離れた位置で飛んでいるキュルケやタバサでさえ皮膚にヒリヒリと痛みを感じるほどの熱線。
それを生じさせた大爆発の起点となった哀れなゴーレムは、もはや破片も残さず消え去っていた。
「へ、へへ・・・初めてにしては・・・上出来じゃない・・・」
息も絶え絶えにこう呟くのは、先ほどの大爆発を引き起こした張本人であるルイズである。
至近距離にいたにも関わらず何故か爆発によるダメージは受けていないが、精神力を大幅に消耗し、肩で息をしている。
木々はなぎ倒され、辺りは焦土と化している。
ゴーレムを生み出した術者である土くれのフーケはどうしているだろうか。
ゴーレムの近くにいたというなら一緒に蒸発している可能性が高いが、万が一生きていた場合今のルイズでは対抗できない。
「おーおーおーどこ行ったんだよオイ逃げやがってよ〜(捜索)」
杖を片手に倒れた木々の合間を探して回るルイズ。
野獣から受け継いだ鋭い眼光で辺りをねぶるように見回す。
歩き回ること5分とちょっと。
何やらガサゴソと衣服の擦れるような音が聞こえたので恐る恐る近づいてみる。
そこでルイズはとんでもないものを目撃してしまった。
「暴れんなよ、暴れんな(必死)」
「なっ!?なんなんですかアナタ!!ミス・ヴァリエールの使い魔でしょう!!やめなさい!!何してんすか!やめてくださいよ本当!!(ガチ抵抗)」
そこでは、野獣がミス・ロングビルを押し倒していた。
「お前のことが好きだったんだよ(純愛)」
「いけません!!このっ!!離しなさい!!(半泣き)」
一瞬思考がフリーズし、焦土と化した森の中で盛り合う二人を呆然と見ていたルイズ。
ようやく我に帰った彼女には野獣に言うべきことがたくさんあった。
「TDK!!生きてたのね!?」
「生きますよ〜イクイク(生の悦びおじさん)」
ロングビルを押し倒したまま感動の再会は続く。
「良かった!ゴーレムに潰されて死んじゃったのかと思って・・・」
「ま、多少はね?」
『グ●ンラガン先輩BB』
彼は自らの下半身をドリルに変形させることで、地中での行動に特化した形態に移行できる。
「ちょっ!!ミス・ヴァリエール!!とりあえずこの使い魔止めて!!」
しばらく忘れていたのだが、押さえ込まれて腰を使われていたミス・ロングビルがルイズに助けを求めた。
「そうよアンタ何やってんの!!!ダメじゃないミス・ロングビルをレイプしちゃ!!お前ノンケかよぉ(絶望)」
「そうですよ!(便乗)とにかく離してください!!」
ルイズとロングビルが彼を説得するが、野獣の拘束が弱まることは無い。
そして彼は衝撃の一言を言い放った。
「お前がフーケなんだルルォ?(名推理)」
「え、何それは・・・」
突然何を言いだすんだこのウンコは。
「お前・・・本気で言ってるのか」
「そうだよ(肯定)」
野獣は確かにお調子者の人間の屑だが、こういうところでふざける人間では無いということは、短い付き合いながらも理解したつもりである。
だがそれにしてもにわかには信じがたい。
「ほ、本当なんですかミス・ロングビル(震え)」
「そ、そんなわけないじゃ無いですか(震え)」
そう答えるミス・ロングビルはすっげぇ白くなってる。
これもしかすると、もしかするかもしれませんよ……。
「ミス・ロングビル。本当なんですか(再確認)」
「……ないです(否定)」
ミス・ロングビルバッチェ冷えてますよ。
「ミス・ロングビル。正直にはいかいいえで答えてください。あなたは土くれのフーケなんですか?」
「そうだよ(ガン無視)」
正体表したね。
「じゃ・・・じゃあゴーレムを使って私たちを殺そうとしたのも・・・」
「ああそうだよアタシだよ!」
「やはりヤバイ(再確認)」
ミス・ロングビル改め土くれのフーケは開き直ったのか、口調が先ほどまでと変わってかなり乱暴なものになる。
「ホントならアンタたち全員を殺した後で悠々と『破壊の杖』を持ち帰る予定だったんだがね!潰れたカエルみたいになったアンタらを拝めなくて残念だよ!!」
これまで優しく穏やかな良い人だと思っていた彼女の豹変ぶりに、ルイズはおっぱげた。
「そうだったんですね・・・TDK!」
「おかのした(了解)」
ルイズは使い魔の糞にロングビルを縛り上げるように命じる。
だがこれまでガッチリとホールドされて動けなかった彼女はこの機会を待っていた。
野獣が海パンからロープを取り出した瞬間、一瞬だが彼による拘束が緩んだ。
「甘いんだよぉ!!」
ドカッ
フーケはその一瞬の隙を突いて野獣の上半身を蹴り上げると、素早く脱出し二人から距離をとった。
「ヌッ!?」
意表を突かれた。
こちらも手負いである以上、このまま彼女と対峙するのはマズイ。
「それにねぇ、今のアタシには切り札があるんだよ(デュエリスト)」
「うわぁーなんだなんだ(棒)」
フーケは胸ポケットをゴソゴソ漁ると、黒く光るなにかを取り出した。
「アンタから奪ったこの『破壊の杖』が、ねぇ!!」
フーケが取り出したそれは、陽光を受けてギラギラと黒光りしている。
「『破壊の杖』ですって!?TDK!!アンタが持ってたんじゃないの!?」
「すり替えておいたのさ!!」
野獣が自分の海パンの中を弄ると、「破壊の杖、確かにいただきました」と書かれた紙切れが一つ。
「ホいつの間に!?」
「はーつっかえ!辞めたら使い魔?(無慈悲)」
驚く野獣とジト目でたしなめるルイズ。
「形勢逆転だねぇ!」
ミス・ロングビルが『破壊の杖』を構えたままジリジリと近寄る。
「やめてください・・イヤァ・・・怖い(課長並感)」
ルイズと野獣は後退するが、不幸にも先ほどの爆破で倒れた巨木に追突してしまう。
「逃げ場はないよ!さぁ!!死にな!!」
フーケは『破壊の杖』を力を込めて振り下ろした。
ルイズも「アカン死ぬぅ」と自らの最期を悟った。
だが
「・・・アレ?」
何も起こらない。
「な、なんなのさこれは!?『破壊の杖』ってのはメイジの杖と同じじゃないのかい!?」
フーケは何度も破壊の杖を振る。
しかし何も起きない。
慌てた様子のフーケが杖を振り回すうちに、杖の根元あたりにあった謎の突起を指で押してしまった。
ヴィンヴィンヴィンヴィンヴィン(迫真)
杖は振動を始めた。
「えぇ・・・(困惑)」
「(それ武器じゃ)ないです」
「じゃあなんなのさこれ・・・」
黒光りで謎の振動を繰り返す棒状のナニカを構える土くれのフーケは、側から見ていてかわいそうなレベルだった。ひとりでオ●ニーかわいそう!ち●ぽこかわいそう!!
呆然と立ち尽くすフーケに野獣は優しく答える。
「それはな お前を気持ち良くするもんだよ(真理)」
「え、何それは(ドン引き)」
程なくしてそれが野獣の元いた世界のマッサージ機であるということが説明された。
訳の分からないことを言い出す排泄物おじさんにもはや何が何だか分からなくなってしまったフーケ。
彼女の握るブツはその間も激しく震え続ける。
「そんなくだらないもの奪うために私は・・・私チンカスに……私チンカスだった……?(悟り)」
壮大な無駄足を踏まされたことと、自らがチンカスであったということを自覚させられ、フーケは膝から崩れ落ちてしまった。
「TDK縛って(無慈悲)」
「おかのした」
かくして「フーケ捕獲作戦」は無事に幕を下ろした。
8月10日というこの良き日にこのssを投稿出来たことを誇らしく思う。
みんなありがとナス!