郡徹は転生者である   作:シンマドー

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お待たせしました!
やっとテストも終わったので、時間を確保できました。

とりあえず、本編どうぞ


第二十話   疑問と神託

 

 顔つきのバーテックスとの戦いから二日が経った。

 あの後みんなで気絶していた人たちを結界の中まで運んだ。今はまだ入院中だが、様態は良くなっているとひなたから聞いている。

 良いことはそれだけじゃない。ひなたから神樹からの神託で、何日間かバーテックスの進行がないらしい。

 よって自分たちには一時的だが、平穏と休息が訪れた。

 そんな中、大社の人からお礼がしたいということから自分たちをある場所に招待してくれた。

 

 

 

「「とうちゃーく!!」」

 

 バスに乗って数時間、目的の場所に着き最初に降りた友奈とタマが元気よく叫んだ。

 

「お二人さん、今日はやけにテンション高いですね」

 

「無理もないだろう杏。こんなこと滅多にないからな、気分が上げるのは仕方ないだろう」

 

「ふふ、若葉ちゃん。そんな事言って一番楽しみにしていたのは若葉ちゃんじゃないですか」

 

「こ、こらひなた!それは言うなと言ったではないか!」

 

「あらあら~、今日の若葉ちゃんのテレ顔は一段といいですね~」

 

 そう言いながらひなたは持ち前のカメラで若葉のテレ顔を撮る。

 

「ひなたー!」

 

「……みんな元気ありすぎじゃないかしら」

 

「仕方ないですよ千景さん。だって今日はみんなで旅館に泊まるんですから」

 

 今自分たちがいる場所は、香川県高松市にある最高級の旅館の入口の目の前にいる。

 そう、あの日大社から休養としてこの旅館で過ごすことが許された。

 

「ったく、少しは落ち着けみんな。そんなにはしゃいでるとすぐ寝ちゃって夜の楽しみがなくなっちゃうぞ」

 

「む、そうだな。それじゃあみんな、自分の荷物を持って入るぞ」

 

 みんな若葉の言われたとおり個人の荷物を持って旅館の中へと入っていった。

 

「…?どうしたの兄さん、そんなにぼーっとして?」

 

「ああ、ちょっと寝不足気味でな。バスでたっぷり寝たんだが、まだ眠いんだ」

 

「部屋に着いたら自由時間らしいから、その時間に寝たら?」

 

「そうさせてもらうよ」

 

 そんなことを千景と話ながら旅館の中へと入った。

 

 

 

「くそっ、なんなんだよこれは」

 

 部屋に入って早々自分は荷物を放り出して畳に寝転がる。

 自分だけ個人部屋で助かった。

 …正直に言おう。自分は昨日からぐっすりと眠れていない、寝ると毎回色んな人の痛みや絶望の声が至るところから感じ起きてしまう。

 そのせいで今の自分は精神的に少し辛くなっていた。

 

「一体、どうしたらいいんだ…」

 

 みんなに相談したら余計みんなが苦しんでしまう、かといってこのままいくと精神が病んでしまう。

 今はまだ大丈夫なラインだ。でも、これがもし強くなったとしたら最悪なのは確実だろう。

 だとしたら後は姫神を頼るしか手段がないわけなんだが、その肝心の姫神が一向に会えないというピンチに陥っているわけだ。

 でも、そんなピンチな状態でもあの戦いで良い収穫は出来た。

 これは感覚で分かったことなんだが、切り札が使えるのはその時持っている武器に決まる、そして切り札を使った後の対価は無し(その代わりみんなの対価を代わりに受けるけど)。

 でだ、これが肝心なのだが、吸収された負の感情が心にやどることは体験済みだから分かる、でも今回一番疑問に思ったのが勇者の対価の肩代わりのほうだ。

 なんといったらいいんだろう…今回勇者全員の対価を肩代わりしたわけだが、全く体に支障が出るわけでもなくただ少しだるいなーっと感じるぐらいだった。

 

「だったらこの左目を失明させるぐらいの対価は一体なんだって言うんだ?」

 

 ますます謎が深まるな。

 …まあ、これもまとめて姫神に聞けばいい話だ。

 今は、これからどうするか考えるか。

 そんな事を思いながら、自分は自由時間を過ごした。

 

 

 

 時は経って夜――

 

 

 

「ああぁぁぁぁぁあああ、生き返るぅぅぅぅぅぅぅううううぅぅう~~」

 

「もう、オジサン臭いですよ若葉ちゃん」

 

 緩みきった若葉の顔に思わず苦笑いするひなた。

 

「ああ!?もう若葉が入ってる!?一番風呂狙ってたのに!」

 

「球子が『旅館探検だ!』と言って走り回ってたからだろううううぅぅぅううう」

 

「うわー、溶けかけの飴みたいな顔をしてる……しかし、三番目はタマのものだ!とぉう!」

 

「湯舟に飛び込んじゃダメだよタマっち先輩~」

 

 ざっぱーんと大きな音を出しながら湯に飛び込むタマ。

 杏はタマに注意しながら静かに湯に入った。

 

「タマちゃんは相変わらずだな~」

 

「騒がしいわね……」

 

 そこからさらに友奈と千景が湯に入る。

 

「そういえば千景さん、少し聞きたいことがあるのですが」

 

「なに?」

 

 そんな時、ふとひなたが思い出したように千景に聞いてきた。

 

「徹さんについてですが、最近なにか変わったことはありませんでしたか?」

 

「…そういえば、最近兄さんがぼーっとすることが多いような…」

 

「……やっぱり」

 

 千景の話を聞いたひなたがボソリと呟く。

 

「どうしたひなた?徹に何かあったのか?」

 

「…一昨日、神樹様からの神託で、()()神託が来たんです。一つはバーテックスの侵攻が一時的に止まった事。そして二つ目は…徹さんの事についてです」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

 あまりにも衝撃的な話に全員驚く。

 

「…ひなた、徹について何を聞いたんだ?」

 

「……『郡徹はこの先の未来で、心が黒く染まり敵対するだろう』…これが、神託で聞いたことです」

 

「「「「「…………」」」」」

 

 ひなたが言い終わると全員言葉を失った。

 それもそうだろう、今までの神託ではバーテックスの事しか聞かされていないのに、今回は違う。

 徹が神託に出た。それだけじゃない、徹が敵対するのがあまりにも衝撃的だったのだ。

 

「徹の心が黒く染まる、一体徹の身になにが起きるって言うんだ…」

 

 若葉はそう言い、夜空を睨み付けた。

 

 

 

 風呂から上がった後、みんなよりも早く風呂に入り、早く出た徹と合流、そして豪勢な食事を堪能した後、徹を部屋に誘い、夜遅くまでトランプやら人生ゲームなので遊び、楽しく過ごすのであった。

 

 

 

 勇者たちはまだ知らない。

 

 次に起こる戦いが、あまりにも残酷だということに。

 

 そして徹に、数々の試練が待っていることに、徹自身知るよしもなかった。

 

 




徹の知らないうちに進展してますねえー

次回、故郷の村って言ったら大体わかるよね

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