がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第35話 はじめまして

それからしばらく経って落ち着いた頃、りーさんは外で女の子に話しかける。

 

「おなまえわかる?」

 

りーさんは優しく問いかけるが、女の子は何も喋らない。

 

「私はね、ゆうりっていうの。りーでいいわよ」

 

りーさんは自分の名前を女の子に教える。女の子は喋ろうとすれがすぐに下を向いて口を閉じる。

 

「うん、少しずつね。でも名前がわからないと困るわね…じゃあ、るーちゃんって呼んでいい?」

 

女の子の名前が分からず、とりあえず″るーちゃん″と呼ぶことにした。すると女の子は小さく頷く。

 

「うん。じゃあるーちゃん、よろしくね」

 

「おっはよ~~~!元気~~~~?」

 

するとゆきがふにゃふにゃーっとした動きでるーちゃんに問いかける。しかしるーちゃんはりーさんの影に隠れる。

 

「るーちゃん、大丈夫よ。この人はゆきさん」

 

するとるーちゃんは「ゆき」と口パクで言う。

 

「元気で面白いお姉さんよ」

 

「るーちゃんっていうんだ。よろしくね」

 

ゆきはるーちゃんに近づき挨拶をするがるーちゃんはさらに隠れてしまう。そんなるーちゃんに顔をびよーんっと伸ばして変顔をすると、るーちゃんはにへ…と笑う。

 

 

 

 

 

 

その姿をキャンピングカーの窓から座って見ていた美紀は、どこか不安そうな顔をしていた。

 

「どうしたの?こーんな顔してるよ」

 

「心配にもなりますよ。ただでさえ………」

 

すると美紀に近寄り前の席に座って今の美紀と同じような顔をする。

美紀は、しおりの腕に巻かれている包帯に目がいく。

しかし目を逸らすようにそっぽを向く。

 

「子供は苦手?」

 

「苦手っていうか、どう声かけたらいいかわからなくて……」

 

「ゆきちゃんだと思えばいいんだよ」

 

「ゆき先輩は子供っぽいのであって、子供じゃないです」

 

美紀は気まずそうにしおりに言う。しおりはゆきだと思えばいいと言うが、ゆきは子供っぽいだけだと答える美紀。

 

「似たようなもんだよ。それにほら、元気そうだろ」

 

「ですね。りーさん最近少し元気なかったですから」

 

しおりは外で楽しそうに話しているゆきとりーさんを見て言う。それを見てほっと一息つく美紀。

 

「そうそう。元気が一番、食べ物二番」

 

「私が心配しすぎてたんでしょうか……」

 

「心配役はいるよ。みんながゆきちゃんみたいだったら困っちゃう」

 

美紀はしおりにそう言われて頭の中でもしゆきだけだったらという想像をする。

 

《そろそろご飯がなくなってきたよ》

 

《マンガがあるから大丈夫!》

 

《大丈夫じゃないよ!もっとマンガを探さなきゃ》

 

《よし。今日はマンガ探しの日!》

 

《おー!》

 

 

「先輩、それちょっとひどい……」

 

「どんな想像してるの?」

 

美紀は自分で想像したゆきしかいない学園生活部を考えるだけで笑いが止まらなくなった。

その姿を見てどんな想像をしているのか問いかけるしおり。

しかし美紀の笑った顔を見て、

 

「……うん、いい顔」

 

と言い美紀の頬をぷにっと摘む。

 

「もうすぐ大学に着くから、そっちでゆっくり考えよ」

 

「そういうのずるいですよ、先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いっただっきまーす』

 

時刻はお昼。学園生活部の五人とるーちゃんはお昼を食べていた。

 

「うん、おいしい。るーちゃんも食べる?」

 

りーさんはそう言ってるーちゃんの口元にシリアルが乗ったスプーンを近づける。

その様子を見ていたくるみ、しおり、美紀の三人は気まずそうにシリアルを食べる。

 

「ぶくー」

 

するとるーちゃんの隣に座っていたゆきが変顔をする。それをみた美紀はぶっと食べていたシリアルを吹き出してしまう。

美紀の隣に座っていたしおりは咳き込んでいる美紀の背中をさする。

 

「こーら、ゆきちゃん何してるの?」

 

「食事は楽しくだよ!」

 

ゆきはもぐもぐとシリアルを食べながら言う。そんなゆきをジト目で見つめるるーちゃん。

 

「先輩は楽しさの基準が幼すぎます」

 

「いやあれがやつの精一杯だ」

 

「そうそうそうなんだよってなんかひどいこと言われてる!」

 

「悪いお姉ちゃんですねー。るーちゃんは真似したらだめよ」

 

美紀は落ち着いたのかゆきに向かって言う。くるみはあれがゆきの精一杯と言って、ゆきはそれを聞いてノリツッコミをする。

りーさんはるーちゃんに真似したらだめだと注意するが、

 

「だから真似しちゃだめよ!?」

 

すでにゆきのように変顔をしていたるーちゃん。るーちゃんの顔をみて頷くゆき。

 

「子供って悪いことはすぐ真似するよな」

 

「へっへーん」

 

「そこは自慢するところではないでしょう…」

 

楽しそうに食べたり話したりしているのを見たり、ゆきとるーちゃんが一緒に遊んでいるのを見てりーさんは微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、りーさんとるーちゃんは同じベッドで寝ていた。すると急にるーちゃんが大声で泣き出した。

その声を聞いて目を覚ましるーちゃんに目を向けるりーさん。

すると泣き止ませるようにるーちゃんを抱き寄せる。

 

「だいじょうぶだから、だいじょうぶだからね。こわかったのね、でもほら私がいるからね。ずっと一緒だからね…」

 

りーさんのベッドの隣で寝ていたゆきは何かを考えながらりーさんの声に耳を傾ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、大学前に到着した学園生活部。くるみとしおりが双眼鏡を使って校門の周辺を見る。『奴ら』がいないことを確認する。

 

「…うっし、いけるな」

 

そしてキャンピングカーの後ろに隠れている四人を手招きで呼び、校門まで歩いていく。

校門の横にある塀を先に登るしおり。

 

「うん。大丈夫だよ」

 

しおりの言葉を聞いて下にいる五人が登る。

りーさんは背中にるーちゃんを背負いながら塀を登ろうとするが手が届かない。するとくるみが手を握りりーさんを引っ張る。

 

「るーちゃんえらいわね。こわくなかった?」

 

塀の上から下を覗くるーちゃんにりーさんは問いかけるが、るーちゃんは首を横に振る。

そして、中から立て掛けてあったハシゴを使って中へと入る。

 

「やっと……入学だね」

 

「まだ試験受けてないわよ」

 

目を輝かせて大学を見るゆき。そんなゆきに試験を受けてないとりーさんが言うと、ゆきはガクッと肩を落とす。

 

「えー試験とかいいじゃん。わたしたち頑張ったよね?ね?」

 

「入学っていうか見学ですね」

 

「そだな」

 

 

 

 

『全員持ってるものを捨てて手をあげろ!』

 

拡声器越しに聞こえる男性の声。それを聞いてリュックや武器を地面に置いて指示通り手を上げる。

 

「全員だ。早くしろ」

 

今度は隠れていた茂みから出てきて叫ぶ。それを聞いてりーさんは困惑するが、男性は持っていたボウガンをりーさん目掛けて放った。

 

 

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