僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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さて、ここでいっちょ、かっちゃんの原作改変がかなり動いてきます!


第33話・雄英体育祭5/クラスメイトのM

出久の試合が終わり、第二試合に備えるため、轟はステージに向かっていた。

「・・・邪魔。退いて」

「醜態ばかりだな、氷火」

が、エンデヴァーが待ち伏せており、轟に声をかける。それを聞いて轟は目を吊り上げた。

「左の"炎熱(ちから)"を使えば、障害物競争も騎馬戦も圧倒できたハズだろ」

「・・・・・・」

轟は黙って、心の中で燃えたぎる怒り、憎しみに必死に蓋をしながらエンデヴァーの横を通り抜けた。

「良い加減、子供じみた反抗を止めろ。昔から言っているだろう。お前には、オールマイトを超える義務がある」

「・・・ッ!」

ギリギリと歯を食いしばり、目を見開き、轟は歩き続ける。

「分かってるのか?お前は兄さん等とは違う。お前は・・・最高傑作なんだぞ!」

「何時も何時もそればっかり・・・他のは考えられないの?人を道具以上に見られないクズ人間!私は母さんの力だけで勝ち上がる!お前の力は、戦いでは絶対に使わない!」

轟は声を荒げ、足を早める。

学生の内(いま)は通用したとしても・・・すぐに、限界が来るぞ」

エンデヴァーの言葉を聞いた轟の顔は・・・強い憎悪に歪んでいた。

 

(出久サイド)

さて、試合が終わって席に戻って来た所だが・・・

「もぉ~、心配したんだからね!」

「あんなヒヤヒヤするような戦いすんなや!負けるんじゃねぇかと肝冷えたわ!!」

「あはは、スマン。あれ以外の策が思い付かなくてな・・・」

うん、絶賛集中砲火を喰らっている。

「ったく、勝ったから良かったモノの・・・」

「走って跳べ!なんて命令だったら即アウトだったよ!?」

「・・・ぐうの音も出ん・・・と、次は轟対瀬呂か。どうなることやら」

結構無理があるが、まぁ言わないよりマシだろう。

『スタート!!!』

「・・・お、瀬呂のヤツ、凍らされる前にテープで巻き取ったか。そのまま場外に放り出すつもりだな?だが・・・」

物体で繋がってるって事は、その物質を導線に瞬間凍結しに来r

─ズガァァァン!!!─

・・・えっと・・・うん、東京ドームと良い勝負をする高さであろう、このスタジアムの壁を、更に15~20mはオーバーするほどの大氷壁を一瞬で作りやがった・・・過剰適合に近い俺が、アイスエイジの70~80%のマキシマム使って漸く出る出力(レベル)・・・だが、その大技を放ち、凍らせた瀬呂を左手で解凍する轟の背中は何故か・・・

「泣いてる?」

何故か俺には、酷く悲し気に見えた。

 

──ステージ乾燥中──

 

『さぁて!ステージ乾いたし次行くぞ次ィ!』

「次はウチの上鳴対、入試4位の塩崎茨(しおざき・いばら)か。個性は伸縮自在な上に切り離し可能の蔓に変質した頭髪・・・あ!」

早速分析を始めた俺だったが、もう既に決着のヴィジョンが見えてしまった。

「あ?どうした出久」

「何か感じた?」

感じた?ってどういう質問だよ三奈。まぁ・・・

「見てろ、上鳴の性格なら轟の真似しようとして確実に自爆するから。つかナンパしてるなアイツ。これは地獄になるぞ~」

「え、轟の真似・・・開幕ブッ放のこt」

─バリリリリリリッ!!─

瞬間、ステージが閃光に包まれた。やっぱり無差別放電しやがったな?そして結果は・・・

「・・・何やってんだあのアホ面」

塩崎の蔓に捕まっていた。そして案の定、今の電撃で脳がショートしちまって見事なアホ面晒してやがる。小学生が描いた『ぼくのおにいちゃん』みたいな感じだな。取り敢えず此処は、

「プッ・・・クックククク、アァッハッハッハッハ!!」

笑うしかない。だってあの蔦自由に操れるんだ。それを地面に突き立ててアースにするなんていう初歩的な、尚且つさっき騎馬戦で俺がやったのと全く同じ電撃対策だから分かるだろ!?なのに引っかかっちまうんだから。しかも加減して様子見りゃ良いのに全力発電するもんだから一発でアホになって・・・もう笑うしかない!」

「オイ!口に出てんぞ」

あ・・・

「しまった・・・またやった・・・因みに何処からだ?」

「『だってあの蔓』ん所」

「ほぼ最初からか・・・」

この癖直さないとな~。戦闘中とかは適度に緊張するから無いけど、こういう気が抜ける時に出るんだよな~。

・・・で、次は飯田対発目だが・・・

「あぁ~あ、あ~あ・・・ありゃもう発目の術中に首までドップリハマっちまってるわ」

何故なら、飯田も発目が造ったサポートアイテム使っているからだ。大方『平等に戦いたい』とか言って真面目君の飯田を釣ったな?アレは完全に広告塔にされるぞ~・・・

で、結局・・・

「よし!余す事無く全てお伝え出来ました!故に、もう未練などありません!」

「だましたなぁぁぁぁッ!!!」

宣伝するだけしてから自分で場外に降りやがったよ。全く売り込み魂逞しいと言うか・・・

「ッシ・・・そろそろ、控え室行ってくるね・・・」

「おう。行ってらっさい・・・」

麗日、顔暗かったな・・・ま、対戦相手がかっちゃんだから、しょうがないか。三奈と常闇の試合見たら、様子見に行くかな。

 

─割愛─

 

「よう、調子はどうだ?」

俺は見るからに緊張している麗日に話し掛ける。あと飯田も様子を見に来たらしい。

「緑谷君!観なくて良いのか?あと何なんだあのサポート科生徒」

「あぁ、へそレーザー(青山)は三奈が必須アイテムのベルトを溶かして、後は顎擦るハイキックで脳味噌揺らして秒殺、常闇は八百万の用意した武器や盾(モノ)全部封殺って感じの短期決戦だったからな。あと飯田、発目に感じちゃあ、あれは悪いが利用されたお前が悪いとしか言えねぇな。宣誓で言ったろ?『使えるモンは何でも利用しろ』って。アイツはその鏡だよ・・・さて、麗日・・・怖いか?」

「ッ!・・・そう、やね。何せ、あの爆豪くんやもん」

まぁ性格かなり軟化したと言っても、爆破(アレ)は怖いわな。

「だが、流石の爆豪君でも、女子に向かって本気の爆発は・・・」

「するぞかっちゃんは。一切の躊躇無く、無慈悲に。皆本気なんだ。その中で、『相手が女子だから』って理由で加減するのは単なる侮辱以外の何でもない。そんな事はしねぇよ」

そもそも、かっちゃんは戦いの場では男女平等がデフォだしな。

「で、麗日にも出来そうな対策はある。このノートに書き留めてあるが・・・いるか?」

そう言って俺は、ズボン後ろに挟んであったノートを見せる。まぁきっと・・・

「ううん、いい」

「な何!?良いのか麗日君!?」

やっぱりな・・・

「そう言うと思った。まぁ、頑張れ。勝てたら、俺が一食奢ってやるよ!」

「出久君・・・」

「まぁチャレンジメニュー一択だがな?」

「ウチを殺す気かな!?」

おぉう、思ったより凄い反応したな。

「はは、でもま、今ので緊張は少し和らいだろ?」

「あれ、ほんまや」

「ふっ、昔、兄さんが言っていた。戦場では、過緊張による一瞬の硬直が死に直結する。だから、任務前には仲間と冗談を飛ばしあって、リラックスしてから始めるんだ、ってな」

天道語録風に言ってみた。

「・・・ップ、アハハハハ!スゴいねその人!よし、気持ちは十分!じゃ、出久君、決勝で会おうぜ!」

・・・サムズアップした右手がまだ少し震えてるが、こんだけ虚勢でも張れれば十分だな。

「・・・おう!行ってこい!」

それに俺もサムズアップで返す。さぁて、観戦しに行きますか!

 

(出久サイド→勝己サイド)

 

「さぁて、何してくるか・・・」

俺は今、控え室で麗日対策を考えている。

「取り敢えず、触られねぇように常に距離を置いて・・・つーかデータが少なすぎだ」

まぁ、出久が筋が良いって言うぐらいだ。ぜってー油断出来ねぇ。

「っと、そろそろか・・・」

俺は負けねぇ。ぜってー勝つ!そう胸の中で繰り返し、集中力を高めながら、俺はステージに向かう。

『さぁて!いよいよ一回戦最後の一組!中学からちょっとした有名人!!堅気の顔じゃねぇ。ヒーロー科、爆豪勝己!!(バーサス)・・・俺正直こっち応援したい。ヒーロー科、麗日お茶子!!』

「オイコラプレゼントマイク!!公私混同してんじゃねぇぞ!!!」

『何となく一番言われたくねぇヤツに言われた!?』

ひでぇなオイ。

『レディ!スタート!!!』

─ダッ─

やっぱり・・・

「近付くしかねぇよなァ!!」

低姿勢で真っ直ぐ突っ込んでくる麗日に対し俺は・・・

─BOOOOM!!!─

強めの爆発で迎撃する!アイツの個性ならかわすより迎え撃つ!

『ウッヘ、容赦ねぇなあオイ!!』

クソウゼェ実況は無視して・・・!

「そぉこかァ!!」

爆発の煙幕に紛れてまた正面突破か!もう・・・

「ネタ割れてん・・・!?」

ジャージの上着!?浮かして囮にしたか!なら本人は・・・

「ウォリャァァァ!!」

横から来たァ!!

─BOOOOM!!!─

「うあっ!」

「俺の反射神経ナメんなや」

・・・アイツ、根性スゲェな。今のもかなり強めだったが・・・まだ立ち上がってくる。

「ウオォォォォッ!」

また突っ込んで来た。何だ?自棄でも起こしやがったか?と思ってる間にもまた突っ込んで来やがる。ホントに何なんだ?

「オイテメェ!何企んでやがる!」

「・・・へへへ、ウチはそんな頭強ぉ無いし、コレしか無いだけなんよ!!」

クッ、また来やがったか。

 

─5分後─

 

今何度目だ?軽く20発はブッ放したが・・・アイツ、まだ全然目が死んでねぇ。

「女の子痛ぶって遊ぶなよ!」

「さっさと場外にでも投げ飛ばせ!」

チッ、外野のモブどもがうるっせぇな!

『正直俺もそう思イッテ!?ちょ、痛ぇじゃねぇかよイレイザー!!』

『オイ今遊んでるって言ったヤツ、プロ何年目だ!本気で言ってんなら今すぐ帰れ!そんで転職サイトでも観てろ!アイツは麗日の根性みて、自分を負かす要素を感じ取ったから、加減も油断も出来ねぇんだよ!』

・・・ハッ、担任教師からの助け船とは、ありがてぇ。

「ありがとね、爆豪君・・・油断しないでくれて」

「あ?何言って・・・!?」

何だ、何かおかしいぞこのステージ!さっきまで俺は低姿勢の麗日に向かって爆破してた。なら、何で()()()()()がねぇんだ!?

「・・・解除ッ!」

!!!

「上かぁぁぁッ!!!」

なるほどなァ。下に向けて爆破させて、その爆破で出来た煙幕の中でデケェ瓦礫を見つけて浮かして、空中に武器貯えてたかッ!!だがな・・・

─BBBBBBOOOOM!!!─

足りねぇなぁ!右の全力爆破で全部粉々だ!

「惜しかったなッ!?」

─ドッ─

ギッ!?何だ!?何が・・・!もう一つ、掌サイズの隠し持って・・・ヤベェ!思っきし鳩尾に入ったせいで、身体が言うこときかねぇ!!

「オォォオラァァァア!!!」

「!?ッギ!!」

コイツッ!自分浮かして挟み蹴り!?あ、頭ロックされて・・・

─(首が折れる音)─

「!?!?!?ッボラァ!!」

「グハッ!!」

「ッハァ、ハァ・・・」

な、何だ今の!?今ハッキリ、俺の首が、へし折られるヴィジョンが見えて・・・とっさに右手でアイツの脇腹殴り付けて・・・!アイツは!?

「麗日場外!勝者爆豪!」

いた・・・お、おい、何か・・・

「ピクリとも・・・動いてねぇ?」

ッ!?一瞬で嫌な汗が噴き出した俺は、慌てて麗日の駆け寄る!何か実況がブツクサ言ってるが関係ねぇ!

「おい!おい麗日!大丈夫か!?オイ!!」

俺は麗日を抱き起こして息を確認する・・・ハァ・・・

「よ、良かった」

息、してた・・・全く、ヒヤヒヤさせやがって・・・つうか!

「オイコラ救護ロボ何やってんだ!早よ医務室に運んだれや!!」

 

その後、麗日はしっかり運ばれて行った・・・にしても・・・

「俺、何であんなに焦ったんだ?」

それだけじゃねぇ。何で息確認した時、あんなに安心したんだ?

何だ?何なんだ?この・・・気持ちは・・・・・・?

 

to be continued




「あれ・・・?かっちゃんまさかッ!?」
『どうした?』
「・・・ン”ッン、いや、何でもない。(読者の楽しみ奪う訳には行かんからな)
『何か言った?』
「ヴェッマリモ!」
『お前ホントネタ突っ込むよな・・・さて、今回は三奈にカブトキックをしてもらいましたね』
「原作じゃアッパーカットだよな」
『あ、因みにデップーの原作知識は後書き空間だけですのでご安心を』
「って言うか、今回解説する事無くね?」
『じゃ終わろうか。閲覧ありがとうございました!』
「次回もお楽しみに!」

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