アバーズレーン   作:杜甫kuresu

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誰でも良いからダクソしようぜみたいなことばっか言ってる間に更新です。出会い厨初段。


6.義人製造二級持ちです

「赤城殿! 今日こそあなたを義人にしてみせるぞ!」

「義人を強要するとかコレもう分かんねえな…………」

 

 義人ってなんだろうな、俺にはよく分からん。少なくともそんな「なれ!」って言われてなるもんではなかろうに。

 サン・ルイはうちでは新人の部類のはずなのだが、ご覧の通り既にぶっ壊れてしまっていた。この押しつけの酷さは何となく高雄と同類の匂いがするんだがこれは俺の気のせいだと思いたい

 

 さて。赤城の返答はと言うと大きな溜息を一つ吐いた後にこうだ。

 

「あなたの言う義とやらがなにか知りませんが、私は指揮官様という正義に基づいて息をしていますが何か文句でも!?」

「俺が正義とかアンタの正義ガバガバじゃねえか!?」

 

 というか俺の部屋に不法侵入したりしてるし俺にも十分迷惑なことしてるよアンタさぁ!? 一体どこを以て俺を正義なり規範なりにした生命活動をしてるとか嘯けるのか数十分ほど問い質したいね俺は!

 

 赤城は俺の話など聞く耳持たず、サン・ルイと来たら何故か肩を落とす。

 

「くっ、それでは文句など言えるはずもない…………!」

「待て待て待て待て待て待て。何処に納得したんだよそれで良いのか!?」

 

 一体何をどう文句言えないのか分からない。

 敢えて頑張って解釈して見る限りには「相手には相手の正義が有る」という観点を見落としてたってことか? どっちみち意味が分からんのだが誰か助けてくれ。

 

 苦悶に顔を覆うサン・ルイに赤城が恍惚とした表情でポツリと

 

「これが…………私と指揮官様の愛の力?」

 

 とか呟き出した訳だが、今の所俺の愛は確認できてないけどそこら辺どうなんですか?

 というか俺も感覚麻痺ってきたけど何でコイツラ当然のように執務室で下らない喧嘩してるんだよ。何時になったら執務室は快適なサボり場になるんだろう…………。

 

 遠のく平穏に合掌をしていると、サン・ルイが苦し紛れと言わんばかりに叫びだす。どうしてお前らはすぐ叫ぶんだ!? 俺がすぐ叫ぶからだねそりゃそうだわ!?

 

「しかしだな、指揮官の部屋に不法侵入する事の何処に義が有ろうか! これだけは説明してもらおう!」

「今更だけどそうだよな納得の行く説明をしろやコラ!?」

 

 詳しくは一話とか読もうな、コイツ俺の部屋に勝手に入ってたらしい。

 しかも最近また入ってるという密告を加賀から受けている。アイツ姉のイメージが下限ギリッギリの所になると動き出すんだよ、最初から動いて欲しい。

 

 さてこっからどう巻き返す、サン・ルイは説得できても俺も出来ると思うなよアンタ。というか言いくるめられたら評論番組かなんかに出れるレベルだ。

 

「し、指揮官様!? 誤解です、私物を物色しているだけで指揮官様には一切触れておりません!」

「そういう問題じゃないんですけど?」

 

 マジかよ。私物物色してるんだ、いやもう諦めてるからそんな気にしないんだけど――――やっぱり真犯人が目の前に居るとちょっとアレな感じするな。

 

「予想以上の普通の犯罪者感に俺の好感度は激しくマイナスに振り切れましたが一言」

「それでも指揮官様が好きなんです!!!!!!!!!!!!」

「ありがとう、そろそろアンタとの距離感について真剣に考えることにする」

「冷たい指揮官様も好き!!!!」

 

 重症だな、何でこうなったんだこの人…………。

 

 着任した直後は此処まで酷くなかった気がするんだけどな…………俺が何らかのストッパーをぶっ壊してしまったのだろうか、だとしたら何というか申し訳ないレベルに来てるぞ…………。

 普通にしてれば普通に良い人なんだけども俺が絡むとこうなる。どうすりゃいいんだ。

 

「もうこれは俺がドヘンタイになって赤城さんからドン引かれるしか無いのでは………………!?」

 

 そうだこの手があった。俺はもしかして天才なのではないか?

 

「「いや既にドヘンタイでは?」」

「ちくしょう! 何で二人揃ってそんな事言うんだよ、興奮するだろうが!!!!!

 

 

 

 

 

「指揮官、私は理解したのだ」

 

 赤城を憲兵に突き出しそうになったとか、何もかも諦めて赤城のスカートを捲ろうとする(バカ)と対して超ノリノリの赤城(ヘンタイ)がサン・ルイに全力で制止(物理)されただとかそういうのは置いておいて。

――――――置いておくんだよ、俺はよく血迷うんだ。

 

 高雄に赤城を突き出して決闘の刑に処して、すぐ後。執務室に入るなり俺に振り向いてサン・ルイはこんな事を澄んだ瞳で言いだした。

 既にもうパンドラの匣感は感じていたのだが俺は追求してしまう。何故? そりゃあアンタ(読者)がそう望む以上は仕方ないだろ?

 

「な、何を」

「私の使命のことだ――――――いつも何かが有ると思っていたが、漸く此処に来た意味を見つけた」

 

 何だか嫌な予感しかしない。俺は返答せずに逃げたほうが良いのかもな、だって濁った眼で何もない所視てるもんコイツ。

 トランス状態のサン・ルイが俺を見るわけでもなく、神でも幻視したような狂った様相で捲し立てる。

 

「当初は私もこの鎮守府は狂っている、そう思っていた」

「いやそうだけど」

 

 全くもって正しい見解だな。

 サン・ルイが首を振る。何だお前、ここで一番偉くて発展を見守っていた俺が何の迷いもなしに断言したんだけど?

 

「違う、皆それぞれに義を持っていた。ならば私が為すべきは一つ――――――全ての艦を正し、あるべき姿に戻すことだ!!!!!!!!!」

「良いこと言ってる風だけど価値観の押しつけも甚だしいなオイ!?」

 

 というか出来もしないことを言うもんじゃないね! 俺だってそれぐらいのこと考えたこと有ったさ、でもこんな馬鹿と犯罪者とイカレポンチとヘンタイしかいないカオスフィールドでそんな高尚な目的が果たせることなんて一生ないから!?

 あのエンタープライズですら今はあのザマだ、矯正できるわけがない!

 

「その心意気はボランティアにでも充ててきて!? 実利的で効果的な筈だぞ!?」

「違うの指揮官、運命に逆らってはいけない。使命は果たすものだろう!? ほら、置かれた場所で咲きなさいとかそんな感じだ!」

「馬鹿なこと言ってる場合じゃないから目を覚ませ!?」

 

 ああもう駄目そうだ、眼が完璧にトンでる!? 他の奴を正すも何もお前がイカレポンチだからお前から矯正しなくちゃいけないよなあこれぇ、義人は何処にも居ないぞ。

 新入りですらこうなるのか、分かってたけど壊れる様をリアルタイムで見るのは辛いよ全く!

 

 完璧に思考回路が壊れてしまったサン・ルイを現実に帰還させる方法を探っている最中、扉が開いたかと思うと被さるような呆れた声。

 

「何をあたふたとしている、サン・ルイは――――――どうした?」

「にくすべさぁん! 助けてぇ!?」

 

 ツェッペリンが俺を見るなりはあ、と溜息をつく。

 サン・ルイを芸術品でも鑑定するようにクルクルと眺めて怪訝そうに眉間の皺を濃くしていく。

 

「誰がにくすべだ――――――それはともかく、これは何だ?」

「何かうちの鎮守府を正してあるべき姿に戻すんだ! とか言い出してそのままアチラの世界にトリップなされてしまいましてですな…………」

「待て待て待て。我は一体どこからツッコめば良いのだ」

 

 手を前に突き出して引き攣った顔で問われたが俺にだってさっぱりだ。ボケ続けるやつと自覚有るけど止まれない馬鹿で10割が構成されてる生活を送ってるものでして。

 苦々しい顔付きでサン・ルイの顔を見下ろすツェッペリン。俺よりも背が高いからな、そりゃ見下す絵面になる。

 

 顎に手を当てて目を細めつつ顔を突き合わせた。

 

「ふむ――――――――そうだな」

 

 ツェッペリンが明後日の方向を指さして顔付きからは信じられない可愛らしい声で

 

「見てみて! アッチにカナンが見えるよ!?」

「茅野愛衣ボイスの無駄遣いだなあ!?」

 

 手段を選べ、いや最高だったけどそういう問題じゃないと思うんだ!

 さながら幼児向け番組よろしくの演技は何故か成功したらしい。突然まばたきを始めたサン・ルイが大声で

 

「 カ ナ ン は 何 処 だ ! 」

 

 と奇声を上げながら走っていってしまう。いや場所ぐらい聞けよ、眼の前にツェッペリン居ただろ?

 まあ気持ちは分かる。生真面目なやつはうちで生活してるとストレスと適応の過程で一本ネジの飛び具合が違う感じになる。可哀想では有るが俺にはどうしようもない、だって俺もストレス源のひとつなんだもん。

 

 ドタバタ出ていったサン・ルイを扉から顔を出して確認した後、ツェッペリンが心底うんざりしたような溜息。

 

「また変な艦が増えたらしいな…………これで良かったのか?」

「なんかもーやってらんないんだぜ!?!?!?!?」

「我もやってられぬ、何だアレは」

 

 何を常識人ヅラしてるか知らねえけどアンタああいうやつ大好きだろうが。いつも戦場荒らしみたいなことしてくれやがって。

 ツェッペリンは疲れた、なんて言いながらソファに飛び込むように腰掛ける。しきりに喉を触っているのを見る辺り、無駄な体力を使ったのは事実のようだ。資料すら残らない名演技なんて本当に無駄な体力だがな。

 

 思い出したようにツェッペリンが問う。

 

「そういえば、今日はサン・ルイが秘書艦であったな」

「ああそうだよ、誰かさんのせいで今はカナン探しの旅に出ていらっしゃりますがね!?」

 

 そう怒るな、とでも言わんばかりに手を振って緩やかに口が弧を描く、

 

計画通り…………それで、後は誰が秘書艦をするのだ?」

「考えてもないよ、こうなる事自体計算外だろ普通」

 

誰が秘書艦が奇声を上げながら楽園求めて走り去っていくとか予想できるんだよ。無理だろ。

そうかそうか、と残念そうな口調で言うツェッペリンだが口は未だに愉悦に歪んだ三日月。何が狙いなんだこの人。

 

「なら我が代理をするしかないな、ゲンキョウダシシカタナイコトダー」

「実際そうだろうが今さっきの奇行を見て何を信用するんだよ俺」

「そうかそうか、では赤城でも呼んでこよう」

「ああむしろ最高ですやはりツェッペリン様は最高だバンザイ!?」

 

 何でそんな食い気味に秘書艦をしたがるんだかさっぱりだ。最悪誰でも何とかなるんだけどさ。

 

 しかし悔しいながら揉め事は起きないし仕事もマトモにする――――という条件なら最適解だ。

 エンタープライズは普通にアレだし決闘狂が飛んでくる等々起きるので却下だし、兄貴姉貴は巻き込まれ体質で地獄を見る。

 加賀はまあマトモなんだが後輩と姉のせいでカオスだし、赤城はそもそも頼む気すら起きない。サン・ルイも任せて良いのか疑惑が出てきたと思えば、高雄なんてもはや此処数年頼んだこともない。今でもアイツ秘書艦できるのかな。

 

――――とまあこんな有様。他はどうなんだって? アンタそれ本気で聞きたいのか、時間の無駄だぞ。

 駆逐艦は俺が世話しなきゃいけないしな。Z46(フィーゼ)ちゃんとかは比較的楽だけど。

 

「それで、終わってない業務は何だ」

「装備の見直し、空母系統の設備とか増えたし調整要るかなって」

 

 悪くないではないか、なんてコメントに若干イラッとくる。何様だコノヤロウ。

 空母の装備の機体名、tier、強化値諸々が書かれたゴチャついた資料を机に投げると、向かい側からツェッペリンが読み始める。

 

 まずツェッペリンが口出ししたのは意外にも自分の装備だった。

 

「デストロイヤーのtier3、等という代物を預けるに足る空母と考えられていることは誇るべきだろうが――――他に回すが良い」

「え、何で?」

「Ju-87C急降下爆撃機のtier3が有る。これで面制圧をするのが本分なものでな、期待されるような並の空母の航空攻撃は我には出来ぬ」

 

 グラーフ・ツェッペリンの性能はズバリその「鉄血の翼」と「鉄血の鷹」というスキルを軸に据えていると考えるべきだ。

 短絡的に言ってしまうとスキルに縛られた編成、装備にならざるを得ない空母だ。

 

「というより畑が違うと言い替えてみるか。機体性能のおかげで運用は可能だろうが、我より上手が居る分野を担当する羽目になりそうだと見る」

 

 鉄血艦隊に於いてその頑強さを利用した繰り返しの絨毯爆撃――――これがツェッペリンの基本戦法。Me-155A艦上戦闘機を使うというなら鉄血艦隊の基本である戦艦1、空母2の編成に於いては更に制空権も保証できるな。

 

 性質上主力はティルピッツ、ツェッペリンでエンタープライズになりがちだ。ツェッペリンが制空権とか防御寄りだからイカツイ感じの殴り屋空母が欲しいんだよな、アクロでもいいけど。俺はあまり片方に攻防が偏重する形式は嫌いだ、片方が落ちただけで艦隊の総合力に大穴が空くことになるからな。

 

「あ~、そりゃそうだな。悪い、早めにプラス値上げて積ませるから待ってくれ」

「――――とはいえデストロイヤーが使えぬわけでもない。空母を複数運用するならば重要な話であって、今の練度ならば多少の無理をしてもこれで勝てる。急ぐことはない」

 

 次に、と言って赤城と加賀の装備を指を差す。

 

「これだ。バラクーダと流星ではせっかくの一航戦の速攻の息が揃わないだろう、装備を統一して出来るだけ攻撃を同期させてやるべきだ」

「あ~クソッ、最近ここら辺テキトーにやりすぎだな俺」

 

 今直せば問題はなかろう、とにべもなく言った後に設備に移る。

 

「そして設備。ユニコーンは油圧カタパルトより応急修理装置が必要ではないのか――――――いや、最近の海域は炎上も目立つか。消火装置も悪くない」

「あぁ~、あの娘周回で前衛薄めの単艦よくやるもんな! 盲点だったわ」

 

 改めて見てみると、最近の装備については随分と適当に組んでしまっていることが明らかになってきた。

 まあ危険な海域に頻繁に飛び込まなくなったのも原因かもしれないな。要は平和ボケ、軍人なのにこれはダメだろう。

 

 序盤の阿呆さ何処へやら、俺達の見直し計画は円滑に進んでいった。

 

 

 

 

 

「…………終わりか。確認は取るのだぞ、事前に装備変更のズレに感覚を合わせる必要がある」

「言わんでも分かっとります~、馬鹿にせんといて下さい~」

 

 本当か、とからかうように笑う。クソが、何でいつも年下扱いしてくるんだよ。

 マトモに会話をできるタイプだから普通に遊ばれると非常に対応がしにくい、普通に喋られると喋りにくいってなんだよ俺もう殆ど病気の領域じゃねえか。

 

「戦うのは俺じゃないんだから、専門外の俺の独断なんて有り得ないよ」

「そうか、理解しているなら心配も無用だったな」

 

 子供扱いするなっての!

 まあ取り敢えずこれで装備は終わったから次に行こう――――というときに扉を蹴る音。アレ? 何で壊れないんだ――――――ああ不味い、「扉は蹴破られるもの」って固定概念が生まれ始めてる。

 

「ちょっと! 開けてってば!」

 

 ああ、ヒッパーの声だった。何で蹴るんだろうか。

 しばらく二人で扉を眺めていると扉越しから金切り声に近い叫び。

 

「開けなさいよ! アンタ達がニヤついて扉見つめてるのぐらい私だって分かるわよ!?」

「アァ~、ヒッパーチャンダッタカゴメンネ~」

「ワレモカタマッテシマッテナー、スマナイナヒッパー」

「わざとらしいのよアンタ達!?」

 

 俺達がわざとゆっくりと歩いていると扉を蹴られたので壊れない内にいそいそと開く。

 ムスッとした顔のツンデレまな板とこんにちわ、みんな大好きヒッパーチャンである。俺の中では愛でる枠だったのだが、ツェッペリンも同じらしい。アンタと初めて気が合いそうな気がする。

 

 しかし何故扉を蹴ったのだろうか、と足元を見ると――――ハンモックみたいにぶら下がって目を回すサン・ルイの姿。よく見るとヒッパーも同じだったが、異常なほどびしょ濡れだ。

 

「ちょっと、訓練中にコッチに突っ込んできてかなりメーワクだったんですけど!?」

 

 怖いな、「カナン!!!!!」とか言いながら訓練してる最中に海に突っ込んできたってことだろ?

 

「おいツェッペリン、これはアンタのせいだろ」

「いやいや、卿が命令したのだろう? われわるくないよ」

「責任逃れなんてさせるかぁ!?」

「どっちも同罪以外に何があんのよこのバカコンビ!」

「「全くその通りだな」」

 

 

 

 

 

「ツェッペリン、やはりあなたの髪は良いな。幾らか私にくれないか」

「髪を触りながら言うものではないぞティルピッツ、控えめに言っても我はかなり気持ち悪い」

 

 取り敢えずサン・ルイは医療室のねーさんに任せたその後、何故かソファに座る俺達の後ろでツェッペリンの髪を触りまくるティルピッツ。ヘンタイ過ぎる。

 

 というか気になってたんだけど。

 

「なんで今日もダサTなん、ピッツはん」

「ロングアイランドの部屋から帰る途中でサン・ルイを引きずるヒッパーを見つけてな、着替えずに手伝った」

 

 今日は「孤独な女王やってます」という縦の二行書きのダサTだ。ロングアイランドと言い、特注か何かなのだろうかコレ。

 

「そんな事より、少しぐらい良いだろうツェッペリン。これだけ長ければマフラーも織れる」

「いやそれほど長くはないと思うが――――――待て、我の髪でマフラーは流石に狂気の沙汰だぞ

 

 ツェッペリンが後ろのティルピッツに目を剥く。ティルピッツはいつもどおりの表情だ。

 

「どうせ伸びるじゃないか」

 

 多分ツェッペリンが気にしてるの其処じゃないと思うんですよ俺。

 若干本気で引いてるツェッペリンを差し置いて向かいのヒッパーが机を叩く。

 

「何してんのよ真面目に、プライベートまでごちゃごちゃ言ってないんだから訓練ぐらいマトモにやらせなさいよこの無能!」

「アハン正論だし普通に怒られてるから興奮するぜ!?」

「お願いだツェッペリン、この髪が本当に好きなんだ。少しぐらい駄目か…………?」

「そんな上目遣いで我が落ちる訳無かろう!? というか卿も助けろ、ティルピッツがおかしいぞ!」

 

 これが地獄。全員話が一方通行とかこれほど悲しい光景は中々無い。

 

「ああーもううっさいわね、ツェッペリンは髪渡しちゃえば!? 別に減るもんじゃないし!」

「そうだぞ、私はもらえると幸せになる」

「「ヒッパーまでヤケクソになって流石に俺達(我達)も困惑する」」

 

 今日ばかりは息が合うな。

 ツェッペリンが珍しく本気で怯えだした。ティルピッツは他のメンツと違っていつも通りな感じで唐突にこんな感じになるから割と怖い。

 

 本物はわけが違うのだ。

 

「ティルピッツ――――――夜中にこっそり梳いとけ、此処を指揮する来ヶ谷が許可する。やりなさい」

「その手が有ったか。流石は指揮官、思いもよらぬ奇策だ…………」

「我のプライベート!? しかも奇策でも何でもないぞ!?」

 

 ツェッペリンがワアワアと言ってる内にティルピッツが向かい側に座り直す。ツェッペリンは俺に災厄を持ち込んだりする割に当事者になると弱い、何というか――――狂人だけど割とマトモなんだろうな。矛盾を感じるが俺の鎮守府で矛盾を抱えてない方が難しい。

 

 ティルピッツが何処からともなくチェス盤を取り出して俺の前に置く。

 

「よし、どうせだからチェスをしないか指揮官」

「アンタ私が話してる途中なの理解してんの!?」

 

 横のヒッパーが怒鳴るとそうだったな、とティルピッツが目を丸くする。アンタってホント自分の世界に生きてるよな…………幸せそうで何よりだ。

 

 すまなかったな、とシュンとしながら言いつつ話が終われば俺にチェスさせる気満々のティルピッツ。やるのは良いけど俺は弱いぞ~?

 

「ま、まあ分かったなら良いのよ…………で、アンタ。今後はこういう事無いようにしてよね」

「あ?――――――ああ、分かってるよ。今回はマジでツェッペリンが予想外だっただけで基本は気をつけてるよ」

 

 ホントなのかしら、とジトリと俺を見つめる。辞めてよ興奮するから。

 やがて発言自体に嘘がないのを悟ったのか、溜息を付いて机の珈琲を一気飲み。

 

「ま、ホントに程々にしときなさいよ。今回はもう良いから」

「ヒッパーちゃん優しいし最高!」

「そ、そういうのを辞めなさいって言ってんのよ!?」

 

 机越しに頭撫でちゃう。数少ないマトモな娘だからね、俺は出来るだけ大事に扱っていきたい――――いや他の奴も大事にするけどさ。

 

 めっちゃ手を払われる。

 

「辞めなさいよバカ! ヘンタイ! クズ…………あばずれ。ホントに辞めなさいって……

 

 とうとう耳まで赤くなったヒッパーが服の端を握って大人しくなる。あぁ~、癒やし。

 グリッドレイ、撮れてるな? このショットは俺が責任を持って預かる。

 

 満足したので手を離すと、横のツェッペリンが俺に頭を突き出す。

 

「我も撫でろ」

「は? ヤダよ」

「我も!!!!!!!」

 

 何なんだアンタは。いや、別にそこまで言うなら良いんだけどさ…………。

 

「これで明日も破壊に勤しめる…………」

「手離していいかなコレ」

 

 喜んでんのかそうじゃねえのかよく分からん物騒な文言を吐くんじゃない。




そういえばフォロワーに目標が居た。一ヶ月前から「視られていた」という事になるな…………喋りかけてくださいよびっくりしますから!?

いつも一つの曲を一週間ぐらいループして別のに変えてるんですが、今の流行りは「ふっかつのじゅもん」です。
これからはちょいちょい紹介していきます。

後ネタは好きに盗んでオーケーです。兄貴、ネタが生やせないならウチのカオス空間から持っていって下さい、ぶっちゃけ独占した所で値打ちがないんです(真顔)。



Z46とツェッペリン!!!!!!!!!課金不可避射爆了!!!!!!!!!
「我は…………怒るだろうな」じゃないんだよ可愛いかお前は?

これ豆知識なんですが黒い薔薇の花言葉は「決して滅びることのない愛」なんですよねいっつも滅ぼすだの破壊だのどうのこうの言ってるツェッペリン姉貴が指揮官が「頼んだから」水着を着てしかもその花を身に着けてるとかいうのがもう既に俺を5回は殺したというのにそっから更に「怒るだろうな」とか普段絶対言わない言い方してる辺りから完璧コレは愛ボイスのあのトーンだなっていうのが伝わってきて追加で8回ぐらい殺されたんですけどまさか俺の「十二の試練」を13回削り切る猛者が突然飛んでくるとは思ってなかったんですけどどうすれば良いんですかね残ってるダイヤで足りなかったら課金不可避なのでやはりmanjuuは俺のアバーズレーンによるネガキャンへの嫌がらせとしてスキン実装しているという予測は正しいのでしょうか。
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