僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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今回の後半、と言うか後ろ4/5程の解説は、ほぼほぼ自己解釈です。公式設定ではないので御注意下さい。
では今回も、どうぞ!


第25,5話・その後のr/生命(いのち)とは

あの後、敵共は出久の友人2人が到着した事によって、無事お縄についた。目下の問題は・・・

「フゥーッ!フゥーッ!腹ァァァ!減ッタァァァ!」

「落ち着け麗日!落ち着けェェェェ!!」

発狂したことにより染み付いた空腹感のせいで狂乱状態に陥っている麗日だ。

今はまだ三奈が抑えてくれているが、このまま行くと、終いには人さえも貪り喰うようになってしまうかも知れない。異常食は人肉食(カニバリズム)に最も発展し易い狂気だからだ。それだけは阻止しなければならない。

【ゾーン!マキシマムドライブ!】

「麗日!取り敢えずコレ喰え!蝗の佃煮!」

出久はゾーンで取り出した、作り置きしておいた自分のおやつ(蝗の佃煮)を与えて落ち着かせようとする。すると・・・

「ん~美味し~い♪」

一瞬で解決した。どうやら何かを咀嚼(モグモグ)している間は沈静化するようだ。そして

「今の内に・・・」

【サイコアナウンセス!マキシマムドライブ!】

技能『精神分析』のメモリを使う。コレはクトゥルフメモリと同時に出来た物だ。

「効けばいいんだが・・・」

実は出久はこのメモリの効果を本棚で少し見ただけ。本当に効くという確証は得られていないのだ。

「・・・・・・」

「う、麗日・・・さん?(効いてくれた・・・か?)」

さっきまでご機嫌で蝗を摘まんでいた麗日が、急に静かになった。よく見れば、その目は少し虚ろだ。その目が出久の不安を掻き立てる。だが・・・

「・・・ほえ?ウチ、何しとったっけ?」

効果は抜群だった。

「あ~うん、思い出さなくても良い。本当に申し訳ない。良かった尻拭い出来て・・・」

「?」

出久の言葉に麗日は小首を傾げる。恐らく出久が三奈と付き合っていなければ真っ赤になっていただろう。

「ふ~、良かった」

「良い訳無ぇだろ!」

息をついた出久に相澤が声を飛ばす。

「麗日がこうなったのはお前の責任だ」

「はい、その通りです。悪乗りしてスイマセン」

「全く・・・(緑谷、この後の職員会議、お前も参加な)」

「(・・・データの提示ですね。了解です。PCとプロジェクター用意しといて下さい)」

「(物分かりが良くて助かる)」

 

―――

――

 

(出久サイド)

俺は今、会議室前で待っている。何でも、参加するってのは相澤先生の独断だったらしく、今は他の先生方と相談している。

「緑谷、入ってこい」

お、どうやら大丈夫だったらしいな。

「失礼します」

会議室にいるのは、相澤先生(イレイザーヘッド)、セメントス、プレゼントマイク、ミッドナイト、スナイプ、エクトプラズム、リカ婆(リカバリーガール)、根津校長、そしてオールマイト(トゥルーフォーム)だ。

トゥルーフォームって事は、全員がオールマイトの事情を知っているって事か。

「今回、俺を一方的にボコボコにした改造人間『脳無』を倒した生徒、緑谷です」

「どうも、仮面ライダーエターナルをやっています。緑谷出久です」

俺は少し頭を下げる。・・・何というか、根津校長、エクトプラズム、スナイプの3人は、話を聴くと同時に、俺の事を品定めしてるな。この視線は。

「緑谷少年、いつも通りで良いよ」

「そうか。なら良かった。その方が大分、気が楽だ」

皆少し驚いてるな。俺が図々しすぎて驚いてるのか?

「取り敢えず、君が戦った脳無の情報を、出来る限り、僕らに話して欲しいのさ」

根津校長が言った。なら、

「了解。相澤先生、頼んでおいたPC、お願いします」

「もう持ってきてあるぞ。プロジェクターにも繋いである」

流石は合理主義。何から何まで早いな。

「じゃ、早速」【デンデン】

俺はデンデン擬似メモリをPCに接続した。すると、壁に掛かったプロジェクターに脳無の3Dデータが映される。

「コイツは、複数の人間の個性を『改造手術を施した1人の人間』に無理矢理植え付けて造られた生物兵器だ。バイオハザード4のリヘナラドールみたいなモノだな。超速再生で質量保存すらガン無視して欠損した両腕を5秒程で修復したりもしてたし。

他にも、『消化管及び生殖線の消失』、『筋肉の過剰発達』、『空いたスペースに他の臓器の代わりに心臓・腎臓・肝臓が3個ずつ』、『肺の下に気嚢を形成』と言う具合に、兵器に必要無いものをほぼオミットし、使えるものをとことん延ばしてある。生物が材料ってだけで、これ自体はもう生物とは呼べないな。恐らくこの移植された臓器も被検者(材料)たちのモノだろう。この様子だと、栄養補給なども薬液注入だろうな」

「・・・胸糞悪いわね・・・」

全員が顔をしかめ(特に根津校長の顔がヤバい!)、その意思をミッドナイトが代弁する。実際、俺もコイツはどうかと思う。

「移植の負荷に耐えられなかったのか、それとも意図的にかは解らないが、知能は著しく低下しているらしい。設定された特定の人物の口頭命令を受けなければ、命令者(コマンダー)に攻撃が行かない限り動かんらしい。まぁ、『殲滅しろ』などの命令によるオートバトルモードのようなモノはあるかも知れんが・・・」

俺は淡々と説明していく。

「そして最も厄介なのが、この様なキメラが、また造られて、しかも今度は軍団で来る可能性が大いにあるという事だ」

「ッ!!」

相澤先生が大きく反応した。まぁ、脳無(アレ)の攻撃力を身を持って体験したからな。当然っちゃ当然だ。

「今回は回復&防御ゴリ押し(対オールマイト)型だったが、当然他のバリエーションもあるだろうな。今回、複数で来なかった理由として考えられるのは、

①材料調達が大変なので量産できない

②今回はあくまでオールマイトを狙っていたので、必要が無いから出さなかっただけ

死柄木弔(敵陣リーダー)が嘗めプしていた

の3つだ。まぁ①は、『相手にクローンなどの個性持ちがいない場合』と言う希望的観測だがな」

「おい待て、③可笑しくないか?」

「雄英相手に『嘗めプ』って・・・」

相澤先生とミッドナイトが口を挟む。ま、普通なら雄英高校(プロヒーローの巣窟)相手に嘗めプしよう、なんて発想すら出いだろう。だが・・・

「いや、コレも十分有り得る。何せ、死柄木(アイツ)は思考回路がまるっきり餓鬼のままだったからな。

アイツは、脳無を造った『先生』とやらからエターナル()戦闘能力(脅威性)を聴いていたらしい。にも関わらず、『遊んでやる』と言って俺に脳無を差し向けてきた。

あの脳無は、確かにオールマイトに匹敵するレベルのパワーだったからな。恐らくアイツの中では、『脳無≧オールマイト>エターナル』って構図だったんだろう。それなら脳無でも俺を倒せる、とでも思ったのかもな。と言うかぶっちゃけ、新しい玩具を早く試したくて仕方なかっただけかも知れん」

「ッ!!お、玩具・・・」

またミッドナイトが全員の意思を代弁する。

「アイツは少なくとも、()()()()()()()()()()()ぞ。実際に、自分に与えられた『オールマイトを殺す作戦のリーダーをする』ってミッションも、ゲームみたいに感じていたからな。帰り際の台詞も『()()()()()()()だ』、だった事から、コレは最早ほぼ確定だ」

俺の言葉に、全員が苦い顔をする。

「俺が言えるのは、大体コレくらいだな。御静聴、ありがとうございました。では、俺はコレで」

そう言って俺はPCに接続していたデンデン擬似メモリを回収し帰ろうとする。

「ちょっと待って欲しいのさ!」

根津校長が呼び止めてくる。何の用だ?

「何だ?」

「最後に一つ、なんで君が、脳無を()()()しまったのか。それを訊かせて欲しいのさ!」

()()?何言ってんだこの人(?)は。

「何故、自我もない()()に対して『殺す』、なんて表現を使う?」

『ッ!?』

?・・・何で皆驚いている。当然だろ?

「俺は()()()()()()()()()だ。そもそも、意思も、自我も、生物なら無くてはならない生殖能力すらも無い。モノを喰う能力も無い。

人間が材料とは言え、そんな兵器に何故、生物に対するような思考を求める?しかも相手側には黒霧(テレポーター)と言う手札がある。脳無を回収したところで、その気になれば、奴等は何時でも取り返せる可能性が高い訳だ。そんな百害在って一利無しなモノは、真っ先に破壊しておいた方が良いにきまっている。違うか?」

『・・・・・・』

「ハァァ・・・じゃ、次に脳無が出た時は、破壊はせずに行動不能化してヒーローに提出しよう。これで、問題無無いですか?」

「・・・解ったのさ。引き留めて悪かったね」

「では今度こそ」

全く、今のヒーローはやはりどこか甘い。法律で個性を使った()()()()さえ禁止しているのが良い証拠だ。

そもそも、何故警察は状況によっては犯人の射殺も許可されているのにヒーローは許可されて無いんだ?どっちも同じだろ。それにシン兄さんもぼやいてたが、警察は個性を禁止されているらしい。

政治家共はアホなのか?アホじゃなければ、個性が発生して120年以上経っているのに未だにこんな馬鹿げた法律な訳がない。

本当に、何を考えているんだか・・・

 

to be continued・・・




「デッドプールと!!」
『エターナルドーパントの!』
『「後書き解説コーナ~~~!!」』
「ってまんまじゃねぇか!もっと捻れよ!考えろよ!」
『今度余計な事言うと口を縫い合わすぞ。OK?』
「OK!さて、今回は何解説するんだ?」
『自己解釈で造られた脳無の設定だな。スペックはそこにあるカンペに書いておいた。お前に譲ってやるよ』
「オカノシタ!『・・・もう諦めよう・・・』俺ちゃんと付き合い続けるならそれが賢明だぜ。さてと、お待ちかねのスペックは~っと・・・
身長・278cm
体重・285kg
1ジャンプ・62m
100m・3,9秒
パンチ・98t
キック・101t
個性・ショック吸収&超再生(物理法則ガン無視)
か・・・ふ~ん、考えた方じゃねぇの?」
『何様だお前・・・まぁ良いか。気になった所を質問してくれ。答えるから』
「じゃ早速、“肺の下に気嚢を生成”の〈気嚢〉って何じゃらほい」
『気嚢ってのは主に鳥類が持つ、肺の下にある袋だな。最新研究によって、恐竜も持っていたことが解ったらしい。コレが有れば、端折って言うと呼吸効率が跳ね上がる』
「どう言う事だってばよ?」
『今度はナルトかよ・・・気嚢は肺の下にあって、さらにその下に横隔膜が有るんだ。この構造のおかげで、鳥類の肺の中の空気は1呼吸毎にほぼ全部入れ替わるし、何より吸っても吐いても常に酸素を多く含んだ空気が肺を満たす。だから必然的に、酸素の供給量も多くなるって寸法だ。山越をする渡り鳥なんかは特に発達しているらしいぞ』
「はえ~、そのお陰で、恐竜も彼処まで大きく成れたって訳か」
『その通りだ。物分かりが良いじゃないか。生物が身体を大きくするには、何よりもまず酸素が必要だからな。その点、脳無はあんな激しい運動をするから必要だろう。何より、もし俺が脳無を造るんならコレは外せねぇと思ってな』
「じゃ、消化管&タマタマ切除ってのは?っつうか俺ちゃんコレに一番引いちゃったんだけど」
『生物兵器に生殖能力はいると思うか?』
「質問を質問で返すなぁッ!!問題文には問題(以下略)ってオォォイ!!カットすんなよ!!っつうか!脳無同士で養殖とかすりゃあ良いんじゃねぇの!?どぉよ俺ちゃんの天ッ才且つ完ッ璧なアイディアは!悔しかったら論破してみな!」
『急にキレるな喧しい。その上吉良吉影とか、声優さんの作品繋がりか?そしてその事だが、お前・・・突然変異って、知ってる?』
「あ・・・(察し)」
『あんな無理矢理造った継ぎ接ぎだらけのDNAじゃ生存も困難な奇形(使えもしない突然変異)が出来ない方が有り得ねぇんだよ。あと、兵器なら効率重視の薬物投与の方が良いに決まってる。少なくとも俺ならそうする』
『・・・(^_^)/□シロハタ』⇦白旗爪楊枝フリフリ
「生物学オタク嘗めんな。因みに、肝臓、腎臓は体内の毒物の分解・濾過によって活動時間の増加、心臓は潰された場合のスペア用だな。あれだけの大きさで無茶苦茶に動き回れば、アンモニアなんかも早く多く出来る。それを出来るだけ早く分解して、活動時間を少しでも延ばそうって寸法さ」
「じゃあ、出久の脳無に対する考えは?」
『A,100%、俺の考え方だ』
「な~る程。あ、もう1つ、この世界のバイオハザードってどんな感じなの?」
『ああ、キャラクターは変わってないな。ここに出てくるバーキン&アシュフォードはゲームキャラの方の2人に憧れて、って感じだ。因みに何で暴れたかって言うと、2人とも歳の割に天才過ぎて周りから気味悪がられてな。さらにバーキンの個性はウイルスを創る(誤字にあらず)なんてモンだから、いじめの対象になってたんだ。そんである日、アレクシアが実験用に育てていたハーブや虫なんかをいじめっ子が燃やして、そんでバーキンブチ切れ。その後2人で家出して敵になってすぐに出久に会ってって感じ』
「ほ~なる程、じゃ、今回はここまでだな!閲覧ありがとうございました!次回も俺ちゃんの活躍ぶり、楽しみにしててくれよな(^_^)b」
『子安Vで魅力的な事言ってくれんのは有り難いけど、次回本編でお前出るか未定だし、今回も未登場だからね?』
「ファッ!?」

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