僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
「うぅ・・・ここは?・・・ッ!」
出久が目を覚ますと、其処にはあり得ない光景が広がっていた。
白、白、白・・・どこを見渡しても、真っ白。それしかないのだ。
「ま、まさかヴィラン!?」
出久は、まさか自分はヴィランによる誘拐にあってしまったのでは、と思い、出来る限り周りを警戒する。
「違う」
「ッ!!だ、誰だぁ!?」
突然声を掛けられ、驚いた出久は反射的にその声の主の方を向く。
「落ち着け。そんなにパニックに陥ってしまっていては、もし俺が本当に敵なら少なくとも5回は死んでいるぞ」
諭すように出久に言ったのは、黒地に赤のラインが入ったジャケットを着ていて、手には茶色い背表紙の本を持った、茶髪に青のメッシュの入った男だった。
当然、何処からともなく突然現れたその男に、出久は警戒する。
「だ、誰!?」
「俺は、大道克己。地獄に堕ち損ねた亡霊だ。安心しろ、呪ったりはしないさ」
その男、『大道克己』はそう自己紹介する。
「ここは何だ!こんな事をして、なにが目的だ!」
(こんな所に僕を連れて来たりして、なにが目的なんだあの人は!)
此処に自分を連れて来たのは目の前の男だと思った出久は、普段からは想像出来ないほどの大声を克己に浴びせる。
「ほう、なる程。度胸はあるらしい。が・・・」
「ヒッ・・・」
その瞬間、出久は全身が凍り付いたような錯覚を感じた。他でもない目の前の男、克己から放たれる殺気によってだ。
「人の話は聞け。それと、俺は『落ち着け』と言ったはずだ」
「は・・・はい・・・」
「はぁ、全く。良いか?ここは『
そう言いながら克己は持っていた本を適当に投げ捨てる。すると、その本は音もなく消えていった。
「本棚?でもそんなのどこにも・・・」
出久再び周りを見渡す。やはり、克己の言っている本も本棚も見当たらない。強いて言うなら、今は消えてしまったが、克己が持っていた本くらいだ。
「あぁ、丁度、この世界の事について『検索』していてな。見てろ。『リセット』」
克己がそういった瞬間、
シュバババババババババン!
「な!?す、すごい・・・」
膨大な数の『本棚』が現れたのだ。さっきまで何も無かったが、いまは見渡す限り、遙か遠くまで本棚が林立している。
「まぁ、詳しいことは後で説明してやる。誰にもこのことは話すなよ」
すると、出久は目の前は一気に真っ暗になっていった・・・
「・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
出久が飛び起きると、そこはベッドの上だった。
「出久!?目が覚めたのね!!」
聞き覚えしかない声の主の方へ顔を向ければ、やはり、号泣している母、引子がいた。
「母さん?」
「もう!出久が道端で倒れてたって病院から電話が来たときなんか心配で心配で」
「ごめんごめん、ちょっと、何というか、クラッと来ちゃったみたい?」
(あれ?そういえば・・・)
「全くもう、お医者さんは身体に異常は無いから目が覚めたら少し検査して帰って大丈夫って言ってたけど、本当に痛いところとか無い?」
「うん、大丈夫だよ!」
その後、検査を受けても異常はなかったため、出久は帰ることが出来た
(かっちゃんに殴られた所が・・・治ってる?)
その胸に、小さな疑問を抱きながら。
To be continued
はい!ということで、早速克己ちゃんに出て貰いました~!
大好きなキャラなんです。ええとっても。
誤字脱字、ご意見など、コメント待ってます!では、チャオ~♪