がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第29話 そつぎょう

学園中の掃除件、火災後の片付けや後始末を終わらせてその日はシャッター内で寝ることにした。

 

「電気はもうダメ。食料と水はこの人数なら数ヵ月分は…」

 

「その時間使って準備したほうがいいね」

 

「車を改造して、詰め込めるだけ詰め込んで……忙しくなるな」

 

寝袋に包まりながら現状の確認するゆき以外の四人。

ゆきは四人の後ろで寝息を立てて眠っていた。

学園内の電気が使えなくなり、シャッター内も同様で電気がつかなかった。そのため空き缶にロウソクを立てて火を付けてそれを明かりに使っている。

 

「太陽電池パネル、どっかにありましたよね」

 

「車に載せられないかしら?」

 

「載せられると思います。問題は、どこへ行くかです」

 

「それなんだけど……ヘリのとこで拾ったんだ」

 

太陽電池パネルについて話しているりーさんと美紀にくるみは懐からあるものを取り出し見せる。

それは、ヘリの近くにあった白いケースに入っていた地図だった。

 

「この印の場所……確かパンフレットにあったわね」

 

「聖イシドロス大学とランダルコーポレーション」

 

「どっちがいいか……」

 

地図に書かれた印をみて、どちらに行くべきか悩む四人。

 

「大学にしない?人いるかもよ」

 

「ランダルってあの薬作ったとこだよな」

 

くるみの言葉に反応するようにしおりは自分の手を見つめる。

 

「進学か就職か、ですね」

 

「進学じゃないかなー」

 

美紀が選択肢を考えていると、ゆきが美紀とりーさんの間から顔を出して進学だと言う。

 

「ずっと一緒に勉強してきたんだから、進学かなーって思うんだ。社会に出る前にもう少し準備しておきたいみたいな?」

 

ゆきの意見を聞き、しばし考え始める四人。

最初に口を開いたのは美紀だった。

 

「…確かにそうかもしれませんね。就職するなら準備は必要です」

 

「基盤を整える必要があるわね」

 

美紀とりーさんの意見にうんうんと頷くゆき。

 

「それもいいかもね」

 

二人の意見に納得するように言うしおりだが、その顔はどこか悲しそうだった。

しおりの表情に気づく美紀とくるみだがその場では何も言わなかった。

 

「じゃあみんな、頑張ろうね!進学目指して頑張ろう!」

 

『おー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の日、くるみは屋上のフェンスに寄りかかりながら座っていた。そしてその手には白いケースに入っていた拳銃があった。

 

「何してるんですか?」

 

拳銃を上にあげて眺めていると横から声がした。

そこに居たのはくるみを探しに来た美紀だった

 

「い、いや」

 

くるみは慌てて拳銃を懐に隠し、何も無いと答えながらそっぽを向くくるみ。そんなくるみをじーっと見つめる美紀。

 

「今、何隠したんです?」

 

「あぁっと………まぁ。実は地図と一緒にこんなん拾ってな、内緒だぞ」

 

「特にしおりには」と付け足して隠した拳銃を美紀に見せるくるみ。

 

「それ……借りていいですか?」

 

「?あぁ」

 

「結構重いですね……」

 

「そうだな」

 

くるみから拳銃を受け取り構える美紀。

 

「映画だと、役に立たないんですよね」

 

「そうなの?」

 

「正確に頭に当たらないと意味がないですから。素人じゃムリでしょう」

 

「てかみき、そういう映画とか見るんだ」

 

「べ、別にいっぱい見るわけじゃ」

 

慌てていっぱいではないと否定する美紀。

 

「じゃあなんで拳銃持ってたんだろうな」

 

「もしかしたら他に目的が……」

 

くるみの言葉を聞き、他の目的を考え出す美紀。

頭を過ぎったのはしおりのことだった。

感染しかけた所を薬のおかげで助かったが、最近のしおりはどこかおかしかった。その理由にあがる件はいくつかあった。

 

「ん?」

 

隣にいるくるみの方を向くと、くるみも何か考えている様子だった。

きっと同じことを考えているのだろうと思う美紀。

すると視線に気づいたのかくるみが美紀の方を向く。

美紀はくるみの顔を見てしばらく考える

 

「えいっ」

 

「ちょ、何すんだよ」

 

すると美紀は持っていた拳銃を思いっきり駐車場の方を目掛けて投げ捨てる。

美紀の行動に驚くくるみ。

 

「ああいうのって危ないですよ。その、暴発するかもしれませんし」

 

「そりゃそうだけどさ…………おまえ、だんだんゆきに似てきたな」

 

「え!?」

 

美紀は拳銃は危ないとくるみに言う。

くるみは納得しているが、どこか残念そうにしていた。すると、美紀を見てゆきに似ていたと言うくるみ。

すると美紀はガッカリしたような顔をして驚く。

 

「そ、そんなことはない。と思います」

 

「ははっ冗談だよ。ありがとな」

 

美紀は慌てて否定するが本人も確証はないようだった。

そんな美紀をみて笑いながら冗談だといい美紀の肩に手を乗せて感謝の言葉を言うくるみ。

その感謝の言葉にはしおりのことも入っていた。

 

「早く行きましょう。みんな待ってますよ」

 

 

 

 

 

 

 

二人は卒業式の会場である空き教室に入る。

教室に入ると先に掃除を始めていたゆきとりーさんとしおりがいた。

 

「あ、おかえりー早く手伝ってよ」

 

「わりぃよいしょっと」

 

ゆきは帰ってきた二人に気付き手伝うよう言う。

美紀は用具入れを開け掃除道具を出す。くるみはゆきに謝罪をして急いで机を運ぶ。

 

 

五人全員が揃い、作業が格段に早く進んでいた。

教卓や黒板を掃除し、床にモップがけをする。

 

「ふぅ……」

 

雑巾を絞り一息つく美紀。

向く先には綺麗になった黒板があった。

 

「だいぶ綺麗になりましたね」

 

「そろそろいいかしらね」

 

「じゃ、はっじめっるよー」

 

と言い、ゆきは黒板に近づく。そしてチョークを取りなにかを描き始める。

しばらく書いていると内容が分かったのか四人の顔がどんどん呆れてきていた。

 

「できた!」

 

ゆきが書いていたのは[そつぎょうしき]の文字だった。

しかし長さが足りず″しき″は小さく書かれていた。

 

「・・・・・ちょっと違ったかな」

 

「ちょっとじゃないです!」

 

さすがに気付いたのか問いかけるゆき。

すると、その文字をみて涙を流す美紀

 

「ずるいです。こんな下手なのに……」

 

美紀は手で涙を拭き取りながら言う。

 

「まだだよ」

 

ゆきは美紀の手をとりまだだと言う。

そんなゆきの顔も泣きそうになっていた。

 

「別に……わかってます」

 

「あとでみんなで描きましょうか」

 

「ていうかさ、まだまだやることあるぞ?」

 

「え?」

 

くるみの言葉を疑問に思うゆき。

 

「卒業証書も作ってないでしょ。卒業旅行の準備も」

 

「じゃなんで描いちゃうの?」

 

「おまえが始めたんだろうが!」

 

しおりの言葉を聞き、他人事のように問いかけるゆき。

そんなゆきにツッコミながらも黒板の文字を消そうとするくるみとそれを名を残しそうにするゆき。

そんな二人を見てどこか嬉しそうにする三人。

 

 

 

 

その後、卒業証書を作成し、めぐねぇの車に太陽電池パネルを貼り車を改造して衣類や食料などをトランクに詰めて大学へ向かう準備も完了した。

そして、卒業式

 

「それではこれより巡々丘学院高校の卒業証書授与式を執り行います。在校生、送辞」

 

りーさんの司会で始まった卒業式。

最初に行うのは在校生である美紀の送辞

美紀は教卓の前にたち、一礼をする。そして、事前に用意した送辞で話す内容を書いた紙を開く。

 

「月日の流れるのは本当に早いものです。先輩たちと会ったばかりと思ったらもう卒業の季節なのですね。私たちの学校の外には大きな未来が広がっています。社会の荒波の中に漕ぎだしていく自分を思うと誇らしさと同時に不安も感じます。そんな私に先輩たちは手を差しのべて学園生活部に誘ってくれました。そこで私は自分の力を信じて努力すること、苦難に立ち向かう勇気、どんな時にもくじけない明るい心を知りました。だから、もう不安はありません。先輩たちならそして私も学園生活で得たことを活かせばこれから何があっても立ち向かっていけると思うからです。ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。在校生代表兼卒業生直樹美紀」

 

美紀の送辞が終わり拍手をする四人。

一礼をして紙を閉じると美紀の目には涙が流れていた。

美紀の送辞を聞いている中、ゆきも涙を流していたがそれを止めようと急いで目元を擦る。

 

「続いて卒業生答辞」

 

「はい!」

 

ゆきは大きく返事をし教卓の前に立つ。

答辞で言うことを書いた紙を持ち一礼する。

 

「直樹美紀さん、心に迫る送辞をありがとう。わたしたちにとってもみーくん…美紀さん。美紀さんとの」

 

「みーくんでいいです」

 

言いなれない美紀の名前に言葉が止まるゆき。

そんなゆきをみていつも通りでいいと、目元を擦りながら言う美紀

 

「みーくんとの出会いは大切なものでした。あのね、わたしたちみーくんがいたから頑張れたんだよ。だから、一緒に卒業できてうれしいです…これからもずっと一緒にいま…しょう…」

 

ゆきの声が徐々に震えていた。

紙をぎゅっと握る。紙にはポタポタと涙が零れる。

それに気付いたしおりが立ち上がりゆきに寄り添う。それに続くように三人も近づく。

ゆきはずっと我慢していた涙が流れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しおりは、一階のある一角にて手を合わせていた。

 

「これから学校を出るんだ……最後に話せてよかったよ…愛菜」

 

一人そう呟き、その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後卒業証書を渡して[仰げば尊し]を歌い卒業式を終えた。

五人は外へ出て校舎を眺める。そして校舎に向かい一礼をする。

みんなが車へ乗る準備をしているとしおりは涙をながしながら校舎を眺めていた。しおりの手にはいつも持っている薙刀はなかった。

 

「しおり…」

 

くるみがしおりの手を握りながら心配そうに見つめる。

 

「…最後にちゃんとお別れが言えて良かったよ…薙刀は、ちょっとしたお供え物かな?」

 

しおりはそう言い、涙を拭いみんなのいる車の方へくるみと一緒に戻る。

そして運転席にしおりが助手席にくるみが乗りこみ出発する

 

「なんか忘れ物?」

 

「……いえ別に……」

 

後部座席に座っているゆきは右隣に座る美紀をみて言う。

美紀は窓から外を眺めていたが、その顔は悲しそうだった。

 

[みんな学校大好きなんだからその子も来るよ]

 

以前ゆきに言われた言葉と共に、友人である圭の姿が頭に過ぎる。

そんなことを考えながら外を眺めていると、車の横を歩く一体の『奴ら』。しかしその姿は、出ていってしまった友人、圭だった。

 

「今の……」

 

「どうしたの?」

 

その姿を見た美紀は声を漏らす。その声を聞き何があったのかと聞くしおり。

 

「……いえ。大丈夫です」

 

美紀は目元を擦りながら大丈夫だと言うがなにかを察したしおりはそれを問うこともなくそのまま運転を続けた。

 

「私たち、学校が好きなんだなって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式を終えた空き教室。

飾り付けされた教卓や黒板。その黒板には学園生活部の五人が書いた寄せ書きが書かれていた。

その端には美紀が書いたものらしき文字があった。

 

 

 

圭へ

 

私、生きてていいこと

あったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず高校編は終わりです!

大学編の前に短編をいくつか書きます!

短編はオリジナルなので毎日出せるかは分かりませんが、

頑張ります✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿

ここまで来て、お気に入り登録してくれた方が20人もいてくれて

めちゃ嬉しいです«٩(*´ ꒳ `*)۶

(❁´ω`❁)アリガトウゴザイマス♪励みになりますので、これからも見てくれ
たらうれしいです♪
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