僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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『いやはや、こんなに遅れてしまって申し訳無い・・・』
「本当だぜ~全くよぉ。お陰で俺ちゃんの出番減ってるし・・・」
『いや~スマン、先週はエグゼイドのロケ地に行ってたんだよ』
「何だって!?それは本当かいッ!?」
『エグゼイド&レーザー対モータスのレースバトルの時にゲームエリアとして出たサーキット。本庄サーキットっつってな、宝生永夢ゥのサイン色紙もあったぜ!』
「じゃ、その充填したエネルギーで書き切れ!」
『おうよ、ではでは?』
「『さてさてどうなる第44話!』」


第44話・久し振りなS/出久の新技

(出久サイド)

 

「短い間でしたが、お世話になりました」

そう言い、出久は目の前の老人、グラントリノに頭を下げる。職場体験最終日の夕暮れ時、つまりはお別れだ。

「いや、俺はそんなに世話しとらんと思うぞ?」

「あ、やっぱり?」

実際、俺ってもう生身で十分人外クラスな身体能力だからな・・・

「いや、ここに居させてもらったってだけで十分世話ですよ。ありがとうございました!」

いや~にしても・・・濃かったな。ものっそい濃い職場体験だった。

「まさか、連合が来るとは思わなかった・・・」

「本当に質悪いタイミングじゃったな」

「ま、ある意味じゃ本当のヒーロー職場体験でしたね」

と言って、俺は肩を竦めてみせる。今年本当に異常すぎない?バトル漫画の主人公並みにトラブルが寄ってくるんだが・・・あれ?もしかして観測世界からしたら主人公って俺?・・・まぁ良いか。俺の人生の主人公は俺だ。

「どうした?急に難しい顔しやがって」

「いえ、少し考え事を・・・大丈夫ですよ」

と言いながら、少しおちゃらけてピラピラと手を振った。

「そう言えば気になってたんだ。グラントリノ、オールマイトを育てたって割には無名ですよね?もしかして、ヒーロー活動自体、そんなにやってなかったんじゃないですか?」

「あぁ、かつての目的の為に、個性の自由使用権が必要だったからな。資格は、その為に取っただけだ」

「言わないって事は、深く突っ込んじゃいけねぇな。ありがとうございます」

俺はまた腰を折って、停めてあるエターナルボイルダーに歩み寄る。そう言えばコイツも結構活躍してくれたな~・・・

「・・・所で小僧!」

「ん、何ですか?」

「誰だ君は!?」

は!?このタイミングでまた・・・っ!成る程ね。

「・・・『エターナル』ですよ!」

「よし!達者でな!」

・・・ふふっ、面白い人だな・・・そう思いながら、俺はボイルダーに跨がってスロットルを捻るのだった。

・・・この後、危うく永遠亭ウィリー事件の二の舞になる所だったのは内緒。

 

(デップーサイド)

 

「お?漸く俺ちゃん視点?」

ヤッハロ~、俺ちゃんデッドプール!

「何言ってるの?デップー」

おっと、フランちゃんにはまだ言ってなかったな。まぁ良いか。

「大丈夫だ。問題無い」

「答えになって無いよね?」

お、やっぱりフランちゃんは賢いな~♪

「さて、荷物の準備完了!」

・・・あぁ、天使が・・・天使が帰ってしまう・・・

「あ~・・・やっぱり帰ってほしく無~い・・・」

「ねぇデップー?彼女、居るんだよね?」

「ギクッ」

み、三奈ちゃんの鋭いジト目が刺さって痛い・・・と言うか、可愛い子は癒しなの!ねぇ皆もそう思うでしょ?ホラ、画面の前で見てる君らに言ってんの!

「いや、確かに俺ちゃんの彼女は文だけだよ?でも・・・」

俺ちゃんは周りを見渡す。目に映るのは、何時の間にかちゃっかりゴールしやがったウィルとレックスちゃん、徹夜ガチャで大爆死して真っ白に燃え尽きてる輝夜ちゃん、右手に・・・何か形容しがたい色の薬液が入った注射器持って、上目遣いで人体実験(新薬のバイト)をせがんでくるえーりん先生、何かワチャワチャやってる愉快なB,O,Wとアマゾンズ・・・

「こん中でさ・・・目の保養って、大事じゃない?」

「・・・おぉう」

一周グルッと見渡し、唸る三奈ちゃん。やっぱり解るよね。あ、因みにここの輝夜ちゃんの個性は『分離』ね。その効力が、この竹林を人喰い迷路みたいにしてるって訳。ここに直接来れるのは許可貰った出久と、ご都合主義の権化たる俺ちゃんぐらいじゃないか?

「確かに、ここって結構カオスだからね・・・」

「でしょ?だかr「でも、それとコレとはまた別だよ」えっ」

そう言ってスタッグフォンを取り出す三奈ちゃん。

「という事で、この音声データ文さんに送りつけるから♥」

「ノォォォォォォウッ!!止めて!マジでソレだけは勘弁「ゴメンもう送っちゃった☆」ノォォォォォォッ!!いやマジで文って夜のスイッチ入ったら鬼畜なんだって!初夜なんて気絶するまで絞りt─ピコンッ─ん”ん”ん”ん”ん”ん”!?」

 

文『そんなに癒しが欲しいんですか?・・・フフ、ではまたたっぷり癒やしてあげますよ♥』

 

「ノォォォォォォウッ!?」

・・・終わった。俺ちゃんもう終わりました。あぁモウダメダ。

「・・・そうだ、自己催眠しよう。と言うわけで・・・」

俺ちゃんは壁に立て掛けてある日本刀をひっ掴んで・・・

「さぁ皆さん御一緒に!せーの、LET'Sガンギマリッ!!」

─バキャッ!─

「うわっ!?何やってんの!?頭割れたよ!?」

「あぁうん何か餡ころ餅が空をバタフライがクロールで沈んでてあぁ風船が判子で俺ちゃんのケツを粉砕されるように・・・」

「「・・・ナニコレ?(思考放棄)」」

うん?何か周りがやたらと真っ白く光ってきらっしゃって・・・!

「わぁすごい・・・」

「・・・どうしたの?」

「三奈ちゃん、私悪い予感がする」

あぁ、ここが天国か・・・

「・・・見渡す限りのおっぱい・・・しゃぶりつきたい・・・」

「「メディィィィック!!」」

 

次の瞬間、俺ちゃんのお尻に電撃が走る。複数のゴンぶと注射針が肛門を貫くのはとても刺激的で、それはそれは未知の領域(エリア)だっtピチューン!

 

(サイドEND)

 

──翌日──

 

「よ、三奈とフラン。おはよう」

「おはよー出久」

「おっはよー!」

教室に入った出久の挨拶に三奈は普通の挨拶で返し、フランは・・・

─ドモンッ─

「カフッ・・・」

ボディへのタックルハグで返した。いくら人外クラスの出久でも吸血鬼のロケットタックルは流石にキツいらしく、その場に倒れ込んでしまった。どうやらモロ内臓に入ったようだ。

「あ、ゴメン・・・」

「ナイスヘッド・・・」

シュンとするフランに、出久はサムズアップする。一応大丈夫ではあるようだ。足が小鹿のように震えているが・・・

 

(出久サイド)

 

俺は腹の鈍痛から何とか立ち直り、クラスの皆を見る。うん、約一名以外は何時も通り元気だな。その約一名は勿論峰田だ。

「よぉ出久、久し振り」

と、後ろからかっちゃんが声を掛けてきた

「お、かっちゃん。久し振りだな。どうだった?麗日と、何か進展あったかい?」

「えっ・・・いや、別に・・・」

変な所でヘタレかっちゃんなんだよな~。

「お茶子ちゃん、どうだった」

「・・・有意義、やったよ」

そう言って拳で風を斬る麗日。本当に才能あるよな。

「たった一週間で凄い変化」

「変化?違うぜ上鳴・・・女ってのは、誰でも悪魔みたいな本性隠してんだよ・・・」

峰田、お前Mt.レディの所で何があった?虚ろな目で爪噛んでやがる・・・

「でも一番の変化っつうか大変だったのは、お前ら2人だよな!」

あ、俺と飯田か。

「そうそう、ヒーロー殺し!」

「・・・心配しましたわ」

「命あって何よりだぜ。マジでさ」

確かに、アイツは手強かったらしいな。確か、血の経口接種で人体を硬直させる、だったか。あれに有利なのは・・・B組の鉄哲みたいな、関節まで硬めながら動ける奴か?

「俺ニュースとか見たけどさ、ヒーロー殺しって連合とも繋がってたんだろ?」

「それは無い」

尾白の言葉を、俺は強めに否定した。アイツは、あんな烏合の衆の屑どもとは違う。

「アイツの目的は、ヒーローの意味を《英雄》に戻す事だった。その為に、金や名声目的だと判断したヒーローライセンス保有者を襲ってたんだ。一応、俺もヴィジランテ時代に同じ様な心境になった事があったからな・・・何かが違えば、俺とヒーロー殺しは兄弟のような間柄になっていただろう」

俺のギリギリと握り締めた拳を見て、三奈とフランがハッとする。同時にそれ以外のクラスメイトは、ギクリと震えた。

「い、出久・・・」

「目・・・怖いよ・・・?」

「・・・っと、スマン。過去に始末した屑どもを思い出してな。つい、殺気立っちまったよ。あぁ安心しろ。個性消去と四肢粉砕骨折に留めた。殺しちゃいない」

俺はふぅっと息を吐き出し、首をボキボキと鳴らす。まぁ、最近はマスタークのゴミ掃除(汚れ仕事)も減ってきてるみたいだし、少しはヒーローの質も回復してきたか?

「中々、壮絶だな・・・でもよ、確かにヒーロー殺し怖いけど・・・何っつーか、どっかカッコ良くね?一本気っつーか執念っつーか・・・あ・・・スマン」

「・・・」

オイ上鳴、ヒーロー殺しにほぼ再起不能レベルのダメージ与えられた親族が居る奴の前でそりゃ無いだろ。

「いや・・・いいさ。確かに信念はあった。クールだと思う人が居るのも、分かる」

・・・あ、どうしよう・・・これ下手したら、ヒーロー殺し以上に危険な奴が出てくるかも知れん・・・

「しかし奴は、信念の果てに『粛清』と言う手段をとった。どれだけ信念がご立派でも、それを選んだ時点で間違いなんだ。だから、俺のような者をこれ以上出さぬ為にも!改めてヒーローへの道を俺は歩む!」

成る程な、いい目標だ。さて、問題は・・・

「(ステイン(アイツ)崇拝(リスペクト)する人間・・・だろうな・・・)」

ステインには、その信念故に絶大なカリスマ性がある。それに感化されるような奴が現れれば・・・

「さぁ!もうすぐ授業だ!席に着きたまえ!!」

「・・・五月蠅い」

何時も以上に空回っている飯田を見ながら、俺はそんな事を危惧していた。

 

 

 

「ハイ、私が来た、ってな感じでやって行く訳だけどね。ヒーロー基礎学ね!久し振りだ少年少女!元気か!?」

「ヌルっと入ったな」

ホントにな。オールマイト、遂にネタ尽きたのか?等と思いながら、今回の訓練のルールを聞く。

今回は、入り組んだ迷路みたいな構造の運動場γの何処かで救助要請を出したオールマイトを、5人一組で誰が最初に救助するかを競うという救助レースらしい。中々面白そうだし、俺にとっては楽勝な部類だな。

「あ、ジャンプは良いけど飛行は禁止ね?」

と、思った途端にバードとナスカが封印された。まぁ良いハンデだろう。

「じゃ、くじ引きするよ~」

 

──少年少女くじ引き中・・・──

 

第一チームは、尾白、飯田、瀬呂、三奈、俺、そしてフランだ。くじ引きで何処か6人になるのは分かってたが、まさか俺らだとは・・・しかも彼女2人とも集まると言うね。

「クラスでも結構機動力あるのが集まったな」

確かにな。三奈は滑って移動できるし、尾白は尻尾で跳ねられる。飯田は言わずもがなエンジンだし、瀬呂は立体機動、フランは吸血鬼の超身体能力と来た。更に三奈とフランはライダー少女だ。そして俺は・・・うん、手数なら無限にあるな。

「誰が一位だと思う?」

「正直出久か芦戸、金髪吸血鬼以外想像できねぇ」

「いいや、瀬呂もすげー有利だぜ!」

周りじゃワイワイとやってるな。さてと、俺は・・・

【スパイダー!】

【エターナル!~♪~♪】

首筋にスパイダーメモリを挿して変身すれば、準備完了だ。

『スタートッ!!』

合図と共に、早速走り出す俺達。と、瀬呂は早くもテープを使った立体機動に移った。

「やっぱ今回、俺にうってつけ過ぎ──パシュンッキンッ──る?」

俺はハイジャンプしてからエターナルエッジの刃をアンカーとして打ち出し、刃とグリップを繋ぐ糸を引っ張ってスイング・・・いや、スリングショット移動を始める。スパイダーマンの記録を閲覧しておいて正解だったな!

「ははっ!やっぱり入り組んだ所は蜘蛛だよな!」

軽口を叩きながら空中で一回転して体制を整え、ビルに着地。そして慣性に乗りながら曲げた膝を思いっきり伸ばす事で、更にスピードを上げる技・・・ポイントジャンプブーストを使い、加速を続ける。

「嘘っ!?出久速過ぎない!?」

「ま、待ってよ~!」

悪いな三奈、フラン。俺は勝負では手を抜かないんだよ。大人気(おとなげ)無いがな!

「クッソ、なら俺も!」

─ズルッ─

「アラァ~!?」

あ、瀬呂がポイントジャンプ失敗して落ちた。多分、パイプか何かの円い所でも踏んだんだろう。

「って危ねっ!」

目の前に迫ったパイプをスウェーバックからのバック宙で何とか回避し、270度回転した所でまた前方にスレッドブレードを飛ばしてスリングショット移動、ポイントジャンプブーストのコンボでスピードを稼ぐ。さて、見えたぜ!

「っと1着!」

「はい!1着は緑谷少年!」

ふぅ、やっぱり使い易いな~コレ。

「出久・・・速過ぎ・・・」

「うわ~ん追い付けなかったぁ~!」

2着が三奈、3着がフランだ。その後、4着はビルの上を立ち幅跳び式のジャンプで移動していた飯田、5着は尻尾で跳ねていた尾白、6着が落っこちて大幅ロスした瀬呂、という結果になった。

 

 

そして、しれっとかっちゃんが爆速ジェットからのポイントジャンプブーストをやってのけた事に度肝を抜かれたが、今回の訓練は無事、幕を閉じたのだった。かっちゃんの身体能力凄いな・・・

 

to be continued・・・




「今回、そこそこ長く書けたんじゃないのか?」
『まぁな。ただかなり久々だから、キャラの喋り方とかおかしくないか心配・・・』
「まぁ、そこん所はコメントしてくれるだろ」
『露骨なコメ稼ぎ乙』
「そうだよ(便乗)」
『何に便乗してんだよ』
「言いたかっただけ」
『だと思ったわ。じゃ、今回はこの辺で』
「『次回もお楽しみに!』ゆっくりしていってね!」

『あ、次は弟子とのコラボ回ですので、エボルの方を見てくださいね!』
「あ、これ追記ね」

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