がっこうぐらし!+(再編集中)   作:すぴてぁ

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第8話 よりみち

 

–昔見た映画のエンディング

 

車に乗った二人、遥か地平線の彼方へ続く道

 

過去を捨てた二人は夕日の中へ旅立つ

 

そんなカンジのやつ−

 

 

 

学校を出た学園生活部の車は、ショッピングモールへと向かっていた

 

「ごーごー!もっととばしちゃえ!」

 

「だめよ、くるみ安全運転でね」

 

後部座席組は先程くるみはゲームでしか運転したことがないのに自信ありげだったことから少し不安は残るも助手席がしおりだから大丈夫だと言うことで納得した。

 

一方助手席に座っているしおりはマップを開いてくるみに道を教えていた。

 

「わーってるよ!」

 

りーさんの注意を聞きながらくるみは運転をする。

本人は最初は自信ありげだったが無免許なのは知っている。

周りに注意しながら運転をする

 

「………!くっ」

 

くるみは目の前が行き止まりなのに気付き急ブレーキをかける。

行き止まりのところにはボロボロの車の上に電柱が倒れていた。

 

「ゆき、後ろ見ててUターンする」

 

「また通行止め?」

 

「だな」

 

「今日、通行止め多いよね」

 

「そうねぇ」

 

「おーらーい」

 

Uターンをして別の道へ行こうとするがUターンの途中に『奴ら』を一体ぶつけてしまった。

そんなの御構い無しに進んで行く車。

 

「ドライブ楽しいねー」

 

ゆきが外の景色を見ながら言った。

 

「そうか?」

 

「運転……代わる?」

 

「頼む〜」

 

助手席に座るしおりは少し疲れている気がしたのかくるみにそう言った。

 

「わたしもやりたいなー」

 

「やめとけ、危ないぞ」

 

ゆきの言葉に軽く注意するくるみ

 

 

 

 

 

それからしばらくして、運転はしおりに変わりくるみはマップを持っていた。

 

「次は……どっち?」

 

くるみに次の道を聞くしおり

 

「あ、えーと…」

 

マップを慌ててみるも、道が分からず迷ったと思うくるみ

 

「えーと、ここじゃない?」

 

それを見たゆきが後部座席からひょこっと顔を出しマップに指差す。

 

「ん?あ、そうかな?」

 

それを聞いていたくるみだがあまり分かっていなかった。

 

「ゆきちゃんナビゲーター代わってあげて」

 

ゆきのとなりに座るりーさんがそう言った

 

「うん!」

 

 

 

「えーと、ここが三丁目だから…しばらくまっすぐ…」

 

「うん……」

 

 

前に座るゆきとその隣で運転するしおりはマップを見ながら先へ進む

りーさんは窓から外を眺め、くるみも外を眺めていたがぼーっとしていた

 

 

「!…ストップ!」

 

くるみは目を見開き車を止めるように言った。

それを聞いたしおりは即座にブレーキを踏んだ。

 

その反動でゆきは頭をぶつけてしまった。

 

「どうしたの?」

 

りーさんがそう聞くが、

 

「あ、いや何でもない…」

 

「そ、そう?」

 

くるみは少し間を置いて答えたが、りーさんはそれが気になったのか心配そうな目をしている。

 

ゆきは、窓から見える景色を見ると、そこにあったのは

 

「あれ……ここもしかしてくるみちゃんの家?」

 

ゆきはくるみの家であることに気付きそう聞くが、

 

「あ、ああ…」

 

くるみは少しぎこちなく答えた。

 

「くるみちゃんの家がここってことは…しおりちゃんの家も近いよね?」

 

急に話を振られたしおりは少し慌てながらも、

 

「あ………はい」

 

そう答えたが、くるみ同様少しぎこちなかった。

 

「顔出してきたら?ずいぶん帰ってないじゃない」

 

「でもほら、今日帰るって言ってないし」

 

くるみは手をぎゅっとしながら答えた。

 

「いーじゃない別に」

 

「そうだなちょっと顔出してくる」

 

くるみはゆきの言葉を聞き、一度固まるがパッと笑いながら言った

 

「一緒に行く?」

 

りーさんがそういうが、

 

「いや一人でいい」

 

くるみはそう答えた

 

「……りーさん、運転席……座っておいて、ください」

 

「えぇわかったわ」

 

運転席から降りるしおり、その手には薙刀が握られていた。

 

「しおり…大丈夫か?少し待ってれば一緒に行くけど」

 

「大丈夫……一人で、平気」

 

しおりはそういうと車のもうちょっと奥へ進んで行った。

 

くるみは玄関へと向かい、息を飲んでドアノブへ手をかけた。

ガチャっと音がした。

ドアを開けると真っ暗な世界が広がっていた。

 

「ただいま…」

 

小さくそう呟いた。

 

「ただいまー誰かいる?」

 

もう一度声を出すが何も聞こえない。

くるみは懐中電灯をつけ、ブーツを脱ぎ奥へ進んで行く

 

リビングへの扉を開け中に入る。

テーブルに手をあてると埃が溜まっていたのか指につく。

 

「……どこいったの?」

 

 

くるみは階段を登り、両親の寝室へ向かった。

扉を開けた先には、カーテンや枕、シーツがビリビリに千切れていた。

ガラスも割れ、壺も倒れベッドの近くには靴が片方だけ転がっていた。

 

それを見たくるみは何も言わずに扉を閉めた。

 

少し先に進むと自分の部屋があった。

扉を開けると、両親の寝室とは違い壊れているものはなく、漁られた痕跡もなかった。

 

くるみはベッドへ移動し、クッションを抱き寄せた。

 

 

 

 

くるみは玄関の扉を開け、家を後にした。

それを見たゆきが、

 

「おかえりー」

 

くるみにそう言う

 

「おうー」

 

それにくるみは軽く返した。

 

「あ、おかえりって変かな家からおかえりって」

 

「いんじゃね。ただいま」

 

くるみは笑って返した。

 

「しおりさん…遅いわね」

 

「おうちに誰かいたのかな〜?おはなししてるのかもね〜」

 

りーさんは未だに帰ってこないしおりを心配していた。

その隣にいるゆきは誰かいたんじゃないかとちょっと嬉しそうに言った。

 

「ちょっと見てくるわ…」

 

「えぇお願い」

 

くるみは車の先にある家を何件か通り過ぎて行く。

その住宅街でひときはめだつ和風な家。

 

その家の横には「柊」と書いてある表札があった。

 

しおりの家は五人暮らし。

 

しおりの両親と祖父と祖母と一緒に住んでいる。

祖父と祖母は体が弱いため二階を作らず一階建ての平屋だった。

その奥にあるの建物は、しおりの祖母が使用している道場

 

祖母は体が弱いが昔からやっている薙刀だけは欠かさずおこなっていた。

しおりは祖母の教えにより薙刀をやっていた。

 

「しおりーどこにいるんだ?」

 

くるみは玄関の扉を開け長い廊下を進んで行く。

しかし、しおりはどこにもいなかった。

 

「もしかして…道場か?」

 

そう思ったくるみは一度玄関へ戻りブーツを履き庭をぐるりと移動し、奥にある道場へ向かった

 

するとくるみは道場付近で立ち止まった。

その先にあったのは、

 

「なんだよ……これ」

 

庭に何体も倒れている『奴ら』だった。

ビクともしないので誰かがやったのだろうそう思った。

 

くるみは先へ進み道場の扉を開けた。

道場の入り口でブーツを再び脱ぎ奥へ行く

 

そこにあったのは地獄絵図だった。

壁一面に血が付いていて『奴ら』が何体も倒れていた。

その奥にいるのは血まみれの薙刀を持つしおりとその横で薙刀を持って倒れている『奴ら』

 

「くる…み」

 

しおりはくるみがいるのに気付いた

 

「これ…全部、やったのか?」

 

くるみは少しづつしおりに近付きながらそう言った。

 

「うん…私が、やった。『奴ら』もお婆ちゃんも…」

 

「えっ、そいつが…しおりの…」

 

くるみは目を見開いた。

 

「戻る前に……部屋に行かせて。持っていきたい…ものがある」

 

しおりはそういうとくるみの横を通り過ぎ道場を後にした。

 

 

 

 

二人はしおりの部屋へ入り、くるみは部屋にある椅子に座って、しおりは部屋にある戸棚を漁り、カバンに詰めて行く。

 

「なんだよそれ?」

 

「薙刀…手入れするのとか……あと、ショッピングモール…行くなら色々、何か使えそうなのが…あるかも」

 

しおりはいつも通りに答えるが内心は怯えているのだろうとくるみは思った。

そう思ったくるみは椅子から立ち上がりしおりを抱きしめた。

 

「くるみ……」

 

「言えよ…辛いなら、泣きたいなら言えよ。今は私しかいないからさ」

 

くるみはしおりの頭を撫でながら言った。

 

「…………………っ」

 

声は出さずに涙を流すしおり。それを何も言わずに受け止めるくるみ

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからしばらく経ち落ち着いたのかくるみから離れた

 

「ありがと……大丈夫」

 

「前にも言ったけどさ、なんかあったら言えよな」

 

「ありがと…」

 

しおりはリュックを背負い部屋を先に出た。

 

「それに……絶対、守る…もう、お前の涙は見たくない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、くるみちゃん〜しおりちゃん〜」

 

車で待機していたゆきとりーさんが戻ってきた二人に手を降っている。

 

「りーさん、しばらく運転頼むわ」

 

「えぇ、でもどうして……そういうことね」

 

後部座席に座る二人の方へ向いた。

するとりーさんはそれを見て納得したのかハンドルを握った。

 

「しおりちゃん疲れちゃったのかな?」

 

「色々あったんだろ、今は休ませてやろうぜ」

 

くるみの向いた先には、自分の肩に頭を乗せ寝息を立てているしおりだった。

 

 

 

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