僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
おかしな所があったらご指摘ください!
『こ、個性把握テストォ~!?』
「え、入学式とかガイダンスとか、全部すっ飛ばしてまずコレですか!?」
グラウンドに集合した生徒から、一斉に疑問の声が上がる。が・・・
「ヒーロー科にそんな無駄なもん必要あるか」
という相澤の一言でバッサリ斬り捨てられる。
「取り敢えず、入試点数トップの───」
その言葉を聞いた爆豪が口角を釣り上げ、自分が呼ばれると思い身構える。だが・・・
「───緑谷。こっち来て、ソコの円に入れ」
「はい!」
「・・・は?」
次に発せられたこの言葉に唖然とする。まぁ無個性だと思っていた人間が自分を差し置きトップ成績だというのだから仕方無いだろう。
「緑谷、中学の時の『個性禁止』ハンドボール投げの記録、幾つだった?」
「31mです」
勿論極限まで手加減した数値だが。一方、爆豪はまだショックにより呆けている。
「いつまでたっても、個性を禁止して画一的な平均を取りたがる。文部科学省の怠慢だな。緑谷、その円の中なら、『何をしても良い』。全力で飛ばせ」
そう言って相澤は、グラウンドに描かれた円の中に入った出久に、最早見た目でハイテクが使われていると解るほどメカメカしい測定用ボールを渡す。
「わかりました。じゃぁ軽く・・・」
【バイオレンス!マキシマムドライブ!】
シレッととんでもないメモリのマキシマムを使う。因みに、このメモリには『暴力』以外に『増強系個性』の記憶も封入されている。そんなものを使えば・・・
「バイオレンスッ!!スマッシュ!!」
パァァァンッ!!
風切り音を通り越して破裂音が鳴り、更に衝撃波が発生するような力が出るのも、まぁ致し方ない。
「・・・・・・1582m」
『ハァァァァァァ!?』
「出久・・・飛ばすね~・・・」
この記録には流石の三奈もドン引いた。そんな中、絶賛腸が煮えくり返っている者がいた。
「おい、こらデク・・・どぉいうことだァ!!」
無論、
「ぐぁっ!?なんだ、この布・・・堅ぇ!!」
「全く、無駄に個性を使わせるな」
無論相澤だ。マフラーのように巻いている炭素繊維と形状記憶合金が編み込まれた捕縛武器で爆豪を捕縛する。
「流石は見たモノの個性を瞬きするまで消す『抹消ヒーロー・イレイザーヘッド』だ。手慣れてらっしゃる」
「ドライアイが悪化するだろう!」
『強い個性なのに勿体ない!』
「ハァ・・・まずは、己の限界を知る。総てはそこからだ」
相澤の言葉に生徒は
「さっすがヒーロー科!全力で個性使えるなんて!」
「何コレ
などと言い出すが、透明な女の子がかなりマズいことを言ってしまった。
「《面白そう》ねぇ・・・3年間、そんな気持ちでヒーロー科やっていけると思ってんのか?だったらお笑いだな。よし、このテストで
相澤の言葉に、全員が凍り付いた。
「先生!それは幾ら何でも横暴なのでは!?」
真っ先に抗議した飯田だったが、
「
無慈悲に切り捨てられる。そして間もなく、テストが始まった。
(出久サイド)
・50m走
「飯田、2,5秒」
「速えぇなアイツ」
飯田君は個性『エンジン』によって脹ら脛のマフラーからガスを噴射しながら走り、かなりの記録を叩き出した。
「芦戸、5,8秒」
「あぁ、もうちょいいけたかな?」
三奈は酸でスケートのように滑って記録を伸ばす作戦に出る。
次は爆豪だ。
「爆速ターボッ!!」
ボボボボボンッ!!
「爆豪、2,3秒」
「チッ、両手だとやっぱ爆発散るな」
爆豪は両手を後ろに向けて爆破、その反作用で吹き飛ぶように加速し、飯田を超える記録を叩き出す。
「次、緑谷」
「ッ!!」
「分かりました」
爆豪が睨みつけてくる。大方走り方などを観察、分析するつもりだろうが・・・
【アクセル!マキシマムドライブ!】
パァァァンッ!!
「・・・緑谷の記録、1秒」
「ッッ!?」
無駄だ。50mを1秒、つまり時速180kmだ。脊髄反射の反応ならまだしも、これを人間がはっきり視認するのはほぼ不可能だろう。
──ダイジェスト──
・反復横飛び
【クイーン!】【ジョーカー!】
【【マキシマムドライブ!】】
両側に張ったバリアを連続で蹴り、高速で跳ね返り続ける。
「854回」
「オイラの・・・オイラの記録・・・」
・立ち幅跳び
【バード!マキシマムドライブ】
「フッ!ハッ!」
「無限」
バードにより俺の両腕が翼に変化、その状態で羽ばたいて飛び、超音速で空を駆け回る。
「アハハ・・・出久容赦なさすぎ」
三奈の口から乾いた笑いが零れる。爆豪は、
「~~~~~ッッ!!」
爆発寸前だな。
・握力
【バイオレンス!マキシマムドライブ!】
メキョッ
「先生スイマセン、握りつぶしちゃいました」
「緑谷?これ一応2,5tまで耐えられる特注品なんだが・・・」
「「・・・」」
六本腕で握っていた男子、『障子目蔵』と、個性で作った万力で締め付けていた女子、『八百万百』が揃って唖然としている。
忘れてはいけないのが、こんな見てくれでも俺は歴としたドーパントだということだ。ライダー怪人のスペックは基本的に
・ハンドボール投げ
「えいっ」
ヒュ~~~~~~・・・・・・
「麗日、無限」
『また無限出た!』
・持久走
【アクセル!】【ファング!】
【【マキシマムドライブ!】】
「グルルァァァァァァァァァッッ!!」
やっぱ野生のままに走り抜けるのは気持ち良い!
「「お父さんッ!魔王が!魔王が来るよッ!」」
俺の結果、トラック7週半を2分。尚、後ろから俺に追われた生徒の記録が跳ね上がったそうな・・・
・長座対前屈
【ルナ!マキシマムドライブ!】
「ク~ネクネ~♪クネクネ~♪」
「緑谷、250m」
ルナメモリの効果で某ゴム人間のように伸びる伸びる。
『化け物・・・』
まぁ
「はい、トータル結果。もう効率重視でモニターに出すぞ」
まぁあんなに暴れたから当然と言うべきか、1位は俺だ。
「あぁ・・・オイラが・・・オイラが・・・」
どうやらあのかなり背の低い男子が最下位らしい。ザ・絶望という顔をしている。
「あ、因みに除籍ってのは嘘な」
『え?』
「君等の全力を量るための合理的虚偽」
『え~~!?』
相澤先生の言葉にみんな吃驚してるな。
「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えれば解りますわ」
まぁ例外もいるらしいが・・・しかし
「いや、先生本気だったぜ。最下位にも最下位なりに見所があったんだろ。実際、去年の1年生は丸々1クラス、見込み無しで除籍処分だったはずだ」
『え?』
俺の発言に皆仲良く凍りついた。まぁこうなるわな。でもマジで除籍する気だったぞ相澤先生。だって「除籍処分にしよう」って言ったところで俺の能力の一つ、『虚偽無効』が発動せず、逆に「除籍ってのは嘘」の所で発動したからな。つまり、本当に最下位を切り捨てるつもりだったってことだ。末恐ろしいこったな。
ま、今回は誰一人減らなかったし、良かった良かった。
(出久サイドEND)
to be continued
遅れて申し訳ない。
虚偽無効はワールドトリガーのユーマのサイドエフェクトみたいに、嘘をついた瞬間に自動で発動するという感じです。