てぇんっさい物理学者の葛城 セントは、発掘されたパンドラボックスの謎を解き明かし、人々の平和を守るヒーロー、仮面ライダーとなる』
?「なんだよこのナレーション」
?『本編で謎の存在にされているからあらすじで自己紹介してるんだよ。俺たちの長きにわたる研究の成果を限られた文字数で』
\ポーズ/
?【――おっと。ここから先は、皆さんにとってはまだ未来のお話】
――――
――
「これはビルド。“作る・形成する”って意味の、ビルドだ。以後、お見知りおきを」
赤と青の二色の敵――ビルドはベルトから武器を出現させる。
「ほう――ではビルドとやら、オールマイトはどうした?」
「知りたかったら力づくで聞くといい」
「言われなくてもそのつもりサァ!」
\ガシャコン・ブレイカー!/
「フゥウ!」
「よっ、と」
「死ねオラぁッ!」
味方もろとも巻き込んで吹っ飛ばそうとする爆豪の攻撃。
「おーおー怖い怖い」
\ゲーム・オーバー/
いつもの様にゲームオーバーとなるも、中々復活してこない。
「何で復活しねえんだよ……!」
「悪いね、君たちに協力されたら厄介だから――細工を、ね♪」
ゆっくりとビルドが歩を進める。
「誰があんな奴と協力するか!」
「あれ……当然この場の最適解だと俺は考えてたんだけど――ひょっとして君バカ?」
爆豪の額に青筋が浮かぶ。
あからさまな挑発に乗ってしまっていた。
「寝言は寝て死ねぇッ!」
「うわ、意味不明」
いつも通りの右の大振りをあっさりと見切られカウンターで攻撃を入れられる。
「体育祭の映像を分析して、君のくせは全て調べ上げたよ。毎回必ず右の大振りから攻撃に入る。当然、俺はそれを刈り取る」
「デクみたいなマネしやがって」
「――でも、その対策を君はちゃんとしている」
空中で方向転換し、爆撃を喰らわせようとしていた爆豪は思わず身を強張らせる。
目の前に銃口があったからだ。
「言ったろ。君のくせは調べ上げた。そうすることは予測済みだよ」
咄嗟に下方に移動して難を逃れる。
蹴りが命中して転がされる。
「そして君の個性。どんどん威力が上がっていくから、ただ手の平を爆破させてるだけじゃない――むしろ爆発する物質を生成していると考えるのが妥当だ」
ビルドは別のボトル――紫と黄色の物を振る。
\ニンジャ! コミック! ――ベストマッチ!!/
再びベルトのレバーを回転させる。
\Are you ready?/
「ビルドアップ」
今度は紫と黄色のボディに変化する。
\忍びのエンターテイナー! ニン・ニン・コミック!! イェィ!/
「だとすると選択肢は少ない――たとえば、ニトログリセリンとかね」
新たに手にした武器のトリガーを二回引く。
\火遁の術/
「っ!?」
咄嗟に爆撃を放って逃れようとするも、炎の渦に囲まれてしまう。
彼の個性で生成されるニトログリセリンは非常に外部からの圧力に弱い。熱を受けて暴発してしまう。
「くそっ! 舐めやがって! 正々堂々と勝負しろやっ!」
「心外だな。これが俺の戦闘スタイルだよ」
これで心を折るほど爆豪は心が弱くない。
むしろ反抗心をより募らせる。
「――てめぇは俺がぶっ殺す!」
「うん、やっぱり思った通りだ」
変則的な攻撃を全ていなし、ビルドは再びレバーを回転させる。
\Ready go!/
周囲に再び謎の数式が出現する。どうやら実体を持っているらしく、それらは全て爆豪を妨害していく。
「ぐっ――クソッ!」
「君は、ヒーローにはなれない」
\ボルテック・フィニッシュ!!!! イェィ!!!!/
煙幕で視界が塞がる。爆豪がせき込んでいると、背後から手裏剣と擬音(?)が飛んでくる。
持ち前のセンスで避けるも、その先にはビルド。
「所詮、君はその程度ということだ」
「うるせえ……! なれるか、なれないかを決めるのは――俺だッ!」
「違うね」
爆豪が小手の引き金を引くよりも早くビルドが手を踏みつける。
「が……っ!」
「ヒーローかどうかを決めるのは君自身じゃない。第一、君は手段が目的化している。本来ヒーローの本質は奉仕活動、ヴィラン退治はあくまで人助けの手段に過ぎない」
頭を掴まれ、彼のマスクが落ちる。
そのまま持ち上げられ、無機質な仮面に覗かれる。
「君はこの先、仮免試験を受けても不合格になる。本試験まではたどり着けない……一番になる、だっけ? せいぜいがお山の大将止まりさ」
突き放される。
\タカ!/
爆豪は距離を置き、今度こそ必殺技を放とうとする。
\ガトリング! ――ベストマッチ!!/
ビルドは新たにボトルを入れ替え、フォームチェンジする。
「ハウザー……」
\Are you ready?/
「インパクトッ!」
「ビルドアップ」
大爆発が起こる。かつての演習試験でビルを半壊させた威力、建築資材や足場が吹き飛んでいく。
\天空の暴れん坊! ホーク・ガトリング! イェーイ!!/
ビルドは空を飛んでいた。
「見返りを求めたら、それは正義とは言わない」
――――
――
『まーだーでーすーかー!!!?』
プレゼントマイクの大声が森林フィールドに響き渡る。耳郎も口田も音に関係する個性の為、圧倒的に不利な状況であった。
「っそうだ!」
耳郎は近くにあった岩を砕いてその下の虫を露出させる。
「!?」ビクッ
「ねえ口田、あんた虫操れない!?」
答えを言う間もなく彼は遠ざかっていった。
「……虫、駄目なんだ」
「……!」コクコク
『はーやーくー!! しーてーくーれ―!!!!』
爆音を打ち消そうとするも、彼女の個性では焼け石に水だ。
(っどうすれば――)
脳裏に数日前、mとゲームをした時のことが思い浮かぶ。
『お姉さんワンパなんだよね~』
ゲキトツロボッツでぼろ負けしていた耳郎に彼女はそう言った。
『もう少し、工夫しなくちゃ♪』
『ったって、ウチこういうゲーム得意じゃないし』
『そんなの、簡単だよ。相手のくせを読めばいいの』
(マイク先生の、癖ッ)
爆音が響き渡るのは一定間隔、つまり待ちきれなくなって声を荒げているということだ。
「口田、ごめん! 虫苦手かもしれないけど、操れるかどうかだけでも教えて!」
「…………」グッ
可能。ならばあとは――
「ウチが先生を消耗させる。だから虫を操って襲わせてッ!」
「……」ブルブル
『ボエェェェェェェェェ!!!!』
ナメられている。だからこそ不意を突ける。
「おねがいっ! もうこれしか――方法がないのっ!」
不意に、彼女の体が疼いた。
(な、に……?)
もしかすると風邪の罹り始めなのかもしれない。でも辞退するわけにはいかない。
耳のイヤホンジャックをスピーカーに接続して心音を発生させる。
「ッ!?」
いつにないくらい激しい痛みを感じた。体の疼きが最高潮になる。
――――爆音が響き渡る。
設計上限を超える音量でスピーカーが破損した。
そして彼女の耳たぶ――イヤホン部分からは夥しい量の出血。
体にはノイズが走るように揺れる。
「……じ、耳郎さん?」
普段は無口な口田でも声をあげてしまうほどの異常事態だった。
遂にクラスメートがゲーム病に!?
次回、期末試験編完結!!
※なお内容は変更となる場合があります