嘘だ、僕をだまそうとしてる
前回投稿日:2020年08月16日(日) 22:29
うわああああああああ!!!
……と、言うわけで2年ぶりの投稿になります。もしかすると「こいつエタって更新しない気だな」ってなっているかもしれませんが、どうかお付き合いいただけると幸いです。
頑張って完結はさせるつもりなので気長にお待ちいただければ……
――――
――
「「「ぐぁあああっ!」」」
三人のライダーはゲムデウスによってなす術もなく斃されてしまう。
変身が解除され、元の姿へ――忍者、クイズ番組の回答者、一昔前の青年へと戻っていく。
そして彼らはオーロラの壁の向こうへと消えていく。
「――――!」
ゲムデウスは勝利の雄叫びを上げ、次なる獲物を探しその眼を左右へ動かす。
――一台の車が停車する。
ドアが独りでに開き、中から青年が出てくる。三つ揃えのスーツを身にまとい、髪はオールバックで丁寧にセットされている。
「――“イズ”次の予定は?」
「はい。“財団Bの会長”との会食が控えております。あと10分以内に再出発しない場合、予定の時間を大幅に過ぎてしまうことが予想されます」
青年と共に降りた女性――イズは予定を淡々と告げる。近未来的な白いスーツに黒のボブカット、そして何よりその両の耳にはヘッドホンのようなモジュールを装着していた。
「ふむ――ならば、五分でケリをつけようか」
「承知いたしました――“アルト”様」
イズは手持ちのアタッシュケースを開くと中身を主――アルトへと差し出す。
アルトは中身のドライバーを受け取ると腰へ装着する。
\Zero-One DRIVER/
ドライバーから近未来的な音声が響く。
アルトはスーツの懐からバッタの描かれたアイテム――プログライズキーを取り出し、それを起動させた。
\JUMP!/
それをすぐさまベルトの認証装置へかざす。
\AUTHORIZE/
呑気に変身をしようとしている敵を見たゲムデウスは、その巨椀を振り下ろす。
「!?」
しかし、それは突如として飛来したバッタのライダーモデルによって阻まれる。
アルトは両手を目の前で交差、右手を顔の横へと持っていきつつキーを展開。
「変身」
\PROGRIZE!/
キーをそのままドライバーへと挿入する。
\飛び上がライズ! ライジングホッパー!
――A jump to the sky turns to a "RIDER KICK"/
アルトの姿はバッタを模した戦士、“ゼロワン”へと変化する。
「“ゼロワン”――それが俺の名だ」
ゼロワンはイズからアタッシュケース状の武器を受け取るとそれを展開する。
「お前を止めるのは――この俺だ!」
――――
――
「トウマ先生~! どこですか~?」
青年は自分を探す女性の姿を建物の陰から覗きつつ安堵のため息をつく。
「ふぅ~……今日も逃げ切ることができた」
この男、小説家“上山 トウマ”。大ヒット小説を次々と生み出している大人気小説家だ。
しかし彼には悪癖があった。
「ごめん、メイちゃん。締め切りは守れそうにない」
そう、締め切りのブッチである。
彼は数々のヒット小説を生み出せるが、その代償として締め切りを守ることができないのである。期限を守らない代わりにクオリティの高い作品を生み出す。そう自分に言い聞かせていた。
「――――!」
「――キャァァッ!」
悲鳴が聞こえ、トウマは慌てて大通りへ身を乗り出す。
巨大ヴィラン、ゲムデウスが街を破壊しようとしていたのだ。
そんなゲムデウスの足元でへたり込んでいたのは自分を追いかけていた担当編集のメイ。
「ふぇぇぇ……トウマ先生は見つからないし、なんかやばそうなヴィランに出逢っちゃうし……」
気が付けばトウマは駆けだしていた。締め切りを守れないクズ小説家だったが、女性の涙を見過ごすほど外道ではなかった。
ゲムデウスが腕を振り下ろし、メイを押しつぶそうとする。トウマはそれを間一髪で救出する。
「!?」
「トッ! トウマ先生っ! 一体どこ行ってたんですかっ!?」
トウマは自分をポカポカ殴ってくるメイの頭をなでて慰める。
「ごめんごめん。ちょっと用事があってね」
トウマは適当な嘘で誤魔化すとゲムデウスへと向き直る。
「俺は締め切りは守らないが――約束は守る。メイちゃんを泣かせたお前を――俺は許さないッ!」
\ブレイブドラゴン!/
トウマは懐から小さな本――ワンダーライドブックを取り出し、そのページを開く。
\かつてすべてを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた……/
彼の腰に炎がまとわりつき、剣の鞘を模したベルトが出現する。
ライドブックのページを閉じ、ベルトへ装填。
炎のようなエンブレムの付いた剣の持ち手を握ると抜刀する。
\烈火抜刀!/
「――変身!」
\ブレイブドラゴン!/
炎が吹き荒れ、トウマの姿を変える。炎を纏ったドラゴンの剣士――セイバーへ。
\烈火一冊! 勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!/
「物語の結末は――俺が決めるッ!」
――――
――
――関東のどこか。
昔ながらの雰囲気を残した銭湯、幸せ湯。
ここにもまた、ゲムデウスの脅威が襲い掛かろうとしていた。
「――――!」
銭湯の前に立ちふさがるのは一人の青年。Tシャツにジャージのとてもラフな姿だ。彼の腰には服装とは不釣り合いなベルトが装着されていた。
「俺の家族に――手出しはさせないッ!」
『おいマジかよ! おい“イッキ”! あんなの倒せっこないって!』
青年――イッキの体からは幽霊のようなものが飛び出していた。幽霊はまるで悪魔のような風貌をしており、ゲムデウスの姿をみてビビっていた。
「なんだ“バイス”。ビビってんのか?」
\レックス!/
イッキはポケットから恐竜の書かれたスタンプ――バイスタンプを取り出し起動する。そして自分の体から飛び出す悪魔――バイスを挑発した。
『は、はぁ? こ、怖くねえし?』
「だったら――一気にいくぜっ!」
バイスタンプをベルトへ押印。すると背後にL○NEを思わせるエフェクトが出現する。
\カモン! レ・レ・レ・レックス!!/
「変身!」
そのままそれをベルトへ装填し、右へ倒す。
\バディ・アップ!/
『あらよっと』
バイスはスタンプのような容器をイッキへとかぶせた。
\オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング!/
イッキの姿はT-レックスをモチーフにしたピンクのスーツ、バイスは実体化しその体にT-レックスのアーマーを装着する。
\カメンライダー! リバイ・バイス・リバイス!!/
彼らこそ“一人で二人”の戦士。
「――こっちがリバイで、俺っちがバイス。ちゃんと覚えて帰れよ~!」
バイスはゲムデウスを挑発するように指差す。
対するリバイは手を波打たせるように動かす。
「沸いてきたぜっ!」
――――
――
――仮想世界。
「マジカルアターック!」
魔法少女(年齢不詳)が杖の先から攻撃を放つ。エグゼイドはそれを躱す。
「せいっ!」
その後、ガシャットを手に取ろうとするも盾が飛来したためそれを受け止める。
マイティクリエイターはVR世界でゲームを作るゲーム。
仮想の世界を遊び場に様々な遊戯を楽しめるゲームなのだ。
「ちょっ……数、多すぎっ!」
ゲームの創造を行うにはガシャットを手に取る必要がある。しかし、敵は多人数だった。
「そらっ!」
バッタの異形が飛び蹴りを仕掛ける。
「セイヤッ」
侍のなりそこないが木刀を振り回す。
「っ……!」
ガシャットを手に取ろうにもその隙を与えてはくれなかった。
「いいよな、お前。どうせいい個性持ってんだろ?」
バッタの異形が吐き捨てるようにつぶやく。
「……そりゃ、個性ぐらいもってるっての!」
エグゼイド――耳郎は攻撃を防ぎながら答える。
「羨ましいぜぇ……俺たちは全員無個性なんだよ」
「っ!」
ヒーロー(偽)たちは攻撃の手を止め、エグゼイドを睨み付ける。
大なり小なり、羨望と嫉妬の混じった憎しみのまなざしだった。
「……そうさ、僕たちは生まれながらにして“ヒーロー”になれない“負け組”だ」
盾を装備した全身タイツのヒーローがつぶやく。
現実の世界で何かあったのか、拳を強く握り締めていた。
「羨ましいわ。個性さえあれば、私だってこんな惨めな……」
魔法少女(年齢不詳)は、華やかな風貌とはかけ離れた哀愁を漂わせる。
「異形で辛いぜ、っていうが……異形でいいから俺は個性が欲しかったよ」
バッタのような異形は、自虐するように言う。異形型の個性よりも無個性で辛い目に遭ったことがあるのだろう。
「個性、アレバ! 俺モ“サムライ”に!」
侍もどきだけは他のメンバーと違って暗い過去は無いようだった。
「個性個性って……」
\ガッシューン/
エグゼイドはガシャットを引き抜き構える。
『言っとくけど、私は個性がなくたって努力している人を知ってる』
エグゼイド――エミは怒ったような口調で言う。
「確かに、あいつ無個性だったよね」
エグゼイド――耳郎もまた同意するように頷く。
『貴方たちがどんな目に遭ってきたのか知らないけど――』
「――罪のない人を巻き込むなっての!」
エグゼイドはガシャットを用いて空中に剣を描く。
ゲームを作るゲームの本領を発揮し始める。
「わからないわよ――個性に恵まれたお子ちゃまには!」
魔法少女(年齢不詳)が杖を振るとヒーローたちが光り輝く。
「!?」
次の瞬間、盾男が指を弾くと、エグゼイドが吹き飛ぶ。
「――こっちだ」
バッタのような異形は目にも止まらない速度で移動し、高速で蹴りを仕掛け続ける。
「かはっ!」
「セイバイ!」
侍もどきの袈裟切りを受け、エグゼイドの変身が解除されてしまう。
『響香っ!』
「あら、あなた雄英の」
魔法少女(年齢不詳)は意味ありげに微笑み、倒れている耳郎へ歩み寄る。
「そうよねぇ……いくらヒーローの卵って言っても。こんな子供じゃ、ねぇ」
耳郎は悔し気に顔を上げる。不正な方法で侵入したため、個性は失っていない。だが、相手は未知の力を持っているため抵抗して敵うかどうかは未知数だった。
「所詮あなたは個性を持って粋がっているだけの子供。同じ条件だったら――勝てるわけないんだよっ!」
「ッ!」
魔法少女(年齢不詳)はヒールで耳郎の頭を踏みつける。その表情は何かの憂さを晴らすようにサディスティックで、正義の味方というよりは悪の組織の女幹部と言った風だった。
他のヒーローたちもその行為を当然と言ったように傍観している。
「あーあ! ほんと最高ね! そうだわ……こんないい世界を壊そうとした不届きものには、相応のバツを与えなくっちゃ♪」
魔法少女(年齢不詳)は下衆な笑みを浮かべると耳郎の頭を掴んで持ち上げる。
「こんな貧相な体でも、需要はあるものねぇ♪」
「……うっさい」
コンプレックスを刺激されるも、やり返すだけの体力は残っていなかった。
「さて、まずは――きゃっ!」
突如、狐火のようなものが魔法少女(年齢不詳)を襲う。
「――楽しそうだから、化けて出ちゃった♡」
煙が晴れると、そこには狐のような個性の人物が立っていた。
人の耳はなく代わりに頭頂部には狐の耳、腰からは狐のような尾、大きなフードの付いたジャケットを身にまとっている。まさに狐人間といったいでたちだった。
そしてその容姿は中性的、男と思えば男に見えるし、女と言われれば女にも見える。声も高すぎず低すぎず、男性とも女性ともとれる姿だった。
「なに諦めて寝転がってるの? この世界を、変えるために来たんじゃないのか?」
「! いわれ、なくても」
狐人間に挑発され、耳郎は奮起した。
取り落としていたガシャットを手に再び立ち上がる。
「お前、何者だ!」
盾男に問われると、狐人間はジャケットの懐からバックルを取り出す。
「――“ギーツ”」
\Desire driver/
バックル――デザイアドライバーの中心には狐を模したアイコンのIDコア。
「終わらせようか――こんな世界」
さらにリボルバー銃のようなバックルを取り出し、ベルトの右側へ装填する。
\Set/
狐人間――ギーツは右手で狐の影絵を作り、前へ突き出す。
「変身」
パチン、とスナップし、バックルのシリンダーを回し引き金を引く。
\MAGNUM/
黒のボディスーツに狐の仮面、そこへ銃を装備した白いアーマーが装着される。
\Ready――Fight!/
「――さあ、ここからがハイライトさ」
実のところ、最近は一時創作で某新人賞に投稿する作品を書いていました。一本書き上げ、二本目の手が付かなかったので、とりあえず二次創作完結させようか、と思った次第です。
ま、まあセイバー、リバイスと続いて二次創作モチベマイナスになったのも原因ですけどね! リバイス、なぜおまえはそんな体たらくなのだ……
と、リバイスへの文句を書き始めたら止まらないのでこの辺で止めておきます。
次は遅くならないうちに更新する予定です。完結までもうしばらくお待ちいただけると……
なお、ミライダー達の扱いをどうするはずだったか忘れたので、雑に処理しました。