスがいる、それも手強いのが。
「こういう任務って珍しいね。今までは四国に入ってきた敵を倒せってだけだったのに」
「そうだな。大社の方針が変わったのか……」
「何かあったんでしょうか…?」
「いいから倒して終わらせようか」
「……?兄さん、どうかしたの?」
「あ、ああすまん、大丈夫だ。少しぼーっとしちまった」
「徹、敵は目の前に居るんだぞ、集中しろ」
「すまん、若葉」
若葉の言うとおりだ。今回の敵は今までのバーテックスとは違う、集中しなければ死につながる。
集中しろ集中!
…たく、あの手紙を読んで以来、頭ん中でモヤモヤがずっと続いてる。
新崎、あんたは一体何者なんだ……
それから自分たちは覚悟を決めて、結界の外へ出た。
日常から非日常に変わった世界。
「あれは…?」
結界の外に出た瞬間、若葉が何かに気づき指を指す。自分たちは若葉が指した方向を見る。
指した方向には、サソリ型バーテックスのよりも巨大な、超巨大なバーテックスが形成されている――はずだった。
「おい嘘だろ。あんなのが来るなんて聞いてないぞ」
これが夢なら早く覚めて欲しいと思う。
そこにいたのは、太陽の円環の中心に人のような大きい顔がついた超巨大なバーテックスが完成された状態で浮いていた。
「でかい…それに…」
「人のような顔が付いていますね」
「…気味が悪いわね」
「倒せるのか…タマたちだけで…」
友奈と杏、千景、タマがそれぞれ言う。
「…なんにせよ、倒せばいいことだ。行くぞ!」
若葉の合図でみんなは動き出す。
自分はみんなよりも早く金弓箭を召喚し――
「来い、『雪女郎』!」
同時に杏の切り札『雪女郎』を宿らせ矢を射出する。
凝縮された雪を纏った矢は一直線に顔つきのバーテックスに向かっていく。
矢が、顔つきのバーテックスに当たる直前だった。
顔つきのバーテックスは口を開き――
「■■■■■■■■!!」
とてつもない咆哮を響かせながら巨大な火の玉を放ち矢とぶつかり合った。
「くっ!」
矢と火の玉がぶつかりそこから強い風圧と体が痺れるような音が襲いかかるが、なんとかくいしばった。
それらが収まり、どうなったか確認する。
「ちっ、やっぱ効いてないか」
結果は分かりきっていた。
射出された矢は火の玉によって相殺されていた。
「切り札が効いていないだと!?」
「嘘だろ……」
「切り札が効かないなんて……」
「一体、どうしたら……」
「諦めないで!みんなでやれば、なんとかなる!」
「友奈の言う通りだ!まだ諦める時じゃないぞ!」
「っ……そうだな、まだ諦める時じゃないな、みんな行くぞ!」
みんなそれぞれの切り札を発動し、精霊の力を身に宿らせ、顔つきのバーテックスに攻撃する。
しかし、どんなに攻撃しても微動だにせず、まるで脅威に感じていないように佇んでいた。
「こいつ、硬すぎるっ!」
タマが不満をこぼす。
…全員の武器が効かないとなると、こいつを使うしかないか。
「ここは退避した方が……」
「待て杏、まだ試していないことがある」
古文書を聞いて以来、これが浄化の剣かもしれないと思い、使い続けると何か不味いことが起こるかもしれないと言う不信感がわいたため、あまり使いたくなかった。
でも、もし自分の予想が当たっているなら試すしかない。
自分は黒い剣もとい浄化の剣(仮)を召喚した。
「黒い剣ですか…効くかどうかは分かりませんが賭けてみてもいいかもしれません」
「よし、援護は任せろ」
「ああ、頼むぜみんな!!」
「「「「「了解!」」」」」
自分は顔つきのバーテックスに向かう。
「■■■■■■!!」
すると顔つきのバーテックスが咆哮し、途端に全てのバーテックスが自分に集中し突進し始めた。
「行かせるか!」
「させません!」
タマの投擲した旋刃盤と杏の金弓箭の援護射撃で突進してくるバーテックスが次々と倒していく。
それでも多少のバーテックスが突っ込んでくるがそれを自分は回避しながら進んでいく。
「■■■■■■!!」
また顔つきのバーテックスの咆哮する。すると次は顔つきのバーテックスを守るように通常のバーテックスが囲み始めた。
「道を開けやがれ!」
金弓箭に切り替え通常のバーテックスを攻撃する。
しかし、倒してもまた次のバーテックスがその穴を埋める。
「とおさん!任せて!」
「道作りは任せろ」
「…兄さんの邪魔はさせない!」
友奈の重い拳の打ちつけ、若葉の神速の斬撃、七人御先によって七人に分身した千景の七の斬撃によって、顔つきのバーテックスへの道が開いた。
「行け、徹!」
「へいよっ!」
通常のバーテックスが穴を埋める前に跳躍で抜ける。
だが、そう簡単に倒されてくれないようだ。
「やべっ!」
通り向けた先には、巨大な火の玉を射出しようとする顔つきのバーテックスがいた。
自分は避けようとするも、跳躍した勢いがあるため避けるのは困難だ。
「■■■■■■■!!」
そして咆哮とともに放たれた。
自分が跳躍すると想定しての攻撃、間違いなく喰らうだろうと思っているのだろう。
…なら、これは想定の内かな!
「来い、『七人御先』!」
武器を大葉鎌に切り替え、千景の切り札『七人御先』を宿らせる。
この『七人御先』は、分身した七人を同時に倒さなければ倒せない。例え一人でも生き残ればそこからまた分身する。
そう、たった
だからーー
「「「「「「「こうするんだよ!」」」」」」」
七人に分身した内の六人が一人の自分を蹴りあげ、そして一人の自分が六人の蹴りを大葉鎌で防ぐ。その時にくる反動を使い、高く飛び上がり一人だけ巨大な火の玉から逃れる。
「喰らいやがれ!」
浄化の剣(仮)に切り替え、顔つきのバーテックスを斬る。
硬い表面が難なく斬れる、効果ありと分かったためそこから次々と斬撃を与える。
「うおぉぉおおお!!」
攻撃を緩めるな、奴に攻撃の機会を与えるな、斬り続けろ!
「終わりだあぁぁああ!!」
最後の斬撃を浴びさせる。
それを喰らった顔つきのバーテックス形を崩しながら倒れた。
「はぁ…はぁ…つ、疲れた…ん?」
そんなことを言っていると、突然浄化の剣(仮)が光り輝いた。
同時に顔つきのバーテックスから黒い煙のような何かが出てくる、それは光り輝く浄化の剣に入り、光り輝いていた浄化の剣(仮)は光を収めた。
「…ッ!?」
その瞬間、色々な感情が伝わった。
憎悪、苦しみ、痛み、醜さ、殺意、絶望――
ありとあらゆる感情が伝わる。
「くっ、これは…
これで色々と分かった。
この剣が浄化の剣だということ、浄化の剣が負の感情を無くすのではなく吸収だということ、そしてあの顔つきのバーテックスは――
「
自分は今まさに消えようとしている顔つきのバーテックスに近づく。
そして、視界に映るものに自分はホッと息をつく。
「これが、バーテックス化した人の唯一の救出方法か」
顔つきのバーテックスがいたところには、梅田駅で新崎によってバーテックス化された人たちが元の姿になって気絶していた。
もちろん、あの日記の主の女とその妹もいた。
「おーい、とおさーん!」
声のした方を見ると、友奈たちが向かってきていた。
「…みんなに借りを作っちまったな」
そんなことを呟き、みんなが来るまで少し体を休めようと、自分は座って待った。
次回、ちょっとした休息かな
中間試験が近いので少し投稿が遅れるかもしれませんが、気長に待っててください。
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