僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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ツンデレって難しい・・・おかしいところあったらご指摘下さいな。


第34話・雄英体育祭6/欲望のR

(出久サイド)

「う、麗日すげぇ・・・」

「まさか、あんな技を残しているとは!」

「爆豪ちゃん相手に、かなり善戦したんじゃないかしら。お茶子ちゃん」

試合後、皆口々に感想を語る。だがな・・・

「俺は、かっちゃんが麗日を抱き起こす時の顔に驚いた」

「え?」

「どういう事?緑谷ちゃん?」

俺の言葉に、皆は疑問を口にする。

「あんなかっちゃん、俺の知る限り初めてだ。あんな・・・人を心から心配して、無事で良かったと本気で安心した顔は・・・」

「確かに・・・」

「言われてみれば、何時もの爆豪ちゃんからは、ちょっと想像付かない顔してたわね」

ま、そんだけかっちゃんが優しさを持てたって事かな?

「取り敢えず、様子見に行ってくるわ。アフターケアじゃねぇけど、誰かと話した方が楽かも知れん」

そう言い、俺は控え室に向かった。

 

「あ、かっちゃん」

「おう、出久か」

その途中、かっちゃんに鉢合わせた・・・聞いてみるかな。

「かっちゃん、変わったな」

「・・・変わった・・・確かに、変わったかもな」

・・・あれ?かっちゃんって、こんな穏やかな笑顔出来たっけ?

「で、どうだった?麗日は」

「・・・」

あ、しっかり考えてくれてるわ。

「・・・強かった。お前が見込んだだけの事はある。そう思った」

「おお、認るほど強かったか」

・・・もう一昔前のかっちゃんしか知らないヤツが見たら「誰だお前!?」ってなるな。中学の時の取り巻きとか絶対。

「ただなぁ、気になる事があんだ」

「ん?言ってみ」

「その・・・最後、麗日を殴り飛ばした時な?・・・一瞬、本気で死んじまったんじゃないかって、気が気じゃ無くなって・・・息してるって分かったら、今度は逆に物凄く安心して・・・何なんだろうな、この気持ち・・・なぁ出久、分らねぇか・・・?」

「・・・」

・・・マジかいな。

「あぁ~、俺は、人の心の中までは調べられねぇからな。悪ぃな」

嘘は言っていない。

「そうか・・・なら言いんだ。ありがとよ」

・・・その気持ちの答えは、自分で出すもんだぜ、かっちゃん。あ、そうだ。

「気になるならさ、麗日と話して来れば?今後の進展にも、何かあるかもしれないし。あ、医務室で観るんなら、このスタッグフォンに映像リアルタイムで送るから使え」

そう言って、俺はかっちゃんにスタッグフォンを渡す。

「じゃ、チャオ♪」

さて、どうなるかは君次第だぜ、かっちゃん。

 

(出久サイド→勝己サイド)

 

「・・・」

会いに行く、か・・・そうしてみるか。

「つぅか、思ったより近くに来てたか」

もう目の前だったわ。さて、入るか・・・!

「・・・(ううう・・・ひっぐ・・・)・・・」

・・・泣いてる・・・そうか、そりゃそうだよな・・・だが、俺は決めた事は曲げねぇ主義だ。俺は扉をノックし

─ガチャッ─

「へ?」

「あ・・・」

ようとしたら麗日が出て来た・・・何て話しかけたら・・・

「ば、ばばばッ爆豪君!?何でここに!?」

「あぁ、その、何だ。お前の様子見に来たんだ。大丈夫か?」

何とか無理やり繋げた。

「あはは、だ、大丈夫だよ?どしたん?」

・・・チッ、イライラするなぁ。

「嘘付け。無理してんのは見りゃ分かるわ。顔青いし、内臓にモロ入ったろ」

「っ!・・・ははは、やっぱりかなわへんな~・・・」

「んなこたねぇよ。さっきの試合、特に最後の挟み蹴りじゃ、本気で首もがれると思った。だからつい、全力で殴っちまって、その・・・すまねぇ」

・・・何でだ?何で、麗日の顔が見れねぇ・・・?

「・・・優しいね、爆豪君」

ッ!?そ、その笑顔・・・

「かっ、勘違いすんな!俺はお前の身体に何かあったら後が面倒だから心配してただけだ!ほら、水飲んどけ!」

「あ、でも心配はしてくれとったんやね!それに今丁度水欲しくて。ありがとう!」

「ッ!」

墓穴掘ったァ!!

「ッ~~!ほら!出久がそのケータイで試合観ろってよ!じゃあな!」

ケータイ渡したし、俺はもう戻る!

「ば、爆豪君!」

「何だ!」

これ以上は冷静さ保てねぇぞ!

「い、一緒に観ぃひん?」

・・・ハァ!?

「何でだ!」

「いやだってその、ひ、独りで観るより誰かと一緒に観たいし・・・だ、ダメ・・・かな?」

ッッッ~~!こ、コイツ!涙目上目遣いとか反則だろうが!こんな顔されたら・・・

「アァァもうわぁったよ!観りゃいいんだろぉが観りゃよ!わぁったから泣くなや!」

クッソ~あんなんで帰ったら後味悪ぃじゃねぇか!

・・・だが・・・何だ?悪く無い、って・・・思ってんのか?クッソ分からん!

 

(勝己サイド→出久サイド)

 

「さて、いよいよ轟戦か・・・」

俺はステージに向か──

「おぉ、いたいた」

──おうとしたらエンデヴァーに出くわした。

「君の噂は聞いているぞ、仮面ライダーエターナル。俺の娘には、将来オールマイトを越えてもらわねばならんからな。そのためのテストベッドに丁度良い。無様な戦い方だけはしてくれるなよ?」

・・・コイツ、俺の事大嫌いだな。口ではこう言ってるが、目に篭もった濃密な敵意は隠せてない。

「ふん、一つ言っておこう。轟氷火(彼女)轟氷火(彼女)だ。アンタじゃあ無い。アンタの夢を継ぎたいと彼女が言ったのか?違うだろう。彼女の道は彼女自身が決めるものだ。アンタが好き勝手に弄くり回して良いモノじゃないんだよ。少し調べさせてもらったが、あんたの所は4人兄弟で、彼女はその末っ子らしいな。良い出来のモノを作り、ソイツの生き方を縛り付け、戦いを強要する。ハッキリ言おう。アンタのやっている事は、生物兵器を作る(ウィル達以外の)マッドサイエンティストと何ら変わりはない。アンタは俺が嫌いらしいな?奇遇なことに、俺もアンタが嫌いだ。人を道具としてしか認識しないその考え方、兄貴が戦った最悪の敵とソックリだ!」

コイツはアイズドーパント(ドクター・プロスペクト)に似ている。アイツも同じようなことをしていた。違いと言えば、出来損ないと判断したモノを(始末)したか否か、それだけだ。

「じゃ、俺はコレで・・・」

俺はエンデヴァーの横を通り抜ける。幸い、それ以上絡んでくる事は無かった。

 

「来たね・・・」

俺はステージに上り、轟と対峙する。やはり彼女は、冷め切った、悲し気な顔をしている。

『今回の体育祭の成績トップクラス同士!!まさに両雄並び立ち!!』

『まぁ轟は女子だが・・・』

『細けぇ事は置いといて、緑谷(バーサス)轟!!スタート!!!』

【エターナル!】

「変身ッ!」

【エターナル!~♪~♪】

俺は即、エターナルに変身する。

「ウォォォォォォ!!!」

「エターナルゥゥゥ!」

ファンが居たんだろう。一瞬で観客席が沸騰した。と、今まで通り轟は・・・

─ズアッ!─

ほら来た開幕ブッ放の大氷結!だが・・・

『おぉっと!緑谷、いやエターナル!氷に飲み込まれちまったぞ!?どうなるんだァァ!?』

そんな五月蝿い実況は無視して・・・

─バリィッ!─

氷をぶち抜く。

『おぉ!エターナルは氷を砕いて出て来やがったぞ!どういうパワーだよあれ!?』

『体力テストでは生身でもう人間って呼べるか怪しい域に腰あたりまで浸かってたからな。それが変身して強化されたんだ』

「ふん、足りんな。さぁ、また馬鹿の1つ覚えみたいに凍らせてみろよ。ホラホラホラホラ!早く早く早く早く(ハリーハリーハリーハリー)!!!」

ここぞとばかりに俺は煽る。そしてまた凍らせて来るが・・・

【オーシャン!マキシマムドライブ!】

俺は目の前に大量の水を召喚する。そうすれば、彼女の冷気はモノを透過出来ないから・・・

─バキバキバキバキッ!!─

「なっ!?」

この通り、水だけ凍って、その氷が冷気を遮る盾になってくれる。

『オイオイ!エターナルの前にデケェ氷が出来たぞ!』

『なるほど、水出して敢えて凍らせることで盾にしたか。おっそろしい判断力だな』

そんなことを言う実況はさておき、俺は目の前の氷壁を

【ジョーカー!マキシマムドライブ!】

砕いて、吹っ飛ばす!そうすれば飛んでくる散弾(ショットシェル)みたいな氷片を防ぐために彼女は・・・

─パキパキ!バリバリン!─

「やっぱり凍らせるしか無いよなぁ?」

また氷の壁を作る。まぁ一瞬で砕け散ったが。そして、もう彼女の身体には霜が降りてる。

っと、今度は高台作って接近しようってか?

「させるかよ」

俺はトリガーマグナムを呼び出し、氷で作った足場を砕くッ!?あそこで俺に向かって右手から氷の棒を・・・

「危ッ!」

俺はバックステップで避け・・・しまった右手が下に向いてるって事は

─バキバキッ!─

やっぱり着地からの即氷結!なら・・・

【ジョーカー!マキシマムドライブ!】

「『切札・ライダーパンチ』!」

拳圧で吹き飛ばす!

「さっきよりかなり強いね。近付くなって事?」

「『宣言』したからな。符名を」

やっぱり技名言った方が威力出るな。にしてもさっきから・・・

〈もうそこらのプロ以上だろ

〈スゲェな~

〈流石No.2の娘・・・

「ごめんね。ありがとう緑谷。お陰で、(クズ)の顔が曇った」

・・・ヤッパリなぁ。

『さぁて!さっきから防戦一方のエターナル!ここからどうなるのかぁ!』

全く・・・本当に・・・

「イライラすんだよ!」

「ッ!」

お、半歩下がったな~。今のは我ながら、かなりドスの利いた声出たからなぁ~。ドン引きしたか?

「ったくよぉ・・・お前、さっきからシバリングしてるよなぁ。自分の冷気で体温下がっちまってんだろォ?本気で勝ちたいんなら左使え!全員が本気でやってんのによォ、それなのに始まってからずぅっとお前はァ、チラチラチラチラ観客席のクズとやらの表情(カオ)伺いやがって!今戦ってる相手は俺だろぉが!俺だけを見て、全力で来い!」

アァ、口に出せば出すほどコイツのナメたマネにイライラして来る!

「何のつもり?全力?クズに金でも握らされた?・・・イラつく!」

だからよぉ・・・

「それはコッチのセリフだボケがァ!!」

【ヒート!マキシマムドライブ!】

ほォら、また右足の踏み込みで凍らせようとしてんな。

吸熱(アブゾーブ)!!」

周りから熱奪って・・・

─ドゴン!─

「ッ!?ガハッ!」

「ボディがァ、ガラ空きなんだよォッ!」

拳を思いっ切りヤツの腹にブチ込んだァ!

「ッアァ~・・・どぉしたぁ、そんなモンかァ?」

首を回し、轟を見やる。ッハ♪あのカオは内臓が大パニック起こしてンなぁ!

─ぴきぴき!─

「そぉらどぉした!氷も蝸牛みてぇなノロマんなってんぞォ!奪える温度もほぼ無くなってっから余計になァ!!」

その氷飛び越してェ!

「わァきバラ!」

爪先を叩っ込む!

「ったぁくよォ、確かに、お前の境遇も決心も、他人()に解るもんじゃねぇさ。だがよォ、全力も出さねぇで1位になって完全否定!?ふざけてんなァこの馬鹿!!」

「ッ~~~!クズの「お前の(モン)だろォが!!」ッ!?」

ハッ、言い訳なんざ聞いてやらん!

「何時までも自分の個性と父親結び付けて、自分の事を縛り付けるなッ!お前は生きてるんだろう!なら”個性”なんて気持ち次第で簡単に千切れる糸なんぞ切って、自分の(あした)求めて足掻け!そして掴め!!自分の(欲望)を思い出せ!!欲しいとか、なりたいとか、何かあるだろぉが!!」

「ッ!」

・・・アァ、漸く、思い出しやがったか。

─ブォオオオオ─

自分の、叶えたい(作りたい)(あした)を!!

「全く、バカは君でしょ・・・敵に塩送って・・・私だって・・・ヒーローに・・・!!」

「フッハッハッハッハ!ハッピーバァスデイ!ここが、お前の始まりだ!今まで蓋をして、見ないフリをしてきたその欲望が今目覚めた!さぁ、その欲望、開放しろ!!」

やっとこさ糸切れたな。

「氷火ァァァ!」

エンデヴァー(クソオヤジ)うっさい」

【サイクロン!マキシマムドライブ!】

「せっかくのやる気削がれてたまるかよ」

いつか使った風の防音幕を作り、音をシャットアウトする。

「・・・ごめんね。手ぇかけさせて・・・次で、お互い最後かな」

「なら、アレを披露してやる」

【バード!マキシマムドライブ!】

【ヒート!|マキシマムドライブ!】

新しくバードをスロットに叩き込み、両方ともボタンを叩く。ヒートの出力が何時もとは桁違いだ!吸熱でエネルギー溜め込んでるからな!

「行くよ緑谷!」

「来いッ!轟ッ!!『不死鳥・紅蓮()ッ!────」

すると、俺の体は浮き上がり、瞬く間に紅蓮の炎に包まれ、1羽の巨大な不死鳥と化す。その様に、轟は驚きながらも俺に左手を向け、熱を溜めている。そして俺はそのまま・・・

不死鳥撃(フェニックス)』ッ!!!」

轟に突っ込む!

「緑谷ァァァッ!!」

「轟ィィィィッ!!」

─ドッゴォォォォォン!!!!!─

クッ、何て爆発だ!冷やされて凝縮か昇華した空気が一気に気化、さらに熱膨張したかッ!そして、その蒸気の煙幕が晴れると・・・

「「・・・・・・」」

俺達が居る。どうやら、お互いに場外には出てないらしいな。

『何だよ、今の・・・お前のクラスホント何なんだよ・・・』

『散々、それこそ凝縮、あるいは昇華するほど冷やされた空気が、今の熱で一気に膨張したんだよ』

俺は掌が上に来るように右腕を、轟は左腕をそれぞれ前に伸ばした体勢で硬直している。

『ど、どうなったぁ!?2人は全く!ピクリとも!動かねぇぞぉ!?』

・・・そろそろ、限界、か・・・

「ぐっ・・・」

くッ・・・膝、着いちまった。変身も解除か・・・ははは・・・俺の、負けかな。

─ドサッ─

ん?〈ドサッ〉?

「轟戦闘不能!勝者!緑谷出久!」

あれ?轟倒れて・・・と、マズい、意識が・・・

「取り敢えず、回復・・・」

【サイクロン!】

【ヒーリング!】

【【マキシマムドライブ!】】

今この辺は空気の流れ、つまり風が激しい。ならばそれをサイクロンで操作・吸収してスタミナにしてから、それを使って身体を回復・・・っと。

「よし!回復完了。戻るか」

今回は、かなり無茶したな。コレは、また怒られるか・・・

 

to be continued




「久々に使ったな~ガオガイガーネタ」
『これを使うことは決めてた』
「所で・・・かっちゃん、青春してんなぁ。羨ましいよ~(泣)」
『ほら、解説』
「ヘイヘイ・・・今回出久が使った大技は、『J・フェニックス』って技だ。キングジェイダーが、ソール11遊星主の1柱ピア・デケムが超弩級戦艦『ピア・デケム・ピット』とギガフージョンした形態、『ピア・デケム・ピーク』対して放った捨て身の必殺技だな。バリアシステムの出力を100%にして、バリアエネルギーで全身を包んで敵に突っ込む技だ。これを使うと、バリアシステムがシャットダウンしちまって、真っ白なボディが煤けたような灰色になっちまってたなぁ」
『出久は吸収によって取り込んだエネルギーのせいで強烈なバックファイアを受けました。描写し切れてませんけど・・・』
「オイ作者ァ!!もうちょっと頑張れよ!」
「仕方ないだろ?夏休みは宿題多くて時間無いんだから。高校の宿題ナメんなよ?」
「ったく・・・あと、今回出久、浅倉憑依してなかった?」
『あぁ、浅倉の戦いも観てるからな。だから、イライラし過ぎるとたまに混ざっちまうんだ。俺もリアルで時々そうなる』
「じゃぁもうこの辺で締めようか。チャオ♪」
『唐突だな~・・・次回もお楽しみに!』

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