がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第10話 であい

 

-後悔はしたくない

 

やれることは全部やる。常に前を見て進んでいたい

 

振り返るのが怖いから-

 

 

 

「ねぇ誰かいるの?」

 

ベッドに座り込み、ドア越しに呟く。

そして少女は立ち上がり、ドアに近付く

 

「誰か!」

 

もう一度、今度は先程より大きく叫んだ。

しかし帰ってきたのは『奴ら』がドアをガリガリと手で研ぎながら聞こえる呻き声だった。

 

 

 

「少し休みましょうか」

 

「そ、そうだね」

 

『奴ら』が追ってきていないことを確認し、一息入れることを進めるりーさん。

それに賛同したゆきは、息があがっていた。

 

くるみが扉を開け、『奴ら』が居ないことを確認しりーさんとゆきを中へ入れる。

 

部屋の中は小さな子供が遊べる位の広さがあるプレイルー厶だった。

りーさんはゆきを椅子に座らせて額に手を当てる。

 

「熱があるわね」

 

「平気だよ〜」

 

ゆきは大丈夫だと言うが、顔が先程よりも赤くなっていた。

 

「怪我は?」

 

「それは大丈夫」

 

くるみが2人にそう聞くと、りーさんが大丈夫だと答えた。

 

「やっぱり遠足で熱出すタイプだったかー」

 

「えへへ」

 

くるみが一息つくと、ゆきにそういう。

 

「ゆきちゃん、休んで」

 

りーさんがそう言いゆきの頭を膝にのせる。

ゆきは直ぐに目を瞑った。

 

「少し休ませておくか」

 

「えぇ…いなかったわね生きてる人」

 

「ん……くるみ、ちょっと」

 

「どした?」

 

しおりはくるみを呼び、りーさん達には届かない位の所に腰を下ろした。

 

「あの映画館…子供が、多かったの」

 

しおりは壁に描かれている子供の絵を見ながら呟いた。

 

「ずっと助けを待っていたのか」

 

「…違うの。扉の外に…バリケードがあったの、中にいた『奴ら』を閉じ込める…みたいに」

 

くるみは何も言わずしおりの話に耳を貸した。

 

「きっと外から…襲われたんじゃなくて…内側に、噛まれた人が…いたんだと思う」

 

くるみはそれを聞き目を下に伏せる

 

「私…そんなのやだ。…あそこには、きっと…大事な人を守ろうとして…逃げ込んだ人も、いたのに…その人を…守ろうとして。」

 

するとしおりはくるみの手に自分の手をのせ

 

「もし…私が感染したら…迷わないで、ほしい」

 

「!何言ってんだよ…」

 

「約束…して…」

 

くるみはしおりが言ったことに不満は残るも、言葉が出てこない。

 

「お婆ちゃんみたいに…手遅れに、なりたくないの…お婆ちゃんも、辛かった…と思う、から」

 

しおりは祖母を自分の手でやってしまったことに後悔が残っていた。

もう少し早く来ていれば間に合ったんじゃないかと…そう思った

 

「指切り…昔はよく、やってたでしょ…」

 

しおりはくるみに自分の小指を差し出す。

くるみはそれを見て昔の自分たちを思い出す。

 

それを思い出し、1度は止まるもその指に自分の小指を絡めた。

 

 

 

「どうしたの?ゆきちゃん」

 

2人はその声に反応し、りーさん達がいる方を向く。

すると、ゆきがむくっと起き上がり、

 

「お腹空いた…」

 

「ふふっそうね。帰ってご飯にしましょ」

 

「あぁ帰ろう…学校へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方1人の少女は『奴ら』がドアを叩く音が聞こえなくなったのを確認し、ドアをそっと開ける。

陳列棚から『奴ら』が居ないことを確認し、先へ進む。

その先でバリケードが崩れていることに驚きながらも先へ進む。

バリケードの近くに何かが落ちていることが分かった。

 

ペンライトだった。

 

少女はそれを手に取り、階段を降りていく。

 

 

4F

 

ここに来るまでに何本ものペンライトを拾った。

進む先にまた1本。

 

「そんな……」

 

すると『奴ら』の呻き声が聞こた。

もう戻ることはできない。

 

そう思った少女は走り出した。

 

-待って……-

 

「…待って!待って!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園生活部の4人は車のあるショッピングモールの入口に到達した。

りーさんはそっと後ろを振り向く。

 

「行こうぜ。次もあるだろ」

 

「そうね、行きましょ」

 

りーさんは入口に向かい歩き出す。

 

「ね、今何か聞こえなかった?」

 

「え?別に…」

 

「……ほら!」

 

「ありゃ……警備員が騒いでるだけだろ」

 

「違うよ声がしたもん!」

 

するとゆきは走り出した。

 

「おい、ちょっと待てよ!」

 

「ゆきちゃん!」

 

2人の静止も聞かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は1階にあるグランドピアノの上にいた。

そこから見渡せば、『奴ら』が大量にいた。

 

「誰か!誰か来て!」

 

 

 

「いた!あそこ!」

 

「あっ…!」

 

「おい、大丈夫か!」

 

少女は学園生活部の4人と目が合った。

 

「ほんとにいたんだ……」

 

すると少女はよろよろと歩き出した。

 

「大丈夫よ、すぐ行くから」

 

りーさんがそう言うが少女は歩くのを止めない。

 

「お、おい。待てよ!」

 

 

すると少女はグランドピアノから滑り落ちた。

そして周りにいた『奴ら』が一斉に少女に向かい歩き出す。

 

「早くしないと!」

 

「やめろ!もう無理だ」

 

ゆきが少女を助けようと走り出すが、くるみがそれを止める。

 

「でも……」

 

ゆきは、過去に起こした過ちを思い出し涙を滲ませる。

するとゆきはリュックを無理やり外し走り出す。

 

「あっ!ゆきっ!…なろっ!」

 

くるみはそれを止めようとするが聞かず、シャベルを片手にゆきのあとを追う。

しおりも同様、薙刀を持ち『奴ら』を倒していく。

 

りーさんは何か出来ないかと考える。

するとゆきのリュックに目を向ける

そこにあったのはゆきがぶら下げていた防犯ブザー。

 

「急いで耳ふさいで!」

 

「はっ!?」

 

りーさんは耳を塞げと言うが、くるみは何を言っているのか分からなかった。

しおりはりーさんの手元を見るとハッと理解し懐にしまっていた防犯ブザーを取り出す。

 

りーさんはぐっと防犯ブザーの紐部分を握り、一気に抜き取る。

しおりも同様に防犯ブザーを引っ張る。

 

すると辺りはけたたましい音が響く。

『奴ら』は、その音を聞き動きが鈍くなった。

 

「よっしゃ!」

 

くるみはその好機を逃さず『奴ら』を倒していく。

 

 

 

『奴ら』があらかたいなくなりゆきと少女がいる方へ向かう3人

そこにあった姿は、

 

制服や肌に血が付き倒れている2人の姿だった。

 

 

 

 

-常に前を見て進んでいたい

 

後悔はしたくないから、そう思っていた……-

 

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