神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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~前回までのあらすじ~

セ「科学者の住む人工島、i・アイランドがヴィランによって占拠された。プロヒーロー、ビルドの葛城 セントは、ヴィランのリーダーエボルトを斃すべくとっておきのアイテムを保管庫から取り出すのだった」

メ「はぁ、心配だわ」

セ「俺はお前の説得で完全復活したからエボルトなんてちょちょいのチョイよ」

メ「別にセントの事なんてどうだっていいのよ。問題は下の階で戦ってる響香さんたちのほうよ。まったく音沙汰がないから」

セ「……」

メ「パパも解放されたけどそれっきりどうなったかわからないし」

セ「…………(冷汗)」

メ「ねえ、そろそろ説明があっても」

セ「戦いは激化しいよいよ最終決戦へ! セントたちの命運やいかに!? さあどうなるチャプター4!」

メ「さらっと誤魔化した!?」


二人の天才12

――――

――

 

 沢渡 カズミはヒーローになるつもりは無かった。

 

 地元の秩序を正しかっただけで、世界だとか平和だとかには興味がなかった。

 

 それ以前に、地元を荒らしていた“三羽ガラス”という集団を討伐してからは、実家の農業を手伝うだけの地味な男だった。

 

 

 ――葛城 タクミと言う男に出会うまでは。

 

 

 

 

 

 

(おやっさん……今こそ約束を果たす時だ)

 

 彼はポケットの中の水色のボトルを握り締める。

 

 外へ出ると、そこではクロトとエボルトの戦闘が繰り広げられていた。

 

 

\ゲーム・オーバー/

 

 クロトが死亡し、間をおかずに復活した。

 

 

「……ハァ残り、ライフ……49」

『まだ続ける気か? いい加減飽きてきたぜ……』

 

 紫の土管から這い出てくるも、クロトも限界に近いようだった。

 

「――いい加減休んでな。後は俺一人でやる」

「よ、ようやく私を助ける者が来たかァ」

 

 さすがの神も限界だったようで、そのまま気絶した。

 

『選手交代か? 俺もそろそろ余興に飽きてきたところなんだがなァ』

 

 カズミはベルトを装着し、ゼリーの栓を締める。

 

「だったら――マツリの本番と行こうじゃねえか」

 

\ロボットゼリー!!/

 

「変身!」

 

\(中略)ロボット・イン・グリス!!/

 

 グリスは ナックルに水色のボトルを挿して起動させる。

 

\ボトル・キーン!!/

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す!」

『いいぜ! かかってきな』

 

 グリスの右ストレートが炸裂する。氷のようなエフェクトが発生した。

 

 打ち合わせたエボルトの拳が凍り付く。

 

『ん!?』

 

 そして自分の力が減衰したのを感じた。

 

 ブリザードナックルは対エボルト用の武器だ。エボルトリガーの出力を抑制し、最終的には機能停止させるアイテムだ。

 

 即座にそれを悟ったエボルトは距離を取ってスチームガンで対抗する。

 

「チッ……詰まんねえ真似すンじゃねえよ!!」

 

\ツインブレイカー!!/

 

 グリスも反対の手に武器を生成し、遠距離の撃ち合いに応じる。

 

 やがてこらえきれなくて彼は銃撃を受けながら接近する。そして再びブリザードナックルでの攻撃を命中させた。

 

「至高!」

 

 離れられればツインブレイカー、距離を詰めればナックル。

 

「覇道!」

 

 次第にエボルトの動きが鈍っていく。

 

「激情ッ!!」

 

\スクラップフィニッシュ!!/

 

\グレイシャルナックル!!/

 

 二つの必殺技を受け、エボルトのベルトが砕け散った。

 

『グゥゥ……!』

 

 その姿はデヴィットとは異なる男の姿だった。

 

 グリスの足下に、セントが変身に使っていたアイテムが落ちる。

 

『くそ……結構やるじゃねえかよ』

 

 それはエボルトが地球に来る際に憑依した宇宙飛行士、イスルギの姿だ。

 

 苦しむ彼の隣に煙が出現し、逃げてきていたブロスたちが転移してきた。

 

「なっ!」

「早すぎる……!」

 

 狼狽える二人を見て、エボルトは全てを理解する。

 

『ああ、しくじったって訳か――』

 

 その瞬間彼は自身の力を使い丸坊主の方に毒を注入した。

 

「ッ!?」

 

 高濃度のそれは一瞬で体を消滅させた。

 

「ライッ!?」

『次はお前だ』

 

 弟を消されたブロス(兄)は動揺し、エボルトを睨み付ける。

 

 だが次は自分と言う宣告を受け、覚悟を決めていた。

 

\ギア・エンジン――ギア・リモコン!! ファンキーマッチ!!/

 

「潤動っ!」

 

 ヘルブロスへと変身した。

 

「同情するつもりはねえが……怒りのはけ口にはなってやらぁ!」

 

 グリスは変わらず戦いを仕掛けるも、怒りによってハザードレベルが上昇したヘルブロスには敵わなかった。

 

 だが彼も負けずに拳を打ち合わせる。

 

 

「っ!」

 

 打ち合いに負け、グリスの変身が解除される。

 

『おお、やればできるじゃねえか』

 

 エボルトは満面の笑みで立ち上がり、手の平に炎を纏う。

 

『それじゃあとどめを――!?』

 

 銃撃され、炎を防御に使う。

 

 暗闇の中から、セントが姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

――

 

「よお、随分姿が変わったみたいだな」

 

 セントは友達と会う時のような気軽さで声を掛ける。

 

『随分余裕そうじゃないか……さては、開き直ったか』

 

 エボルトは再び揺さぶりをかけるも、今度は動じなかった。

 

「そうだな、俺は確かに兵器を作った。それは否定しようのない事実だ」

 

 彼が取り出したのは――メリッサのドライバーだった。

 

「俺が作った物が兵器だったとしても――メリッサが作ったのはそうじゃない!」

 

 そして巨大なボトルを取り出して起動させる。

 

\グレイト!! オール・イェイ!!/

 

「俺たちは平和な世界を作り出すッ! それが“プロジェクト・ビルド”の集大成だ!」

 

\ジーニアス!!/

 

 ベルトにボトルが挿入され、変身シーケンスが起動する。

 

『おためごかしを……』

「悪いけど俺は――」

 

 レバーを回転させると、近未来的な工場が――子供が想像する明るい未来の姿が現れる。

 

自分大好き(ナルシスト)で自意識過剰な、正義の味方だッ!」

 

\イエィ!/\イエーイ!/\イェイ!/\イエーイ!/

 

 無数のボトルがセントの背後に出現し、彼の体に向けて挿入する。

 

「変身!」

 

 白いスーツがその体を覆い、ボトルが次々と突き刺さる。

 

\完全無欠のボトルヤロー!! ビルド・ジーニアス!!!! スゲーイ!! モノスゲーイ!!/

 

『クク……遊んでやるぜ』

 

\ミスト・マッチ!/

 

 エボルトもブラッドスタークに変身し、蒸気を放つ。

 

 ビルドと共に姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

――

 

 

 

 グリスはせき込みながら起き上がる。

 

 血反吐を吐き出し、落ちていたセントのドライバーとブリザードナックルを拾い上げた。

 

「! ……まだ起き上がりますか」

 

 ヘルブロスは苛立つように肩を震わせる。

 

「ここで俺が倒れりゃ、誰があいつらを護ンだよ」

 

 と、気絶しているクロトやそれを庇うようにしゃがんでいるエミ、体を棄てられてしまったデヴィット博士や活動限界を迎えたオールマイトを顎で示す。

 

(誰だあのコスプレのおっさん……?)

 

 もっとも、オールマイトであることには気づいていなかったが。

 

「おやっさんに誓ったんだ――例えこの心火が燃え尽きようとも、人々を護るってな」

 

 地元のチンピラたち――三羽ガラスの元メンバーを自分の農園で働かせて、それで平和なんだと思っていた。もう二度と悪さをせず、自分の事をカシラと呼んで慕ってくれる。それで十分だと思っていた。

 

 葛城 タクミはそんな腑抜けた自分に喝を入れてくれた。

 

 一歩間違えばヴィラン認定されてしまう個性を恐れて、ヒーローを目指すことを諦めていた自分の目を覚まさせてくれた。

 

 愛と平和を胸に抱き続けていれば、きっといいヒーローになれると。

 

 燻っていた心火(こころ)を燃え上がらせてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『――いつか俺の息子が次世代のライダーシステムを創り上げる』

 

 若い日のカズミは水色のボトルを受け取った。

 

『もし世界の危機が訪れたら、それを使って一緒に戦ってくれないか?』

『悪ィけど、俺はおやっさんの息子だからって従うつもりはねえよ』

 

 自嘲気味にそう返すと、タクミはくしゃっとした笑顔になった。

 

『よかった。やっぱり君を選んでよかったよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セントのベルトを装着し、ブリザードナックルを装填した。

 

\グリスブリザード!!/

 

「今こそ誓いを果たす時だ」

 

 彼の周囲に凍気が充満し、足元を凍り付かせる。

 

\Are you ready?/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「できてるよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 人々を護るため、ヴィランを斃す。

 

 例え相手の命を奪うことになったとしても。

 

 覚悟はとうの昔にできていた。

 

 

\激凍心火! グリスブリザード!! ガキガキガキガキガキーン!!!!/

 

 

 

 氷が砕け散り、凍り付いたロボットのようなアーマーに変化する。

 

「心の火――“心火”だ」

 

 

 その体とは裏腹に、彼の心は燃え盛るような熱を持っていた。

 

 

「心火を燃やして、世界を救うッ!」

 

 




~あらすじ没ネタ~

デヴィット「うーん……変な夢を見ていたよ。僕が時計屋の店主をしていて――なぜか時計以外の修理ばかりしていたけど――メリッサと同じ年頃の甥っ子と暮らしていたんだ。確か名前はソウゴくんと」

セント「待った! それ以上いうと本編に“我が魔王”とか言ってくる奴出てきちゃうからそこまで!」






普通に話の筋と合わないからやめました。

え、耳郎さんたち? わ、忘れているわけないじゃないか!(冷汗)
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