がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第52話 あがき

 

もうすぐ朝日が昇る頃、校舎の窓際に椅子を置きそこに座りアキの帰りを待つヒカ。

カーテンを繋げて作った縄を使って外に出た。

 

「誰かいた?」

 

下から戻ってきたトーコに外を誰かが通ったかと問いかけるが、首を振り誰も来ていないことを伝えるヒカ。

 

「玄関は?」

 

「大体終わった。あいつらもう入ってこれないよ」

 

トーコは机や縄などを使って正面玄関や、外からの出入りができる場所すべてを塞いだ。

 

「あの子たち……大丈夫かな」

 

「もし残ってたらアキが連れてきてくれるでしょ」

 

「そうだね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、外にて入ってきたやつらをアイスピックを使い倒していくシノウ。

何匹も倒して行ったせいか汗をかき、息を切らしていた。

すると後ろから近づく影に気づきアイスピックを振るう。しかし刺す寸前に動きが止まった。

その正体が同じ武闘派のアヤカだったからだ。

 

「…危ないわね」

 

「アヤカ…………さん?すみません…」

 

校舎にいると思っていたアヤカが今目の前にいることに驚くも、アイスピックを振るおうとしたことを謝罪する。

 

「こんな所でどうしたの?高上君の仇は見つけた?」

 

「それが……」

 

シノウは、先程のタカヒトと美紀の会話を聞き、高上を殺したのは学園生活部の子達ではないことと、空気感染のことをアヤカに話す。

 

 

 

 

 

 

「面白いじゃない。不景気面にはうんざりなの、せっかくこんな楽しい世界になったのに不平不満で目が死んでるやつばっかり。綺麗に片付くならいいじゃない」

 

シノウから空気感染の話を聞いたアヤカは不気味に笑い、面白いと答えた。その言葉を聞いて驚く訳ではなく笑うアヤカをみておかしいと感じた。

するとアヤカはシノウの顎を上げ語り始める。

 

「死ぬかもしれないんですよ…っ」

 

「あんたたちはね」

 

自分は死なないと言っているかのような笑みを浮かべシノウの顎を無理やり剥がし、その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方るーちゃんを探しに校舎に戻ったりーさん。

宛もなく歩き続けていると、廊下の床に転がっているぬいぐるみを見つける。

 

「るーちゃんっ!ごめんね…ごめんね…っ早く……みんなの所へ戻ろうね…」

 

りーさんはぬいぐるみを思いっきり抱きしめ、みんなのいる車へ戻ろうとする。

しかし、こちらへ近づくやつら。階段は使えずすぐに下に戻ることは出来なかった。

隠れてやり過ごそうと部屋に入る。先程から声を発しないるーちゃんをみて呼びかけるが返ってこない。

 

「!るーちゃん……?るーちゃん?起きてっるーちゃん!どうしたのっ…?るーちゃん?るーちゃん!」

 

何度呼んでも声は聞こえない。

ドア越しでもりーさんの声が聞こえているからか外側からうめき声が沢山聞こえる。

たったひとりのこの空間に絶望を感じてしまうりーさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、外にいるシノウも疲れ切っていた。

アヤカと別れたあともやつらを倒し続けていた。すると木に背をあずけ、懐から高上の被っていたニット帽を出す。

 

「……もう疲れたな、ごめんね……」

 

するとシノウはニット帽を左手で握りしめ、右手に持っていたアイスピックを離し座り込む。

そんなシノウに近づくニット帽を被ったやつら。

 

「れん君……?れん君……なの…?……ちがう、ちがうちがう、この人は…こいつは…れん君じゃないっ」

 

高上なのかと問いかけるシノウ。しかし答える訳もなく近づくやつら。すると高上じゃないことに気づきアイスピックを持ち立ち上がる。やつらがシノウに手を伸ばそうとした瞬間、シノウは大きな叫び声を上げた。

 

アイスピックを投げ、そのアイスピックはやつらの顔に刺さり倒れた。

手を震わせながら投げた拍子に落としたニット帽を拾う。

 

「れん君……そうだよね……生きなきゃね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うめき声と扉を無理やり開けようとする音しか聞こえない空間に一人るーちゃんを抱きしめながら蹲るりーさん。

すると抱きしめていたるーちゃんが意識を取り戻した。

 

「るーちゃん!……よかった……ごめんね……怖いよね……ごめんね……大丈夫だからね、お姉ちゃんが絶対守るから」

 

(私しかいないんだ。私が守るんだ)

 

「……そと…お…そと……」

 

すると小さな声で外と言って窓のほうを指さするーちゃん。りーさんにはその窓には光が見えていた。

りーさんは立ち上がり窓から下の様子を伺う。

やつらもおらず、下は土なので大怪我することはないことを確認し息を呑む。

 

「……しっかりつかまっててね、いくよっいちにの…………っ」

 

りーさんはしっかりぬいぐるみを抱きしめ窓から飛び降りる。

下まで降りれたものの、足を滑らし痛めてしまったりーさん。その音に反応したのか少し距離の離れた所から近づいてくるやつら。

じりじりと迫ってくるのをみて目を瞑る。

しかし聞こえたのは何かがささる音と、やつらの小さなうめき声。

目の前にいたのは、やつらを倒し笑みを浮かべるシノウだった。

 

「妹さん……見つかったんだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキの帰りを窓際で待つトーコ。すると美紀を連れてこちらに手を振っているアキを見つけた。

 

「リセ!ヒカ!」

 

二人に声をかけ、アキと美紀が登れるようにカーテンを抑えておく。

 

「これ大丈夫かな…試しに先に登ってみるね」

 

アキが登ろうとしていると、右の方からエンジン音が聞こえた。その先にいたのはこちらに迫ってくる一台の車。

 

「アキさんそのまま上がって!」

 

「えっ!?」

 

すると校舎に車体をぶつけて無理やり止まる車。

 

「何だあの車!」

 

車はバックしてもう一度つっこもうとするがそれを美紀が止める。

 

「やめてくださいタカヒトさん」

 

「タカヒト……!?」

 

するとつっこむのをやめ、車から出てくタカヒト。その手にはボウガンが握られていた。

 

「ちょっ…!アンタ何する気!?」

 

「……今度こそは……逃がさん」

 

持っていたボウガンを美紀に向けるタカヒト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、校舎に戻っていた五人。

ふとゆきはどこか遠くを見つめていた。そんなゆきに寝ているしおりをおぶりながら歩くくるみは足を止め問いかけた。

 

「どうしたゆき?」

 

しかしゆきは答える訳もなくただずっと遠くを見つめるだけだった。

 

 

 

 

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