アバーズレーン   作:杜甫kuresu

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前回は忘れたほうが良い、何か路線間違えたもん。
何時も通りアホの集まりに戻ろう。もうあんな話はしないぞ俺は、後悔しかしてねえ。普通の日常ものみたいになりやがって…………。

今回はかなり書き換えた。一番コレジャナイ感が強い回。
リメイク版の方はだいぶ指揮官が冷静になったよね。相変わらず琴線に触れると頭おかしいけど。


3.五航戦はヤツらの後輩だぞ

「まーたー先輩達に負けた~!」

 

 頭をくしゃくしゃと掻いて悶絶する瑞鶴の背中を撫でてやる。何というか、瑞鶴が秘書艦だとこればかりしている。

 ちなみに瑞鶴が弱いと言うか、一航戦とかグレイゾーンゴーストさんが明らかに規格外なだけだ。他の鎮守府で言うと瑞鶴もなかなか強い筈。

 

「しかも模擬弾だからって至近距離で当ててくるし痛すぎないアレ!?」

「そりゃそんなエゲツないシゴキを想定した設計じゃないからね模擬弾ってのは!?」

 

 大丈夫なのか!? 一航戦確かにスパルタだけどそれはどうなのかな、やっぱり倫理的指導が必要だなアイツラ!?

 一航戦の凄まじいサディスティックを垣間見た刹那、瑞鶴まで何かが切れてしまったようにバラバラとマシンガントークに入る。

 

「第一波は早いし何か痛いし赤城先輩は普通にスパルタだし加賀先輩は何か変なスイッチ入ってるし、この鎮守府の古株の人ってどっかおかしくないかな指揮官!?」

「大丈夫だ、古株に限らずおかしいから」

 

 他の鎮守府はどうなのだろうか、俺はあんまり見に行ったり知り合いを作らないまま仕事続けてるから他がどうかまでは知らない。まあ他がどうであれ一航戦はクレイジーだけどな?

 まあ二人が厳しいのはそれだけ信頼している所も有るのかもな。アイツラ本気出したら艦だろうが模擬弾だろうが普通は怪我するし。

 

 にしても、俺が何か選択を間違えたのかなあ…………一応ああだこうだと私生活には口出ししてないんだけどさ。

 それが間違っていたのか? 俺は間違いだと言ってやるべきだったのか? 分からん、分からん分からん分からん!

 

「何でこうなった!?」

「うわ、指揮官どうしたの!?」

 

 何故だ、俺は普通に鎮守府経営をしていたはずだ!

 

「何故一航戦と言い高雄と言いあんなクレイジーになったんだよ! 俺は何もしてないのに!?」

「そりゃあ指揮官自体が相当アレだからじゃないのかな…………」

 

 畜生、何の否定もできないじゃないか!

 

「でもさ俺を反面教師にする可能性は十二分にあるぞ!? 何故だ、何故俺を見習ってしまうんだ! 人のマントに潜り込みたいとか言ってるんだぞ俺は!」

「だって先輩達って元々ちょっと変だし…………」

 

 苦笑いするんじゃねえ、お前も何とかするんだよ瑞鶴!

――とはいえ元々変というのは言えてる。俺が特に何もしなくても赤城は俺の部屋に不法侵入したし、加賀は後輩のストーカーだった。ほら、今も天井から――――――待て。

 

 なんか居るよな?

 

「…………天井に加賀が居る気がする」

「そんなまさか、幾ら加賀先輩でも「流石の察知力だ、やはりお前についてきたのは正解だったらしい」

「ウソでしょ!?」

 

 なーんかミシミシ音が鳴ってる気がしてたんだよ…………加賀が音もなく着地。この高さから無音で降りるのって普通に凄いよな。

 今は何処かに置いているようだが、さっきまで加賀の手にはカメラが握られていた気がしなくもない。俺の見間違いを断固支持していきたい。

 

「後輩のストーカーってやつも大変だな…………」

「誰がストーカーだ、付け回しているだけではないか」

「表現としてはもっと不味いっていう自覚を持って!?」

 

 何でさもソッチのほうがマシみたいな感じになってるんだよ。文字列的には付け回している、って書いてある方が普通に気持ち悪いからな!?

 瑞鶴もちょっと引いている、そりゃそうなる。

 

 というか瑞鶴は比較的マトモなんじゃないか? 希望の星かな?

 

「お前らの愛憎の尺度って真面目におかしい自覚は持つべきだぞ」

「何だと!? 表現の違いで苦情を寄せるなど、訳の分からん理由でバンドにクレームを入れているのと同じではないのか!? ええ!?」

「というとお前は公共で流せない歌詞を歌ってるボーカルだからな?」

 

 アレだな、ハロウィンとか調子乗りすぎて警官に連れてかれる変なおっさんとかと同類ってことだ。

 熱に浮かされるとハメを外しちまいがちなもんだ、だが此処まで酷いと普段の業務に原因が有る? ストレス溜まってんのかな…………。

 

 そうだとしたら俺の責任というわけだ。何とかしてやらねばならぬ。

 

「なんか悩み事あったら聞いてやるぞ?」

「死ね、お前は気色悪い」

「アシ○カはそんな事言わねえから!?」

 

 ほぼ原型ないからただの罵倒じゃねえか!? 確かになみたいな顔すんじゃねえよ、言う前に全然気づけるだろうが!

 俺と加賀の二人漫才に完璧に置いていかれていた瑞鶴が溜息をつく。

 

「先輩、そんな事ばっかり言ってるから指揮官が振り向いてくれないんですよ。私にボヤく暇あったら自制して下さい」

「ま、待て! それを言うんじゃない!」

「あ、聞いてなかったわ」

 

 今ア○タカとサ○の事考えてた。ヘルシェイク矢野も少しだけ頭をよぎったけど。

 加賀が何か顔を赤くしてあたふたしてる、何で瑞鶴ニヤついてんの? え、ちょっと俺がトリップしてる間に何が起きたんだ?

 

「ほらほら、好意は口にしないと伝わらないもんですよ?」

「う、煩いな瑞鶴!」

 

 背中を押される加賀が珍しくたじたじになってる。ホント何があったんだ? ちょっと気になる。

 

「何の話してたんだ?」

 

 俺が尋ねると瑞鶴がパァッと明るい笑顔で

 

「そりゃ勿論加賀先輩が指揮官のことをス「辞めないかッ!?」

 

 え、コークスクリュー決めちゃったけど!? そんな聞かれたくない内容だったのか加賀!?

 瑞鶴が勢いよくふっとばされたかと思うと倒れ込んで咳き込む。むしろ咳き込むだけでよく済んでるな?

 

「い、痛いです先輩…………私はただ進展を…………」

「やかましい! 余計なお世話も良い所だぞ全く!?――――いや、コークスクリューは流石にやり過ぎた。悪かったな」

「後悔先に立たずの典型例ですな、ハハハハ!」

 

 急に反省するの面白すぎるぞ。いや、ちゃんと自省して謝れるのは重要だけどな?

 瑞鶴が痙攣しながら左手を上げてサムズアップ、全然意味わからないけど多分問題ないって意味なんだと思う。頼むから俺でも分かる行動論理で動いてくれないかな君達。

 

「で、何の話だったんだよ」

「お前には関係のない話だ!」

 

 あっそ。そこまで興味ないしそう言い切るなら別に良いんだけどさ。

 

「……………………お、おい気になったりはしないのか!?」

「いやお前が喋りたくなさそうだから敢えて聞いてないんだけど!?」

 

 どっちなんだよ、女ってやつはこれだから面倒だ!

 まあ加賀は比較的男女差を感じずに喋れる方だけど。サバサバしすぎてて俺のほうがナヨっちいからなあ、作戦立案とか俺より圧倒的に有能だし俺の立つ瀬がない時も多かったりする。

 

 仕事は本当に頼りになるな…………。

 

「じゃあ聞くけど何の話」

「答えたくない」

「アアーオンナハメンドクセーナー!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

「…………何だこの惨状は」

 

 入ってきたエンタープライズが言葉にできない困惑した表情で俺に尋ねる。

 

「分からん」

「たのむ~、わたしにはおまえしかいないんだ! すてないでくれぇ…………!」

 

 話も落ち着いてきた所でちょっと三人でチョコ食ってたらウイスキーボンボンだったってオチ。加賀は俺の脚に縋って謎の懇願をしてくるし瑞鶴は完全に寝ている――――俺? 酒は強い方なんだよ。

 エンタープライズが恐る恐る瑞鶴の頬を突くが、くすぐったそうにするだけで特に起きる様子もない。おいエンタープライズ楽しそうにプニプニするな、瑞鶴は玩具じゃない。

 

「しきかん、すてないでくれ~」

「誰も捨てるとか言ってないのにお前は何なんだよ!?」

「ねえさまがいちばんでいいから…………せめておこぼれをくれ…………」

 

 待て、待て。加賀の中では俺は赤城第一主義者扱いなのか? 眼が節穴も良いところなんじゃね?

――っていうか俺なんか好きになって何が楽しいのやら。まあ俺も変な女に惹かれた時期はなくもないけども、コイツラの狙う相手は間違いなく損しかさせない自信があるぞ。

 

「大丈夫だ、俺は部下を簡単には捨てないから。安心して酔いつぶれとけ」

「ほんとうか」

「本当本当、最後の一線では粗末にしないから」

「じゃあけっこんしてくれるか?」

「お前もかよ。無理だって」

 

 クソォ、と加賀とエンタープライズが同時にジタバタする。もう誰でも良いからOKを貰った例を見たい所あるだろお前ら。

 

 諦めつけてもらうのも手だろうか。

 

「お前な、俺のケッコン艦になるって言ったらアレだぞ? 『羽織とインナーの間に手を突っ込んでもいいか』って平気で求められる関係だぞ、それで良いのかお前?」

「「わたしたちはまったくもんだいないぞ!!!!!!!!!」」

「エンタープライズ、お前もウイスキーボンボン食ったな?」

 

 コイツラ収拾つかねえな、もう手段とかデメリットとか見えてないし。

 いやでも加賀とか赤城のインナーと羽織の間って無性に気にならないか? 俺は偶にすごいガン見するぞ、なんというか魔性の空間だアレは。

 

「それでまんぞくするならかまわないぞわたしは!」

「ああもう分かった分かった、指輪持ってくるからちょっと待ってろ」

「まだいうのかおまえ――――――――待て、今何と言った?

「いやだから持ってくるから、指輪。待ってろ」

 

 そんなに欲しいならくれてやる。アレ馬鹿みたいに有るんだよ本当は。

 

――とはいえ、本物を渡したらごたつく。こういうときに誤魔化すための偽物を渡すけどな。

 酔っぱらいぐらいなら絶対騙せる。酔いが覚めたら偽物って分かるだろ、事態の収束のためなら多少悪役に回るのは構わん。

 

 

 

 

 

「いや~、さすが明石。この贋作の精度よ、そこに痺れる憧れるぅ!」

 

 手に持って偽の指輪をかざしてみるが、驚くほど精巧で本物と見分けがつかない。っていうか予め用意しておくとか俺天才過ぎないか。

 

 質の悪いドッキリには過ぎた代物だな、とか思いながら扉を開くと――――いきなり加賀が俺に抱きついてくる。

 あはん、良くないものが俺の胸筋と理性にダイレクトアタック!

 

「ファッツ!? 胸が、胸が!?」

「た、助けてくれ指揮官――――翔鶴を止めろ!」

 

 翔鶴か、何でこのタイミングで来ちまったんだお前。

 とりあえず加賀を引っ剥がして容れ物ごと指輪を持たせて待機させる。

 

「じょ、冗談かと思っていたぞ…………」

「馬鹿野郎、俺は嘘は言わねえぞ」

 

 今のは嘘だけどな。

 まあ今回の場合、誰も『誓いの』指輪とは言ってないからな。実際邪魔な装飾を取れば普通にオシャレにも使える便利機能付きだ、なかなか洒落たプレゼントだろ?

 

 戸惑いながら頬を緩ませるのを必死で引き締めている加賀を放置して中に入る。

 最初に翔鶴が俺にぶつかってくる。勿論通さない。

 

「指揮官! どいて下さい、加賀先輩が其処にいるじゃありませんか!?」

「お前このままだと加賀が気絶するまで追いかけ回した挙げ句睡眠コスプレ撮影始めるだろうがこの先輩オタク」

 

 赤城もそうだが重桜空母の姉の方は倫理観の緩さのレベルが違いすぎる。

 方向性が俺に向いてるならまあ俺の胃に穴が空くだけで済むというのに、コイツときたら先輩を追っかけてるからなあ。だが加賀はなんだかんだ翔鶴も駄目な方向で甘やかすし、赤城はむしろこれを推奨してるから駄目。

 

「だってボブカット銀髪狐耳でパーフェクトクールな加賀先輩ですよ!? コスプレさせないほうが失礼――――――ッ!」

「謎の迫力を帯びた熱弁辞めろ!?」

 

 というかクールさは今は微塵もないけどな。指輪を眺めてにへら~っと笑ってるレアな加賀なら見えるぞ、ところでグリッドレイはちゃんと撮ってるのか? コレ多分赤城に売れば面白いことになるんだけど。

 

 グリッドレイは責任持って俺が首輪をつけてある。というか悪用してる、意趣返しだ。俺もこんな無法地帯で一々良い子ちゃんなんてしねえぞ。

 翔鶴が背伸びをして顔を近づけてくる。

 

「天然狐耳ですよ!? 私にこの魔性の先輩の姿からどう抗えと仰るんですか!?」

「ええっと、うんとな?――――――知るかよ!?

 

 普通の人間は抗えるから、瑞鶴も余裕だと思う。

 まあ確かにコスプレさせてみたいなと言われたら否定は出来ないんだが此処まで俺は悪化してないよな。

 

 コイツ一体どう追い返そうかと考え込んで硬直していると、加賀が静かに俺の手をどけて翔鶴の前に立つ。

 

「せ、先輩…………」

「おい翔鶴、良いか」

 

 おっとかっこいい顔。シリアスモードかな、おこなのかな? その調子で俺の胃痛を軽減してくれ。

 

「今の私は指揮官の所有物であり指揮官は私の所有物だ――――つまり。指揮官が許可したなら私は一向に構わんということだッ!

「いや許可しねえから、というか何人たりとも誰かの所有物になっちゃダメだから」

 

 っていうかお前も愛が重い。何、ズブズブの共依存しちゃうタイプなのかお前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~、今日も今日とて混沌でござったな…………」

「妙な語尾は辞めてくれ指揮官、吹きそうだ」

 

 そんなツボに入る面白さは無いと思いますが。お前の笑いのツボはよく分からん。

 加賀と翔鶴は何か海苔食ってノリノリ、みたいな感じだったから勝手に撮影でも何でもしてろって言ったら本当に行ってしまった。加賀は自分の体を見せるという行為に全く抵抗がないのが俺は実に心配だ。

 

 多分酔いも冷めてるし、冷静になって指輪を見た後に顔真っ赤で襟を掴まれてシェイクされるんだと思う。

 アイツこういう突然のサプライズに弱いもんな。

 

「それにしても瑞鶴は起きねえなあ」

 

 エンタープライズがまた頬を突く。そんなに突きたくなる頬なのか、俺も触りたくなってきたぞ。

 とはいえ仕事を全部放置してるわけにも行かず、仕方なく作業に戻る。コイツラがいっつも執務室で騒ぐから俺は仕事が出来んのだ、勘弁しておくれ?

 

「――――――――グ、グレイゴースト…………!?

「アカン起きやがった、逃げろエンタープライズ」

「アラホラサッサ――――――――違う、こうじゃないぞ。落ち着くんだエンタープライズ」

 

 お前何かキャラの保ち方を忘れ始めてないか?

 目をバチリと開いた瑞鶴が凄い動きで立ち上がると刀を抜く。

 

「決闘だ! 今日こそお前をボコボコにしてみせる!」

「お前も高雄の手のものでござったか!?」

 

 面白いくらいの瞬発力で距離を詰める瑞鶴を、全力ダッシュのエンタープライズがひらりと避けて扉を開けるなり消えていく。

 アイツ、大変だな…………。




アバーズレーン研究を独りで始めたんですけど(作者がやるのか)何か黄金パターンが有るみたいですねこれ。
ローリングして荒らす役と、ローリングしない整地役と、ローリングしてしまったけど後悔するサポート役。この三つが必ず揃ってて、指揮官は全部に該当するジョーカーみたいな感じに見える。どうりで登場人物が4人以上じゃないとピンとこないわけだ。
意識してなかったけどちゃんと話として成り立つ配慮が見えますね、俺すごーい(適当過ぎる自画自賛)。

赤城と別方面に加賀が残念になってきた。おかしい自覚があるから捨てられるのが怖い依存体質加賀。濃すぎるぞ? 守ってあげなきゃ(使命感)。
オイゲンやっぱ暫く出せねえ、スマン。ロンドンは――――未定! 綾波は出さなきゃな。
ってかキャラリクは受け付けないって言ってるよなあ? ホント、こっちも断るの辛いから言わないでね。



ミスって消したとは言え、こんなセコい方法で透明ランキング一位とか屑だと思うね俺は。
ちなみに今回の話の元は「五航戦はツンデレレズなのでは」です。ぶっちぎりで完成度に不満が有ったので別物になってる。

こんなちゃらんぽらんながら書いても書いても不満出てるタイプ。お気に入りは欲しいしランキングには載りたいしそしてこんな事を言ってる割に資料集めとかそういうのはしない。俺は一生プロにはなれませんなHAHAHAHA。
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