・クロトがコンテニューに失敗
・爆豪がめちゃくちゃ煽られる
・耳郎さんに危機が迫る
――――
――
「見返りを求めたら、それは正義とは言わない」
ガトリング砲が火を噴く。
爆豪は咄嗟に躱すも、足に傷を負ってしまう。
「くそっ」
わざと追い詰めるように足下を狙う。
「じゃあな――」
\(中略)ゴッドマキシマームX!/
「繧医¥繧ゅd縺」縺ヲ縺上l縺溘↑繧。繝?シ」
クロトがようやく復活したものの、バグっていた。
ゴッドマキシマムに変身し、確実に相手を始末するつもりなのだろう。
「おわッ!」
「繧ゅ?繧?ィア縺吶▽繧ゅj繧ゅ↑縺?ャ? 窶補?輔だ繝ウ繝薙け繝ュ繝九け繝ォ繝サ襍キ蜍」
何を言っているのかよくわからなかったが、周囲に大量のゾンビゲンムが出現する。
ビルドはそれらを躱して新たなアイテムを手にする。巨大な缶のようだった。そのプルタブを開けると接続部が露出する。
\ラビットタンク・スパークリング!!/
炭酸の様にはじける成分がランナーを形成し、赤・青・白のボディとなった。
「ビルドアップ」
\シュワッと弾ける! ラビットタンク・スパークリング!! イェイイエーイ!!!!/
先程の赤と青、ラビットタンクよりもトゲがありかつ白い泡のようなデザインが組み込まれている。
泡のようなエフェクトと共に瞬間的に跳躍し、ゾンビを蹴散らしていく。攻撃を繰り出すたびに泡がはじける。
さらにガトリング砲と刀を構え、炎や煙幕に弾をばらまいていく。
「?ク?橸スエ?ッ――――ッッッフゥッ!」
ようやくバグが治ったのか、ゲンムの言語能力が復活する。
「……ここまで私のゲームに干渉してきたのは君が初めてだ」
「てぇんっさいの手にかかれば、ちょちょいのチョイよ♪」
刹那のにらみ合い、キースラッシャーとガトリングの撃ちあいが起こる。
\ズ・パ・パ・パーン!/
飛ぶ斬撃をビルドは剣で受け止める。その隙を見逃さずゲンムは自らの体を射出してとびかかる。
「うん、良い攻撃だ」
\Ready Go! スパークリングフィニッシュ!!!!/
ワームホールのようなオブジェクトに吸い込まれ、ゲンムはビルドのキックをまともにくらってしまった。
\ゲーム・オーバー/
その拍子にいくつかのガシャットが爆豪の目の前に落ちた。
「……ッ!」
ドラゴナイトハンターZだった。それは彼の好きな人が好きなゲーム。通常のガシャットとは違う、ドラゴンの意匠がなされた形状、ゴールドの特別感のある色合い。
「見返りを求めたら……正義じゃねぇ、だと?」
「うん?」
再びゲンムをバグステージ送りにしたビルドはそのつぶやきに疑問符を浮かべる。
「てめえなんざに言われなくても――知ってんだよ」
\ドラゴナイトハンター・ゼェーット!!/
「――同じ手を二度も喰らうかぁっ!」
即座に復活して見せたゲンムは爆豪の行為を見て驚愕する。
「ぐ……っ」
「やめたまえ! 君にガシャットは扱えない!」
その警告が象徴するように、爆豪の体にノイズが走る。
「ッ! 俺は見返りが欲しくてヒーローになンだよ……!」
歯を食いしばり、彼はガシャットを自らの体に挿入する。
「よせッ!」
――――
――
(やれやれ、なんであんな奴に目を掛けるんだ……八木さん)
ビルド――葛城 セントは仮面の下でため息をつく。
それは数日前、I・アイランドで研究をしていた時の事。
『久しぶりだね、葛城少年!』
かかってきてほしくない相手からの電話だった。
『最っ悪だ……よりによってあんたかよ』
もう少年と呼べる年齢でもなかったが、ハイテンションな世界一嫌いなヒーローの声に辟易する。
『HAHAHA! いつに増して辛辣だね!』
『こっちはトラブル続きなんだ。くっだらない雑談がしたかったなら別の相手を――』
『君に頼みがある』
それは日本の雄英高校で期末試験の試験官をやってほしい、とのことだった。
『体育祭の決勝コンビね。よく除籍されずに残ってたもんだ』
『……どういう意味だい?』
『あの爆豪とかいうやつ、あれはヒーローの器じゃないってこと』
暴言、乱暴な行為、本気でヒーローを目指しているのかわからないようなアンチヒーローなふるまい。
『あんたは、性格はともかく技量はNo.1だ。でもあの爆豪は技量もなければ、かといって性格も最悪。間違いなくヒーローにはなれない』
『そうかもしれないね』
時間の無駄だと判断し、セントは電話を切ろうとした。
『――でもね、葛城少年。爆豪少年は、とある女子が来てから随分と丸くなった。私は――こちらの方が本当の性格なのではないかと思ってね』
『人を見る目がないヒーローNo.1のあんたが何を言ってるのやら』
『う――っ! それはおいておいて、だ。私は彼の事を信じてやりたい。どうか頼むよ』
思い切りため息をついた。
これで研究が遅れると思うと嫌な気分でしかない。
(最っ悪だ……)
「やっぱり君は力に飲まれる、ヒーローにはなれないよ」
ガシャットのデータを読み込んだウイルスが爆豪の体を覆い、ラスボスのグラファイトへ姿を変貌させる。
「“俺ハ龍剣士ぐらふぁいと”――っるせえ!」
「?」
「まさか……!」
だが彼の姿は安定せず、半分爆豪、半分グラファイトの状態だった。
「っがぁ……“俺ノ全テヲココニ”――勝ちてぇんだよッ!」
歯を食いしばってウイルスの浸食に耐えていた。
「俺はどんな状況でも――笑って勝っちまうヒーローになるッ!」
彼が腕を振り払うと、ウイルスが一つの形――牙を模した剣状で収束する。コスチュームが変化し、ドラゴンの意匠がところどころにちりばめられている。ガシャットを挿した左胸には、ラベル部分が露出している。
「……そして惚れた女を振り向かせるんだよ」
彼の汗が床に落ち、小さな爆発を起こす。
「おい
「良いだろう。君に神からの恵みを授けようじゃないカァ」
なにがどう転ぶかわからないものだ。ビルドは仮面の下で微笑む。
「……最っ高だ。八木さんの言っていたことはあながち間違いじゃなかった、ってわけか」
「さんざん人の事を煽ってくれたなぁ……死ぬまで殺すッ!」
「私の貴重なライフを二つも削った報い、受けるがいい――ドラゴナイトキングダム・起動」
挟み込むようにゲンムと爆豪が構える。
「みっちりしごいてやるから、覚悟しとけ♪」
\ハザード・オン/
ビルドは赤いトリガーを起動し、ベルトへセットする。缶のアイテムを取り外し、再び赤と青のボトルを振り始める。
「さぁ、実験を始めようか」
\ラビット! タンク! ――スーパーベストマッチ!!!!/
ベルトのレバーを回転させ、黒い鉄板のようなものが出現する。
\ガタガタガタゴットンズッタンズッタン! ガタガタガタゴットンズッタンズッタン! ――Are you ready?/
「ああ、できてるよ♪」
鉄板にプレスされ、ビルドのボディを強制的に変形させる。
\アンコントロールスイッチ! ブラック・ハザード!! ヤッベーイ!!!!/
最初の形態、ラビットタンクが黒く染まった姿へと変貌する。複眼以外は完全な黒。
「勝利の法則は、決まってるか?」
その言葉を最後に黒いビルドは襲い掛かる。
大量の眷属を召喚したゲンムに拳を繰り出す。背後から爆豪に殴打されるも気にも留めずに攻撃を続ける。
「グゥッ! 少しは」
「――――」
頭を掴まれてもがくゲンム。黒ビルドはトリガーのスイッチを再び押し、レバーを回す。
\マックス・ハザードオン! ガタガタガタゴットンズッタンズッタン! ガタガタガタゴットンズッタンズッタン! ――Ready Go!/
「グァァッ!!!?」
\オーバーフロー!! ヤッベーイ!/
電流が走り、ゲンムが硬直する。そんなことに構うことなく爆豪は攻撃を止めない。
「ゥ! 少しは加減をしろっ!」
「どうせすぐに蘇るだろうがっ!」
\ハザードフィニーッシュ!!!!/
邪魔を続ける爆豪へ放たれるキックをゲンムが代わりに受け止める。
「グッ!」
\ゲーム・オーバー/
「クソがっ……俺で何とか出来たわ」
爆豪は手の平から滴る汗を武器にまとわせる。
「――フゥッ! 勘違いするなァ! 私のゲームを守るためだ!」
\ガッチョーンガッチャーン! カミワザ!!/
「ハウザー……」
\GOD MAXIMUM CRITICAL BLESSING/
「ブーメランッ!!」
二つの必殺技を喰らい、黒ビルドは大きくのけぞり、ベルトのトリガーがはじけ飛ぶ。
『――試験終了!』
規定時間が過ぎ、機械的にアナウンスが入る。
「お前ら、ほんと最っ高だよ」
変身を強制的に解除させられたビルドはコートのポケットから入校許可証を出す。
「は?」
「ふむ、そう言うことか」
\ガッチョーン…ガッシューン…/
二人は何やら察することがあったようで、顔を引きつらせる。
「改めて自己紹介しよう。俺の名は葛城 セント、戦うウサギと書いて、“
「……チッ騙し討ちかよ」
「そう受け取ってもらって構わないよ。ともあれ、君たちは合格だ」
まるでいたずらっ子のような笑顔だった。
「条件を達成したら合格と、言われていなかったなァ」
「少なくとも、俺はそう伝えるつもりだ」
そこからセントは険しい顔になる。
「爆豪、忘れるなよ。俺はお前の事を危険だと思っている。何かがあれば――本気でお前を斃しに行く」
「ハッ! 返り討ちにしてやる」
爆豪の挑発に、セントは困ったように髪を掻きむしる。
「……近いうちに
彼は動けない二人に向かって手を振り、颯爽と去っていくのだった。
これで終わりといったな、あれはウソだ!(某キャット風)
次回はプロローグ的な話、合宿編へぬるりと移行するぞい。
え、映画の内容……? やるわけないじゃないか……!
やらないぞ!(前フリ)