がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第34話 こえ

「……んんっ」

 

ゆきはふと目を覚ます。

そこにいたのはランプを持ったりーさんがゆきの目の前にいた。

 

「わっ!?ど、どうしたの?」

 

「大切な話があるの」

 

「大切……?」

 

りーさんが近くにいることに驚くゆき。問いかけると大切な話があるとゆきに伝える。

 

「……ゆきちゃんにはどう言ったらいいのかしら。ちょっと難しい話かもしれないけど……大丈夫?」

 

「むずかしい話?」

 

するとりーさんはゆきの左手に自分の手を乗せる。

 

「寝ててもいいのよ?」

 

「大丈夫。すぐ行くよ!」

 

「わかったわ。頑張りましょ」

 

ゆきはりーさんの言葉に大丈夫だと答える。そんなゆきを見て頑張ろうと言いゆきの左手を握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園生活部の五人はテーブルのに置かれたあるものを囲んで座る。

それは先程しおりが見つけた『奴ら』が首から下げていたたすけてと書かれたスケッチブックだった。

 

「これ……」

 

「散歩してて……その…見つけたの」

 

美紀はスケッチブックを指さして見つけた本人であるしおりにどこで拾ったのかと問いかける。

しおりはなんと答えればいいのか悩み、頬を指で掻きながら答える。

 

「……見つけたってどこから…………あ、そういう手もあったんですね。気付きませんでした……」

 

「そうね。でも、今相談したいのはそれじゃないわ」

 

「はい」

 

美紀はしばらく考えるとどういう事なのかを自分で理解した。しかしりーさんは相談したいことは違うといい、りーさんの言葉に四人が頷く。

 

「生きてる人がいるのならやることは一つでしょ、今すぐ助けに行きましょう」

 

「今からか?夜は危ないぞ?」

 

「それはこの子たちも同じよ」

 

「この子たち……」

 

りーさんは今すぐ助けに行こうと言うがくるみは危険だと言う。しかしりーさんはこの子たちも同じだといい反論する。

くるみはスケッチブックに書かれた″小学校″の文字に目がいく。

 

「いこうよ!」

 

ゆきがせきから立ち上がり、りーさんに賛同するように言う。それを聞いたりーさんは嬉しそうにするが、くるみ、しおり、美紀の三人は不安そうな顔をしてゆきを見る。

 

「……何とかなるよ」

 

「そだな」

 

「ゆきちゃん、地図お願いね」

 

「らじゃ!」

 

不安は残るも大丈夫だと思い行くことにする三人。りーさんとゆきは運転席の方へと移動する。

 

「どうくるみ、行けそう?」

 

「ライトつけるとあいつら寄ってくるからな、逃げて袋小路に入るとまずい」

 

「ここの街道、確か前に通りましたよね」

 

「あぁそこ通って…うん、いけるな」

 

りーさんは運転をするくるみに行けそうかと問いかける。

するとくるみは地図を広げて道を確認する。美紀は地図のある部分を指さし、ここなら行けるんじゃないかとくるみに言う。

そこを確認すると行けると答える。

 

「よかった。お願いね?」

 

「ちょっとでもマズかったら止めるぞ?」

 

「わかってるわ。その時は朝まで待ちましょ」

 

くるみは椅子から立ち上がり運転席へ向かう。

 

「安全運転でお願いね」

 

「へいへい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてキャンピングカーは小学校の校門前に止まる。

 

「留守は美紀さんお願い。運転わかるわよね」

 

「大丈夫だよ。今回はわたしも残りますから」

 

するとしおりは美紀の方に寄るように近づき一緒に残ると言う。

それを隣で聞いていた美紀は驚く。

 

「そう、わかったわ。じゃ行くわよ」

 

「おー!」

 

「んじゃ先、偵察行ってくるな」

 

りーさんはしおりが残ることをすぐに了承して、ゆきとくるみに言う。しかしくるみは先に偵察に行ってくると言う。

 

「え?でも……」

 

「いつもやってるだろ。偵察は一人のほうが安全だし」

 

「だめよ。救出に人手がいるでしょ、みんなで行きましょ」

 

一人で先に小学校に入ろうとするくるみを止めるりーさん。

 

「くるみちゃんばっかりずるいよ!」

 

「へ?」

 

「くるみちゃんが一人で行って見つけたらヒーローじゃない?モテモテだよ!モテみちゃんだよ!」

 

「いや、あっと」

 

ゆきは急にくわっとくるみに顔を近づけてずるいと言う。すると次々とくるみに向けての不満を持って洩らす。

それを聞いていたくるみはついには耳を抑える。

 

「楽しいことはみんなで分けようよ、ね?」

 

「……まぁわかったけどさ、それなんだ?」

 

ゆきの言葉に納得したくるみは先程から気になっていたゆきの抱いているぬいぐるみが気になった。

 

「これはね、ぬいぐるみのグーマちゃん!子供はぬいぐるみが大好きだからね!この子でモテモテになるのだ!」

 

「おまえのほうがずりぃじゃないか!」

 

するとゆきはぬいぐるみをくるみの方に押し付けるように近づけてグーマちゃんの説明を始める。

それを聞いたくるみはゆきの方がずるいとツッコむ。

 

「んじゃ行くか」

 

「いってきまーす!」

 

「いってらっしゃい…」

 

元気よくゆき達は小学校へと入っていく。美紀は小さく呟き、しおりは手を振り三人を見送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くるみを先頭に小学校の中を進んでいく三人。ゆきとりーさんは口元を手で抑えながら歩いていく。

曲がり角の手前でゆきとりーさんを止めて先に進むくるみ。

しばらくするとくるみが戻ってきて頷く。その後をついて行く途中、階段の奥に倒れている『奴ら』がいた。

 

「明かりくれ」

 

「はい」

 

くるみの指示で懐中電灯で奥を照らす。そこにあったのはいくつかの足跡だった。埃が溜まっているせいか足跡がくっきり見えている。

 

「足跡だ」

 

「あいつらのじゃなくって?」

 

「いや、ちゃんと歩いてる」

 

「………待っててね。今、行くわ」

 

りーさんはぎゅっと胸元を抑えながら言う。後ろでその姿を見ていたゆきは心配そうにりーさんを見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

2F

 

曲がってすぐの教室の窓に板が貼り付けてあった。

 

「ここだな…」

 

「ど、どうしよ」

 

「焦ったらダメよ。慎重にいきましょう」

 

「だな……」

 

くるみはシャベルを使って教室のドアを開ける。そこにあったのは自分たちの学校と同じバリケードだった。

 

「バリケードか…下からくぐれそうだな……わっと」

 

「くるみちゃん!」

 

バリケードを下からくぐろうとすると、奥から『奴ら』の手がバリケードから伸びてきた。それに驚き後ずさりをするくるみ。ゆきは急いで教室のドアを閉める。

 

「ダメだっ戻るぞっ」

 

「待って、もしかしたら……」

 

「一匹じゃない、いっぱいいた!」

 

「中に隠れてるかもしれないじゃない!」

 

戻ろうとするくるみだがりーさんは中に誰かいるんじゃないかと思いドアを開けようとする。

くるみはりーさんに危険だと言うように叫ぶがりーさんも中で隠れてるかもと言い口論になる。

 

「そんなこと言ってる場合じゃ……」

 

「おーい!誰かいないの?助けに来たよ!いたら返事して!」

 

「ばっおまえっ」

 

「しぃっ」

 

りーさんを引っ張って戻ろうとするくるみの横でゆきは大声で教室に向かって声をかける。くるみは慌ててゆきを止めようとするがゆきは静かにと言っているように指で口元を抑える。

 

「今の聞こえた?ゆきちゃんなら聞こえるわよね?ほら、美紀さんの時も……」

 

「ううん」

 

「そんなはずないわ!ちゃんと聞いて!」

 

「うっ、ん……」

 

何も聞こえない中、りーさんが問いかける。ゆきなら聞こえると言いゆきに聞こえるかと問いかける。

しかしゆきはふるふると首を横に振る。りーさんはそれを見て下唇を噛み、ゆきにもう一度聞くよう肩を揺すりながら言う。ゆきは目を瞑ってもう一度耳をすますが、ドアを研ぐ音や『奴ら』のうめき声しか聞こえなかった。

 

「聞こえない。聞こえないよ…」

 

「でもほら、聞こえるでしょ。ね、くるみ?」

 

「……下からあがってくる。急がないと袋小路だ」

 

りーさんはくるみにも問いかけるが、下からくる『奴ら』に会わないよう急いで帰るよう行って来た道を戻る。

 

「ごめんなさいね。行きましょう」

 

「うん……」

 

階段を降りようとする手前でゆきは教室へと駆けていく。そして持っていたグーマちゃんのぬいぐるみを廊下に置いて手を合わせる。

 

「急ぐぞ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃キャンピングカーに残っているしおりと美紀は窓際の席に座りながら三人の帰りを待っていた。

しかし会話はなく窓で外を眺めているだけだった。

 

「あの…先輩…どうして残るなんて…」

 

「うーん…みきちゃんに聞きたいことがあったからさ」

 

美紀がしおりの方を向いて問いかける。するとしおりはしばらく考えて答えるが美紀はそれを聞いて首を傾げる。

 

「どうして運転を教えて欲しいなんて言ったのか気になってね」

 

「あ…実は、くるみ先輩との会話…聞いてたんです」

 

しおりの問いかけに気まずそうに答える美紀。しかし、しおりは驚きもせずに美紀をみて微笑んでいた。

 

「驚かないんですか?」

 

「なんで?みきちゃんなりの優しさ、嬉しいなー」

 

不意に言われた褒め言葉に顔を赤くしてそっぽを向く美紀。すると何かを思い出したような顔をして言う。

 

「…がんばってくださいね」

 

しおりはそれを聞いてしばらく考える。すると急に顔を赤くして驚いた顔をして美紀に問いかける。

 

「み…みてたの!?」

 

「はい。それと…私にも頼ってください…わたしだって先輩の役にたちたいです」

 

「……ありがとう……あっ、みんな戻ってきたみたい」

 

別の窓に映る三人を見つけて指を指すしおり。二人はドアの近くまで行き三人を迎える。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさい…」

 

しかし帰ってきた3人の顔は疲れ切っていた。そんな三人を見て不安そうに見つめる。

 

「……どうだった?」

 

「わからないわ、まだ全部探したわけじゃないから。朝になったら…もう一度確かめないと」

 

「ま、寝てから考えようぜ。疲れすぎてる」

 

「そうね、ゆっくり寝ましょ」

 

「それがいいと思います」

 

小学校の中がどうだったかを三人に聞くがまだ分からないと答えるりーさん。結局その日は寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜中、りーさんはキャンピングカーを抜け出して小学校へと向かう。

 

「いるわ。いるのよ。だって聞こえたもの……どうしてみんな聞こえないなんて言うの……待っててね、おねえちゃんが今行くから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、目が覚めたくるみはりーさんの寝ているベッドへと向かう。

 

「おーいだいじょぶ……………くそっ!」

 

しかしそこにはりーさんは居らず、ベッドの横にある窓が空いていることに気づいた。

それをみたくるみは目を見開き胸元を抑える。

 

「おい起きろ!」

 

「何ですか?」

 

「え、どしたの?」

 

急いでゆき達を起こしてりーさんがいないことを伝える。そしてゆき以外の三人はキャンピングカーを降りて小学校へと向かう。

 

「甘かった…!」

 

「落ち着いてください。まだ中に入ったと決まったわけじゃありません」

 

「そうだけどさっ」

 

険しい顔をしながら歩いていくくるみを追いかけている美紀は落ち着くよう言うがくるみは下唇を噛む。

 

「手分けして探そ、十分後に一階で集合ね」

 

「……わかった」

 

しおりはくるみを落ち着かせようと手を握りながら手分けしてりーさんを探そうと伝える。

くるみはそれに納得し、美紀の方を向けば美紀も納得したのか頷く。

すると小学校から音がした。

そこにいたのは行方をくらましていたりーさんだった。しかしそこにいたのはりーさんだけではなく小さな女の子もいた。

 

「りーさん……」

 

「それ…」

 

「大丈夫、友達よ」

 

三人が女の子を見て唖然とする中りーさんは女の子を落ち着かせるように伝えると、女の子は小さく頷く。

 

「ね、いたでしょ……ちゃんと生きてたよ。私、間に合ったよ」

 

「あぁそうだな」

 

「勝手に出て……心配したんですよ?」

 

まだ少し不思議そうにしている三人はとりあえずりーさんに声をかける。するとゆきがキャンピングカーから出てきた。

 

「りーさんおかえり。あれ、その子どしたの?」

 

「ずっと隠れてたんだって。危ないところだったの」

 

「そっか、大変だったね。もう大丈夫だからね、ずっとみんな一緒だからね」

 

ゆきは女の子に近づき頭を撫でてあげる。

 

「そろそろ行こうぜ。あんまりいると集まってくる」

 

「うん。と、その前に。おかえりなさい!」

 

『ただいま!』

 

 

 

 




やっぱり再開します!

大学編が終わったら一旦停止しますのでそれまでをよろしくお願いします!

11巻発売おめでとう✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿
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