がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第44話 たたかい

 

-私の大切な友達の一人である愛菜。あの時の私にとっては、彼女の笑顔が太陽のように眩しかった。

どうしてそんなに明るく振る舞えるのかずっと思ってた。中学入学式で緊張してた私に話しかけてきたのも愛菜、私が元気じゃない時に笑わしてくれたのも愛菜……でも、愛菜が噛まれたのは私のせい。愛菜を苦しませてしまったのも私のせい……悲しかったけど送ってあけた……あれ?どうやってだっけ……薙刀で刺して…そのあとは、食べたんだっけ……ううん違う。そんなことしてない…じゃあどうやって……なんか ちがう…わたし…は…-

 

 

 

 

 

 

「……っ」

 

しおりは目を覚ました。しかし目覚めは最悪だった。汗を流し、シーツを掴むように握っていた。起き上がり辛そうに呼吸をする。左腕のブレスレットを握ろうとするが、カシャっと音がした。両手を見てみればおもちゃの手錠、両足にもそれと同様の手錠を付けていた。

 

(寝てた……いつぶりだろう?)

 

しおりは鍵を使って手足の手錠を外す。今いる場所はキャンピングカー。あの後校舎に戻りたくても戻ろうとすることが出来ずここで仮眠をとっていた。

すると外からカサッと草を掻き分けるような音が聞こえた。急いでベルトキットを腰に巻き、カーテンをそっと開けて外の様子を伺う。

その先にいたのは、バールを持ち、帽子を被った男性、タカシゲだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方穏健派校舎にて、トーコの部屋に集まるトーコ、アキ、ヒカの三人。いつもの様にお酒とつまみを持って飲んでいたが、ある所だけいつもと違っていた。

 

「えっと…」

 

「大丈夫だって。トーコ、すぐ帰ってくるって言ってるじゃん」

 

三人が寄ってきている中、ヒカはぎゅっとトーコに抱きつく。そんなヒカをみているアキはヒカを安心させるように言う。

合宿にいくトーコを心配していた。

するとヒカは紙コップをアキの方に向け「ん」と呟く。もう一杯と言っているようだった。

 

「ヒカ、もちょっと控えたほうがいんじゃない?」

 

「″ヒカ″だから…控えめ?」

 

「はぁ…あんたもう飲みすぎ」

 

「あ……」

 

ヒカはくくく…っと笑いながらダジャレを言う。そんなヒカを見ていたアキは呆れて、無理やりヒカから紙コップを没収した。

ヒカは不満そうな顔をしながら再びトーコに抱きつく。トーコとアキの二人はそんなヒカをみてどうしたらいいのか困っていた。

 

「どしたのヒカ?言ってくれないとわかんないよ?」

 

「……トーコ、ちゃんと戻ってくる?」

 

「戻るよ、大丈夫。おみやげ何がいい?」

 

「……スミコ……」

 

トーコを心配するヒカに合宿のおみやげは何がいいかと問いかけると、しばらく間を空けて[スミコ]と答える。

 

「わかった、探してくるよ」

 

「何か足りないと思ったわ」

 

二人の会話を聞いていたアキは安心したような顔をする。

 

「スミコの歌?」

 

「泣き上戸なのよね」

 

「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、図書館にてリセはいつも通り本を立って読んでいた。パラパラとページをめくっていると、誰かが入ってきたことに気付いた。

 

「やぁどうしたんだい?やっと図書館の魅力に気づいたのかな?遅すぎるってことはないよ。私は知的好奇心というのは人類の根本を成す概念だと思うからね。全て国民は知る権利を持ち、図書館は資料の収拾提供を以ってその権利を満たすべく活動する。君たちの目的が何であれ、書物を傷めたり盗んだりしないものであればここに歓迎しよう」

 

そう呟くリセの後ろには、釘バットを持ったタカヒト、アイスピックを握るシノウ、高上のボウガンを持つアヤカの武闘派メンバー三人ごいた。

 

「……この状況でよくも無駄口が叩けるな」

 

「君たちとは共存できると思ったけど、私の知らない間に状況が変わったということかな、武闘派の諸君……ん?二人足りないね。確か背の大きい男と…あとメガネの子。同時多面展開ってことかな?さすが武闘派だね」

 

「そうやって煙に巻くつもりか?」

 

リセの言葉に呆れているタカヒトとアヤカ。するとリセはタカシゲと高上がいないことに気づき、その言葉を聞いてシノウはピクッと反応する。

武闘派に対して感心するような顔をして話すリセにタカヒトは釘バットを向ける。

 

「ずっとここに籠もってるから下界のことはうとくてね。何かあったのかい?」

 

「…そうやって現実逃避しかできないんでしょ」

 

「現実逃避か……そう言われても仕方ないね。でもね、現実を変えられるとしたらここからじゃないかな。そう教えてくれた人がいる」

 

「それだ。そいつらについて話を聞きたい。ついてきてもらおうか」

 

アヤカの現実逃避の言葉を聞いて納得するリセ。そんなリセの頭の中には、本について話した美紀との会話を思い出す。

タカヒトはそいつについて話を聞きたいと言い、同行するよう言う。

 

「あの子たちの話はあの子たちに聞けばいいんじゃないかな。紹介ならするよ」

 

「……話にならんな」

 

「……わかってないのよ。愛するものを失う痛みってのが」

 

リセは学園生活部を紹介するというがだめだと言うように下唇を噛むタカヒト。

アヤカは失う痛みを分かってないとリセに言う。その言葉を隣で聞いていたシノウは持っていたアイスピックを強く握りしめる。

 

「愛する…………もの?」

 

アヤカの言葉を聞いてリセはフ不思議そうにアヤカを見る。するとアヤカはタバコを口に咥えライターで火をつける。

その行動に目を見開くリセ。そしてアヤカはそのタバコを横に放り投げる。

 

「……ちょっ!危ないな…館内は禁煙だって張り紙してるだ…ろ…」

 

リセは慌ててタバコが投げられた場所へ向かい足でタバコを踏み潰す。捨てたアヤカに注意していると背後からボウガンを向けられる。

 

「これでわかったでしょ。確保完了」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃タカシゲはキャンピングカーに近づいていた。バールをしっかり構えてしゃがみキャンピングカーのドアを無理やりこじ開けようとする。

 

「うわっ!?」

 

しかしその前にキャンピングカーのドアが勢いよく開いた。それに驚き後ずさるタカシゲ。

 

(ちっ中にいたのか。捕まえるか?)

 

タカシゲの前にはゆらっと動く人影。それをじっと見ていると、『奴ら』のようなうめき声のように聞こえた。

 

 

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