神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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結局こっちを更新したのだ!

そろそろ一話目の投稿から一年……え? マジ?

一発ネタがまさかの一年継続だとぅ!?


最終章 アナザーエンディング
アナザーエンディング1


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 ――X年前

 

 

『速報です! 現在○○市に出現している謎の巨大ヴィランは未だに勢力を保ったまま――わッ!?』

 

 映像が乱れる。

 

 映像を記録していたヘリコプターのカメラが大きく揺れたのだ。

 

『だ、大丈夫ですか……ええ、はい……現場から入った情報です。現在巨大ヴィランの周囲10km以内からの退避命令が出されたとのことです。近隣の方は速やかに避難をしてください。繰り返します――』

 

 スタジオのアナウンサーがフリップを取り出しヴィランの解説をはじめる。

 

 巨大ヴィランの名前は“ゲムデウス”

 

 個性は不明。正体は不明。目的も不明。すべてが不明だった。

 

 体長は高層ビルと同等、戦闘力は並のヒーローでは太刀打ちできないほどであった。

 

 

『現在オールマイトは海外の式典に出席中の為、到着は遅れるものと思われます。くれぐれも戦闘区域には立ち入らないように願います』

 

 

 チャンネルを変えると、ドローンによってヒーローの戦闘風景を映し出している番組があった。

 

 たった一人で未知の敵と戦い続けている竜騎士。

 

 ヒーロー名は“ドラゴンナイト”

 

 誰も救援に来ず、相性など悪いことが分かっている。それでもなお戦い続けた。

 

 

 ――――人々の平和を護り抜くために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……巨大(ヴィラン)ゲムデウス事件。

 

 推定被害世帯――2万。

 

 軽傷――多数。

 

 重傷――複数、ただしその後死亡した人はいない。

 

 死者――1名。

 

 

 一人の英雄(ヒーロー)によって被害は最小限に抑えられた。

 

 ……彼の命と引き換えに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はぁ……進路希望:王様…………なあ、時和」

「え、何か問題でも?」

 

 進路指導室に呼び出された時和 ソウゴはあっけらかんとした様子で返事をした。

 

 教師は薄くなった頭髪を掻きむしりながら髪を叩きつける。

 

「問題も何も……お前、自分の進路の狭さが分かってるのか?」

「まあ、王様しか見てないんで狭いですよね」

「そういう意味じゃないッ!」

 

 時和 ソウゴには個性が無かった。

 

 俗にいう無個性であった。その時点で進路からヒーローが消滅する。

 

 そして成績――お世辞にもいいとは言えない。理系科目が壊滅的だった。この時点で理系の道は閉ざされているといっていい。

 

 つまり、相当努力しなければならない、ということだ。

 

「無個性で、やけになってるかもしれない! でもな、世の中には無個性と何ら変わらないような個性の人だって大勢いるんだ!」

 

 教師は自分の個性を発動させる。ちょっとだけ爪が伸びた。ほぼ無意味な個性だ。

 

「でも……俺、王様になるッて決めてるから」

 

 それでもソウゴの心には響かなかったようだ。

 

 

 

「……――時和ァッ!」

 

 お説教は数時間続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……ん?」

 

 ソウゴは下駄箱に黒い時計のようなものが入っているのに気付く。

 

「誰のだろ、明日探そ」

 

 特に気に留めることなくそれを制服のポケットに入れ、家路につく。

 

 あと半年でこの道を通ることは無くなる。

 

 どこの高校へ行くかは決まっていないが、なるようになると思っていた。

 

 最悪中卒でも王様になれば関係ない、そう思っていた。

 

 

 

「――――今日は君にとって特別な一日となる」

 

 背後から声を掛けられた。

 

 驚いて後ろを向くと、辞典のような大きな本を携え、夏だというのにストールを巻いた青年が立っていた。

 

「あの……俺に、用ですか?」

「――この本によれば、君は今日運命的な出会いをする」

 

 青年は音読をするようにソウゴに話しかけた。

 

「でも“白い忍者”に気を付けて」

「…………(なんだこいつ)」

 

 ソウゴは気付かれぬように小声でつぶやき、逃げるようにその場を去っていった。

 

 

「――ご武運を、我が魔王」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「時和 ソウゴくんだね?」

 

 本日二度目の不審者だった。

 

 今度は真夏だというのにコートを羽織り、目深に帽子をかぶっている人物だった。

 

「ひ、人違いです……」

 

 今度は見た目が妖しさMAXだったのですでに及び腰だった。

 

「いや、嘘は良くない。君は時和 ソウゴという名前のはずだ」

 

\ハリケ-ン・ニンジャ/

 

 男はコートのポケットからガシャットとゲーマドライバーを取り出し、装着する。

 

「ッ!」

「変身」

 

\ガッシャット! ガッチャーン! レベルアーップ!! マキ・マキ・タツ・マキ! ハリケーンニンジャ!!!!/

 

 その姿が、白い忍者となる。

 

 

『――でも“白い忍者”に気を付けて』

 

 ソウゴは迷うことなく逃げ出した。

 

 地の利はこちらにある。

 

 上手く巻いてしまえば――――

 

 背中に何かが当たる。

 

 その直後に視界が暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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――

 

 どこからともなくジョニー・マキシマが姿を現し、白い忍者の隣に並び立つ。

 

「Great! やはりニンジャは素晴らしいね!」

 

 と、彼は“葱”と書かれた扇を広げる。

 

「もっともっと、無個性の少年少女を探していこう! 彼らに最高のentertainmentをプレゼントしようじゃないか!」

 

 忍者の影からさらに忍者が出現する。まるで分身の術を使ったかのように。

 

「すべての人間は私が満たしていくのサ! そのための個性を、天が私に授けたのだからネ!」

 

 忍者たちは散開していく。

 

 多くの人間をゲームの世界へ引き込むために。

 

 

 

 

 ジョニー・マキシマ。

 

 個性:VR

 

 仮想現実を作り出す能力。どうやらゲーム空間にも侵入できるらしい。あれ、思ってたよりショボい個性じゃね?(by解説役)

 

 





おい誰だよウォズさん呼んだやつ。

我が魔王出てきちゃったじゃんか。(超特大ブーメラン)

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