がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第12話 ようこそ

 

 

-たすけ……て……

 

だ…れか…-

 

「あ、おはよ」

 

美紀が目を覚ますと、そこにいたのは美紀をのぞき込むように見ていたゆきだった。

ゆきを見た美紀は、目を何度かぱちくりさせる。

 

「お水、飲む?」

 

「え……ありがとう」

 

ゆきの問いかけに答えながら美紀は、寝ていたソファから体を起こす。

 

「はいどーぞ」

 

ゆきは美紀に水を入れたコップを手渡した。

美紀はそれを受け取り、水を飲む。

 

「……誰?」

 

美紀先程から疑問に思っていたことをゆきに問いかける。

 

「巡々丘高校三年C組、丈槍由紀だよ」

 

「2Bの直樹美紀…です」

 

「じゃ、わたしが先輩だね」

 

ゆきは、胸を張りながら言った。

 

「…ここは、どこですか?」

 

美紀はキョロキョロと辺りを見渡しながらゆきに問いかけた。

 

「学園生活部の部室だよー。あ、めぐねぇおはよーこっちこっち」

 

ゆきは扉の方へ手を振る。

しかしそこには誰もおらず、美紀は疑問に思いながらも、

 

「がくえんせいかつ部ですか?」

 

美紀は、学園生活部のことについてゆきに問いかけた。

 

「うん、楽しいんだー新入部員絶賛募集中だよーね、めぐねぇ。はーい佐倉先生」

 

美紀は、またゆきが誰もいないのに話しかけたり答えたりしていることを不思議に思った。

 

「あ、もう授業始まっちゃう先行くね?みーくんまたねー」

 

「みーくん…?」

 

ゆきに呼ばれた名前に疑問を抱きながらも辺りを見渡したり、綺麗になっていた自分の制服の匂いを嗅いだ。

 

「石鹸の匂いだ」

 

美紀は教室から出て、近くにあった教室へ向かう。

 

「夢……だったのかな…」

 

そう呟いて扉を開ける。

しかし広がっていた光景は今までとは変わらず乱雑に倒れている机や椅子、ガラスは割れて飛び散り床や壁には血が染み込んでいた。

美紀は、その教室にの中を進み割れた窓から外の景色を眺める。

そこには、『奴ら』が校庭を徘徊する姿がみえた。

 

「そんなわけ……ないよね」

 

 

 

 

 

「こっちか!いた!」

 

すると美紀がいた教室の扉が勢いよく開いた。

美紀は驚き後ろを振り向くと、そっとシャベルを構えるくるみとりーさんがいた。

それを見た美紀は両手をあげる。

 

 

 

 

 

 

 

「たっだいまー」

 

「おかえりなさい」

 

「おかえり」

 

ゆきは授業が終わり学園生活部の部室へ戻るとほかの部員3人と美紀が集まっていた。

 

「あ、みーくんいた」

 

ゆきは、美紀がいることに嬉しく思いぱっと明るくなりながら言った

美紀はそれを見てぺこりと軽く頭を下げた。

 

「ね、何の話してたの?」

 

「何って」

 

ゆきの質問に答えが出てこなかったくるみ。

 

「部活の話よ」

 

しかしりーさんは部活の話だと言って、ゆきにわかりやすい答えを言った。

 

「学園生活部に興味あるんだ!」

 

「そうとも言えますね」

 

興味があることを喜ぶゆきに美紀は、お茶を飲みながら答えた

 

「うんうん。新入部員は超絶歓迎中だよ!行こ!」

 

「!どこへですか?」

 

ゆきはぐいっと美紀の腕を引っ張った。

 

「学園生活部の部活はね、学校全体が舞台なんだよ!」

 

「そうですか」

 

「そうだよ」

 

ゆきの言葉に素っ気なく返す美紀。

それを見たくるみとりーさんは呆れた顔をしていた。

 

 

 

「-でね、ここが音楽室」

 

ゆきは音楽室の壊れかけた扉を重く開けた。

 

「すごいでしょ」

 

「すごい、ですね」

 

音楽室の中も教室と同様に窓ガラスが割れ、机と椅子が倒れていた。

音楽室ならでわのピアノも1部分の色が剥げていた。

 

「学園生活部に入ったらここで放課後歌いたい放題だよ!」

 

ゆきはパタパタと走り出しコンセントを付け、CDプレイヤーの電源を入れる。すると音楽が鳴り出した。

 

「ね、どう?」

 

「電気の無駄使いですね」

 

「そんなぁせっかくベートーベンさんもバッハさんもモーツァルトさんも見ててくれるのに」

 

「どうでもいいです」

 

「えー」

 

「いいから早く行きましょうゆき先輩」

 

するとゆきはハッとその言葉が脳内に響く。

 

「い、今のもう一度言って」

 

ゆきは体をぷるぷると震わせながら美紀に言った。

 

「早く行きましょうゆき先輩」

 

美紀は呆れながら先程言ったことをゆきにもう一度言った。

ゆきは美紀に先輩と呼ばれて嬉しかったのかじぃーんと喜びに浸っていた。

 

「…気持ち悪いです」

 

それを見た美紀は少し顔を青ざめて言った。

 

「ほら、先輩っていい響きだなって」

 

「ならもう少し先輩らしくしてください」

 

「みーくんはきついなぁ」

 

「だからみーくんってなんですか」

 

「美紀だからみーくんダメ?」

 

「美紀でいいです」

 

ゆきが急に顔を近づけたことに少し恥ずかしながら言った。

 

「みーくんのほうが可愛くない?」

 

「可愛くなくていいです」

 

ゆきが美紀にべたべたと抱きつく。

2人はそのまま音楽室を後にしようとする。

 

「えーみーくん可愛いのに。ね、めぐねぇ」

 

「!……」

 

ゆきは再び誰もいない所に声をかける。

それを見た美紀は先程くるみとりーさん、しおりと話したことを思い出した。

 

 

 

 

 

「さっきは悪かったな」

 

くるみが、先程美紀にシャベルを構えたことを謝罪した。

3人は美紀を学園生活部のへ連れていきお茶を出す。

 

「美紀さんなかなか熱が下がらなかったから…もしかしたらって思って」

 

「別に気にしてません。当然の心配だと思います」

 

「何にせよ目が覚めてよかった」

 

くるみはそう言いながら机にあるライトをカチッとつけた。

 

「ほんとに電気来てるんですね」

 

「屋上に太陽電池があるからな」

 

くるみは美紀の質問に上を指しながら答えた。

 

「お湯のシャワーも出るのよ」

 

りーさんの言葉にピクっと反応した美紀。

 

「あの…それ…」

 

「ごめんなさい。ここのところ曇りが多くてまだ電気貯まってないの。明日には入れると思うわ」

 

美紀に謝罪をするりーさん。

 

「そっちは大変だっただろ」

 

「なんとかなりました」

 

「そっか……」

 

くるみの質問に下を向きながらも答える美紀。

しおりはそんな美紀を見て生徒手帳に書かれていたことを思い出し心配そうに美紀を見つめる。

 

「しおりさん以外の3人は屋上にいてそれで助かったの。しおりさんともあとで合流してね」

 

「上の階ほど安全ですものね」

 

「まあ色々あったけどな」

 

「それで学園生活部って何なんですか?」

 

「落ち着いた頃にめぐねぇとりーさんが考えたんだよな」

 

「そうね。毎日ただ暮らすのも疲れるからいっそ部活の合宿ってことにしましょうってね」

 

美紀の質問に淡々と答える2人。

 

「今はどこに?」

 

「…もういないの」

 

「さっきゆき先輩が…」

 

2人に質問するが、2人は言葉に詰まり沈黙する。

 

「ゆきにはめぐねぇが見えてるんだ」

 

「オカルト的な話ですか?」

 

「そうじゃなくて…」

 

「部活を始めてしばらくした頃かしら」

 

言葉に詰まったくるみにりーさんが付け足す。

 

「それまですげー落ち込んでたゆきが、元気になってさ安心してたんだ。そしたら……元気になりすぎたっていうか……」

 

「あの子の中では事件は起きてないの。学校は平和で先生も生徒もいっぱいいて」

 

「そうなんですか…」

 

ここまで話を聞いた美紀の表情は少し暗くなっていた。

 

「最初はたまにそんな風になる感じだったんだけど、めぐねぇがその、亡くなってから……ずっとなの」

 

りーさんは言葉に詰まりながらも美紀にそう伝えた。

 

「早く治るといいですね…そういえばゆき先輩授業受けるって言ってましたけど…」

 

「ああ、向こうの教室にいると思う。そのうち戻るよ」

 

「ね、お願い。ここにいる間、あの子に合わせてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

ゆきと美紀は屋上へ来ていた。

 

「園芸部のみなさんどうもーほらみーくんも挨拶」

 

「ど、どうも」

 

ゆきは誰もいない屋上の園芸部が使う畑に挨拶した。

美紀もゆきに言われて挨拶した。

 

「ほら屋上菜園だよ。ひなたぼっこにも最適!景色もいいんだよー」

 

ゆきは腕を広げながら屋上の説明を始めた。

するとゆきは屋上から景色を眺めるためにフェンスの方へ近づいた。

美紀もそれに続いて歩き始めるが、畑のスペースの一部に十字架が刺さっているのが目に映った。

それを見た美紀は一礼した。

 

「ね、みーくんどう?入部したくなってきた?」

 

「すいません聞いてませんでした」

 

「えー」

 

2人の会話の片隅にある十字架。

その十字架に結ばれているリボンがぱたぱたと風に靡く。

 

 

 

 

 

「ね、考え直そ?今なら図書室でマンガ読み放題だよ?」

 

「それ、部活関係ないですよね?」

 

「そんなこと言わないでさー」

 

ゆきは歩きながら美紀に部に入ることを進める。

しかし美紀は足を止めることなく進んでいく。

 

「ささ、入って入って」

 

「はあ」

 

ゆきは美紀を部室に入るよう言い流す。

 

『ようこそ学園生活部へ!』

 

2人が部室に入ると、クラッカーがパンっと音を鳴らした。

何が起こったのか分からず唖然とする2人。

辺りを見渡すと、綺麗にデコレーションされた部室に食べ物が置かれた机があった。

 

「ちょ、何これ」

 

「お、驚かせようと思って」

 

「ずるーい三人だけ。わたしもやりたーい」

 

「みんなでやったらサプライズにならないだろ」

 

「そーだけどさー」

 

盛り上がる4人を見て黙り込む美紀。

 

「もしかして…はずした?」

 

何も言わない美紀に心配そうに声をかけるくるみ。

しかしそこからしばらく経たないうちにぷっと笑い出す美紀。

 

「ありがとうございます。うれしいです」

 

ここへ来て初めて見た美紀の笑顔を見て学園生活部の4人は喜んだ

 

「じゃさ、入部してくれる?」

 

「仮入部からでいいですか」

 

美紀は仕方なさそうな顔をしながらゆきの質問に返した。

その言葉を聞いた4人はパァっと明るくなった。

ゆきは美紀に抱きつきながら、

 

「いいよそれじゃ改めてーようこそ学園生活部へ!みーくん仮入部おめでとう!」

 

「みーくんじゃありません!」

 

 

 

 

 

 

 

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