そして鬱展開注意。
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――
\ステージ・セレクト/
ステージが切り替わり、崖の多い荒野のような場所になった。
\ガシャコン・パラブレイガン!!/
パラドクスは銃と斧が合体したような武器を召喚し飛びかかる。
エグゼイドはロボットから射出されることでそれを躱す。そしてエナジーアイテムを取得しつつキースラッシャーを召喚する。
\マッスル化!/
攻撃力が格段に上昇し、一振りごとに爆発が生じる。
「ははっ! やるな!」
攻撃を紙一重で躱しながら、パラドクスはパラブレイガンのBボタンを連打している。
\分身! 鋼鉄化!/
前者を自分に、後者を武器に付与し引き金を引いた。
「ッ!?」
多くの鋼鉄化した弾丸が降り注ぐ。
完全に躱しきることができず、かなりの弾数を喰らってしまった。
\8連鎖!/
エグゼイドのライダーゲージが半減する。一撃の威力が大きく変動するのがパラドクスの強さだった。
「……やるね」
「お前もな」
パラドクスのゲージもまた、大きく減少していた。にも拘わらず彼は仮面の下で笑っていた。
「よく笑ってられるね……このゲージがゼロになれば、死ぬのに」
「死んでも蘇れる、それが俺たちバグスターだ」
「違う! 私は」
否定しようとするも、その声に力は無かった。
「私は、人間だよ……」
「嘘つけ。お前は異形型の個性――人の形をしたウイルス。俺と同じでな!」
――――
二人は双子の
元々超常以降、双子の類似性はあまりあてにならないことが多かった。二人とも異なる個性を発現させ、いかに似通った見た目であっても違う能力を発揮するからである。
だがこの二人は全く同じ個性を発現させた。
人間の姿をしたウイルス。
両親の個性とも、二人の兄の個性とも似ていないそれは、ある種の突然変異であったともいえるだろう。
とはいえ、異形型の個性など不自然なことでもない。それ以上に危険な性質を持つ能力などいくらでもあった。
両親も安心して幼稚園、小学校と子供を送り出した。
だが、噂とは恐ろしい物で、二人はウイルスの個性を持っていると知れ渡ってしまう。
そして人類は
いくら子供が純真だったとしても親の行動を見て、差別が起きた。
瞬く間にそれはいじめへと発展してしまったのである。
――――
悲劇は雨の日に起こった。
双子の兄――エムは自動車に轢かれた。
目撃者の証言では、自分から道路に飛び込んだのだという。
すぐに救急搬送されたが、医者の努力も空しく命を落としてしまった。
――――
「――お前と一緒にするなッ!」
「酷いな……俺たちは生まれたときから一緒だっただろ!? それは今も変わらない!」
\ズ・ゴーン!/
パラドクスの攻撃を、エグゼイドはそのまま受け止めた。
ゲージが急激に減少し、残りはわずかとなっていた。
「違う……! あなたはエムじゃない!」
「俺はエムさ! 俺は死んで生き返ったんだよ!」
パラブレイガンが抑えられ、身動きが取れなくなる。エグゼイドは容赦なくキースラッシャーの引き金を引いた。
「生き返ってないよ! あの日、エムは死んだんだ! お前がどんなにエムに似ていても――死んだあの日のエムはもう二度と戻ってこないのッ!」
\マキシマム・ガッシャット!!/
キースラッシャーにガシャットが装填され、エネルギーがチャージされる。
――――
それから半年たった。
双子の兄が死んだことで妹は一人ぼっちになってしまった。
誰もが彼女を腫物扱いで、どこにも居場所がなかった。
そんな時、彼女はゲームに出会う。
ゲンムコーポレーションが発売した“マイティアクションX”が世界的な大ヒットとなり、社会現象となったのだ。
彼女の両親は、悲しみに暮れる娘にそれを買い与えた。
生きる気力を無くしていた彼女は、ゲームに魅了された。
現実ではどんなに迫害されていても、仮想空間の中ではヒーローだった。元から才能があったのか、気が付けば世界でもトップクラスのゲーマーになっていた。
ゲンムコーポレーションのファンになっていた彼女は、ゲームの製作者に手紙を書いた。
あなたのゲームのおかげで自分は楽しかったと。生きる希望を見つけられたと。そして次はこんなゲームを作ってほしい――双子のマイティが世界を救うために戦うゲーム――そこまで書いて、涙があふれてきた。
結局死んだ兄の事を忘れられていなかった。
ゲームをやっている間は忘れられていても、終わった瞬間にそれを思い出してしまう。
結局ファンレターはぐしゃぐしゃに破り捨ててしまった。
――――
彼女は学校の屋上から飛び降りようとしていた。
もうこんな世界は嫌だった。ならば死んでしまえば楽になれるのではないか。
屋上から身を投げ出した瞬間、腕が強く引っ張られた。
見上げると、同じくらいの年の男の子が死なせまいと腕を掴んでいたのだ。
『早まっては駄目だ! 君の才能をこの世界から無くすわけにはいかないんだ!』
なんだこの変な奴は。普通こういう場面では「命を粗末にしちゃだめだ~」と説得するものではないのか?
これが壇 クロトとの出会いだった。
――――
\MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH!!/
光線が放たれる。
まともにくらったパラドクスは大きくのけぞり、地面に倒れた。
ゲージは殆ど削られ、エグゼイドと同じになった。
「……はは、楽しいな。ようやく俺の願いが叶う」
「何の、話?」
「死ぬ前に思った。もう一度だけ、エミと遊びたい。だから俺はこうして蘇った」
\ガッチョーン……ウラワザ!!/
パラドクスはレバーを閉じ、必殺技の体勢に入る。
「邪魔できないようにヴィランをコントロールした、だからこれが最初で最後のチャンスなんだ! 奴らはもう抑えきれない!」
「エム……」
エグゼイドは躊躇った。
これでとどめを刺してしまえば、もう二度とエムは帰ってこない。
勝手に死んだことは許せない。許すつもりもない。
できることならもう二度とあんな思いはしたくない。
\ガッチョーン……キメワザ!!/
「ああ、それでいい。本気の勝負だ、エミ!」
「言っておくけど、負けるつもりはないからね、エム!」
\\ガッチャーン!!//
同時にレバーが開かれ、必殺技が発動する。
\PERFECT-KNOCK OUT CRITICAL BOMBER!!/
\MAXIMUM CRITICAL BREAK!!/
空中で交差した。
激しいぶつかり合いの末、勝負は決する。
――――ウィウィウィン……ビビビビビビビ
パラドクスのライフがゼロになる。
変身が自動的に解除された。
「……楽しかったぜ、エミ」
「…………どうして?」
変身を解除し、エミは問いかける。
「どうして?」
これ以上に言葉は要らなかった。
「さあな、忘れたよ」
緩やかに、エムは消滅していく。
その表情は、もうすでに見えなくなっていた。
「でも、エミを護りたいって、思ってたかな」
空中へと溶けていく。
コンティニュー出来ない、それがクロトの決めたゲームの絶対的なルール(ただし、自分を除く)
\ゲーム・オーバー……/
エミの手がその欠片に触れた瞬間、消えてしまった。
彼の身に着けていたベルトは持ち主を失くし、静かに地面へと落ちていくのだった。
――――
――
エグゼイドとパラドクスが戦っていたゲームフィールド。
主役の姿が消えた後、恰幅の良い男性がそこを訪れていた。
『パラドクスは消えたか』
彼は“葱”と書かれた扇を広げ、自分を仰ぐ。
傍らには忍者のような姿をした人物が控えていた。
『ハハハ! 実に愉快な“ゲーム”だったよ!』
男は高らかに笑いながら、残されたベルトとガシャットを拾い上げた。
『ここからは
謎の男――ジョニー=マキシマ
個性:???
生身なのにゲーム空間に侵入できる……ヤッベー個性だな!
次回、最終回?
まだ書きたいことあるし終わらないと思うけど。