郡徹は転生者である   作:シンマドー

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まだまだ大丈夫だろと言っていた自分を殴りたい。
ゴールデンウィーク中には終わらせるを目標に書いていこうと思います。
ではどうぞ




第三十四話   たった一人を救うために

 徹が空島に連れてかれた後の地上では最悪な事態が起こっていた。

 

「嘘だろ……いくらなんでも多すぎるだろ」

 

 その光景を見たタマは震え声で言った。タマ以外のみんなも声に出していないがタマと同じ事を思っているだろう。辺りを埋め尽くすほどのバーテックス、そして進化体がこちらへと向かってくる光景を見て冷静でいられるはずがない、たくさんの絶望が押し寄せてくる光景にただ呆然と見ていた。

 

「奴らも全戦力を投入してきたか…なら好都合、全て倒すだけだ」

 

 しかし、若葉はその光景を見ても恐れず逆に好都合だと発した。

 

「…ええ、そうね。私たちのやることは変わらないわ」

 

「そうだね、ここで戦わないと私たちの大切な場所が壊されるからね、それにとおさんにこれ以上苦しませないためにも!」

 

「…そうですね、これは私たちしかできないことですからしっかりとやり遂げないとですね」

 

「そうだな。さっきはあんな弱気な発言をしてしまったがそんなのタマには似合わないな!みんなを守るのはこのタマに任せタマえ!!」

 

 若葉の発言に続いてそれぞれ発言する。

 さきほどまで絶望していた少女らが嘘のように立ち向かっていることに疑問を感じるだろう。この絶望がもっと前に来ていたのなら呆気なく負けていた。だが、今は違う、今までの苦難を仲間と共に乗り越え成長してきたこそ立ち向かえることが出来た。

 

「よし、行くぞ!」

 

 若葉の合図と共に歩を進めようとした時だった。

 

「っ、なんだ!?」

 

 突然どこからか爆発音が聞こえた。

 

「みなさん、あれを見てください!」

 

 杏が指した方向、上空を見ると空島から煙が上がっているのが微かに見えた。

 

「大方、あちらも始まったようだな、空島は徹に任せ地上は我々で対応するぞ!」

 

 若葉の言葉に皆は頷き、こちらに来る奴らとの戦闘に集中した。

 

 

 

 一方、空島では……

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……」

 

「徹君、大丈夫!?」

 

「ああ、まだ平気だ」

 

 膝をついている自分に声をかけるアマテラスに平気と返す。少し負傷はしているがまだまだ行ける。

 

「それよりも白犬、あれはなんなんだ?」

 

「ごめんね、私もあれは初めて見たの」

 

 まじかよ、ちくしょう、これが分からねえとめちゃくちゃ苦戦するぞ。

 

「これで終わりか、郡徹」

 

「ちっ!まだ行けるっての!」

 

 煙の奥から出てくるツクヨミに自分は立ち上がり構える。今のツクヨミは結構厄介だ。原因は奴を囲うように浮いている十二本の剣だ。まさかたった一本の剣であそこまでの威力があるとは思ってもいなかった。あの時ツクヨミと鍔迫り合いをしたとき突然嫌な予感がしたため奴の剣を受け流し後ろに下がった瞬間一本の剣が向かってきたためそれを弾き刺さった瞬間にあの爆発的な威力ときた。

 

「徹君、私も戦うよ」

 

 そう言いアマテラスは小さな光の球へと変化し自分の体に入り込んだ。それにより力がさらに強く出せる。

 

「よし、それじゃあ再開だツクヨミ!」

 

 足に力を込めツクヨミの方へと一直線に飛び出す。

 

「ただ一直線に来るか、無謀だな」

 

 ツクヨミは十二本の剣の剣先を一直線に来る自分に向け射出した。

 

「借りるぞ!!」

 

 自分は若葉たち、そして歌野が持つ武器を召喚し射出する。

 あれの完全な対処は不可能だが多少の対処は可能だ。射出した武器がぶつかった瞬間爆発が起こり残りの六本は回避する。

 

「くらえぇ!!」

 

「くっ、貴様!」

 

 またしても鍔迫り合いが起きるが今度はこっちが有利だ。

 

「なめるな!」

 

 このまま押し出そうとするがツクヨミの蹴りが無防備な腹に当たり後ろに飛ばされてしまう。飛ばされてしまう際また若葉たちの武器を召喚し射出するがツクヨミの剣の大振りで弾かれてしまった。

 

「まだまだぁ!!」

 

 だがこれで終わりじゃない、すぐさま体制を立て直し同じように一直線に飛び出し追撃をする。

 どうやらツクヨミのあれは射出した後クールタイムがあるらしくすぐに射出することは出来ない。だが自分はクールタイムなく射出、召喚ができる。だからそこを狙う。

 

「くっ!?なめるなあぁぁ!!」

 

 焦りが見え始めたツクヨミの攻撃をかわしさらに追撃する。時には刀、時には弓など様々な武器に変え攻撃する。与えるダメージは小さいけどそれが多ければ多いほど大きなダメージとなる。

 

「これで、どうだ!!」

 

 そして最後に浄化の剣を振るう。

 

「ぐっ!」

 

 剣の一振りはツクヨミの横腹をえぐりそこから血が大量に出血した。それによりツクヨミは出血した部分を手で抑え膝をついた。

 

「終わりだ、ツクヨミ」

 

 そう言い自分は剣先をツクヨミの頭に向ける。

 

「これでお前の下らない野望は終わりだ」

 

「まだだ…まだ終わりではないぞ!!諦めてたまるか、俺があいつを助けたいがためにどれだけ費やしたのか!どれだけ絶望した!どれだけ多くの人を、感情を失ったのか!貴様に分かるはずもないだろう!!」

 

「ああ、分からねえよ、お前がどれだけの時間を費やし、そして失ったのかも俺には分からない、だがなこれだけは言える、お前は道を踏み間違えたんだよ、お前がアマテラスを生き返らそうとした時からな」

 

「黙れ…黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇ!!」

 

 ツクヨミは否定するように叫び、睨む。

 

「俺はやり遂げて見せる!それが例え、自身を犠牲にしようとしてもだ!!」

 

「っ!?」

 

 突然ツクヨミから先程までとは違うとてつもない力が感じた。

 

『徹君!彼を早く止めて!!』

 

 アマテラスも嫌な予感がしたのか、急ぐように急かしてきた。それには自分も同じなため躊躇せず剣を振るう。

 しかしあと一歩のところでツクヨミの召喚した剣が降ってきため後ろに避けた。

 

「ちっ!嫌な予感の正体はこれか」

 

「あああアアァァァァ!!」

 

 ツクヨミから感じた嫌な予感の正体、それは全身の傷口から溢れ出てくる黒い煙のようなものだ。

 

「コロ…ス…ジャマスル…モノハ…スベテ!!」

 

「なっ!?」

 

『やめてえぇぇ!!』

 

 アマテラスが叫ぶ中、自分は驚愕した。なんせ持っている勝利の剣をツクヨミはあろうことか自身に刺したからだ。唐突な自殺行為に呆然としてしまうが次の出来事により強制的に我に帰った。

 

「アアアアァァアァ!!」

 

 ツクヨミが突き刺した剣は体に取り込まれ大きく空いた傷口から大量の黒い煙のようなものが溢れ出て、出てきた黒い煙は彼を中心に包み込むように竜巻を作り出した。

 

「くそっ、何が起こっているんだ!」

 

『うそでしょ……まさか…強制的に?』

 

「白犬!知ってるのか!」

 

 アマテラスの言葉に自分は追求する。

 だが、それと同時にツクヨミを包んだ竜巻は収まり、姿を表した。

 

「…まじかよ」

 

 ツクヨミの姿を見て驚く自分。無理もないだろう、今のツクヨミの姿は変わりすぎていたのだから。奴の今の姿は異形としか言えなかった。背中から出る十二本の触手に剣を持たせており、右腕が鞘と一体化して、両足は人ではない足をしていた。

 

『……暴走』

 

「暴走?どういうことだ!?」

 

『本来あれには手順があるんだけど、彼はその過程を強制的に省いて力を得たの、でもその代償として理性を失いただ己の欲望のままに暴れる』

 

「それってつまり……」

 

『さっきまでの優勢が嘘のように劣勢になったってことだね』

 

 その言葉に自分はため息をつき、その後覚悟を決めて剣を構えた。

 

 




次回、圧倒的な強さに徹はどう対抗するか?

現在急いで次話を書いておりますので待っていてください。

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