新章突入。衛生省の闇が描かれたりする。
神のヒーローアカデミア21
――――
――
「人間じゃないって……」
「私はバグスターウイルス感染症――君たちがゲーム病と呼ぶものによって死んだ。そして高次の生命体として蘇った」
急に難しい用語が出現し、バカ二人組がはてなマークを浮かべる。
「コージノセーメータイ?」
「あれか……子供の頃遊んだ」
どんなにバカなことを言っても、気の利いたツッコミを入れてくれるクラスメイトは今はいない。
「厳密にいえば私は壇 クロトではない。そのデータをもとに復元されたコピーだ」
「だったら何で復活できる?」
轟の質問にクロトはガシャットを見せることで応える。
「私がコンティニュー出来るのはこのα版ガシャットの特性さァ。この私の才能をむざむざと失わせるわけには行けないからなァッ!」
冷たい視線を感じるもそれで怯む神ではない。
「だから安心したまえ。君たちはゲーム病で死んだとしても蘇ることができる」
「――それは違うと思う」
真っ向から対立したのは緑谷だった。
「君もさっき言ってたじゃないか。自分はデータをもとに復元されたコピーだって」
「だから何だ? 神の才能がこの世に残る、それだけで十分」
「良くないよ! 本当の君はもう死んでるんだぞ!?」
「だが私は私だ――それに人間だった時よりも十分満たされているからね」
必死に差し伸べられた手もはねのける。
クロトに生半可な同情は気にしない。むしろ鬱陶しく感じる。
「君たちにはわかるまい……個性がないというだけで、どれほどの差別を受けるのか」
その言葉で緑谷がハッとする。自分自身も個性が無かった過去がある、それ故彼の気持ちもわかるからだ。
「たったそれだけで、連中は私の才能をないがしろにするッ! 私は――ッ命さえ自由自在に生み出す。
最近はいい人感を出していたから忘れていたが、こいつはこんな性格だった。クラスの心は一つとなった。
「だったら何でお前はヒーロー科に転科した? 俺たちはお前に強制した覚えは一切ない」
相澤からの指摘にクロトは押し黙る。
「……今それを話すわけにはいかない――なぜなら」
\マイティアクションX/
クロトは突如としてガシャットを起動、ベルトを装着する。
教室の出入り口には衛生省のエージェントが待ち構えていたのだ。
「壇 クロト! 貴様を拘束させてもらう!」
\カメンライダー・クロニクル/
次々と緑色のガシャットを起動していく。
「くそっ!」
プロヒーローとして、1-Aの担任として、相澤は捕縛布を展開する。
「邪魔をするなイレイザーヘッド、公務執行妨害で逮捕するぞ」
「ぬかせ! 手前らに逮捕権なんざねえだろうが!」
個性の抹消を発動し、役人の個性を封じる。
「無駄だ、この装備はあなた対策である」
\Enter the game! Riding the end!!/
役人たちは次々と茶色の――マ○オのクロボーのようだ――パワードスーツに身を包む。
「そうかい!」
抹消の個性は異形型に通用しない。それゆえ相澤は肉弾戦もある程度心得ている。
「おい、お前たちは後ろからだ」
教室には二ヶ所の出入り口、後ろからも同じ軍勢が押し寄せる。
「しまっ」
「させっかよ!」
真っ先に飛び出したのは意外にも爆豪だった。
「あいつは俺の獲物なんだよ! てめえらなんざにやらせっか!」
他の面々も個性を発動し、戦闘態勢に入っていく。
「ぐっ……貴様ら自分が何をしてるのかわかって」
「流石だな――お前ら、見込みあるよ」
皆はクロトを庇うように戦陣を組む。
「つい最近、うちの生徒が衛生省付近で行方不明になっている。にもかかわらずお前たちは情報を開示していない。てことは、だ。お前らがそれに一枚かんでんだろ」
生じた隙を相澤は見逃さない、捕縛布で振り回して気絶させる。その後瀬呂がテープの個性で無力化した。
「俺たちがそれに気づかない――ましてや生徒に注意喚起しないとでも思ったか」
「貴様はその男を庇うというのか!? 我々には貴様のヒーロー資格をはくだブェ」
問答無用で薙ぎ払い、黙らせる。
「目標地点はUSJだ! 今の時間なら、13号が待機しているはずだ」
「「「はいっ!」」」
「なぜテーマパークに」
「説明は後! 行くよ壇君!」
麗日の個性で無重力化されたクロトは窓から放り投げられる。即座にもぎもぎで階下に降りていた峰田によってキャッチされた。
轟は氷で壁を作りつつ、窓の外へ滑り台の様に氷塊を生み出す。
「……少なくとも、壇は悪人ではない。もしそうなら俺はすぐに除籍処分にしてるさ……まあ、性格は少々アレだが」
衛生省の役人も愚かではない。即座に無線を使用し外部の者に増援を要請している。
「もしあいつを拘束したいってんなら理由を説明しろッ!」
「そ、それは」
「ま、そうなるわな――お前ら、
警報が鳴り響く。衛生省の役人たちが侵入者認定されたのだ。
「これは国民を守るための非常措置である!」
こじつけのような意見に相澤は鼻で笑う。
「“生徒の如何は担任の自由”――俺は侵入者から、自分の生徒を守るだけの事」
――――
――
\ステージ・セレクト/
病室からどこかの採石場に場所が変化する。
『ギャオオオオオン』
「はっ!」
ピンク色のゲンム――エグゼイドはガシャコンブレイカーでバグスターを叩いていく。
付近のチョコブロックを破壊する。“混乱”のエナジーアイテムが出現した。
「いらない!」
\混乱/
デバフ状態を付与し、バグスターがふらふらと混乱している。
「えいやっ!」
その隙に猛攻を仕掛ける。ダメージが限界値に達し、爆散した。
「っっしクリア!」
だがそのウイルスが再集合し、DJのようなバグスターへと変化する。
『Uhhhh! アガって来たァァ!』
「あれはドレミファビートの……っ大変身!」
\ガッチャーン! レベルアーップ!! マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクション・X!!/
三頭身のレベル1から八頭身のレベル2へ変身した。
『オレとお前で最高のビートを奏でようぜッ!』
BGMと共に音符のエフェクトが生じる。
「そっか、音ゲーだから……クロトが言ってた通りだ!」
エグゼイドはリズムに乗って体を動かす。
ドレミファビートは互いにリズムに乗ってアクションを行い、ヒロインである“ポッピーピポパポ”をメロメロにした方が勝利できるゲーム。
単純な判定ゲーじゃないところが奥の深いところである。
『noooo! 最高にアガるビートだったゼ……』
バグスターはキメ顔で四散していった。
\ゲーム・クリア!!!!/
ゲームを終了し、元の場所へ戻ると、謎の集団に取り囲まれる。
「え……?」
「二条 エミ、貴様をバグスターウイルス散布の容疑で拘束させてもらおう」
謎のスーツを纏い、エージェントたちは次々に襲い掛かってくる。
「――くっよせ!」
それをブレイブが懸命に抑える。
この少女の正体が不明とはいえ、オペで患者を救ったことから事情を考慮しているのだろう。
「貴様何を!?」
「俺はドクターである以前に――ヒーローだッ!」
眩い光に包まれ、ヒイロは姿を変える。プロヒーローブレイブとしての姿だ。
「このまま患者を連れて逃げろ!」
「わ、分かった」
エミは耳郎を連れて別の出口から逃げ出していく。
「貴様ウイルスの抗原を」
「彼女がヴィランであるという情報は入っていない。罪のない少女を犯罪者扱いするお前らの方が間違っている!」
――――
――
「――ようやく、ゲームが始まったか」
連合のアジトでパラドクスは呟く。
「なんの話だよ」
死柄木は先程までいた未来の仲間たちのせいでストレスが溜まっていた。
「さいっこうにスリリングで、エキサイティングなゲームが始まったのさ!」
パラドクスの目が赤く輝く。
「――ようやくお前と遊べるな、エミ」
パラドクス(本名:二条 エム)
個性:ウイルス
あれ、俺この個性説明しなかったッけか?(by解説役)