僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
(出久サイド)
もうすぐ昼休憩が終わるので、俺は元の位置に戻る。休憩中にヒーロー事務所『天魔山』の
さて、皆戻って・・・ん?
「おい、女子全員どこ行った?」
女子が見あたらない。何かあったか・・・戻って来たな。でも・・・
『どぉぉしたA組!!?』
『何やってんだあいつ等』
「どったの?その格好」
全員何故かチアガールの格好だ。
「騙しましたわね峰田さん!!!」
・・・うん、八百万の叫びとサムズアップしてる峰田で察したわ。大方、峰田がチアガール見たいからって八百万を巧いこと丸め込んであのコス創らせたんだな?葉隠と三奈は結構ノリノリだが・・・
『さぁさぁ皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目!進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!一対一のガチバトルだ!!!』
プレゼントマイクが声を張り上げる。それを聞いて、またザワザワと騒ぎ出す1-A生徒達。
「さて、それじゃあ組み合わせのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始!レクに関して進出者16人は参加のするしないは個人の判断に任せるわ。息抜きしたかったり、温存したい人もいるしね。んじゃ1位チームから順に・・・」
「あの・・・すみません!」
ミッドナイトが喋っていたのを、4位チームの尾白が手を挙げて遮った。表情も、かなり暗い気がする。
「俺、辞退します」
・・・何言ってんだこのバカ野郎!って、言いたい所だが・・・
「・・・何でだ?」
俺はストレートに聞いてみる。すると、尾白の顔が更に曇った。
「俺、実はさっきの騎馬戦の記憶・・・終盤ギリギリまで、ボンヤリとしか無いんだ。多分、奴の個性のせいで」
奴・・・?尾白が組んでたのは確か・・・
「ここがチャンスの場だって事も、それを棒に振るなんて、とても愚かな事だって事も分かってるつもりだ・・・でも、皆が力を出し合い争ってきた座なんだ。こんな・・・こんな訳分かんないままそこに並ぶなんて、俺には出来ない・・・済まない。こんな我が儘言って・・・だけど、俺のプライドの問題なんだ・・・」
「僕も同様の理由から棄権したい!実力如何以前に・・・
B組の
「・・・なるほど、プライドの問題、か・・・どうします?ミッドナイト。認めるも否も、あなたの匙加減ですが・・・」
理解した俺はミッドナイトに指示を求める。コレばかりは俺ではどうにもならない。
「そぉいう・・・青臭い話はァ・・・好み!!庄田・尾白の棄権を認めます!」
「好みかよ!」
全くいくら自由が売りとは言え、程ってモノを知って欲しい。で、その後5位だった拳藤チームからの推薦で、鉄哲チームから鉄哲と塩崎が繰り上がってきた。そして改めてくじを引き・・・
「結果はこうなりました!」
ミッドナイトの声で、大型ディスプレイにトーナメントの構図が表示される・・・って、
「初戦の相手、
運が良いのか悪いのか・・・
「あんただよな?緑谷出久って」
「・・・人の背後に、いきなり幽霊みたいに立つのは、感心しないな?」
・・・さて、どうくるかな?
「・・・フッ、おぉっと、悪い悪い」
・・・確認がしたかったのか?
「・・・緑谷、
「・・・奴の個性のキーワードは『回答』、って事で良いか?」
「あぁ。詳しくは控え室で話すから、来てくれるか?」
ふむ。取り敢えず、尾白から情報も貰わないとな。レク観戦はその後だ。
『よーし、それじゃあトーナメントはひとまず置いといてイッツ束の間!楽しく遊ぶぞレクリエーション!』
・・・何時も思うけど、何でプレゼントマイクはあんなハイテンションをキープ出来るんだ?
─少年会話中・・・─
「なるほどな。大体分かった」
纏めると、
・アイツが意識して発した言葉に
・ある程度の衝撃で解ける
か・・・良し!
「攻略法なら思い付いたぜ」
「マジか!?流石緑谷!・・・なぁ、すごい勝手な事言うけどさ・・・俺の分も、頑張ってくれな」
「おう、当然だ!さてと、三奈のチアリーディングでも見てくるかな!」
さぁて、心繰はどんな顔をするのやら・・・
─レクリエーション観戦中─
うん、やっぱ三奈凄いわ。普通にバック転バック宙やってのけたんだもん。そこん所は観客も盛大に沸いた。ぶっつけ本番の中に一人だけプロ混じってるみたいだった。
と、そうしてる間に・・・
『ヘイガイズ!アァユゥレディ!?』
ほら来た、プレゼントマイクの耳ぶっ殺しに来てんのかって程の大音量。
『色々やってきましたがぁ!?結局コレだろガチンコ勝負!!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな!!心・技・体に知恵知識!総動員して駆け上がりやがれェ!!!ヘェイ!!』
マイクのくっそ五月蠅いガイダンスを聞き流しながら、俺は首元にあるメモリを挿した。そうすると、右目の視界の端で揺れる俺の髪が一束真っ白に染まる。
「よう、緑谷少年」
この声は・・・
「よう、オールマイト。様子でも見に来たか?」
俺はトゥルーフォームのオールマイトに向き直り、答える。
「ははは、まぁな。しかし、君のお陰で活動限界が延びたとは言え、やはり長時間の変身維持はキツいよ」
「だろうな。無茶はしても良いが、殺されそうになっても死ぬなよ?まだ後継ぎ見つけてねぇんだろ?」
俺は小首を傾げて肩をすくめ、右目をウィンクしながら言う。
「ははは!案ずるな。それより、対策は練っているのかい?見た所、髪が変色しているようだが・・・」
あぁ、これか。
「俺はメモリを体に挿すと、出力セーブ状態ではこうなるんだよ。
「そうか・・・頑張れよ!」
オールマイトはサムズアップしてきた。
「おう!勝ってくる!」
勿論俺はサムズアップで返し、スタジアムに出た。
『一回戦!強スギィ~!末恐ろしいぜ仮面ライダー!ヒーロー科、緑谷出久!!
俺はステージに上がり、手首をたっくん風にスナップさせる。因みにロストドライバーはさっきミッドナイトに申告したから装着OKだ・・・にしても心繰、雰囲気が完全にヤサグルマさんのそれなんだが・・・まぁ良いか。
『ルールは簡単!相手を場外に落とすか、行動不能にするか、「参った」と言わせたら勝ちのガチマッチ!怪我上等!!こちとらリカバリーガールがいっから!一旦良心とか思い遣りとかシャットダウンしちまえ!だがまぁ勿論命に関わるようなヤツは即アウト!殺すんじゃなくて捕まえるための拳だからな!』
「参った、か・・・わかるかい、緑谷出久。これは心の強さを問われる戦い」
心・・・罅割れだらけの水晶玉って感じだろうな~俺のは。それも所々黒ずんだ。
「強く想う
うん、そこは共感できる。
『そんじゃ早速始めよか!!』
「あの
(ここで煽って答えさせれば洗脳成立。恨み買っちまう事になるかも知れないけど・・・)
『レディィィィ!!スタートッ!!!』
「チャンスをドブに捨てる何て馬鹿だと思わないか?」
(ここで乗せてしまえば、俺の勝ちは確定だ!)
・・・と、思っているのは分かっている。だから、敢えてそれに乗ってやる。
「お前ヒドいんj・・・」
来た!
「俺の、勝ちだ」
<アアア!セッカク忠告シタノニ!!
『オイオイどうした!盛り上げてくれよ大事な初戦だぞ!?』
なるほど、コレは・・・金縛りみたいに、随意筋が言うこと聞かなくなってんな・・・!
『緑谷、開始早々・・・完全停止!?ぼけっとした顔で直立不動!心繰の個性か!?全っっっっっ然目立ってなかったけど彼、ひょっとしてヤベー奴なのか!!!』
さぁて、初っ端からデカい掛けに出ちまったが・・・
「緑谷出久、お前は良いよなぁ・・・こんな風にしか勝てねぇ俺を嗤えよ・・・『そのまま振り向いて、場外まで
!!良し!コレで・・・後3歩・・・
「何やってんだ出久ゥ!!!」
心配すんなかっちゃん。後2歩・・・
「出久ーーー!!!」
「気合い見せな出久ゥ!!!」
ははは、フランに勇義まで・・・後1歩・・・今!
─ぐらっ─
『お?』
「!?」
俺は
─ビタンッ!─
ぶっ倒れる!何故転けたか。簡単だ、俺が体に挿したのは【スパイダー】。その能力で、試合直前の手首スナップの時に粘着糸を地面に飛ばして即席のトリモチトラップにした。ちっとばかし痛かったが、この程度の衝撃があれば・・・
「・・・あ”ぁぁぁっ」
思った通り、洗脳も解けてくれたな。首も回せてスッキリしたし・・・さて、こっからは・・・
「・・・勝利の法則は、決まったな」
俺のターンだ!
「っ!?な、何だよ、勝利の法則って・・・もう勝ったつもりかよ!」
こう言うのは無視すれば・・・
「・・・お前は後──」
俺は右手を心繰に向け、親指と小指を折り曲げる。
「──3手で、詰む」
「ッ!!!」
やっぱりな。どうやら発した言葉の答えになるように意識した言葉じゃないと、洗脳には掛からんらしい。
「な、舐めんなッ!!!」
大振りに殴りかかって来た。やはり戦闘は不慣れらしいな。動きが全然だ。
「1ッ!」
─ドッ─
「グッ・・・ゴァァ・・・」
そして俺は『1』のカウントの後、その拳をかわして胸に拳撃を叩き込んで2m程後退させる。
「くっそ・・・!!っクッ」
ガードか。だが・・・
─ゴッ─
「2ィッ!」
─ドゴッ─
無駄だ。俺はガードの上から殴りつけ、更に強く押し込んで吹っ飛ばした。さぁ、次で最後・・・じゃ、無かったな・・・クソッ。
「しまった・・・1手、早すぎた・・・」
「し、心繰場外!勝者、緑谷出久!!」
俺は首筋からスパイダーメモリを引き抜く。相手に喋らせる暇を与えない為には
『み・・・緑谷出久怖えぇぇぇ!!機械みたいに淡々と攻撃してたぞ最後!!』
うん、まぁ怖いわな。俺も最初
『ま、心繰に対しては合理的な戦法ではあるな。喋らせず、ただ淡々と攻撃し続ける。しかも、最初に攻撃回数を宣言したのも、相手をテンパらせるには効果的だ』
そして、俺達はお互いに礼をして、互いのクラス場所に戻る。が、
「おい、心繰!」
「・・・何だ?」
「お前、明らかに自分の個性にコンプレックス抱えてるみたいだが・・・耳澄ましてみろ」
「あ?何言って・・・!」
<イヤー、残念ナガラ負ケチャッタケド、アノ子人質トラレテル時トカ強イヨナ!
<アレガ普通科トカ、雄英バカダロ?
・・・そう、きっと今まで敵向きだと言われてきたであろうその個性だが・・・
「ヒーローとして、結構使える個性だぜ、
「!!ま、まさかお前、この為に最初わざと・・・」
「さぁな?だが・・・お前は周りが何と言おうとその声を撥ね退けて、一生懸命、自分の夢を真っ直ぐ追いかけている。そんなヤツだから、つい応援したくなっちまったのかも、な?じゃあな」
そして俺はブラッドスタークのような飄々とした口調で締め、帰ろうとする。
「おい!」
が、今度は心繰に呼び止められた。
「礼は言わないぞ。俺は、絶対に資格を取って、必ずヒーローになるからな!」
「・・・フッ。チャオ♪」
俺は右手を肩の高さまであげ、親指を立てた。
・・・その時、ミッドナイトがものっすごいウットリ顔で滝のように涎を垂れ流していたのは見なかった事にしよう・・・
さぁ、次は轟だ。だが俺は負けない。絶対に・・・
to be continued
「今回もまた、色々とぶっ込んでくれちゃったな~作者?」
『そうだな。シナリオ的にはこうしたかったんだ。因みに最初の思考読みはダークカブト対カブトの時のヤツで、その直前の言動は矢車想のものだ』
「ふ~ん。ま、俺ちゃんは三奈ちゃんを始めA組女子のパンチラ写真撮れたしコレで【ジョーカー!マキシマムドライブ!】えぇぇぇ!!ま、待ってくれ!話せば、話せば解r『聞く耳持たん』ほぎゃぁぁぁぁ!!」
『さぁ、地獄を楽しみな!!では皆様、今回も閲覧、ありがとうございました!これからも宜しくお願いします!』