神のヒーローアカデミア   作:鮫田鎮元斎

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予定があるとさすがに投稿できなかった・・・







アナザーエンディング15

 

――――

 

「――ありがと、もう大丈夫」

 

\ガッチャーン……レベル・アーップ/

 

 回復が完了、再び変身する。

 

\マイティクリエイター――V! R! X!/

 

「……じゃ、行ってくるよ」

 

 エグゼイドはガシャットを引き抜き、ジェットパックを描き生み出す。

 

 それを装着すると、上空で大きな円を描き始めた。

 

 

 

 

 

 

――――

 

「くそっ――やめろっ!」

 

 バッタ男は空で円を描くエグゼイドに向かって飛び上がる。

 

「ほぅ……よそ見とはいい度胸だな」

 

\ズ・ドーン/

 

 ゾンビゲーマーはガシャコンスパローを弓モードへ変形、バッタ男を狙撃する。

 

「ぐあっ……!」

 

 横っ腹を撃ち抜かれたバッタ男は無様に落下する。

 

「くそっ……くそっ! どうして俺たちの邪魔をする!」

「決まっている」

 

 ゾンビゲーマーはベルトのABボタンを同時押し、必殺技を放つ体勢に入る。

 

「この世界は、私が作ったものではないからだ」

 

\CRITICAL END/

 

 そして再びAボタンをクリック。黒い靄を纏いながら空中へと舞い上がる。

 

「そんな――そんな理由でッ!」

「人々に夢と希望を与えるのは、この私の才能でなければならないのさァッ!」

 

 ゾンビゲーマーのキックがバッタ男へと命中した。

 

 

 

 

――――

 

\レベルアーップ!! (中略)デンジャラス・ゾンビ  WoOoooOOO!/

 

 レベル0は追加でデンジャラスゾンビガシャットを装填、レベルX-0へと進化した。

 

「ヒィィィィッ! 降参! 降参ッ!」

 

 侍もどきは刀を収めて土下座をしていた。必死になって頭を地面にこすりつけ、許しを乞うていた。

 

「……私の偉大さに気づいたか。いいだろう、そこで大人しくしているといい」

 

 その様子にレベルX-0は油断し背中を向ける。

 

「! 隙アリ!」

「ぐっ!」

 

\ゲーム・オーバー……/

 

 侍もどきは不意討ち、背中から斬りかかりライフを奪う。

 

「――フゥ! 残りライフ97……不意討ちとは、侍らしくもない」

「サムライ、カッコいい! だから、オレ、サムライになりタイ」

 

 侍もどきは悪びれることもなく刀を構える。

 

「ホゥ……ならば君に、本物の侍を見せてあげようじゃないか」

 

\ガシャコン・ブレイカー!! ジャ・キーン!!/

 

 復活したレベルX-0はガシャコンブレイカーを召喚し、剣モードへ変更する。

 

\ギリギリ・チャンバラ――ガッシャット!/

 

 そして黒のガシャット――ギリギリチャンバラを装填。

 

\GIRIGIRI CRITICAL FINISH/

 

 侍もどきはそれを見て刀を構える。その構え方は野球のバットを構えるようで、素人目に見てもなってないのは明白だった。

 

「ブゥン!!!!」

「セイヤッ!」

 

 レベルX-0と侍もどきが交差する。

 

 両者共に残心したまま動かない。

 

「ウグッ!」

 

 レベルX-0のライダーゲージが急減少する。

 

「サムライは、必ず勝つ――ッ!」

 

\会心の一発!/

 

 ライダーゲージの減少は残り僅かな所で急停止、その代わりに侍もどきの体からHit!のエフェクトが発生。

 

 侍もどきは白目をむいて気絶する。

 

「……勝負は一瞬、ぎりぎりの駆け引きこそが侍――チャンバラの醍醐味だろう?」

 

 レベルX-0の仮面が、不敵に笑っているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 魔法少女は不気味な呪文を唱える。

 

「吹きとべぇっ! エクス――プロ―ジョンッ!」

「!?」

 

 アナザーオーズの足元が吹き飛ぶ。特撮作品のような大爆発だった。

 

「はぁ……っはぁ……ざまぁ見ろっての」

 

 爆発の跡には砕け散ったアナザーライドウォッチ。

 

 しかし、それは逆再生のようによみがえり、再びアナザーオーズの体が復元される。

 

「はぁ?」

「……この世界のルールとはいえ、私にこの力を与えたのは間違いだったようだな――ジョニー・マキシマ」

 

 アナザーオーズはなぜか無事な自分の体をしみじみと眺める。

 

 そんなオーズの下へ分身体を撃破したゴッドマキシマム、ノベルゲーマーがやってくる。

 

「なん、なのよ……っ!」

 

 自らの理解を超えた現象に、魔法少女は絶望をあらわにする。

 

「どうした? 君たちはヒーローなのだろう? 聞いた話によれば、ヒーローは絶望的な状況でも――笑顔でいるんだろう?」

 

 アナザーオーズのセリフは、どこからどう見ても巨悪の物に他ならなかった。

 

 

 

 

 

 

――――

 

「やめろーっ!」

 

 盾男は再び指を鳴らし、エグゼイドの妨害をしようと試みる。

 

「ふっ!」

 

 ギーツはその手を撃ち抜いて妨害する。

 

 盾男は指パッチンの妨害をされ手を押さえる。その隙にギーツはブーストの力を生かし接近する。

 

「くっ……そ! お前は、お前らは――また俺たちに絶望の日々に戻れっていうのかっ!?」

 

 特殊能力による妨害をあきらめた盾男は、格闘術による戦闘へ切り替える。

 

「そんなに戻りたくないなら、死ぬ気で戦えよ」

 

 盾男の右ストレートを受け止め、ギーツは冷酷に言い返す。

 

「戦国武将だって、己の命を懸け天下(せかい)を変えるために戦ってきた」

「いつの時代の話をしているんだ、君はッ!」

 

 超常以前、遥か昔の話を出したギーツに盾男は怒りを露にする。

 

「誰だって世界を変えるため、必死で戦っている――理想の世界を他人から与えられたなら、命をかけて守ってみせろ」

「何をっ」

「念願の“個性”を手に入れたんだろ? 今こそ夢をかなえるときなんじゃないのか?」

「ッ」

 

 盾男はヒーローになることを夢見ていた。その夢は個性がなかったことで諦めてしまった。

 

 しかしこの仮想世界で彼は個性を手に入れている。つまり、かつて諦めていた夢を取り戻せる――否、この状況こそ彼が望んでいた“世界を守るヒーロー”に他ならない。

 

「結局、お前はヒーローの精神を持っていなかった。命を懸ける覚悟がなかった。お前は個性がないことを理由にそのことから目を背けていただけに過ぎない」

「それ……は」

 

 トップヒーローはデビュー前から多くの逸話を残す。

 

 行動は様々であれ、その話はこう締めくくられる――「考えるより先に体が動いていた」

 

 盾男は己の行動を顧みる。ヒーローを目指して体を鍛え、私立のヒーロー科へ進学した。そして数々の訓練の中――彼は恐怖心で動けなかった。

 

 災害救助の訓練でも、対ヴィラン戦闘の訓練でも、あらゆる場面で、肝心な時に体が動かなかった。恐怖心に支配され立ちすくんでしまった。

 

「まずは自分の命を懸けて行動してみろ、そうすれば――何か変わるかもな」

 

 と、ギーツは傍らで戦う彼の仲間を顎で示す。

 

 その先では、二体のゲンムとアナザーオーズに蹂躙される魔法少女の姿。

 

 同じ無個性同士、この世界を守ろうと誓った仲間。いつも恐怖で竦んでいた盾男の体は――気が付けば仲間を助けるために動いていた。

 

 雄叫びを上げながら守ろうと必死に駆け寄っていた。その姿をギーツは満足そうに見つめる。

 

「そうさ、それでいい――」

 

\Score up!/

 

 ギーツの腰からスコア変動の通知が響く。

 

「おっと……これ以上遊んでる場合じゃない、かな?」

 

 端末に表示されるのはプレイヤーのスコアランキング。

 

 一位にはギーツの名が記されていたが、この更新でランキングが入れ替わる。

 

 新たな一位には仮面ライダータイクーン/()() ()()()の名が。

 

「じゃあな。気が向いたら――また化けて出てあげるよ」

 

 ギーツは手を振りながらどこかへ歩いていく。その姿が、狐火と共に揺らいで消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 

 エグゼイドは空中を飛び回り、仮想世界から外へと通じる“ゲート”を作り上げる。

 

「よし――」

 

 完成したゲートは掃除機のように世界の全てを吸い上げ始める。

 

 ゲートへ吸い込まれた人々は現実世界へと帰っていく。

 

「これで――」

 

 

 

 

 

 

 

――――

 

 

「――っ!」

 

 耳郎はヘッドギアを外すとその場に倒れ込む。握りこんでいたガシャットは手から滑り落ち、プレイ用マットの上で音もなく跳ねる。

 

「響香っ!」

「耳郎っ!」

 

 体から抜け出したエミ、そして様子をずっと見守っていた相澤は彼女の下へ駆け寄る。

 

「――ご苦労」

 

 が、彼らよりも先にショートワープでやってきたクロトによって耳郎は抱き起される。

 

「っ……」

 

 耳郎は力なくクロトに抱えられる。耳のイヤホンジャックも、重力に逆らえずそのまま垂れ下がる。

 

「君はテストプレーヤーとして最高の仕事を成し遂げた。ゆっくりと休むといい」

「……あとは、よろしく」

 

 耳郎は力なく微笑むと、意識を失った。

 

 クロトは彼女の体をゆっくりと横たえ、地面に落ちているマイティクリエイターガシャットを拾い上げる。

 

「我ながら素晴らしい出来だ……このゲームは間違いなくゲーム史を塗り替えることだろう」

 

 普段ならば高笑いと共に自画自賛するところだが、クロトは静かにガシャットをポケットへしまい込む。

 

「ふっ……黒幕の目星はついた。後は攻略するのみ」

「――待て」

 

 相澤は個性を発動しクロトを止める。

 

「お前が行く必要はない。後は俺達(プロヒーロー)に任せろ」

 

 黒幕――ヴィランの討伐はヒーローの領分。

 

 一学生であるクロトは活動する資格を持っていない。故に、黒幕の存在に気付いたとて行動することは許されていない。

 

「私がするのはあくまで新作ゲームのテストプレイ。ヒーロー活動ではンナァィ」

 

 しかし、クロトは指を振ることでそれを否定する。

 

「これはゲンムコーポレーションのゲーム開発事業の一環にすぎません。イレイザーヘッド、貴方にそれを止める資格はありますか?」

「……ったく、お前らそろいもそろって」

 

 相澤は深くため息をつく。

 

「――クロト、本当に大丈夫なの?」

 

 エミがクロトに問いかけると、彼は懐からガシャットを取り出す。

 

「フッ……ゲームは、ラスボスを斃してクリアと相場が決まっているだろう?」

 

 ムテキガシャットと同じ形状。しかし、色は紫のメタリックだった。

 

「――私の才能に、限界はない」






【オリキャラ解説】

・???/仮面ライダーギーツ
 仮想世界に現れた謎のライダー。キツネのような仮面で銃をメイン武器として戦う。
 変身前は年齢、性別不詳。キツネの耳と尻尾が特徴で狐人間と呼ばれることが多い。
 “神のヒーローアカデミア”とは別の世界のライダー。

個性:化け狐
 化け狐っぽいことは何でもできる。狐火を出して攻撃したり、人を化かす幻覚を出したりすることができる。その気になれば短時間だけ別の世界へ転移することもできる。
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