僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
今回は、時間が少し跳びます。ご注意下さい。
ではどうぞ!
「もっとよイズクちゃんッ!もっと激しくッ!」
「はいッ!京水姉さん!」
あれから2年たち、小学6年生になった出久は、最初の頃とは見違えるほど成長していた。苛め等も殆ど無視し、逆に苛めをする不良等を土下座させる程だ。爆豪は相変わらず無個性のデクと傲っているが、近い将来確実に手痛い竹篦返しを喰らうことになるだろう。
今、NEVERのメンバーの1人、鞭使いでありルナメモリの使い手、泉京水と模擬戦をしている。京水は勿論鞭で、出久はコンバットナイフと近接格闘で戦っていた。
「そこだ!」
出久は京水の顔目掛けて一気にナイフを突き出す。だが、
「甘いわッ!」
京水も負けじと鞭を振るった。しかし、
「それを待ってた!」
何と出久は、京水の目の前でナイフを手放したのだ。
「何事ッ!?」
当然京水は驚いた。
次の瞬間、出久は爪先を京水の腹に叩き込もうとしていた。
「ッ!!させないわッ!!」
京水は瞬時に出久の腹に拳を叩き込んだ。
「ガハッ!」
流石の出久も効いたらしく、ノックダウンしてしまう。
「其処まで!勝者、京水!」
克己の審判で模擬戦は終了。京水は構えを解き、出久に駆け寄った。
「ゲホッゲホッ・・・くっそぉ、駄目かぁ」
「いいえイズクちゃん!アナタ、結構スゴいわよ!訓練で私をここまで追いつめたのって、ここにいるNEVERのメンバーだけだった。なのに、それを破ったのよ!」
京水は出久に結構とんでも無い事をサラッとカミングアウトする。
「え?本当に!?」
「本当だぜェ!やるじゃねぇかイズク!」
「そうね。もう並の
そう言った2人はそれぞれ、棒術格闘係りでありメタルメモリの使い手、堂本剛三と、近接格闘係でありヒートメモリの使い手、羽原レイカだった。
「・・・good・score・・・」
ライフルを弄りながらそう呟いたのは、銃撃戦係りでありトリガーメモリの使い手、葦原賢だ。彼は普段から無口だが、サブマシンガンの連射で的確に敵の急所に当てるという人間離れした射撃能力をもっている。
「最近はワタシ達のドーパント体にも何とか付いてこれるようになったわよね♪」
「イズクって、努力の天才なんじゃない?」
「あはは、ありがとう。京水姐さん、レイカ姐さん、賢兄さん、アニキ」
出久はNEVERのメンバーを基本、「兄さん」、「姉さん」と呼ぶ。そしてメンバーも、そんな出久を弟のように可愛がっていた。ちなみにアニキは剛三である。
「それに加え、メモリーメモリの過剰適合によって総てのT2メモリに対して80%以上の適合率を叩き出した。エターナルに関しては、俺と同じく過剰適合者だったしな」
ナイフ格闘係りで仮面ライダーエターナルでもある克己が言う通り、出久はメモリーに過剰適合したおかげで、本来有り得ない筈の『総てのT2に対して適合率80%以上』という規格外の適合能力を得ていた。
「これだけ強くなれば、もう託せるな」
「え?何を?」
克己のセリフに出久はキョトンとし、NEVERの皆は寂しそうな顔をする。
「出久・・・俺達は、もうすぐここから消滅する。その前に・・・」
「・・・え?」
「ふぅ・・・最終試験だ。受け取れ」
そう言って克己は、懐からロストドライバーとエターナルメモリを取り出し、出久に渡した。
「それで変身して、俺を倒せ」
「な、なに言ってるんだよ克己さん!?消滅するって、どう言うこと!?」
その問い掛けに答えたのは、京水だった。
「イズクちゃん、ワタシ達は1度死んで、NEVERになったって言うのは、知ってるわよね・・・」
「うん・・・」
「そうだ。そして風都で2度目の、本当の死を迎えた。そんな不安定な存在が、こんなにも長い間形を保てたのは・・・もはや、奇跡だ」
「ま、待ってよ・・・」
「俺がお前を強くしたのは、理不尽に涙する者を救える仮面ライダーになってほしかったのと、もう一つ。俺達の意志とメモリを受け継いで貰うためだ」
「待ってったら・・・」
「お前なら、きっと出来る筈だ。それだけ強い想いと信念のあるお前なら、きっと・・・」
「待ってよ!!急にそんなこと言われても、どうすれば良いかなんて解らないよ!」
「何時も言っていただろう。自分の
「嘘なんかじゃない!」
「ならば戦え!お前は十分強くなった。育った雛は、卵の殻を破る。さぁ、『俺達』という殻を破り、生まれ変われ!!出久!!」
「ッッッ!!・・・解った!戦って、克己さんに勝つッ!!」
これから、出久は生まれ変わる。そのために戦う。師匠という名の、堅い殻を破るために・・・
To be continued
お、重い・・・書いてて心が息苦しくなった・・・
次回、出久の前に立ちはだかるのは、最高にして最強の師、大道克己。
総てを超えて、笑顔を救え!!