神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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はぁ‥‥はぁ……残りライフ……いくつだ?
完結できるまで毎日投稿、頑張ります。





――――

~前回までのあらすじ~

クロトが五人に分裂した!






アナザーエンディング14

「――さァ、行くぞ私ィ!」

 

 王のクロト――アナザーオーズが号令をかける。

 

「私に命令するなァ! 私ィ!」

「私と言えど、邪魔をするなら容赦はしないィ!」

「君に指図される謂れはない」

「私は私のやりたいようにやる」

 

 しかし――クロト軍団はそれに反発した。

 

 自分に対する号令にもかかわらず、誰も彼も(クロト一人だが)従わず、思い思いの動きでヒーローへ向かっていく。

 

「……私の分際で――生意気だぞォッ!」

 

 アナザーオーズもまたそれに追従する。

 

 

 

――――

 

「チッ! 数が増えたところで――」

 

 バッタ男のケリがゲンム(ゾンビゲーマー)に命中する。

 

 その威力は本物で、ゾンビゲーマーは地を滑るように飛んでいく。しかし、その体が靄につつまれ倒れた体がゆっくりと起き上がっていく。

 

「なっ」

「……デンジャラス・ゾンビはゾンビとなった街の人間から逃げ続けるホラーゲーム」

 

\ガシャコン・スパロー/

 

 ゾンビゲーマーは弓のような武器、ガシャコンスパローを召喚しそれを分離、鎌のような形態へと変化させる。

 

「君は最後まで逃げ切れるかな?」

 

 

 

 

 

――――

 

「セイヤッ!」

「ウグッ」

 

\ゲーム・オーバー……/

 

 侍もどきの太刀を受けたゲンム(レベル0)はがくりと膝をつき、消滅していく。

 

「サムライは、負けナイ!」

「はっはっはっはっ――フゥ!」

 

 格好よく残心している侍もどきの背後からレベル0が復活する。

 

「what?」

「――このガシャットはα版でね、コンティニュー機能が搭載されている」

 

 体育祭でも披露したクロトのコンティニュー。

 

 しかしその残りライフは1であったはずだった。

 

()()()の残りライフは98。そしてこのガシャットは“アンチ個性エリア”を展開する――長く戦うほどに、君は不利になる」

 

\デンジャラス・ゾンビィ……/

 

 レベル0はダメ押しとばかりにガシャットを追加で起動させた。

 

 侍もどきの顔はひどく青ざめていた。

 

 

 

 

 

――――

 

「この私を雑魚狩りに使うとは――」

「ナメんじゃないわよッ!」

 

 魔法少女(分身体)は杖を振り上げる。

 

「コズミック・クロニクル、起動」

 

 ゲンム(ゴッドマキシマム)は手を振り上げゲームを起動。上空から無数の隕石が降り注いでくる。

 

「は……?」

 

 分身体はそれぞれがあっけにとられたようにそれを見つめている。

 

「……コズミック・クロニクルは宇宙を冒険するRPG。時に、プレイヤーは宇宙の洗礼を受けることもある」

 

 ゴッドマキシマムは解説をよそに、分身体が次々と隕石に打ちぬかれていく。

 

「存分にゲームを楽しんでくれたまえ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

「……残念ながら、“マイティノベルX”は試作品でね。戦闘能力は皆無に等しい」

 

 ゲンム(ノベルゲーマー)は後ろで手を組みながら残念そうに解説する。

 

「はんっ! だったら――とっととくたばんな!」

 

 分身体は杖を振り上げるとそこには大きな火球が生成される。

 

「『魔法少女は突如出現したブラックホールに飲み込まれ、命を落とした』」

「え?」

 

 ノベルゲーマーが言葉を紡ぐと、その通りにブラックホールが出現。分身体はそこへと吸い込まれていく。

 

 抗おうとその場で踏ん張るも、生み出した火球は既に吸い込まれ、特徴的なとんがり帽もホールへと飲み込まれる。

 

「マイティノベルXはプレイヤーが一つの物語を追体験できるノベルゲーム。()()()()皆無だが――現実を作り変える特殊能力を持っている」

「いやぁぁぁぁぁっ!」

 

 分身体はブラックホールの奥へと飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

「貴様は分身体ではないようだなァ」

「それがどうしたっていうの? 分身しただけの無個性が、私に勝てると思ったら――大間違いよッ!」

 

 魔法少女(本体)はアナザーオーズに向けて杖を振り下ろす。

 

 アナザーオーズは砕けたメダルをまき散らし、ミイラのような戦闘員を生み出す。

 

「行けッ! 屑ヤミー共!」

 

 無数の爆発が起こり、ミイラのような戦闘員――屑ヤミーは吹き飛ばされる。

 

 しかし、被害を免れた個体はゾンビのようにふらつきながら進軍、魔法少女へとまとわりつく。

 

「ッキショいんだよッ!」

 

 魔法少女は杖を鈍器のように振り下ろし屑ヤミーを振り払う。

 

「さっきから無個性無個性――貴様はどうやら“個性”に強いこだわりがあるようだな」

「はん! 当たり前でしょ? この世は所詮個性の優劣で全てが決まるのよッ! 個性がない人間は――それだけで社会の負け組ッ!」

 

 魔法少女は再び杖を構えなおす。

 

「私の美貌によってきた男どもは、私が無個性だって知って離れていった! 就職しようにも無個性ってだけで書類落ちッ! 個性さえあれば――私の人生はもっとマシだったのよッ!」

 

 一際大きな爆発が起きた。

 

 満足げな魔法少女は、煙の向こうに屑ヤミーの姿を認め表情を凍り付かせる。

 

「……笑止」

 

 アナザーオーズは盾に使った屑ヤミーを放り捨てると、静かに怒りをあらわにする。

 

「笑止笑止ィッ! 君はこの世界を勘違いしてイルゥ! この世界は個性があるかどうかなど()()()問題さァッ!」

「なん……ですって?」

 

 アナザーオーズは突如として変身を解除、空を仰ぎ見る。

 

「この世はには――二種類の人間しかいない」

 

 クロトは晴れやかな笑顔になる。

 

「神の才能を持つこの私か、それ以外の人間か」

 

 さわやかスマイルのクロトは魔法少女へ手を差し伸べる。

 

「安心したまえ、君はこの世にいる凡百な人間の一人にすぎない。個性で思い悩む必要はないんだよ?」

 

 傍から見れば最上級の侮辱である。

 

 しかしクロトは本気で慰めるつもりでその言葉を紡いでいた。

 

「――ふざけんじゃないわよッ!!」

 

 当然、魔法少女はこれ以上ないくらいに激昂した。

 

「……? なぜ君はそんなに怒っているんだ? 私は、何も起こられるようなことを言った覚えはないんだが」

「ああ、そう。なら――死んでこの世界から出て行けッ!」

 

 魔法少女は地面に杖を突き立て、呪文を唱え始めた。

 

 何か大技を狙っているのは間違いなさそうだった。

 

 

 

 

 

 

――――

 

 ヒーローとゲンム軍団+ギーツの戦いはし烈さを極めていた。

 

「ありがと、緑谷。ウチはもう、大丈夫だから」

「耳郎さん」

 

 肩を借りて立っていた耳郎はふらつきながらも自分の足で立つ。

 

「……こんな感じ、だったんだ」

「え?」

 

 緑谷は疑問符を浮かべる。

 

「あいつらにボコボコにされたとき――ううん、このガシャット使ったとき、緑谷を思い出した」

 

 耳郎は手元のマイティクリエイターガシャットを見つめた。

 

「正直、何とかなるって思ってた。サクッとみんな助け出して、事件解決できるって。所詮はゲームだったしさ」

 

 だが待ち受けていたのはガシャットの強い副作用。そして囚われているはずだった者達の反抗。

 

「でもさ、変身したら思った以上にキツかったし、あいつらにはボコボコにされたし。正直心折れそうだったよ」

 

\マイティクリエイター! V・R・X!!/

 

 再びガシャットを起動すると、耳郎の体内のバグスターウイルスが再び活性化する。

 

「ッゥ!」

『響香!』

「耳郎さん!」

 

 たまらず膝をついた耳郎に駆け寄る緑谷。

 

「でも、体育祭で……ボロボロになって轟と戦う緑谷思い出してさ。頑張ろうって思った」

「え?」

 

 耳郎は再び踏ん張るとガシャットを構える。

 

「すごいよ、緑谷は……だって普通あんな腕折れたら諦めるって」

「あっいや、あの時は必死で」

「だから――ウチも頑張ろうって思った。だって、まだウチの体は、動くしっ!」

 

\ガシャット!/

 

 それは明らかな強がりだった。

 

 緑谷は何もできない自分が不甲斐なさに唇を噛みしめ――

 

「『まあ待て、その体では長時間変身できないだろう?』」

 

 その瞳が緑に輝く。

 

 別人のような表情となった緑谷は耳郎の胸に手を当てる。

 

「えっちょっ」

「『案ずるな、この体に取り込まれた力はごくわずかだが、この程度なら造作もない』」

 

 緑谷――その体にとりついたベルナージュは耳郎の体を癒していく。

 

「――悠長に回復するのはいいが、どうやら敵は待ってはくれないみたいだぜ?」

 

 静かに状況を見守っていたエムは、こちらへやってくる分身体の方へ顎をしゃくる。

 

「っ! 一体どれだけの分身を」

「おい、イヤホンジャック」

「えっなんでその名前」

 

 突然ヒーロー名で呼ばれ、耳郎は動揺する。

 

「お前の個性、無くなってないよな? 外から侵入したら個性はそのまま使える、違うか?」

「え、ああ……多分そういうことだと思うけど」

 

 その言葉を聞いたエムは嬉しそうに笑う。

 

「ははっ! 心が躍るぜ。つまり――俺も変身できるってワケだ」

 

 そして懐から取り出したのはガシャットギアデュアル。

 

 バグスターウイルスそのものである彼は、その体内にあらゆるものをデータ化して格納できる。個性、としての能力が失われていない以上、それを自在に取り出せるのは明白だった。

 

「エミと遊ぶために、俺は悪事を働いた。だったら、それはキチンと償わないとな?」

 

\デュアル・ガッシャット!/

 

 エムはゲーマドライバーを装着し、ガシャットを装填。

 

「マックス大変身」

 

\ガッチャーン! マザルアップ!! (中略) パーフェクトノックアーウト!!/

 

 エムはパラドクス(レベル99)へ変身、武器であるガシャコンパラブレイガンを構えた。

 

「時間は俺が稼ぐ! こんな白ける世界、とっととおさらばしようぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 盾男はギーツの銃弾を防ぐ。

 

「くっ」

「ふーん、やるじゃん」

 

 ギーツは楽しそうにマグナムシューターを回転させている。

 

「当然だ――俺は、この理想の世界を守るんだッ!」

「そう、でも勝つのは――オレさ」

 

 ギーツは続けて左腕のアーマードガンを展開しに疑似的な二丁拳銃のスタイルとなる。

 

「くっ! なぜだっ!? 無個性の俺たちにとって、この世界は夢がかなった“理想の世界”なんだっ! 邪魔をせず放っておいてくれよッ!」

 

 盾男はギーツの猛攻を防ぎ、時に躱しながら距離を詰めていく。

 

「ここが、オレの望む世界じゃないからさ」

 

 しかしギーツもまた、間合いの内側に入ろうとする盾男をひらりひらりと躱す。

 

「それに、お前らのことが気に入らない。不幸アピールをするのは結構だが、所詮は世界を変えようって気概のない腰抜けだ」

「お前に何が分かるッ! 人を助けたいと願っても、“無個性”は出しゃばるなと除け者にされるッ!」

 

 盾男は、かつてヒーローになることを夢見ていた。

 

 ヒーローとなり、人々を助ける仕事をしたい。そのために幼少のころから必死にトレーニングしてきた。

 

 しかし現実は非情だった。

 

 無論、現実にも派手でない個性を持つヒーローはごまんといる。己の身一つで戦い、個性をただの道具のように扱う、そんな戦法を取るヒーローは少なくない。

 

 だが、盾男が直面した現実は“無個性”に対する差別だった。個性がないのなら足手まといだから現場へ出てくるな、いくら体を鍛えたところで個性持ちのヴィランには敵わないのだから潔くあきらめろ、と。

 

「だったら世界を変えればいい。個性のあるなしに関わらず、やりたいことのできる世界に」

「綺麗ごとはもううんざりだッ!」

 

 盾男はトレードマークの盾を放り捨て、指を構える。

 

「俺だって命を懸けて世界を変えようと思った。でも俺がどう頑張ったって世界は変わらないんだよッ!」

 

 パチン、と指が弾かれる。

 

 直後、ギーツの立つ地面が爆ぜる。

 

「“命を懸けても世界は変わらない”、ねぇ……」

 

 飛ばされながら、ギーツはバイクのスロットルのようなバックル――ブーストレイズバックルを取り出す。

 

\Set/

 

 それをベルトの左側へ装填。

 

 右側のマグナムのトリガーを引き、左側のスロットルを盛大に吹かす。

 

\Dual on/

 

 ギーツがきれいに着地すると、その下半身に赤のアーマー――バイクのエンジン、飯田の個性を思わせるアーマーが装着される。

 

\Get ready for BOOST & MAGNUM/

 

 上半身は白のアーマー、下半身は赤のアーマー、頭部は狐をモチーフにした仮面。

 

 マグナムブーストフォーム。ギーツの基本形態にして切り札の姿。

 

 

「――懸けてから言えよ」

 

\Ready ―― Fight!/

 










もうちょっと圧倒的に無双させてもよかったかな(無慈悲)
さーて、そろそろこの世界のクロトのオリジンが書けそうだぞ~
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