神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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神のヒーローアカデミア11 『嘘吐きの流儀』

――――

――

 

「はてさて……懺悔をするようなことなど……した覚えはないが?」

 

 神はそんなどうでもいいことよりも,相手がガシャットを持っていることの方が気になっている。

 

「っ! お前,そういう感じの奴か」

「そんなことはどうだっていい……なぜ貴様がァゲーマドライバーとガシャットを持っているッ!?」

「知りたきゃ自分をたおせ」

 

 あからさまな挑発。

 

 誘っているのは明らかだ。

 

 しかし神は小細工を気にしはしない。

 

「良いだろう……“コズミッククロニクル・起動”」

 

 

 レーザー光線が地面を焼き切る。

 

 ライダーの方のレーザーは咄嗟にそれを躱しつつ,ゲンムに肉薄する。

 

 レベルゼロのレーザーは起動性能に全部能力を振り切っている。

 

 細かい跳躍やダッシュで最接近し,ゲンムのガシャットホルダーから『プロトシャカリキスポーツ』と『プロトジェットコンバット』を奪い取った。

 

「ぐっ!? それは私の物だぞッ!」

「へへっ! 隙アリィ♪」

「返スェッ!」

 

 ゴム人間のように伸びてきたゲンムの腕を辛うじて躱すも,かすめた瞬間にライダーゲージが3つほ減った。

 

「げっ……かすっただけでこんな減るのかよ」

「私は神だぞ! 威力ぐらい自由に設定できる」

「チッ! 全力でやるしかねぇか。下がってろ一佳ぁっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\シャカリキスポーツ!/

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如としてモノクロのマウンテンバイクが出現する。

 

 

「自転車!?」

「爆速」

 

 

 

 

 

 

 

 

\ガッチョーン……ガッシャット! ガッチャーン! レベルアーップ (中略)爆走バイークッ! アガッチャ! シャカリキメチャコギ! ホット! ホット! シャカシャカ! コギコギ! シャカリキスポーツ!!/

 

 

 

 

 

 

 レーザーの体にマウンテンバイクが装着される。

 

 

「随分とガシャットの使い方を知っているようだなァ……」

「古星 ツクルって技術者がお前の親父の会社にいるはずだ」

「それがどうしたァ!?」

「俺の親父だよ」

 

 

 自転車装甲の車輪を外す。

 

 

「何ィッ!? 嘘をつくなッ!」

「バレたか」

「――はぁっ!?」

 

 

 

 近くで見ていた一佳は流れるような嘘に驚く。

 

 

 

「離れてろって――マジで危ねぇからよ」

「ならば――気兼ねなく戦えるようにしてあげよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ステージ・セレクト/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 市街地だったのが,急にどこかの採石場となった。

 

 

「は?」

「この機能は知らなかったようだな……“ジェットサバイバル・起動”」

 

 

 

 その掛け声で無数のジェット機が空に出現する。

 

「マジかよッ!」

 

 次々と空爆されるも,プロトシャカリキスポーツの能力で回避する。

 

 だが,辺り一面を焼け野原にされると弱い。どこへワープしようとも攻撃の圏内なのだ。

 

「ジェットサバイバルは迫りくる敵艦を撃ち落とし続け,最後まで生き残るゲームだ」

「しゃーねぇっ! 一気に決めるしか――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\キメワザ! SHAKARIKI CRITICAL STRIKE!!/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高速回転する車輪をゲンムに向けて投擲する。

 

 

 

「無駄なことを――ブゥゥゥッ!」

 

 

 

 だがそれはゲンムの吐き出した謎の煙を受けて腐敗した。

 

 

 

「私はゲームマスターだ……私のゲームでは私を斃せるわけがないのさァッ!」

「そっちじゃねぇよ――」

 

 

 レーザーはショートワープし,ゲンムのガシャットに手を触れた。

 

 

 

「リプログラミングッ!」

「!!?」

 

 

 個性が発動し,ガシャットが無力化される。

 

 ブランク状態となったゴッドマキシマムマイティXが抜き取られ,レーザーの手で弄ばれる。

 

「っ貴様ぁッ! 私のガシャットをォッ!!」

「もっとやってやってもいいぜ? 全部リセットしてやるからよ」

 

 

 その言葉に嘘は無いのだろう。

 

 ガシャットのエネルギー源を理解され,それを無効化する個性を使える。まず“彼女”の血縁とみて間違いはない。嘘ばかりつくこの男も,そればっかりは嘘では無いようだ。

 

 

「自分のしたことが分かっているのかッ!? 私の作品をこうも簡単に――!?」

 

 

 謎の採石場から元の場所に戻った瞬間,何者かによってレーザーが殴り飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ガッシューン……/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リーサルダメージを喰らったことにより,レーザーの変身が自動で解除される。

 

 そのまま,地面を転がっていく。

 

 

「なんだきさ――ブッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ゲーム・オーバー/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロトも右ストレートで命を奪われる。

 

 

 

「一人……彼も異形型だったみたいだ」

「お前,なんなんだよ……?」

「不要なヒーローを消す者だ」

 

 

 キリヤは無理に体を起こす。

 

 

 結局その場に残っていた拳藤がボロボロな状態で倒れ伏している。

 

 

「おいおい……! ヴィランに襲撃されるのはA組の十八番だろうが……!」

「ああ,無駄に抵抗するとこの女みたいになるぞ――俺は右手で触れた個性を封じることができる。右手でお前を殴ったからもう個性は使えないぜ?」

 

 

 おしゃべりな奴だ,とキリヤは思った。

 

 すべての真実を告げることが,正解とも限らないだろうに。

 

 

「――自分,ヒーロー志望なんで,無抵抗は無いんですわ……それに,仲間傷つけられて――黙ってるやつがあるかよッ!」

 

 

 あえて,ガシャットを使うのが個性だと思わせておき,自慢の蹴り技で対処する。咄嗟に相手は右手に手袋をはめて応戦する。つまり,二度触ることにデメリットがある。イレイザーヘッドのように消しておける条件があるのだ。つまり,右手で二度触れられれば,個性は戻る。

 

「良いもんだな,ヒーローってのは……こうやって気に入らない奴殴っても――」

「ぐっ!?」

 

 

 個性にかまけただけではなかったようだ。回し蹴りを躱されボディーに左ストレートが命中する。

 

「咎められないどころか,褒められるんだもんな」

 

 体がわずかに浮かび上がり,地面に打ち付けられる。爆走バイクのガッシャットが落ちる。

 

「ちなみに,教師陣の期待はしない方がいい。俺の相棒が押さえてるからな」

 

 それを拾い上げ,ヴィランは見せびらかしてくる。

 

「俺の個性ってさ,異形型はもちろん,普通の人間も殺せるんだ――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィラン,ライト。

 

 個性:神の右手

 

 右手で触れた個性を全て封印する! 異形型個性には必殺の手! 二回触れればどんな人間でも消滅させることができるぞ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィランが再び右手の手袋を外し,迫ってくる。

 

 その瞬間,拳藤が足にしがみつき,動きを止める。

 

 個性を封じられていても,必死で仲間を守ろうとしているのだ。

 

 

「邪魔だよッ!」

「ァぐッ!?」

 

 

 ヴィランは容赦せず頭を蹴り飛ばす。

 

 体を振り払い,蹲るキリヤに迫る。

 

 右手で触れ,すべてをリセットしようと――

 

 

「――残念だったな」

 

 頭を掴まれた瞬間,キリヤは個性を発動した。

 

「は?」

「リプログラム・弱化!」

 

 

 

 ヴィランの個性が弱体化し,個性を封じる能力がなくなる。

 

 そしてその瞬間に,回し蹴りを放ってガシャットを奪い返した。

 

 

「なんで……個性は封じたはずじゃ」

「自分は一度も個性が使えなくなったって言ってないぜ――」

 

 

 彼はコスチュームについた砂埃を払いながら立ち上がり,言い返してやった。

 

 

 

「はぁ……あっれぇ? 乗せられちゃったぁ?」

「ふっざけるな――っ!?」

「よくやったぞッ! 二条 キリヤァッ!」

 

 

 時間差を開けてコンティニューをしていたクロトがヴィランに飛び蹴りを喰らわせる。

 

「残りライフ79……たかがヴィランの分際で,よくもまぁここまでやってくれたものだな」

 

 自分は何もしていないのに,超絶上から目線で戦線に加わる。

 

「随分上から目線だな,(自称)神」

「ほう,よくわかっているじゃないか……そんな君に,神の恵みを与えよう」

 

 そしてクロトは,もう一本あった――彼が最初から設計していたほうの爆走バイクをキリヤに渡す。

 

「あのヴィランは私のライフを減らした。討伐を手伝うといい」

「へっ……乗った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\マイティアクションX!/

\爆走バイク!/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チョコのブロック,優勝トロフィーがゲームエリア内に配置されていく。

 

「グレード2……変身!」

「二速,変身」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\\ガッシャット! ガッチャーン! レベルアーップ!!//

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぇっ!?」

 

 本来の爆走バイクは,レースゲームである。

 

 戦闘用にチューンされたレベルゼロの物とは,レベル2の形態は異なったものである。

 

 

「どういうこった!? 何でバイクに!?」

 

 

 レーザーの体はバイクに変形していた。

 

 

「黙って私に乗られろ」

「ッ……良いぜ,ノリノリでいくぞッ!」

 

 

 ゲンムはバイクとなったレーザーにまたがり,ガシャコンブレイカーを構えた。

 

 

 

 

 

 

「さて――コンティニューしてでも,クリアして見せようかッ!」

 





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