僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

11 / 63
今回結構胸糞注意ですね。それと久々にあの子の出てきて貰います!ではどうぞ!


第10話・Eと一位/闇黒の悪夢

『destination・time!別れば~か~りを~繰りか~え~す~♪・・・来たか』

ここは様々なモノが不法投棄されまくった浜。その中の冷蔵庫の上に腰掛け歌っていたエターナルは、待っていた者の気配を感じ取り、話し掛けた。

「あぁ、コレに書かれていた通り、一人だけで、この姿で(・・・・)来た」

そこにいたのは、筋骨隆々のマッチョマン・・・ではなく、むしろお化け屋敷で骸骨お化け役が出来そうな程に、ガリガリに痩せた男だった。

『・・・オイコラ〈オールマイト〉、何で向こうの塀からこっち見張ってる奴がいる?』

「何!?そ、そんなはずは」

『ごめん嘘。カマ掛けた』

「止めてくれ!!頼むから!」

『もうしねぇよ。少なくとも、あんたが一人で来たことは十分解った』

質の悪いカマ掛けに本気で肝が冷えたオールマイト。苦労人である。

『で、何が聴きたい?』

 

「うん、大まかに言って、3つかな。

・君の戦う理由

・君の個性

・過去に何があったか

これだけだよ」

 

『あぁ、まず、1と2は簡単に説明できる。

まず1つ目、俺が戦うのは、傷付けられる罪無き人々を、一人でも多く理不尽から救う為だ。

そして2つ目だが、簡単に言うと、あんたみたいに師匠から受け継いだのさ。俺は元々無個性だよ』

「なる程、つまり、誰かから個性を与えられたということかな?」

『それだけじゃぁない。力と一緒に、〔この世界を変える〕っていう意志(ユメ)も受け継いだ。そして、あんたの事を色々知っているのも、その能力(チカラ)のおかげってこった』

「では、君の過去については?」

『・・・胸糞注意だぜ?』

「嘗めて貰っては困る。これでも、人々の闇は知って居るさ」

『そうかい。じゃ、エターナルの過去語り、始まり始まり』

 

(エターナルサイド)

これは、俺が師匠──兄さんを倒し、合格を貰った年の話だ。その時俺、いや『僕』は、かつて兄さん達がやっていたように、紛争地帯で関係ない人間を救助したり、テロ組織の基地を壊滅させたりしていた。

ん?あぁそうそう、そのニュースになってた、テロ組織の謎の壊滅。アレだよ。他にも、立地の関係でヒーローがすぐ来れない所なんかにも行ったなぁ。

これは、こんな風に回った地域の中の一つでのエピソード。優しい少女に起こった、惨い悲劇さ・・・

 

ある紛争地域近くのテロ多発地帯に立ち寄った僕は、その地帯の境界近くで、少女が男にナイフを付き付けられてるのを見た。勿論そのチンピラは倒したけど、そのせいで、その子が持っていた花は地面に落ちて、何本か駄目になってしまっていた。僕は無事だった花を三本拾って、その少女に渡してあげた。そして何時もみたいに、ヒーローが来て面倒になる前に帰ろうとした。

 

その時だった。その少女に、「待って」って呼び止められたのは。

そんな事は今まで無かったから、僕は戸惑ったね。でも無視するわけにもいかないから、取り敢えず少女の方を振り向いた。そしたらその子、なんて言ったと思う?

「ありがとー!おじさん!」

そう言って、その治安の中なら、文字通り命懸けで採ってきたであろう小さな花を一本、僕にくれたんだ。受け取れないって言ったら、

「おかーさんが言ってたの!誰かに助けて貰ったら、必ずお礼をしなさいって!そのためなら、へーきだよ!」

って言ったんだ。

聴いてみると、その時少女のお母さんは病気で、『殺菌』の個性を持った医者が建てた即席の病院に入院していたらしい。だから、お母さんの好きな花を摘んできて、お見舞に行く途中だったんだとか。でも、さっき言ったとおり、その子のお母さんは、恩を大切に思う人だったらしい。ならばと僕は、その花を受け取った。嬉しかったんだ。それまで、〔ありがとう〕って言われたことはなかったから。受け取った時の喜んだ顔は、本当に眩しかった。

お母さんの居る病院は、実はもうすぐそこだったらしい。その子が病院──つっても、赤十字の旗が付いたら大きめの掘っ建て小屋だったが──に入るのを見届けて、僕は地雷原に向かった。地雷を処理する片手間に、少女に貰った花でドライフラワーを作って、御守り袋に入れた。今も持ってるよ、ほら。

 

半分程、地雷を撤去したか・・・そんな時、ふと胸騒ぎがしたんだ。僕は思わず、あの子が居るであろう病院小屋の方を見た。すると、黒い煙が上がっていた。

嫌な汗が吹き出たよ。僕は走った。全速力でね。病院の前が見える所まで来ると、病院小屋に掌を翳しながら、楽しそうに笑って、いや、『嗤って』いる男を見た。

すぐに解った。『コイツが犯人だ』って。僕はソイツを蹴っ飛ばした。サッカーボールみたいに飛んでいったよ。

で、僕は病院小屋を見て、思った。『良かった。まだ、崩れてない』って。

僕は中に居るであろう人たちを救おうと小屋に飛び込もうとして───撃たれた。

バンッ!って一発ね。誰が撃ったのかと思って振り向いたら、その近くで活動中だったヒーロー二人だった。

その時一瞬、訳が分からなかった。

でもすぐに、「僕の事をヴィランだと勘違いした」んだと思った。

正直、撃たれた事なんてどうでもよかった。これっぽっちも痛くなかったしね。ただ、片方が僕を抑えてても、もう一人は助けに行ってくれるだろう。

───そう、思っていた。

確かに、俺は抑えつけられた。二人に(・・・)ね。

今度こそ、本当に訳が分からなかった。

僕はそいつ等に叫んだ。

 

───何やってる!ヒーローだろ!あの中の人達を助けに行けよ!───

 

ってね。でも、僕を抑えつけている奴の顔を見たら解った・・・解ってしまった・・・。

そいつ等は、「人助けなんてどうでも良かった」んだ。何で解ったかって?・・・そりゃぁ・・・あんなに僕の事見て、「嗤って」たらねぇ。

あの顔は、僕が戦った最悪の相手、戦闘狂(バトルジャンキー)快楽殺人鬼(シリアルキラー)が浮かべていたものと、まるで一緒だった。

これから自分に与えられるであろうモノを思い浮かべて、何処までもドス黒く、欲深く、汚く嗤っていたんだ。僕はまた叫んだ。

 

───オイッ!!早く助けろよ!早くしないと中に居る人が、あの子が・・・───

 

その時だった。病院小屋側から、音が聞こえた。ベキベキパキパキ、グシャッ!!ってな感じの音さ。

また、嫌な汗が噴き出した。まさか、まさかッ!!てな。そして、病院小屋の方を向いたら・・・

 

────無かった。病院小屋の屋根が・・・

 

3秒ほど遅れて気付いたよ・・・とうとう、『崩れた』んだって。

『俺』は叫んだ。自分に無力さを感じたのも、それを此処まで呪ったのも、初めてだった。

否定したかった。目を塞ぎたかった・・・そして何より・・・腸が煮えくりかえった。

何で俺にしか力を割かない?何故助けに行かない?そう思った。そうして生まれた怒りは、ソイツ等への憎しみになり、そして・・・

───『狂気』を生んだ。

俺は感情任せに、思いっきり俺を抑えていた二人を弾き飛ばして、立ち上がった。

その時だった。ドライバーのエターナルメモリが、『蒼く』輝いたのは。

そして、身体中をメモリエネルギーが駆け巡って、自分が変わっていくのが解った。

 

──体にコンバットベルトが装着され

 

──肩からは、最強の防具、『エターナルローブ』が出現し

 

──手足のファイアパターンが、赤から蒼に変わり

 

──そして最後に、複眼が黄金色に強く光った。

 

─────ブルーフレア・エクストリーム─────

 

それがその形態(すがた)の名前・・・

狂気に飲まれ、人間性を無くし、力を完全燃焼させる事の出来るニンゲン(怪物)だけが至れる、最強(最狂)の形態。

 

そこからは、殆ど覚えてなかった。気が付いたら、自分の部屋にいた。辛うじて、俺を抑えてたヒーロー二人を半殺し以上にしたことは、ボンヤリと覚えていた。

俺が狂いきらなかったのは、もしかしたら、メモリの中のNEVER()の魂が、そうならないように抑えてくれたからかもしれない。

前に兄さんが、お前がブルーフレアに至らないことを祈ってる、って言っていた事があったけど、その時納得したよ。

 

そして次の朝、ニュースを見たら、さっき言った悲劇が報道されていた。

 

──ねじ曲げられてな──

 

報道によると、ヒーロー二人は他のテロリストを倒してから火災現場に到着、不意打ちで放火魔を倒し、『人を助けようと火災の中に入ろうとした所で』建物が崩れ、ギリギリ間に合わなかった。そしてその時、後ろから、『放火魔の仲間の(ヴィラン)』に襲われて大怪我。現在は入院中、らしい。

 

──フザケルナ──

 

俺の中で、また狂気が首をもたげた。

そして誓った。『何が何でもヒーローになって、この悲劇を繰り返さない為に戦う』ってな。

 

────────────────────────────────────────────────

 

『これが、俺の過去だ。因みに、中学1年の時、つまり2年前の出来事だな』

エターナルはそう言って締めくくる。

「ま、待ってくれ!!じゃぁ、君の今の年齢は・・・」

『今年で15になるな』

「ッ!!」

オールマイトは絶句している。大方、まだこんなに幼い子供が、このような凄まじい体験をしていたなんて、と思っているんだろう。

そして心を痛めている。何故、この少年()なんだと・・・

『・・・ついでだ。あんたは信用できるから、特別に顔を見せてやる』

「えッ!?」

そう言って、俺はドライバーのスロットを立て、メモリを引き抜いた。その少年()の顔に、オールマイトは再び驚く。何故なら・・・

「よう、さっき振りだな、オールマイト?」

 

─今日、会ったことがあったから─

 

「君は、トンネルで合った、あの・・・」

 

「そうだ。俺が、エターナル──」

ギュッ

『エターナルだ』そう言おうとして、止まった。抱き締められたのだ。オールマイト以外の誰かに、背中から。そして人物は・・・

「辛かったよね・・・ヤッパリ、寂しかったよね・・・」

オールマイトと同じく心を痛め、涙でそのピンク色の頬を濡らした・・・

────俺が、惚れた少女だった・・・

 

to be continued




長くなった!!ああ長くなった!!
はい、これが出久のトラウマです・・・書いててもう心が苦しい。
第6話で、エターナルがブルーフレアだったのはこういうわけです。
因みにオジサンって呼ばれたのは、ボイスチェンジャーで声変えてて、変身中は背丈が2m超えだからです。
次回、想い人とのT/心の救済
お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。