僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
「83・・・84・・・85・・・」
現在、12:00。出久は日課のトレーニングを、今日は少し拡張して、上裸になってやっている。因みに引子は仕事だ。
「95・・・96・・・97・・・98・・・99・・・100!っと、ふぅ。久々だな~腕立て100回、スクワット250回、腹筋背筋150回の『
出久は床においてあったプロテインシェイカーとバスタオルをとり、プロテインを一気に飲み干す。ココア味だ。そしてバスタオルをもって浴室に向かった。
(5分後)
「あぁ~っ、サッパリしたっと」
出久は5分でぬるま湯のシャワーを使って火照った体を冷まし、汗の臭いも洗い流した。
「インタビューか・・・なら、やっぱコレだな」
そう言って出久が取り出したのは、言わずもがなNEVERの制服だ。
「うん、やっぱりコレの方が落ち着くな」
そう言って出久は自室向かい、大きめのウエストポーチを2つ取り出した。そして2本のベルトが前腰と後ろ腰で交差するように左右に斜めに着ける。
「メモリガジェットは一式持って行くか」
右ポーチにバットショット、スタッグフォンを、左ポーチにデンデンセンサー、フロッグポッドを入れ、手首にスパイダーショックを着ける。
「あと・・・お前も来てくれるか?
【ギャーオ♪】
出久の問いかけに、蒼白いラプトルのようなガジェット、『ファングメモリ』は嬉しそうな鳴き声で答える。
「おっし、ありがとな、ファング」
そう言って出久は、エターナルボイルダーと並行して創ったメモリを呼び出し、家の外に出る。勿論玄関の施錠は忘れない。そして鍵を閉めたら、出久は手に持った
【ボーダー!マキシマムドライブ!】
するとエターナルエッジに紫にピンクが所々混ざったようなオーラが発生し、禍々しい雰囲気を纏う。
「さて、名前は・・・思い付いた!『境界符・スキマゲート』!」
出久は宣言すると同時に、エターナルエッジを振り下ろす。するとその軌道には空間の裂け目が開いた。中は薄暗く、そこかしこに無数の目が蠢いている。
「うわ、創った俺が言うのもなんだが、こりゃSAN値減るな・・・取り敢えず、来い!エターナルボイルダー!」
出久が呼ぶと、その裂け目──スキマから、颯爽とエターナルボイルダーが出て来る。
「よし、それじゃあ行きますか!」
そう言うと出久は白に蒼のファイアパターンが入ったヘルメットを被り、キーを回す。
「早めに行った方が良いだろ」
そして、出久はエターナルボイルダーを発進させた。
(文サイド)
どうも!清く正しい新聞記者兼ヒーロー、射命丸文です!今日は何と!今年の雄英体育祭のチャンプ、緑谷出久さんに独占インタビューです!いや~心が踊ります!コレで新聞の購入者数は鰻登り間違い無しですね~ムフフ。と、もう待ち合わせ場所の喫茶店『
と、言う間に着きました・・・ってあれ?あの変わったバイクに凭れている人って・・・
「あの~・・・」
「ん、来ましたね文さん。時間は・・・あと15分」
あ、やっぱり緑谷さんでした!
「あの、待ちましたか?」
「元々待つつもりで来ましたよ。こういうのは、待ってた方が・・・何て言ったら良いか、何となく良い気がして」
スゴい・・・コレはデートとかしたら、お相手さん初っ端からときめいちゃいます!
「所で、さっきから何をしてらしたんですか?」
やっぱり気になります!
「あぁ、コレ聞いてたんですよ」
そう言って見せてきたのは・・・あぁ~。
「確か、『time』ですよね?」
「えぇ、俺が歌ってるんです」
「あ、やっぱりそうですよね!私、実は『time』とか『W』とか好きなんですよ~。あ、うp主の『NEVER』さんって、出久さんですか?」
「嬉しいこと言ってくれますね。そう。俺がNEVERですよ」
聞いてて良かった!でも本当に、出久さんが歌う曲ってどれもメッセージ性が強くて好きなんですよね~。
「おっと。長いことだべってしまいました。取り敢えず入りましょうか」
「はい!」
─カランコロン─
「いらっしゃい。お?この前来てくれた烏のお嬢さんに出久じゃないか!久し振りだな~!どうした?」
え?マスターさんとは知り合いなんですか!?
「おう、久し振りだな~マスターク。今回は、文さんの取材だよ。テーブル空いてるか?」
「ああ、丁度4人席が空いてるぜ♪」
「じゃそこで。文さん、こっち」
「え?あ、はい!」
何か、早くも付いて行けなくなりそうですが、ここで張り付いてこそジャーナリストという者!
「え~っと・・・あ!もう直ぐ助手の椛が来ます。すいません言いそびれちゃって。あ、それと別にタメ口で大丈夫ですよ。私が敬語なのはコレが落ち着くからなので」
「なるほど、両方共に了解だ」
切り替え早いですね。
「では、取材開始です!」
文「では改めて、今回の取材を受けていただき、ありがとうございました!早速ですが、ズバリ!この取材に応じて下さった理由は?」
出久「ただの気まぐれだな。強いて言えば、こういった取材に慣れておきたかったから、かな?」
文「なるほど、確かにヒーローデビューしたら、こういう取材は増えそうですもんね!」
出久「あ、そう言えばもう一つあった」
文「ほうほう、それは?」
出久「文さんなら、面白い記事にしてくれるかと思ってな。ただの直感だがな。だが、その直感のおかげで500m先から対物ライフルで狙撃された時も何とかかわせた。それを信用して賭けてみたんだ」
文「た、対物ライフル!?」
出久「俺、一応元ヴィジランテだし。マスタークと仲良いのも、マスタークが
文「な、なるほど・・・では次です!出久さんの中で、ヒーローと敵の線引きはどうしているのでしょうか?」
出久「こりゃまた難しい質問だな~・・・そうだな~」
─カランコロン─
椛「スイマセン文さん、待たせちゃって」
文「大丈夫!私達が先に始めただけだから」
─カランコロン─
出久「お、三奈!こっちこっち!」
三奈「ゴメンね~、待った?」
出久「大丈夫、さっき始まった所だ。それに文さん、浮かんだよ」
文「お!ではでは、出久さんのヒーローと敵の線引きとは?」
出久「人の『笑顔』を護れてるか、かな。手の届く範囲の人々の笑顔を救い、護る。その事を実行出来ているなら、ヒーローかも知れない。俺はそう思ってる」
文「ナルホド、キーワードは『笑顔』、ですか?」
出久「あぁ。俺の尊敬している医者の台詞だが、『助けただけじゃ、〈救った〉事にはならない。患者を笑顔にするまでが、
文「何そのカッコいい台詞・・・」
出久「まぁ、訳あって会うことは出来ないがな」
文「そうですか。では次に、仮面ライダーエターナルは、〈メモリ〉を使って戦うみたいですが、そもそもそのメモリって、どんな物なんですか?それと、最も使い易いメモリとかはありますか?」
出久「メモリの正式名は〈ガイアメモリ〉と言い、その名の通り地球の記憶の一部を封入している。その記憶のエネルギーによって、様々な能力が使えるんだ。それと、使い易いメモリって言うのは無いな。場面場面で使い分ける。要は適材適所だ。例えば、空中戦ならバードやサイクロン、人質を捕っているならナスカ、堅い相手にはヒートとメタル、柔軟な相手にはファングなどと、戦術は無限大だ」
文「む、無限大ですか。何と言うか・・・」
椛「私達、スグ追い抜かれそうですね」
文「危惧していることを言わないの!では次です。其方の、芦戸三奈さんとの関係は?」
出&三「「彼氏彼女の関係ですが?」」
文「躊躇無く言うんですね!では今度は三奈さんに質問です!出久さんの魅力は何ですか?」
三奈「魅力・・・?う~ん・・・躊躇無く人を助けに行ける所、かな?でも同時に、危なっかしいんだよね。よく無茶するし、自分の怪我とかお構い無しな所があって・・・だから、無茶し過ぎないように、ストッパーが必要だと思っちゃうってのも、一つかな~」
文「『私が居てあげないとダメだ!』と思う訳ですね!では、出久さんから見て、三奈さんの魅力は何ですか?」
出久「そうだな~・・・やっぱり、物怖じしない所かな。そこで俺も救われたし」
文「救われた、とは?」
出久「ヴィジランテ時代は、誰かを助けても、それが終わったらヒーローが入って来て、ほぼ必ず俺にヘイトを向けたんだ。そのためか、何時も何時も怖がられながら退散していた。だが三奈だけは、怖がらずに礼を言ってくれた。『ありがとう』ってな。そして、次に会った時、俺が抱え込んでいた過去を聞いて、抱き締めてくれた。それがなかったら、半分ロボットみたいな性格のままだったか、もしくは壊れていた」
文「・・・確かに、正しい事をしたのに責められるのは・・・辛そうですもんね・・・」
出久「そこで『解る』って言わない所に好感持てるよ」
文「体験してませんからね。では次です!もし三奈さん以外をコンビにするとしたら誰ですか?」
出久「今年2位の爆豪勝己だな。俺は愛称の『かっちゃん』で呼んでいる」
文「確かに仲良さそうですもんね。さて次の質問、尊敬しているヒーローと尊敬出来ないヒーローを1人ずつお願いします!」
出久「尊敬出来ないのはエンデヴァーかな。何でかは家の事情だから言う事は出来ないが。尊敬しているのは・・・イレイザーヘッドか?何時も的確な突っ込み入れてくれるし、何より戦闘でも心強い」
文「ほうほう、わかりました!では、オールマイトについてはどう思いますか?」
出久「それは何時も思っている事がある。『もっと自分の身体大事にしろ』って」
三奈「出久が言うな!」
文「では次です。コレは私もヒジョーに気になってました!体育祭で女の子を口説いた、という噂は本当ですか!?」
出久「ゴブッ!?」←飲みかけの水が気管に入った
出久「ゲッホゲホッ、噂!?」
三奈「出久、大丈夫?」
出久「あぁ、何とかな。で、その事だが、確かに楽しくお喋りはしたが、口説いていたんじゃあ無い。知り合いだったんだ」
文「そ、そうだったんですか」ションボリ
出久「オイ待て何で今ションボリした?」
ファング【ギャーオ!】
文「わわっ、なんですかその・・・恐竜ロボ?」
三&椛「「可愛い!」」←椛尻尾パタパタ
出久「コイツはファング。俺が持ってるガジェットの1つだ。他のも見せよう」ガチャガチャ
文「えっと、ガラケーにカメラ、双眼鏡、ポッド?あと腕時計」
出久「では、見てみましょうか」
【スタッグ】【バット】【デンデン】【フロッグ】【スパイダー】
ガチャガチャガチャ!
文「おぉ~!」
出久「変形した順番に、スタッグフォン、バットショット、デンデンセンサー、フロッグポッド、スパイダーショックだ。かなり優秀だぜ?と、話が逸れたな。次の質問は?」
文「で、では最後に、ヒーローを目指す人達に一言お願いします!」
出久「ヒーローってのは、なろうと思ってなれるものじゃない。本来ヒーローってのは、罪無き人の心からの笑顔を護れた者に与えられる『称号』だ。その事を覚えておいてほしい。ま、名声や金目当てでヒーロー免許取ったヤツも、誰かを泣かすような事をしない限り否定するつもりは無いがな」
文「ナルホド深い!では、ありがとうございました!」
マスターク「終わったなら、新作飲んでいかないか?」
─取材終了─
(出久サイド)
あの後文さんは、『絶対面白い記事にするので、読んで下さいね♪』と言って帰って行った。因みに全員すぐ解散したので、三奈ともそこで別れている。俺はまだやることがないので、nascitaでコーヒーを飲んでいる。うん、不味くもなく、美味くもなく、相変わらずだな。この普通の味が落ち着く。
「さぁてと、今日はこれからどうしようか・・・4時・・・あ、スーパーのタイムセール4時半からだ!取り敢えず母さんにメールっと」
『晩飯はカツカレーで良い?』送信っと。さぁやる事は決まった!スーパー行くぞ!『ピコン!』早いな。
「『OK!』か・・・豚ロース、ジャガイモ、人参、ピーマン、ガラムマサラって所だな!玉葱は確か家にあった」
さぁ、地獄を駆け抜けるぜ!
その後、人外魔境・阿鼻叫喚と化したスーパーの食品売場で、死神のごとき体捌きで半額物争奪戦に勝利し、戦利品を掲げる少年が目撃されたのは言うまでもないだろう。
to be continued
「ベン・トーかな?」
『実際あれ最終巻まで読んだぞ。さて、今回の文のインタビューを考えて下さった『肘神さま』さん、『blackcat☆』さん、『終わりの理』さん、ありがとうございました!ヒーロー事務所のアンケートもよろしくお願いします!因みに原作に出て来る事務所だと『グラントリノ』の所か『ワイプシ』の所か悩んでます。それと、仮面ライダーの事務所は在りません。ご承知下さい』
「そう言えば、ボーダーのメモリってBBAのんっんん、ゆかりん(年増)のメモリだよな」
『全国のゆかりんファンの気持ちを代弁してやる!地獄を楽しみな!』【ボーダー!マキシマムドライブ!】
「え!待って!?なんか両手両足と腰がスキマの中で捻らrイテテテテテ!!もげる!千切れる!ぶちまける!?あぁぁぁやめて頭だけはやめt(首の骨が折れる音)」チーン
『思い知ったか』
「所で文やん可愛いな~、お付き合いしてる人居んのかな?良ければお近付きになりたいわ~!」
『復活早々それかい!!お前反省ってモンを知らんのか!まぁあの子はフリーだし、年齢は21歳とかなり若いしな。文が可愛いってのは認める』
「じゃ、次回もお楽しみに!」
『コイツに合わせるの疲れるわ・・・チャオ♪』