僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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『さぁ、此処からだ・・・ここからが、Phase1』
「何か企んでるよね?」
『まぁな。今まで、ほぼ原作沿いだったろ?だから、ちょっとばっかしな』
「不安しか無い・・・」


第50話・クラスで買い物/Mの敵

(出久サイド)

 

「出久ぅ~・・・お土産話、グスッ、お願いねぇえ~・・・」

「(さてと、どうしたもんかな・・・打ち明けるかな)」

三奈に泣きつかれながら、そんな事を考える。他にも上鳴、砂藤、切島が泣いていた。まぁ、赤点は学校で居残りって言われてたからなぁ。

「あ~、言っといた方が良いか・・・!」

─コツ、コツ、コツ、コツ─

「先生来たぞ~!」

言うタイミングで来るんだもんな~この人。

「諸君、お早う。緑谷、索敵能力上がってきたな。お前のお陰で楽だ」

「感謝の極み」

さて、そろそろ発表するだろうな。

「え~知っての通り、今回の実技で赤点が出た。よって・・・」

お~溜めるね~。

 

「林間合宿全員で行きます!」

 

「「「「ドンデン返しだぁぁぁぁ!!」」」」

 

知ってた。

「緑谷は分かってただろうがな」

「まぁ虚偽無効でね。黙ってた方が良かったでしょう?」

「あぁ。良く空気を読んでくれた」

赤点組からのジト目が刺さるが、まぁ大丈夫だ。

「と言う事で、学校で居残り補修って言うのは嘘ね。そもそも強化合宿だから、実技赤点組こそ実力付けてもらわにゃ困るんだわ。とどのつまり、君らを追い込んでより良い結果を出すための合理的虚偽

「「「「ゴーリテキキョギー!」」」」

相澤先生、合理的虚偽大好きだね。

「またしてもやられた・・・流石は雄英・・・しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」

「わお、水差す飯田君」

ホントに思った事ズバズバ言うな麗日も。

「省みるよ。だが全部が嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だからな。そいつ等は個別で補修学習を実施する」

─ぴきっ─

あ、凍った。

「ぶっちゃけ学校の居残り補修よりよっぽどキツいから覚悟しておくように。さて、しおり配るから回せ~」

あぁ、三奈達がこの世の終わりみたいな顔してるわ。

 

─────

────

───

──

 

「まぁ何はともあれ、全員で行けることになって良かったよ」

「そうだな尾白。さて、一週間分の荷物か。俺はスキマゲートに収納できるから手ぶらでも大丈夫だが・・・」

「暗視ゴーグル」

「持ってきたらお前の男の証諸共握り潰すぞ峰田」

「止めて!オイラのライオンキングを潰さないで!」

ったく、コイツは死んでも治らないんじゃないか?

「ねぇねぇ!もうテスト開けだし、明日休みだしさ!」

ん、葉隠どうした?

「1-Aで買い物行かない?」

「Good!」

良いアイディアだ。何気にこう言うのは行ったこと無かったからな。

「いいねカツキ君!行こうよ」

「行く」

即答だねかっちゃん。けしからん(建前)もっとやれ!(本音)

 

─────

────

───

──

 

「ふ~、人多いな」

流石は県内最多店舗数を誇る木椰区ショッピングモールだな。ごった返してやがる。ちなみに俺の服装はオーダーメイドのシャツにGパンにパーカーという無難なスタイルだ。シャツは白地にブルーフレアペイントがあり、背中には黒地にT2イニシャルがズラッと並んでいるというデザイン。そして胸には黄色い∞マークに『永遠(ETERNAL)』とデカデカとプリントされている。

「あ!雄英生じゃん!1年!?体育祭ウェーイ!」

「うわ、まだ覚えてる人居るんだ」

ヤバい、鬱陶しい。

「俺アウトドアもんの靴持ってねぇから、それ買っていきたいんだけど」

「いや!しおりには履き慣れた靴と・・・いや、用途に合った物を選ぶべきなのか!?」

ま~た飯田が空回りしてるよ・・・

「目的バラケてるし、集合時間決めて各自自由行動にすっか」

 

「ねぇ出久、やけにイライラしてない?大丈夫?」

フランが俺の顔を覗き込み、心配そうに聞いてくる。

「あぁ?あぁ、大丈夫だ。だが、経験と言うか、癖と言うか・・・こういう人でごった返した所は嫌いだ。気分悪い・・・」

「出久の意外な弱点だ・・・」

「済まんなぁ、三奈、フラン・・・俺は適当に座ってるから、2人は行って来な。荷物持ってやれないのは残念だが・・・」

「・・・じゃあ、行って来るよ」

「おう。ここにいなかったら、適当にそこら辺の喫茶店を当たってくれ」

そう言って三奈達を見送り、ベンチにドカッと腰掛けて息を吐く。

 

「お~!雄英の人じゃん!サインくれよ!」

 

・・・何やってんだコイツ?

「どうした?大勢いたお友達は、一緒じゃないのかい?えぇ?───

 

───死柄木弔君?

「・・・チッ、バレるの早いな」

そう言ってパーカーのフードに手を入れ、首を引っ掻く死柄木。

「逆に、何故バレないと思った?それも、俺相手によ」

「・・・あぁ、そうだった。お前、戦争仕込みだったっけ」

「それも、()()に聞いたのかい?」

「チッ、一々癪に障ること言うなお前」

「敵対者とは仲良くはなれないからねぇ」

死柄木からの殺気も、のらりくらりと躱す。

「・・・まぁ何だ。こんな所でもなんだしよ、どっかでお茶でもしようや」

「良いね。丁度喉が渇いてたんだ。じゃ、お任せしよう」

コイツは口が軽いだろうからな。敵連合の戦力を知るチャンスかも知れん。適当に誘導して、出来るだけ吐かせよう。後は、別れ際に手首でも粉砕するか。

 

───

──

 

適当な喫茶店のテーブル席に座り、取り敢えず水を飲みながら死柄木の事を観察してみる事にした。

「大体何でも気に入らないんだけどさ、一番ムカつくのはヒーロー殺しだよ」

「だろうな」

世間全体では連合と繋がってるとか言われてるが、誰よりも本物の英雄(ヒーロー)に焦がれたアイツが、死柄木達みたいな馬鹿と連むとは思えない。

「なぁ、アイツも気に入らないものを壊し回ってただけだろ?俺達と何が違うんだ?保須の襲撃も、脳無も、全部奴に喰われた。なぁ、どんなに能書き垂れようが、アイツも俺達と一緒だろ?」

「何が違うか、ねぇ・・・」

それこそ明確だろ。

「アイツは、自分の理想と信念の為に行動した。妥協せずにな。この2つが、既にお前とは正反対だ」

「何?」

引き込まれてるかな?

「アイツは、壊したいから壊したんじゃない。理想を追い求めた結果、今の状態を根本から壊すしかないという結論に至ったんだ。だから、どんなに死にかけようとも諦めなかった。対して、お前はどうだ?今を壊して、そしてどうしたい?いやそんな事考えてないだろ。お前はただ何となく腹が立つから、イライラするから、壊したいから、壊す為に壊したんだ。USJで、『ゲームオーバー』っつってさっさと帰ろうとしたのが良い証拠さ。言わば、質が悪いだけの鬱陶しいガキの癇癪・・・対してヒーロー殺しが見せたのは、死にかけようとも己の行いを投げ出さずに貫き通した歪な正義・・・ここまで言えば、幾らお前でも、どっちの方が人の目にカッコ良く映るかぐらい分かるだろ?」

言い切ってから、また水を飲んで口を湿らせる。

「アイツはオールマイトに憧れ、それを理想として動いた。そこら辺が、世間の胸に刺さったんだろうさ。で、どうだい弔君。欲しかった答えは得られたかな?」

首を傾げて肩をすくめ、ウィンクしながら訊ねてみせる。見てみると、死柄木はどこかスッキリしたような表情。

「成る程なぁ・・・あぁ、点が線になった気がするよ・・・全部、オールマイトだ」

・・・良い目になっちまったなぁオイ。やっちまったかな?

「そうだそうだ。ここにいる奴らがヘラヘラ笑ってんのも、オールマイト(あのゴミクズ)がヘラヘラしてるからだよ!」

コイツ、オールマイトに親でも殺されたのか?どんだけ憎んでんだよ・・・

「救えなかった人間など居なかったかのように!ヘラヘラ笑ってるからだよなぁ!」

「いや、オールマイトは笑って自分を追い込んでるんだよ。追い込んで追い込んで、後に引けない背水の陣を自分で作って、戦いでは常に火事場の馬鹿力出してんだ。まぁ、誰かからの教えで自分を支えてるって線もあるがな」

暴走しかけた死柄木の話の腰を折る。このまま暴走すれば、周りに被害が出かねない。

「フ~ン、まぁ良いよ。俺のやりたいことは決まったから・・・」

そう言って席を立つ死柄木。お茶と言いながら、結局何も頼まなかったなコイツ。

「あ~、行こうぜ?緑谷」

「あいあい」

その言葉に従い、店を出た。

「キャァァァァ!?」

「ッ!テメェ!」

その瞬間、死柄木は丁度通りかかった女性の首に右手をかけた。中指を上げてるって事は、五指が触れると発動か!

「ァハハハハハハッ!追ってこようとか思うなよ!」

そう叫び、死柄木はポケットから何か・・・ッ!?

「オイ、オイオイオイ!何でそれを!どこで手に入れやがった!?」

「ハハハハハッ!コレ持ってんのはお前だけじゃねぇんだよ!」

 

【メガネウラ!】

 

そして奴は右手の甲にメモリを挿し、その姿を異形へと変えた。

 

──頭の大部分を占める、巨大な複眼──

 

──蜻蛉のヤゴを象った左腕──

 

──巨大な4枚の羽──

 

──先端に6本の針が付いた、太い尻尾──

 

「メガネウラ、ドーパントッ!」

俺が呟くと、奴は愉快そうに羽を震わせる。

『おぉっと!変身するなよォ!こうなると個性は使えないがよォ!

女の首折り千切るなんざ簡単だぜェ!』

「ひぃっ!?た、助け・・・」

・・・クソッタレ!

『・・・ま、良いか。今日は特別気分が良いからな!コイツは見逃してやるよ!ほぉら落とすなよォ!?』

「テメッ!?」

「キャァァァァッ!?」

投げられたら女性を何とかキャッチし、奴を睨んだ。奴は愉しくて仕方が無いという様子で笑い転げている。

『じゃあぁな!緑谷出久ゥ~♪』

─バババババババババババッ─

メガネウラはそう言って羽を羽ばたかせ、その巨体を浮かせた。そしてショッピングモールの天井を突き破り、猛スピードで飛び去っていく。

「サノバ・ビッチッ・・・!」

俺の悪態は周りの狂騒に紛れ、かき消されてしまった。




「お前マジか」
『そろそろ動かさないと、読者さんも飽きちまうからな。まぁ俺もまだデカい変化は操れねぇから、基本原作沿いだが・・・な』
「・・・精々、頑張れよ」
『了解』
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