神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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 括目するがいい……再び降臨した、神の活躍を!


第四章 期末試験
神のヒーローアカデミア13


 ――――第二次雄英高校襲撃事件。

 

 連続殺人犯が起こした事件。

 

 ヴィラン連合程の規模ではなかった上に、あっさりと制圧された――ということになっていた。

 

 情報が統制され、やけを起こした勘違いヴィランが起こしたと報道されていたのだ。

 

 実際には生徒複数名が負傷、無傷で解決というわけではなかった。

 

 

 なにより――この事件でヴィラン犯罪が激減した。

 

 オールマイトの登場で低下していたそれよりも、より低くなった。もはやゼロに近かった。

 

 

“バグスターウイルス感染症はヴィランだけがかかる病気”

 

 誰が流したのか、こんなバカげた噂が流れだした。

 

 バカげている、と一笑に付す者もいた。

 

 一般人だって感染している、と理性的に考える者もいた。

 

 だがしかし、衛生省がその噂を否定しない事。

 

 現にヒーロー殺し“ステイン”や異形殺人犯“ライト”も感染していた事。

 

 確証のない安心と、漠然とした不安感。

 

 力を持て余した有象無象はなりを潜めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

――

 

 

 

「――ふん……こんなことを信じるバカが本当にいるとは」

 

 クロトはニュース記事を見て、ため息をついた。

 

 悪人しか感染しない病気など、ありはしない。そのことに気付かない民衆にあきれ果てていた。

 

「だが……あのパラドクス、私に匹敵する才能を持っているとはなァ」

 

 

 

 戦闘の映像を再生する。

 

 

――――

 

『パーフェクトパズルは、エリア内のありとあらゆる物質を操り、ミッションを達成していくゲーム』

 

 パラドクスが手を動かすと、エリア内のチョコブロックやトロフィーが姿を変えていく。

 

『こんな風に、ばらばらだったエナジーアイテムも――』

 

 ランダム取得だったエナジーアイテムが選択的に取得できるようになる。

 

『統一できる』

 

 そして散らばっていたアイテムがパラドクスの眼前に配置される。あたかも、パズルの盤面の様に。

 

 何度か操作され、三つ選択される。

 

 

 

 

 

\高速化! マッスル化! 鋼鉄化!/

 

 

 

 

 

 プレイヤーを強化するエナジーアイテム。それは本来一つずつしか利用できない。

 

『組み合わせて使うこともね♪』

『えらくノリノリじゃないの……』

 

 

 レーザーはレベルゼロに変身し、対抗する構えを見せる。

 

 だが高速の動きに対応できず、あっさりと敗れてしまう。

 

『フィニッシュは必殺技で決まりだ!』

 

 

 

 

 

 

 

\KIME-WAZA!! DUAL GASHAT!/

 

 

 

 

 

 パラドクスはガシャットを再びホルダーに入れる。

 

 

 

 

\PERFECT CRITICAL COMBO!/

 

 

 

 蹂躙するかのように、レーザーが痛めつけられ、変身解除に追い込まれる。

 

 

『ぐッ……』

『なんだよ、もう終わりか』

『私を無視するなぁ!』

 

 

 

\KNOCK-OUT FIGHTER!/

 

 

 

 再び別のゲームが起動する。

 

 

 

\The strongest fist! “Round 1” Rock&Fire! /

 

 

 

『大変身』

 

 

 

\DUAL UP!! ……Explosion Hit! KNOCK-OUT FIGHTER!/

 

 

 肩の装甲がグローブに、顔の前後が入れ替わる。

 

 ゲームパッケージのファイターを思わせる姿にパラドクスは変身する。

 

 

『心が滾るぜ』

『1つのガシャットに二つのゲーム……悪くないアイデアだなァ』

 

 拳が振られると、その余波で炎のラインが生じる。

 

 不死身のゾンビゲーマーであるゲンムはそれを気にせずに突進するも、拳を喰らって吹き飛ばされる。

 

『ゥグ』

『ダメージ無効か……白けるなぁ』

 

 無効とはいえ、ノックバックを喰らって反撃ができない。

 

 炎のラッシュで確実に飛ばされていく。

 

『ノックアウトファイターは……相手をぶちのめすまで殴るゲーム』

 

 一際大きく吹き飛ばされるも、ゾンビのような動きで復活するゲンム。

 

『なぜ……私の防御が無効化されている?』

『教えてやんねーよ♪』

 

 

 

 

\KIME-WAZA!! DUAL GASHAT!/

 

 

 

 再び必殺技が発動される。

 

 

 

 

\KNOCK-OUT CRITICAL SMASH!/

 

 

 

 

 

 強力なスマッシュがゲンムにヒットする。

 

 

『ク……ぅ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ゲーム・オーバー/

 

 

 

 

 不死身のはずだが、致死量のダメージを喰らったことにより、ゲームオーバーとなってしまった。

 

 

 

 

 

――――

 

 

 

「特殊能力無効化とは、なかなかやってくれるな」

 

 再調整したゴッドマキシマムを手にクロトは呟く。

 

「だが私の生み出す究極のゲームには、程遠いがなァ」

 

 更に、デスクの片隅にはアタッシュケースが置いてあった。

 

「仮面ライダークロニクル、まだβ版だが……使いこなせる奴が、はたしているかどうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

――

 

 

 

 

――――衛生省

 

 

 

「二条君、ご苦労だったね」

 

 キリヤは雄英高校の制服ではなく、アロハシャツ姿だった。

 

「どーも、陽向審議官」

 

 二条 キリヤ、所属は衛生省。

 

 実年齢は24、つまるところ、年齢を偽って雄英に潜入しているのだ。

 

「やっぱ、壇 クロトは――ゲンムコーポレーションはバグスターウイルスを実用段階にまで研究していますよ。自分が見る限り、では」

「うむ、そんなことだろうとは思っていた……ゲーム病治療と称して、そんなものを送り付けてくるんだからね」

 

 キリヤの持つゲーマドライバー、そして爆走バイクガシャット。さらに奪ってきた二本のプロトガシャット。

 

 それらからバグスターウイルスが検出されている。

 

「それと……」

「どうかしたかね?」

「いえ、何も」

 

 すべての事実は伝えるべきではない。彼の信条が口をつぐませた。

 

「さすがの君も、高校生を騙すのは気が引けるかな?」

「ははっそんなわけ」

 

 ちらりと、偽りのクラスメートの顔が浮かび上がった。

 

 特に、自分の嘘に振り回されてくれる彼女が。

 

「そんなわけ、ないでしょ。自分、嘘吐きですから」

 

 一つの嘘が、誰かを救うことがある。

 

 救うために、彼は嘘をつき続ける。

 

「期待しているよ、二条君」

「どーも……」

 

 部屋を出た直後、キリヤは呟いた。

 

「乗んないでくれよな……こんなくっだらねぇ嘘に」

 

 その手には、ゲンムコーポレーションのロゴが入ったケースがあった。

 

 

 

 

 

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