がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第2話 おもいで ღ

ー走るのは嫌いじゃない、でも部に入った動機はわりと不純だ

 

追いかけたい人がいたんだ。

 

ほら、マネージャーって柄じゃないしさー

 

(あれ……先輩?)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ん…」

 

くるみはぼ〜っとしながら目が覚めた。

 

「ふぁー」

 

伸びをしながら欠伸をし、ポリポリと頭を掻きながら隣で寝ているゆきへ目をやった。

よだれを垂らしながら寝ている。

そんなゆきに、にっと笑いながら

 

「ゆき、朝だぞ。遅刻するぞ」

 

寝ているゆきをゆさゆさと揺すり起こす。

 

「う〜ん。むにゃむにゃ…」

 

 

 

 

 

 

学園生活部

 

ゆき達は学園生活部の扉を開けた。

 

「あら、おはよう」

 

めぐねぇが、二人に挨拶した。

 

「あ、めぐねぇおはよう〜」

 

「おはよー」

 

ゆきは元気よく、くるみは欠伸をしながら言った。

 

「二人ともおはよう」

 

「おはよう」

 

台所で朝食を作っているりーさんと、それを手伝っているせいらが言った。

 

「今日はめぐねぇも一緒にごはん?」

 

「うん。おいしそうな匂いがしたから」

 

「こ、この匂いは…」

 

ゆきが匂いを嗅ぐとハッとした。

 

「カレーだっ!!」

 

「そうよ」

 

りーさんとせいらはカレーを机に運んだ。

 

「よっしゃいただきまーす!」

 

「「「「いっただきまーす!」」」」

 

 

個々がそういい朝食を食べ始めた。

 

「おいしかったーおかわりない?」

 

くるみはすでに完食していた。

 

「早っ!くるみちゃん太るよー」

 

ゆきがもぐっ…とスプーンをくわえながらいった。

なぜかしょぼんとしている。

 

「いいんだよ運動部なんだから!」

 

くるみはばんっと机を叩きながら言った。

 

「え、うちって運動部だっけ?」

 

ゆきは、くるみの言葉に困惑した。

それを見たりーさんとくるみはじっと黙った。

少しマズそうな顔をしている。

 

「一応文化部だけど力仕事はいっぱいするわね。運動部みたいなものかも」

 

フォローするかのようにめぐねぇが言った。

それを聞いたゆきは、

 

「あー水やりとか疲れるもんね」

 

「だろ?雑用ばっか」

 

くるみはそれに合わせるように言った。

 

「雑用じゃ…」

 

めぐねぇがむっとするが、

 

「くるみ、学園生活部心得第二条!」

 

りーさんがそれを阻むように言った。

 

「第二条、えーと学園生活部とは、施設を借りるにあたり必ずその恩に報いるべし」

 

ゆきが言った。

 

「よろしい。雑用とか言っちゃだめよ」

 

と、りーさんが優しく注意した。

 

「わっかりました部長!」

 

「私、一応顧問なんだけどなー」

 

めぐねぇはむーっとスプーンをくわえながら言った。

 

「それじゃあ先行くね」

 

「あ、先生も一緒に行くわ」

 

「「いってらっしゃーい」」

 

そう言って、ゆきとめぐねぇは学園生活部を後にした。

ゆきが部室を出ていったのを確認してせいらはため息をつき隣に座るくるみをジト目で見つめる。

 

「はぁ…危なかったね、今の」

 

「うん。口が滑った」

 

せいらの視線に気づいたのかくるみは気まずそうにそっぽを向いている。するとくるみは咳払いをして話題を変える。

 

 

「さて、じゃあ今日の見回り当番決めるか」

 

 

「はぁ…もうこの制度やめない?」

 

 

「なんかあった時こっちにも人がいた方がいいだろ?」

 

 

「…それはそうだけど」

 

 

食器を片した2人は両者見合って片手を差し出す。始めたのはジャンケン。学園生活部で汚れ仕事ができるのはくるみとせいらのみ。そのため朝の見回りも2人のどちらかがしている。主な仕事はバリケードの点検だが、何かあった時のためにこうしていつもジャンケンでどちらが見回りに行くかを決めていた。

 

 

今日のジャンケン、勝ったのはくるみ。勝者であるくるみはガッツポーズ、負けたせいらは自身の出した手を見て不貞腐れていた。

見回り当番に決まったくるみはシャベルを持ち戸を開ける。

 

「では恵飛須沢胡桃、心入れ替えて朝の見回り行ってきます」

 

「はい、いってらっしゃい」

 

 

 

 

部屋を後にしたくるみは、すぅっと息を吸い、

 

「さ、行くか」

 

 

 

 

 

 

二人は階段を下りた。

そこには、バリケードがそびえ立っていた。

 

くるみはコンコンっとバリケードを叩き、

 

「異状なしっと」

 

そして、くるみはバリケードに飛び乗り奥を確認した。

すると『奴ら』が一匹ぬっと現れた。

 

「うわっ」

 

 

くるみは周りを確認し、バッと飛び、着地した。

それに気付き、ゆっくりくるみの方へ振り向く『奴ら』

 

くるみは、『奴ら』の足にシャベルを振った。

『奴ら』は、「ぐおっ」と転んだ。

 

くるみは『奴ら』を足で抑え、

 

「……おやすみなさい」

 

シャベルに力を込め、『奴ら』に刺した。

 

 

 

一方その頃ゆきは…

 

ボロボロになった教室で一人授業を受けていた。

 

「あっはい」

 

先生に指されたのか、黒板の前に行き、

 

と 時

き 雨

 

 

「えっと……こうかな?」

 

 

 

 

 

屋上

 

くるみは血のついたシャベルを洗っていた。

 

「またやってきたの?見回りだけでいいのに」

 

りーさんが後ろから言った。

 

「いい位置に一匹いたからさ」

 

「一人じゃ危ないわよ」

 

「心配しすぎだって」

 

「部長ですから」

 

りーさんはえっへんと胸を張って言った。

 

「はいはい」

 

りーさんは畑の方へ戻り、くるみはフェンスから校庭を見ている。

校庭には、『奴ら』が沢山ウロウロと徘徊していた。

 

「くるみ?」

 

せいらはくるみに言った。

 

「ほら、ゆきが野球部朝練してるって言ってたじゃん」

 

「うん…言ってたね」

 

「トラックも誰か走ってないかなって」

 

「……………うん」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

学園生活部

 

りーさん、くるみ、せいらの3人は晩御飯の支度をしていた。

すると、

 

「たっだいまーなにクレープ?」

 

ゆきが、授業から帰ってきた。

 

「お好み焼きよ。晩御飯にしましょ」

 

りーさんが、卵と小麦粉を混ぜながら言った。

 

「わーいお好み焼き大好き!」

 

ゆきの表情がぱぁっと明るくなった。

 

りーさんは、肉の代わりのスパムを加えホットプレートで焼いた。

 

「遅かったわね先生は?」

 

ゆきは椅子に座ると同時に「ぐるるるるる」とお腹が鳴った。

 

「一緒にほしゅーしてたー、そもそもさー数学とかって何か役に立つのかなぁ将来とか言われてもピンとこないしー」

 

ゆきは机にだらぁーっとしながら愚痴をもらした。

 

「……ダメ人間だ」

 

「じゃあ一緒に数学やりましょうか」

 

りーさんが言うと、

 

「えー」 「うんうん」

 

くるみはりーさんの意見に頷いたが、続けてせいらが言う。

 

「くるみも一緒にね」

 

「「ええー」」

 

ゆきと一緒になって駄々をこねはじめた。

 

 

くるみは余計なことを言いやがってと言わんばかりにせいらを見つめるが、せいらはそんなこと気にせず夕飯の準備を進める。

 

「みんなで一緒に卒業しましょ」

 

りーさんが言った。

 

「…そっか。そうだねやろう!」

 

ゆきはくるみの手を掴み言った。

 

「いいけどさ」

 

「みんな、焼けたよ」

 

せいらが言った。

 

「あらごめんなさい。ほとんど任せちゃったわ」

 

「いえ、好きな方なんで。料理」

 

「みんな食べよー」

 

ゆきが3人に言うと、

 

「「「「いっただっきまーす」」」」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

くるみの夢

 

(先輩?)

 

先輩はくるみに手を差し出した。

くるみは答えるように自分も手を出すが、

 

「くるみ!」 「恵飛須沢さん!」

 

屋上の扉を抑えているりーさんとめぐねぇが声を荒げて言った。

そう、これはあの日の出来事。

 

(あれ……せんぱい?)

 

くるみはもう一度先輩に目を向けた。

先輩はくるみに近づいてくる。

 

「ちがうの。よく見てくるみ」

 

りーさんが扉を抑えながら言った。

 

「りーさん何言ってるの、この人は……」

 

くるみは何かを言おうとするがそれより先に先輩?がくるみに飛び出した。

 

「うわっ!?……ツッ」

 

それに驚いたくるみは後ろに転んだ。

先輩?はくるみの方へ目をやりまた向かってくる。

 

「あ……」

 

くるみは逃げ場もなくただ迫ってくる先輩…『彼ら』に唖然としていた。

くるみは後ろに手をやると、その先にシャベルがあった。

 

「うわああああ!」

 

くるみはシャベルを『奴ら』の首元へ振るった。

「ズッ」っと鈍い音がした。

 

そして、首元から溢れ出た血がくるみの頬についた。

 

 

 

 

「ッ!?」

 

くるみはハッと目を覚ました。

起き上がると、胸を抑えて息を荒げた。

 

「…くるみ?」

 

気付いたのか隣で寝ているせいらが言った。

 

「…悪い。起こした」

 

くるみはせいらに謝ると、せいらはくるみの手を握った。せいらは心配そうにくるみを見つめる。

 

 

「大丈夫?…また見たの?」

 

 

くるみが夜中に目を覚ますのはこれが初めててはなかった。学園生活部の活動が始まってから何度もあった。

最初の頃に比べたら回数は減ったがそれでもくるみは何度か目を覚ましてしまう。

 

 

「あぁ……せいらは大丈夫なのか?」

 

 

「うん……大丈夫だよ」

 

 

くるみは逆にせいらの心配をしていた。お互いに汚れ仕事を担うもの同士。同じせいらにだって夜中に目を覚ましてしまう時があるだろうと気になりせいらに問いかけたが、彼女はくるみに心配かけまいと笑みを浮かべてそれを否定した。

 

 

「やっぱすげぇなせいら」

 

 

「……そんなことないよ」

 

 

自分と違い悪夢を見ることが無いと分かりせいらを賞賛するくるみ。しかし等の彼女はその賞賛を心から受け止めることはできなかった、目を背ける。

 

 

「悪いんだけど、今日も頼むわ」

 

 

「もちろん」

 

 

2人は手を繋いだまま再び布団に潜り込む。

隣にいるせいらの顔と彼女と繋いでいる手から伝わる体温に安心したのかくるみは直ぐに眠りについた。

寝息が聞こえることを確認したせいらは先程までくるみに見せていた笑みを消し暗い表情をしていた。

 

 

 

 

「……私は、そんな凄い人じゃないよ」

 

 

 

誰にも聞こえないくらいの小声で呟く。誰にも気付かれないまませいらも再び目を瞑り眠りについた。

 

 

 

 

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