高評価くれた兄貴たち、ありがとナス!
ガチャン(迫真)
ルイズが朝食を取り終えて部屋に帰ってきた直後、勢い良くドアを開けて野獣が帰ってきた。
「ぬわああああん疲れたもおおおおん!」
「おかえり(こいついつも疲れてんな)」
昨日もドアを開けるなり疲れてますアピールをしていたことを思い出し何か辛いことでもあったのかなと勘ぐるルイズ。
メイジであり微弱ながらも一応は魔法が使えるマリコルヌに自分から突貫していったときは野獣がひどい目にあう、もしくは死んでしまうのではないかと心配したが、特に何事もなく疲れて帰ってきただけだった。
「あ、あの・・・さっきは助けてくれて・・・その、ありがとう。」
ルイズは少し赤くなりながらたどたどしく先刻の食堂でのことのお礼を言った。
「FOO〜↑早速ご主人を守るって務めを果たしちゃいましたね!やりますねぇ俺!」
増長おじさんと化した先輩に呆れながらも、その能天気な姿にふふっと笑みがこぼれた。
「天狗になりすぎよアンタ。それよりアンタらあの後何してたの?ツェルプストーの使い魔まで一緒に行っちゃったっていうじゃない。」
「聞きたいすか〜?(隙有自語)」
「・・・そうでもないような。」
得意げな顔で聞いてくるおしゃべりうんち。
その顔に苛立ったこともあってかあまり事の顛末を聞こうとは思わなかったのだが隙あらば自分語りを挟んでくるうんこはもう止まらない。
「さっき食堂を出た後、初めて知り合った貴族のデブ(16歳)と、先日メールくれた汚れ好きの爬虫類の兄ちゃん(年齢不詳)と、ワシ(24歳)で、トリステイン魔法学院の北校舎にある屋上の端で盛りあったぜ。今日は明日が休みなんでマルトーさんに酒とつまみを用意してもらってから・・・」
「分かったもういい(半ギレ)」
クッソ汚い内容の話になりそうだったので、花も恥じらう乙女であるルイズは強引に野獣の自分語りを切り上げた。
「あの貴族嫌いの頑固オヤジで有名なマルトーさんがそこまでしてくれるなんて、アンタ好かれたわねぇ。ここに来たの昨日なのに。」
"野獣先輩レミリア説"という学説も存在するくらいである(ガバガバ理論)。彼のカリスマ性は一般人のそれとは比較にならない。
コック長のマルトーもそんな野獣に惹かれて、わざわざホモセックスのお供に高いワインと自ら手作りしたつまみを用意したのだろう。
「やっぱマルトーさんの料理を・・・最高やな!」
「当たり前でしょ?トリステイン魔法学院の全コックをまとめる長なんだから。」
まるで自分のことのように得意げに答えるルイズ。
その素晴らしい料理の腕がクッソ汚いホモレイパーのプレイの肴に使われたのはいただけないが。
ちなみにマリコルヌはワインと睡眠薬のダブルパンチ、さらには大人(♂)の階段を登ってしまったショックで寝込んでいる。
「さぁ、朝食も済んだことだし授業行くわよ。」
この後は講義室でミセス・シュヴェールズの授業だ。
だがもう朝から疲れた。
なんだかもう色々ありすぎて授業どころではないルイズは二度寝してしまいたかった。
「大丈夫でしょ。ま、多少はね?(悪魔の囁き)」
「・・・っダメよ!自慢じゃないけどこれまで私無遅刻無欠席で通ってるんだから!」
野獣も授業をサボろうという提案をしてきたが、自制心の強いルイズはなんとか踏みとどまった。
「ほら、バカなこと言ってないでさっさと行くわよ。」
「あ、おい待てい(江戸っ子)」
野獣はさっさと準備を済ませて出て行ってしまったルイズの後を追うように駆け出した。
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「おい・・・・あいつだよ。ルイズの使い魔・・・。」
「マジか。マリコルヌをヤッたっていう・・・。」
「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」
所変わってここは教室。
いつもは各机に生徒が並んで座っているのだが、今回はそれぞれの使い魔も教室で共に授業を受けるので、その光景はさながら百鬼夜行である。
さて、そんな中でなお異彩を放つ主従が一組。
ルイズと野獣である。
ただでさえ余裕がない席に使い魔まで同席して、教室は正にすし詰め状態なのだが、2人の周りだけミステリーサークルのように空席が出来ていた。
「お前らここ初めてか?力抜けよ。」
自分たちを恐れて近寄れない生徒たちを謎に煽る野獣。
「あったまきた・・・(冷静)」
「おいやめろ!さっき突っかかっていったマリコルヌがどうなったか忘れたか!?」
しかしマリコルヌという性戦士が野獣の前に散っていった前例があるので迂闊に接触できない。
主人であるルイズを置いてけぼりにして進む一進一退(♂)の攻防。
迂闊に攻め入れば先ほどのマリコルヌよろしく臀部に咲く一輪の菊を散らしてしまうことになる。
「今はまだ様子を見よう。俺たちはメイジだ。いざとなったらあんなやつ魔法で一発さ。」
それを分かっていてもこれまでMLCLN以外誰も仕掛けていないあたり、彼らの野獣に対する警戒は深い。
パァン!(大破)
そんな冷戦状態を打ち破るが如く、ドアを打ち破ってお金持ってそうなおばさんが現れた。
彼女は教室に入るやいなや室内をぐるりと見渡し、やがて満足げな笑みで告げる。
「みなさん御機嫌よう。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴェールズ、毎年皆さんの使い魔を見るのを密かな楽しみにしているのですよ。」
「おっ、そうだな(合いの手)」
シュヴェールズと名乗った女性教師はゆったりとした声で生徒全員に語りかけたのだが、
はて、今何か聞きなれない声が・・・
「FOO〜↑」
声の主は探すまでも無かった。
教室中央のミス・ヴァリエールの隣、色黒の男が手を後頭部に当て腰を左右に振っている。
何者だこの男。
「ミ、ミス・ヴァリエールは変わった使い魔を召喚されたんですねぇ。」
若干頰を引きつらせながら話しかけるシュヴェールズ。
「あまり触れないでください(懇願)」
ただでさえ腫れ物のような扱いを受けているルイズである。
これ以上下手にいじって状況を悪化させないでもらいたい。
「あら、ミス・ヴァリエールは自分の使い魔に自信がないのですか?確かに人間の使い魔というのは初めて目にしましたが、個性的でとても素敵な使い魔だと思いますよ?それにあなたが初めて成功させた魔法で呼び出した使い魔なのでしょう?堂々と胸を張りなさいな。」
あああああ!そういうことじゃないんだよなぁ(苛立ち)
そう声に出かかったものの、ここで反論しても仕方がないので波風を立てぬように首を縦に振っておく。
「そうだ!(唐突)本日の授業は生徒に鉱物の錬金を実演してもらう予定だったのですが、ミス・ヴァリエール!本日はあなたにやってもらいましょう!使い魔召喚も成功したことですし、もしかしたら貴女の魔法の才能が開花したのかもしれませんよ!」
あ゛あああああああ!!!あ゛あああああああ!!てめええええええ!!なにやってんだあああああ!!!
もう本当この女は!!悪い方向にばかり引っ掻き回すな本当!
は〜つっかえ、つっかえんわホンマ。辞めたらこの仕事?
ルイズの内心の抗議も虚しくミセス・シュヴェールズは止まらない。
「さぁ、恐れずにやってごらんなさい。まずは私が手本をお見せしましょうか。」
その後ミセス・シュヴェールズは目の前の土塊を真鍮に錬金して見せ、ルイズに後に続くように促した。
生徒は誰一人として声もかけられない。
シュヴェールズに言われるままに渋々壇上に上がるルイズ。残された野獣はポカンと大口を開けて呆けていたのだが、
「使い魔くん!あなたは机の下に隠れなさい。あの子の魔法は例外なく全て爆発するわ!」
「きゅるきゅる!・・・まずいですよ先輩!」
キュルケとフレイムに袖を引かれて机の下に引きずり込まれた。
「ありがとナス!」
自分の身を案じてくれた二人に礼を言う野獣。だがしかしルイズの方も気になる。
心配になって見てみると、全てを諦めたような、生気の篭っていない目でいまにも杖を振るおうとする主人。
これはマズイですよ!
爆発によって教室が大惨事になることもそうだが、何より自らの主人であるルイズがそのことを深く気に病んでしまう。
同じ女の子として彼女がその後どんな思いで部屋の片付けをするハメになるか想像がついてしまった野獣は、迷いを断ち切って動いた。
「センセンシャル!(誠意)」
わざわざ自分を心配して安全圏にかくまってくれたキュルケと遠野に謝罪を入れてから野獣が勢い良く立ち上がった。
「錬金!」
同時にルイズの詠唱が終了。
杖の先端が光り出し、集まった力が対象に放たれるのを待っている。
「行きますよぉ〜お客様!」
野獣はウィンドミルの要領で手に持っていた何かをルイズの目の前に放り投げた。
「フラッシュ!」
放物線を描いてルイズの元に飛んでいくのは建物のミニチュアのような何か。
真っ白な外壁にこの世界のものではない文字で「ニコニコ本社」と書かれている。
野獣の放ったニコニコ本社がルイズの目の前の土塊を押しのけてそこに留まった。
そしてとうとうルイズの魔法が炸裂!
クラス全体が強烈な光に包まれた!
皆がこれから襲いくる衝撃波に備えて耳を塞ぐ!
のだが・・・
ボカァン
聞こえてきたのはそんな間抜けな爆発音だった。
皆何が起こったのか理解が追いつかずポカンとしている。
だが一人だけ例外がいた。
キュルケは見た。
ルイズの魔法が教卓の上のニコニコ本社に対して発動したのを。
だがいつもと様子が違う。
爆発に普段の威力が無く、ニコニコ本社より一回り大きいくらいの爆炎が発生した後、爆心地から「売地」と書かれたプレートが出現した。
起こった現象はたったのそれだけ。
ルイズの目の前にあるのは元の土塊でもなく、錬金した金属でもなく、「売地」と書かれたプレート。
教室ももちろん無事である。
予想だにしない事実に教室が静まり返る。
「やったぜ。」
誰かが呟いた。
「や・・・やったぜ。」
「やったぜ。」
「「「やったぜ。」」」
それに続くようにクラスの面々、野獣、そしてミセス・シュヴェールズまでもがその言葉を口にしてしまう。
今、クラス全員の心が一つになった。
野獣とルイズの起こした奇跡が彼らを一つにした。
瞬間、ワッと教室が湧き上がる。
「ゼロのルイズが!ゼロのルイズが錬金を成功させたぞ!!」
「しかも見てあれ!ただの鉱石じゃなくて見たこともない物質だわ!!」
「素晴らしいミス・ヴァリエール!!長い教員人生でこんな反応初めて目にしました!」
先ほどまでの腫れ物を扱うような陰湿な態度から一転!
誰もがルイズを褒め称えた!
「・・・なんだこれ。」
「やっぱ好きなんすねぇ(他人事)」
後に残されるのは状況が掴めず置いてけぼりの当人と、満足げな顔で腕を組むその使い魔だけだった。
動画だったらUC流れてた(語録無視)