僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1 作:エターナルドーパント
「・・・え~っと、作者は現在発狂中なので、変わりに俺ちゃんが説明する。何と、作者が書いた文章が3回連続で吹っ飛んでパーになっちまった。しかも内2つは4000文字以上だ。悲惨だな・・・では第43話、どうぞ~
(出久サイド)
あの後、ステインはシン兄さんが無事逮捕。警察病院に運ばれて行った。アマゾンズ、デップー、ライダーガールズは永琳の許可の元戦ったので、お咎め無しらしい。良かった良かった。
「出久、聞いてるか?」
「おっと済まないリュウ兄さん。少しばかり考え事をしてた」
因みに俺はお咎め大あり。現在、路上正座でリュウ兄さんの説教をかれこれ2時間ほど受けている。そろそろ足の先が冷たくなってきた・・・
「全く・・・これはもう隠蔽出来ないが・・・表面上は隠しておくしか無いな」
溜め息混じりに呟くリュウ兄さん。
「本当に、申し訳無い」
「・・・まぁ、お前が呼んだ仲間のお陰で被害が大幅に減った事も、お前がステイン逮捕に貢献した事も事実だ。それに、現在進行形で2時間半は正座して反省している。次は無いと思えよ?」
それ警察として良いのか?という疑問は呑み込んだ。あんだけ暴れてこの程度の罰でチャラにしてもらえるんだ。口が裂けても言えん。この慈悲は有り難く受け取っておこう。
「ありがとう・・・それと、リュウ兄さん?」
「ん?何だ?」
「・・・肩、貸してもらえません?」
我ながら、締まらねぇな・・・
───出久移動中───
「緑谷君!?何故ここに!?」
俺がまず向かったのは飯田が搬送された病院だ。まぁ、安否確認、と言うのは可笑しいかも知れんが、様子は見ておきたかった。
「見舞いみたいなモンだな。で?腕はどうだ?」
確か肩に刀ブッ刺さってたが・・・
「あぁ・・・少し、腕が痺れるよ。情けない話だ。兄の仇を討とうとして、此処までやられ、ヒーローとしてやってはいけないことをしてしまったんだから・・・」
「ま、確かにそうだな。復讐心を抱くのは間違いじゃあない。だが、それに酔って呑まれてしまうと、それはもう人間ですら無くなってしまう。そして今回、お前はそこに片足突っ込んじまった。今生きてて、尚且つ突っ込んじまった片足を引っこ抜くことが出来たのはデカい儲けモンだ」
原点のアクセルも、判断力を欠いて無関係の人間を斬り殺そうとした事があったからな。
「・・・もう、俺はヒーローには・・・」
「オイオイ。成れない、なんて言うつもりじゃ無いだろうな?もし言うつもりだったなら、その答えは『否』だ」
「え?」
「今回、お前が時間稼ぎしたお陰で
「っ!」
・・・なんか、ちょっとクサい台詞だが・・・
「だから次からは、もっと周りを頼れよ。もし、また足突っ込んじまいそうになったら、その時は俺達が引っ張り出してやる・・・映司さんが言っていた。『
「ッ!!」
天道語録って便利だな。先輩達の名台詞を人に聞かせる時なんかに。
「・・・ありがとう、緑谷君。楽になった気がするよ」
よし、ここまで立ち直れば大丈夫だな。
「じゃ、警察の方の説教を楽しむと良い」
「あぁ!!・・・んん?」
「いや当たり前だから。俺等は無許可で暴れただろ?その分さ。俺はもう路上正座でツケ払ってるから。じゃあな」
そう言って俺は有無を言わさず病室を出る。さて、これからどうするか・・・
「あ、緑谷」
そんな事を考えている俺に話しかけてきたのは、かなり意外な人物だった。
「ん、轟か。アマゾンズがエンデヴァー来たって言ってたからまさかとは思ったが・・・」
多分、ステイン対策として出張にでも来てたんだろう。
「飯田の見舞いか?俺はそうだが」
「うん。これも買ってきた」
そう言って轟が持っていたコンビニのレジ袋から取り出したのは・・・
─ブルルルァア!!─
何か、スクラッシュで、潰れて流れて溢れ出てブルルルァア!!しそうな青色のパッケージのゼリー飲料・・・うん。
「・・・ドラゴン・ゼァリー?」
完璧にドラゴン・ゼリーだ・・・
「怪我、プロテイン飲めば早く治るから」
「プロテインかよコレ・・・」
そこまであの人が好きか・・・いや偶然だろうが。
「これ、箱買いしてる人もいたよ。確か・・・茶髪で編み込みしてて、青いジャケット着た」
「万丈だ(エボルト感)」
本当にこの世界ってライダーワールドのソックリさん多いな!
「知ってる人?」
「あぁ、まぁこっちが一方的に知ってるだけだがな」
適当に濁した方が良いだろ。
「じゃ、これ渡してくる」
「おう。後でな」
・・・取り敢えず、コンビニでドラゴン・ゼァリー!とロボット・ゼァリー!、あとクゥロコダイル!も探してみるか。もしかしたらラビットタンク・スパークリング!イェイェーイ!なんてのもあるかも知れん。それにプロテイン欲しいし。
「・・・ん?飯田、天晴。ここが飯田の兄貴さんがいる病室か・・・」
・・・よし!エゴ活動になっちまうが、まぁ良いだろ!
【ヒーリング!マキシマムドライブ!】
「『聖母・トワイライトヒーリング』!」
俺の宣言と共に、この病院を不可視のエネルギーが包み込む。そして、目の前の部屋にはそのエネルギーを少し多めに流し込んだ。
「脊髄損傷だったな。コレなら、1週間程で治るだろ」
流石に選り好みは良くないから、病院内に居る生物は無差別に自然治癒力が活性化するようにした。
「さてと、コンビニ行くか」
グラントリノからは門限(7時半)守れば良いって言われてるし。それで良いのかプロヒーロー・・・まぁ有り難いけど。
「緑谷」
「ん、轟。早かったな」
俺が歩き出そうとすると、すぐに轟が話しかけてきた。
「うん。挨拶してゼリー渡しただけだったから」
道理で。あ、そうだ。
「なぁ、何処で売ってたか案内してくれないか?俺も欲しい」
「ん、良いよ。こっち」
よし、これで確実にゲット出来るな!
──少年少女移動中・・・──
「凄い品揃えだな・・・」
まさかスクラッシュ系にラビタンスパ全部売ってるとは・・・良い買い物した!因みにドラゴン・ゼァリー!はサイダー味で、ロボット・ゼァリー!はコーラ味、クゥロコダイル!はエナジードリンク系だった。
「あやや!出久さんじゃありませんか!」
おっと、この特徴的な口癖は・・・
「文さんか。久しぶりだな」
「えぇ!お久しぶりです!いやーお陰様でこの前の新聞はすんごい売れましたよ!良ければまたお願いします!」
「えっと、緑谷?その人誰?」
おお、そう言えば初対面か。
「どうも、清く正しい文文。新聞を発行しております、黒翼ヒーロー『射命丸文』です!どうぞお見知り置きを♪」
何時もの自己紹介をする文さん。
「あの~、もし良ければ、これから取材させていただく事などは出来ますでしょうか?」
「俺は問題無いが・・・」
「私も大丈夫だよ」
運が良いな。
「では・・・どこかでお昼でも食べながらでどうでしょうか」
「蕎麦屋があったら行きたい!」
おぅ、食い気味で答えたな。
「そう言えば、この辺に美味しい蕎麦屋出来たらしいですよ。最近」
「じゃそこ行くか」
轟めっちゃ目キラキラしてる。どんだけ好きなんだ・・・
──3人移動中・・・──
「ここか」
結構近かったな。
「最近、口コミで広がってきてるんですよ」
「看板、出てないね。休み?」
轟が不安気に呟くが・・・
「大丈夫だ。湯を焚く匂いや、熱した油の蒸気の匂い、更に海老や蓮根、あとは・・・牛蒡か?色々と匂いがしてるからな」
・・・ん?なんか2人とも口あんぐり開けて・・・あぁ。
「俺もう人間かどうか怪しい所まで来てるからな。嗅覚も鋭いんだ」
「・・・緑谷、本当に規格外だね・・・」
「警察犬と良い勝負じゃないですか?」
「よく言われるな。それに・・・」
俺は空を指差すポーズをとり、続ける。
「天道さんが言っていた。『本物の名店は、看板さえ出していない』ってな。ほら入ってみよう」
そう言って俺は躊躇無く戸を開き、2人も続いてくる。
「いらっしゃいませ~」
やっぱり開いてたな。
「ん?あのカウンター席・・・成る程な」
「え?出久さん、どうかしたんですか?」
「いや、この時期にビニール椅子じゃないのは有り難いと思ってな」
俺が指差した椅子は、尻が当たる部分がビニールではなく、ベルトを籠のように縦横に編んで作られていた。
「あぁ!確かにこれなら、この暖かい時期でも蒸れたりしませんね!」
「そう言うことだ」
そう言いながらカウンター席に座る。うん、座り心地も良いな。
「では、何を頼みましょうか」
因みに座った順は左から、俺・文さん・轟という感じだ。文さんが真ん中の方が取材しやすいだろう。
「俺は・・・この天麩羅蕎麦だ」
海老天とかき揚げが美味そうだな。
「私はザル蕎麦」
轟はシンプルイズベストって感じだな。
「私は狐蕎麦にします」
決まった俺達は注文をさっさと済ませる。
「では、早速取材を始めましょうか!」
「おう」
文さんは手帳とペンを取り出した。
「では、出久さん。今回の事件の印象をお願いします」
印象?・・・難しいが・・・
「印象か。う~ん・・・実験、か?」
「実験、と言いますと?」
「あの暴れ回ってた量産型G共は、本来の力を活かし切れてないような気がしてな。奴らの瞬発力は、そのまま人間大にしたら1歩目から新幹線を追い抜くような加速が可能なんだ。だが、そんな事が出来た個体はいなかった。ま、詳しくは警察が研究してくれるだろう」
かなりの量を持って行ってくれたからな。
「で、纏めると?」
「あれは新兵器の実験だったんじゃないかと思っている。Gならコスパも良いし、さっき言ったようにスペックも可笑しいからな。これが蜘蛛や蟻、蜂なんかじゃなくて良かった」
「お待たせしました~」
と、早いな。まだ2~3分たったかどうかだぞ。
「では頂きましょうか!」
「「頂きます」」
まずは蕎麦と一緒にスープを一口・・・おぉ。
「鰹出汁ベースに、あっさりした醤油風味。美味いな」
最近は味が濃いものが多かったからな。余計美味い。
「この蕎麦、コシも香りも凄い!」
「このお揚げ、豆の甘味と香りが凄く濃いです!」
あぁ、本当に美味い。麺啜ってスープもう一口。次は・・・かき揚げに行くか。
「あぐ・・・」
─ザグッシャクッ─
「!!」
こ、これは蓮根!サクサクの衣を噛み砕いたら、このシャクッとした食感!更に衣がスープを抱え込む事で、スープを『食う』事が出来る!それにこの風味・・・
「山芋か」
恐らく、繋ぎに山芋を使っているんだ。これは蕎麦も進む!所々の牛蒡や人参の風味や歯触りも楽しい。
「お次は・・・海老天だ。この衣に含まれる赤っぽい粒・・・これは・・・」
取り敢えず、口に入れて噛み切る。
─ザクチュッ─
「!・・・おぉ」
こちらも大量にスープを抱え、尚且つサックリとした歯応えがしっかり生きて・・・!
「この強い風味とカリカリ感は・・・乾燥させた甲殻類の甲殻を砕いて衣に混ぜているのか!」
甲殻類の旨味の大部分は甲殻に含まれている。だから、海老フライなんかで切り落とした頭を高温の油でさっと揚げれば、良い酒の肴にもなる。その旨味の塊を混ぜて揚げているんだ!これなら、出汁の風味と混ざってまた新しい香りになる!
「・・・感慨無量、と言えば良いか・・・」
最高だ。こんなに美味い蕎麦は、恐らく初めてだな。
「ふぅ、美味かった。ごちそうさま」
「結局、大して取材出来ませんでしたね・・・」
「仕方無い。それだけここの蕎麦が美味しかった」
確かに、途中全く会話しなかったな。
「ま、文文。新聞には、さっきの考察を可能性として書くってので良いんじゃないか?あ、名前は伏せてくれ」
「わかりました!」
─ガラッ─
「え、文?出久も・・・」
・・・何か、偶然デップー(素顔)が入って来た。と言うか知り合いか?
「あ、デップーさん!」
「何?俺ちゃん差し置いて出久とデートしてたの?」
「そ、そんな訳無いじゃないですか!私は浮気なんてしませんよ!」
え、
「・・・もしかして、付き合ってんのか?」
「あぁ、そういや言ってなかったな。俺ちゃんと文はもう一線越えた仲よ」
「ちょっとデップーさん!///」
・・・うん、もうヤっちゃったって事ね。
「一線?どの線?」
「まだ良いから、知らなくて」
天然だな轟。
「お?出久、その子新しいハーレムメ”ッ!!」
股間蹴り上げて黙らせた。
「ッ~~~~~!!」
「今度余計な事言うと、口を縫い合わすぞ。OK?」
「お、OK・・・」
全く・・・
「ねぇ、ハーレm」
「お前は何も聞いていない。良いな?」
「あっはい」
食後なのに疲れたよ全く・・・
その後、轟や文さん、デップーと別れ、グラントリノの事務所に戻った。その夜、
『ブルルルァア!!ブルルルァア!!オォォラァァッ!!イェイェーイッ!!』
などという奇声が響いたという。
『俺、復活!』
「良かった~」
『でももう後書き書く気力無いから。チャオ・・・あ、評価お願いします』
「んな適当な・・・閲覧してくれた皆、すんません。そしてちゃっかりしてるなぁ・・・」