僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase1   作:エターナルドーパント

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今回から出久のキャラが結構変わります。何故そうなったかは追々。
コメントを下さったグレイシア様、ありがとうございました!
ではっどうぞ!


第6話・蒼炎のE/今の『俺』

「オラァ!このバッグに金有りっ丈詰めろ!」

「少しでも妙なマネしてみろ!このガキの頭に穴が空くぞ!」

「い、嫌ぁ・・・」

ある銀行で、強盗が金を要求している。ありがちな台詞ながら、人質になっているピンク色の肌が特徴的な少女や、周りの人間を脅すには十分なようだ。少女の目には涙が浮かび、周りの人々の顔も青ざめている。そうこうしている内に、バッグは金で一杯になった。それを確認して、強盗犯は逃げようとしている。

「ッシャ!とっととずらかるぜ!」

「おうよ!」

しかし、それを許さない者がいた。

『逃がさん・・・』

ボイスチェンジャー越しでもなお、まるで地獄の底から響いてくるような、殺気を孕んだ声。それを聞いた者全員が、周りが一気に冬になったかのような錯覚を覚えた。そちらを見れば、パーカーのフードを深くかぶった男がいる。

「糞ッ!!もうヒーローが来やがったか!」

その声の主が〔ヒーロー〕だと思う強盗犯達。だが・・・

『ヒーロー・・・?違うな。俺は・・・』

【エターナル!】

特徴的なガイアウィスパー(ガイダンスボイス)が響いた。すると、フードから少し出ていた緑の癖っ毛が、()のメッシュに変わる。そして・・・

『仮面ライダーだ!変身!』

【エターナル!~♪~♪】

男の姿が、変わった。

∞マークを思わせる黄色く光る複眼、その上に付いた、Eを横倒しにしたような三本の角、そして白い装甲の上に着けられた、何かを差し込むようなスロットが無数に付いた黒いコンバットベルト、首には漆黒のマントを巻いており、肩にも掛かったそれが背中側を隠しているであろう事は一目瞭然だ。

「ま、まさか!」

「あの、と、都市伝説のッ!!」

「だ、誰?」

強盗犯二人には心当たりがあったらしいが、少女の方は知らないようだった。そして、その怪人、否、仮面ライダーは改めて名乗る。

『俺は仮面ライダー〈エターナル〉。理不尽に泣き助けを求める者を、解放する者だ』

「仮面・・・ライダー・・・」

少女はその名前を繰り返す。

「ちぃ、だがっ!こっちには人質がいるんだよ!」

「ヒッ!」

グリッと少女のこめかみに指を突き付ける強盗犯。大方爪を伸ばすなどの個性なのだろう。少女も自分の状況を思い出し、また涙目になる。

『確かに、そうらしいな。だが・・・』

 

─ドドゴンッ!!─

「っぐおぉ」

「ガハッ」

 

『それが、どうした?』

「・・・え?」

次の瞬間、強盗犯は二人共仲良く吹っ飛んで壁に叩きつけられており、そして少女はエターナルが纏う漆黒のマントの中にいた。エターナルはその蒼い(・・)ファイアパターンが描かれた左腕を突き出しており、右手で少女の肩を抱いている。何が起こったのか理解できず、少女は間の抜けた声を出す。

『おい、君。大丈夫か?』

「えっ?・・・あ、はい!」

少しの間呆けていた少女は、エターナルに声をかけられ、思考能力を取り戻す。

『そうか・・・なら良かっt「動くな!手を挙げろ!」・・・さっきの音か』

恐らくさっきの強盗犯達が壁に叩き付けられた音に驚いて突入してきたのだろう。ヒーローが二人、ファイティングポーズをとっている。

「よ、良か「貴様!その少女を解放しろ!」え?」

少女は、まるで訳が解らないという顔をしていた。それもそうだ。そこそこ名のあるヒーローが、自分を助けてくれた恩人に、濃密な敵意を向けていたのだから。

『そうか・・・ほら、行けよ』

エターナルは少女の肩に回していた右腕をスルリと外す。

「え?で、でも」

『気にするな。よく有ることだ。良かったな?ヒーローに保護してもらえるぞ?』

「よ、よく有ること?」

少女はその言葉に、何かを〔諦めている〕ような感情が込められている事に気が付いた。だから、

「え、エターナル・・・さん?」

少女は、勇気を出して、彼に声をかけた。

『?・・・何だ?』

そして、出来るだけ柔らかい笑顔を浮かべて、

「あの・・・〈ありがとう〉!!」

この言葉を使った。人を助けたのにヒーローに責められるなら、せめて助けられた自分だけでも感謝を伝えよう、認めてあげよう、と。

『ッ!!・・・どう、致しまして・・・』

その時少女には、エターナルの声が妙に震えているように聞こえた気がした。

そして少女は、銀行の外に走って行った。

違法自警者(ヴィジランテ)、〈エターナル〉!貴様を拘束する!」

『悪いが、大人しく拘束されてやる気は無い。失礼させてもらうぞ』

そう言うとエターナルは何かを取り出し、ベルトのスロットに叩き込んだ。

【ゾーン!マキシマムドライブ!】

するとガイアウィスパーが響き、その身体をエネルギーが走る。

「何をするかは知らんが、させん!」

『遅いんだよ』

ヒーローが接近する前に、エターナルはスロットを叩く。すると、その姿は跡形もなく、消えてなくなったのだった。

 

To be continued




人質の少女は、ヒロアカ知ってる人なら多分解りますね。
エターナルが強盗犯に何をしたかというと、単純に、
・近付く
・人質とってた奴を左ストレートで吹っ飛ばす
・その腕を左に振り抜いてもう一人を裏拳で吹っ飛ばす
これだけです。(尚、この間僅か0.5秒)
前から思ってたんですけど『W』の歌詞って、出久君にぴったり当てはまると思うのって俺だけでしょうか?
コメント、評価など、宜しくお願いします!では、チャオ♪

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