がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第32話 ひみつ

キャンピングカーの中で今後についてマップを広げながら話し合う四人。

すると中に設備されているトイレからゆきが扉を思いっきり開けて出てくる。

 

「水洗最高ーーー!」

 

「おまえなぁ」

 

「先輩、気持ちはわかりますが年頃の女性として……」

 

「足伸ばして寝られるし、いいことずくめだね」

 

ゆきの言葉に呆れるくるみと注意する美紀。

しかしゆきはそんなことに耳を貸さずキャンピングカーの良さを話し出す。

 

「いいものをお借りできましたね」

 

「ね」

 

「めぐねぇ、気にしてないといいけど」

 

りーさんの急な呟きに四人はりーさんを見つめながら気まずそうな顔をする。

 

「だ、大丈夫だよなゆき?」

 

「大丈夫だよね。めぐねぇ?」

 

くるみは慌ててゆきに確認をとる。ゆきは誰もいない隣に話しかけるが、ゆき自身も慌てていた。

 

「ていうかさこの車、お風呂ないのかな?」

 

「さすがに……ないみたいですね」

 

「年頃の女の子としてはお風呂入りたいよ!」

 

「まあ、ゆっくり体は洗いたいところではありますね」

 

ゆきは風呂がどこにあるのかと探し始める。

しかしどこにも設備されておらず残念そうに「お風呂に入りたい」と呟きながら美紀に寄りかかる。

美紀も自分の匂いを嗅ぎながらゆきの意見に賛同する。

 

「そろそろ洗濯しないと、着替えもないわよ」

 

「……よし!んじゃまひとついきますか」

 

りーさんが着替えのことについて考え始める。

するとくるみはマップを見てしばし考え、手を膝にパンッと当ててある場所に車を移動させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お着替え完了!いっくよー!」

 

「おう!」

 

たどり着いたのは川だった。ゆき、くるみ、しおりの三人が着替えている間、りーさんと美紀はキャンピングカーの周りにポーンを立てる。そして水着着替え終えた三人が川に向かって思いっきり走り出す。

 

「三人とも元気ねぇ」

 

「しおり先輩まで……けど、今の季節だと…」

 

はしゃぐ三人を見て嬉しそうにするりーさんと、普段はあんなにノリノリじゃないしおりも今日はなぜか楽しそうにしているのを見て少し呆れている美紀。

すると川の方からあまりの冷たさに驚くゆきとくるみ。

 

 

 

 

 

 

「…さすがに川の水は冷たいわよね」

 

「そ、そ、そういうのはさ、さ、さきに……」

 

ゆきはジャージに着替えて焚き火の近くに座る。するとくしゃみをした。そんなゆきに毛布を掛けてあげる美紀。

りーさんは温かいお茶をゆきに差し出す。

 

「しおりは……平気なんだな」

 

「陸上部とは違うところも鍛えてるからね」

 

ゆきほどではないが、寒そうにしながら美紀からもらった毛布にくるまるくるみ。その状態のまま制服を洗濯する。

するとくるみは、隣にいるしおりに問いかける。しおりは川に入っても寒そうにせず、慣れた手つきで洗濯をする。

 

「どうしたの?」

 

「なんかこういうの久しぶりだなってさ」

 

「こういうの?」

 

くるみはふと笑いを漏らす。それを見たしおりはくるみに問いかける。

 

「ゆきが後先考えずに突っ走ってみんなで頭抱えてみたいなさ」

 

「そう言えばそうだね」

 

「最近ほら、ゆき……えっと……」

 

「頼れるようになったよね」

 

「そそ!」

 

なんて言えばいいのか分からず悩み始めるくるみ。するとしおりはくるみの言葉に付け足すように言った。

 

「頼れるゆきもいいけどさ…物足りないっていうか」

 

「ふふっわかるかも」

 

「大学もいいけどさ、もう少しこのままでもいいかなって」

 

「そうだね」

 

このままでいいかもと考えだすくるみ。

するとしおりは立ち上がり洗濯していた制服をぱんっと伸ばす。

 

「でも、そうも行かないんじゃないかな」

 

「え?」

 

しおりの呟きにきょとんとして立っているしおりを見つめるくるみ。

 

「えーっと。それにさ、こっちがこのままでいたいって思っててもさ、むこうから来たりするよね?」

 

「それは、そうかもな」

 

「じゃあ、準備しないとね」

 

いつものように心から笑っている笑顔ではなく、どこか悲しさがある笑顔を見せるしおりを見て言葉が出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜は川の近くにキャンピングカーを停めてそのまま寝ることになった。

みんなが寝ている間、くるみとらしおりは交代でキャンピングカーの見張りをすることになった。

今はしおりの番で、あと数分で交代するが、しおりはその間何かを考えながらキャンピングカーの上に座る。

すると、音を立てないようにキャンピングカーから飛び降りてポーン同士の間に付けられた紐を跨ぐ。

 

 

 

 

 

 

そろそろ交代だと思い目を覚まして体を起こそうとするが、まだ慣れていないのか頭を天井にぶつける。

すると前にあった窓から外の様子を見る。そこに居たのは、どんどん奥に歩いていくしおりだった。

 

「しおり……!?」

 

その姿をみて今朝の会話と笑顔を思い出し、慌ててあとを追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルトキットの後ろに付いているマチェットを抜き取り進んでいく。

進んだ先にあったのは、ボロボロになった住宅街。

奥から歩いてくる数体の『奴ら』。その『奴ら』に向かうように歩くしおりだが『奴ら』はしおりを見向きもせずに先へと進んでいく。

 

「待って……待ちなさいよ!」

 

その声に反応したのかしおりの方を向く『奴ら』。しかし互いに見つめているだけで、襲っては来なかった。

しおりは下唇を噛む。

 

 

すると、突如として『奴ら』はしおりに襲いかかる。

 

「しおりっ」

 

「!?くるみっなんで…」

 

「お前こそ一人で!」

 

しおりの後ろからこちらに向かって走ってきたくるみ。

くるみを見て分かったことがあった。私ではなく、くるみがいたから襲ってきたんだとしおりは思った。

 

「とりあえず、あとっ!」

 

そして二人は『奴ら』を倒して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せっかく洗濯したのにね……」

 

しおりは血が付いてしまった制服を今朝と同様に洗濯する。

心配させたお詫びとしてくるみの制服も一緒に洗濯をするため、くるみは洗濯をしているしおりを隣に座りながら見つめていた。

互いに気まずそうにしている中、くるみはしおりの頬についた血を指でぬぐい取る。

しかし、そのしおりの肌はとても冷たかった。

そして、ゆきが最近までにしおりの体温が冷たいなどのことを呟いていた事を思い出し、目を見開く。

 

「くすり、効いてなかったのかよ……」

 

「効いたよ。だからここにいるんだよ」

 

しおりは、伸ばしたままのくるみの手に自分の手を合わせる。

 

「……どこにも、いかないでくれ」

 

「…いくつもりはないよ」

 

「つもりじゃだめだ!いくなよ…」

 

「……うん」

 

くるみはしおりの手をぎゅと握りながら言う。

するとしおりは″つもりは″と言うが、くるみはそれじゃだめだと言う。そんなくるみを見て微笑む。

そしてくるみの手を引っ張り、

 

「おかえし」

 

と言いくるみの唇に自分の唇を当てる。しおり曰くいつぞやのおかえしだそうだ。

 

「大好きな親友のためだもんね」

 

と言い、くるみの額にこつんっと自分の額を当てる。

しおりの行動に驚くも嬉しそうに微笑むくるみ。

すると後ろからガタンッと音がして少し距離離すしおり。本人は少し照れくさかったようだ。

 

「ちょっと二人とも、こんな夜中に何してるの!」

 

しかし音の正体はキャンピングカーを開けたりーさんだった。

真夜中にポーンの外で何をしているのかと二人に問いかける。しかし二人はそんなりーさんを見てくすくすと笑い出す。

 

「な、なんなの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆきは外が騒がしくて目を覚ましてしまう。しかし寝室には誰もおらず、カーテンを開けて声がするほうを見る。

そこに居たのは、正座をしながらりーさんに説教されるくるみとしおりの姿だった。

 

(夢だね。おやすみなさーい)

 

と、夢だと思いカーテンを閉めて再び眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

美紀はりーさんが目を覚ます少し前から二人の会話をこっそり聞いていた。二人の話を聞いていた美紀は現在りーさんに説教される二人、特にしおりを見て不安そうな顔をして、バレないうちにキャンピングカーの中に戻るが、横になっていても考えがまとまらずにいた。

 

 

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