僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
『destination・time!別れば~か~りを~繰りか~え~す~♪・・・来たか』
ここは様々なモノが不法投棄されまくった浜。その中の冷蔵庫の上に腰掛け歌っていたエターナルは、待っていた者の気配を感じ取り、話し掛けた。
「あぁ、コレに書かれていた通り、一人だけで、
そこにいたのは、筋骨隆々のマッチョマン・・・ではなく、むしろお化け屋敷で骸骨お化け役が出来そうな程に、ガリガリに痩せた男だった。
『・・・オイコラ〈オールマイト〉、何で向こうの塀からこっち見張ってる奴がいる?』
「何!?そ、そんなはずは」
『ごめん嘘。カマ掛けた』
「止めてくれ!!頼むから!」
『もうしねぇよ。少なくとも、あんたが一人で来たことは十分解った』
質の悪いカマ掛けに本気で肝が冷えたオールマイト。苦労人である。
『で、何が聴きたい?』
「うん、大まかに言って、3つかな。
・君の戦う理由
・君の個性
・過去に何があったか
これだけだよ」
『あぁ、まず、1と2は簡単に説明できる。
まず1つ目、俺が戦うのは、傷付けられる罪無き人々を、一人でも多く理不尽から救う為だ。
そして2つ目だが、簡単に言うと、あんたみたいに師匠から受け継いだのさ。俺は元々無個性だよ』
「なる程、つまり、誰かから個性を与えられたということかな?」
『それだけじゃぁない。力と一緒に、〔この世界を変える〕っていう
「では、君の過去については?」
『・・・胸糞注意だぜ?』
「嘗めて貰っては困る。これでも、人々の闇は知って居るさ」
『そうかい。じゃ、エターナルの過去語り、始まり始まり』
(エターナルサイド)
これは、俺が師匠──兄さんを倒し、合格を貰った年の話だ。その時俺、いや『僕』は、かつて兄さん達がやっていたように、紛争地帯で関係ない人間を救助したり、テロ組織の基地を壊滅させたりしていた。
ん?あぁそうそう、そのニュースになってた、テロ組織の謎の壊滅。アレだよ。他にも、立地の関係でヒーローがすぐ来れない所なんかにも行ったなぁ。
これは、こんな風に回った地域の中の一つでのエピソード。優しい少女に起こった、惨い悲劇さ・・・
ある紛争地域近くのテロ多発地帯に立ち寄った僕は、その地帯の境界近くで、少女が男にナイフを付き付けられてるのを見た。勿論そのチンピラは倒したけど、そのせいで、その子が持っていた花は地面に落ちて、何本か駄目になってしまっていた。僕は無事だった花を三本拾って、その少女に渡してあげた。そして何時もみたいに、ヒーローが来て面倒になる前に帰ろうとした。
その時だった。その少女に、「待って」って呼び止められたのは。
そんな事は今まで無かったから、僕は戸惑ったね。でも無視するわけにもいかないから、取り敢えず少女の方を振り向いた。そしたらその子、なんて言ったと思う?
「ありがとー!おじさん!」
そう言って、その治安の中なら、文字通り命懸けで採ってきたであろう小さな花を一本、僕にくれたんだ。受け取れないって言ったら、
「おかーさんが言ってたの!誰かに助けて貰ったら、必ずお礼をしなさいって!そのためなら、へーきだよ!」
って言ったんだ。
聴いてみると、その時少女のお母さんは病気で、『殺菌』の個性を持った医者が建てた即席の病院に入院していたらしい。だから、お母さんの好きな花を摘んできて、お見舞に行く途中だったんだとか。でも、さっき言ったとおり、その子のお母さんは、恩を大切に思う人だったらしい。ならばと僕は、その花を受け取った。嬉しかったんだ。それまで、〔ありがとう〕って言われたことはなかったから。受け取った時の喜んだ顔は、本当に眩しかった。
お母さんの居る病院は、実はもうすぐそこだったらしい。その子が病院──つっても、赤十字の旗が付いたら大きめの掘っ建て小屋だったが──に入るのを見届けて、僕は地雷原に向かった。地雷を処理する片手間に、少女に貰った花でドライフラワーを作って、御守り袋に入れた。今も持ってるよ、ほら。
半分程、地雷を撤去したか・・・そんな時、ふと胸騒ぎがしたんだ。僕は思わず、あの子が居るであろう病院小屋の方を見た。すると、黒い煙が上がっていた。
嫌な汗が吹き出たよ。僕は走った。全速力でね。病院の前が見える所まで来ると、病院小屋に掌を翳しながら、楽しそうに笑って、いや、『嗤って』いる男を見た。
すぐに解った。『コイツが犯人だ』って。僕はソイツを蹴っ飛ばした。サッカーボールみたいに飛んでいったよ。
で、僕は病院小屋を見て、思った。『良かった。まだ、崩れてない』って。
僕は中に居るであろう人たちを救おうと小屋に飛び込もうとして───撃たれた。
バンッ!って一発ね。誰が撃ったのかと思って振り向いたら、その近くで活動中だったヒーロー二人だった。
その時一瞬、訳が分からなかった。
でもすぐに、「僕の事をヴィランだと勘違いした」んだと思った。
正直、撃たれた事なんてどうでもよかった。これっぽっちも痛くなかったしね。ただ、片方が僕を抑えてても、もう一人は助けに行ってくれるだろう。
───そう、思っていた。
確かに、俺は抑えつけられた。
今度こそ、本当に訳が分からなかった。
僕はそいつ等に叫んだ。
───何やってる!ヒーローだろ!あの中の人達を助けに行けよ!───
ってね。でも、僕を抑えつけている奴の顔を見たら解った・・・解ってしまった・・・。
そいつ等は、「人助けなんてどうでも良かった」んだ。何で解ったかって?・・・そりゃぁ・・・あんなに僕の事見て、「嗤って」たらねぇ。
あの顔は、僕が戦った最悪の相手、
これから自分に与えられるであろうモノを思い浮かべて、何処までもドス黒く、欲深く、汚く嗤っていたんだ。僕はまた叫んだ。
───オイッ!!早く助けろよ!早くしないと中に居る人が、あの子が・・・───
その時だった。病院小屋側から、音が聞こえた。ベキベキパキパキ、グシャッ!!ってな感じの音さ。
また、嫌な汗が噴き出した。まさか、まさかッ!!てな。そして、病院小屋の方を向いたら・・・
────無かった。病院小屋の屋根が・・・
3秒ほど遅れて気付いたよ・・・とうとう、『崩れた』んだって。
『俺』は叫んだ。自分に無力さを感じたのも、それを此処まで呪ったのも、初めてだった。
否定したかった。目を塞ぎたかった・・・そして何より・・・腸が煮えくりかえった。
何で俺にしか力を割かない?何故助けに行かない?そう思った。そうして生まれた怒りは、ソイツ等への憎しみになり、そして・・・
───『狂気』を生んだ。
俺は感情任せに、思いっきり俺を抑えていた二人を弾き飛ばして、立ち上がった。
その時だった。ドライバーのエターナルメモリが、『蒼く』輝いたのは。
そして、身体中をメモリエネルギーが駆け巡って、自分が変わっていくのが解った。
──体にコンバットベルトが装着され
──肩からは、最強の防具、『エターナルローブ』が出現し
──手足のファイアパターンが、赤から蒼に変わり
──そして最後に、複眼が黄金色に強く光った。
─────ブルーフレア・エクストリーム─────
それがその
狂気に飲まれ、人間性を無くし、力を完全燃焼させる事の出来る
そこからは、殆ど覚えてなかった。気が付いたら、自分の部屋にいた。辛うじて、俺を抑えてたヒーロー二人を半殺し以上にしたことは、ボンヤリと覚えていた。
俺が狂いきらなかったのは、もしかしたら、メモリの中の
前に兄さんが、お前がブルーフレアに至らないことを祈ってる、って言っていた事があったけど、その時納得したよ。
そして次の朝、ニュースを見たら、さっき言った悲劇が報道されていた。
──ねじ曲げられてな──
報道によると、ヒーロー二人は他のテロリストを倒してから火災現場に到着、不意打ちで放火魔を倒し、『人を助けようと火災の中に入ろうとした所で』建物が崩れ、ギリギリ間に合わなかった。そしてその時、後ろから、『放火魔の仲間の
──フザケルナ──
俺の中で、また狂気が首をもたげた。
そして誓った。『何が何でもヒーローになって、この悲劇を繰り返さない為に戦う』ってな。
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『これが、俺の過去だ。因みに、中学1年の時、つまり2年前の出来事だな』
エターナルはそう言って締めくくる。
「ま、待ってくれ!!じゃぁ、君の今の年齢は・・・」
『今年で15になるな』
「ッ!!」
オールマイトは絶句している。大方、まだこんなに幼い子供が、このような凄まじい体験をしていたなんて、と思っているんだろう。
そして心を痛めている。何故、
『・・・ついでだ。あんたは信用できるから、特別に顔を見せてやる』
「えッ!?」
そう言って、俺はドライバーのスロットを立て、メモリを引き抜いた。
「よう、さっき振りだな、オールマイト?」
─今日、会ったことがあったから─
「君は、トンネルで合った、あの・・・」
「そうだ。俺が、エターナル──」
ギュッ
『エターナルだ』そう言おうとして、止まった。抱き締められたのだ。オールマイト以外の誰かに、背中から。そして人物は・・・
「辛かったよね・・・ヤッパリ、寂しかったよね・・・」
オールマイトと同じく心を痛め、涙でそのピンク色の頬を濡らした・・・
────俺が、惚れた少女だった・・・
to be continued
長くなった!!ああ長くなった!!
はい、これが出久のトラウマです・・・書いててもう心が苦しい。
第6話で、エターナルがブルーフレアだったのはこういうわけです。
因みにオジサンって呼ばれたのは、ボイスチェンジャーで声変えてて、変身中は背丈が2m超えだからです。
次回、想い人とのT/心の救済
お楽しみに!