思い付き短編集 作:ゆっくりRUISU
※このクリボーは普通に増減します。
理屈?知らんがな
晒しネタ 艦これ×クリボー
とある鎮守府にて、07:30。
古鷹型重巡洋艦二番艦加古は、数日前から気になっていた件を姉に聞いてみた。
「…なぁ古鷹」
「どうしたの加古。そんなに改まって」
「いやさ、その…。
頭の上に乗ってる奴、何?」
『クリッ!?』
あ、なんか鳴いた。
古鷹曰く。
数日前に正門脇で拾ったはいいが、提督に相談しようとしたところ『パントマイム出来たの?』と言われて、この茶色毛玉(加古の仮称。本人…人?は拒否してる)が見えない事が判明。
かといって元の場所に戻すのは心が痛み、今日まで頭に乗せていたらしい。
が、何故か加古には乗せ始めた初日から見えていたので、非常に気になっていたのだ。
ひょい、と加古が茶色毛玉を持って抱える。
「…で、結局この茶色毛玉どうすんの?」
『クリッ!クリクリッ!クリーッ!』
「…怒ってるみたいなんだけど」
「全く怖くねぇや」
『クリッ!?』
古鷹と加古の二人が話していると。
「あら、古鷹さんと加古さん。…そちらの、茶色い毛玉は?」
と、秘書艦である榛名が朝食を運びながら言った。
「…榛名さん、見えてるんですか?」
「…えっと、見えてるんですか?って言うのは…」
「あ、コイツの事。茶色毛だm」
ガブリッ!と、当の本人(?)が加古の頭に噛み付いた。
「アダダダダダダダッ!?」
…これでも攻撃力は僅か300である。
口の位置?気にするな。
「…えっと、先日正門の辺りで拾ったんですけど、相談しようとしたら提督には見えなかったみたいです。しばらく頭に乗せてたんですけど…」
「…正直に白状します、昨日まで頭の上にいる事に一切気づいてませんでした」
『クリクリッ!』
榛名に挨拶するように、毛玉は鳴いた。
朝食後、古鷹は改めて毛玉について提督に相談した。
「ふーむ、あの日からいたのか…」
『クリ~』
「名前はわからないんですけど、加古が『茶色毛玉』って呼んだら怒ってました」
「…怒る?」
「えっと、加古の頭に噛み付いてました…」
古鷹が困惑ぎみにそう言うと、毛玉がややしょんぼりした。
とりあえず保留、と言われて古鷹は毛玉を自室に連れて帰った。
「…そういえば、お名前は?」
『クリッ!』
抱えて目線を会わせた古鷹が聞くと、毛玉は古鷹の腕から飛び出して机から鉛筆を取った。
『クリッ!クリィッ!』
そして、鳴いてから鉛筆を掲げる、という行動を繰り返し始めた。
『クリィッ!クリボッ!』
それを見ていた古鷹は、なんとなく毛玉の言いたい事を理解した。
「…クリボっていうの?」
ふるふる、と体全体を横に振った。違うらしい。
『クリッ!クリッ!』
いつのまにか鉛筆を万年筆に持ち変えていた毛玉は、再び鳴き始めた。
と、用事で出掛けていた加古が戻ってきた。
「ただいまー。
…あれ、今度は何やってんのそいつ」
「名乗ってくれてる、みたいなんだけど…」
「…必死にクリボーって名乗ってない?コイツ」
『クリッ!』
コクコク、と体ごと頷いた。
どうやらクリ+棒でクリボーと名乗りたかったらしい。
「えっと…。
よろしくね、クリボー」
『クリクリッ!』
毛玉、もといクリボーはそう鳴いて答えた。
その後、食堂にて。
結局クリボーを頭の上に乗せたまま古鷹は昼食を取っていたが、食べ終わった頃に暁型四姉妹に声を掛けられた。
「古鷹さん!その子、どうしたの!?」
「な、何日か前に拾ったの。
ここしばらく頭に乗せてたんだけど…」
やや興奮気味の暁にそう返すと、雷が横から口を挟んだ。
「古鷹さん!その子、抱っこしてみてもいいかしら?」
「えっと…。クリボー、大丈夫?」
『クリッ』
ピョン、とクリボーが古鷹の頭から飛び降りて雷の腕に収まる。
どうやら構わないらしい。
抱き抱えた雷は、感触について感想を述べた。
「結構フワフワしてるわ!」
「い、電も抱っこしたいのです」
「もうちょっと待って!」
『クリッ!』
『クリクリッ!』
いつの間にか、クリボーが電の腕の中にもいた。
「…クリボー、増えれたの?」
『『クリッ!』』
揃って返事をするクリボー2体を尻目に、雷と電はクリボーの毛並みを堪能していた。
その後、古鷹と加古の部屋。
しれっと1体に戻ったクリボーは現在、畳の上でコロコロと転がっていた。
楽しそうなのはいいのだが、毛並みに畳の藁が付いている。
苦笑しながら、古鷹は櫛で鋤いてやって藁を落とした。
と、クリボーが視線を扉に向ける。
釣られて古鷹も扉を見ると、ちょうど青葉が部屋に入ってきた。
「古鷹さん!何やら茶色い毛玉のようなものを拾ったとお聞きしました!」
『クリッ!クリクリクリッ!』
茶色い毛玉、という点に対してクリボーは抗議したらしい。どうやら何か譲れない一線があるらしいのだが。
「えっと、あんまり茶色い毛玉って呼ぶのは止めてあげてください。さっきそれで加古に噛み付いてましたから…」
「…噛み付く?」
「はい、頭に思いっきり。
…怪我するほどではなかったんですけど」
『クリ~…』
「あらやだ可愛い」
「クリボー、っていうらしいです」
『クリッ!』
そう鳴くとクリボーは、3体ほどに増殖した。
「ふっ、増えた!?増えましたよ!?」
「結構自由に増えたり減ったりするみたいです」
そう言いながら、古鷹は1体を抱え上げた。
後でまた来ますね、と言って青葉が退出すると、クリボーは再び1体に戻った。
『クリッ!クリリッ!』
当のクリボーは、青葉が退出した扉に向かって跳ねながら鳴いている。
どうやら、部屋の外に出たいらしい。
「あまり、遅くならないようにね?」
そう言って、古鷹が扉を開けてやるとクリボーは飛び出していった。
『クリックリックリッ、クリッリリッリ~』
上機嫌に鼻唄を歌いながら、クリボーは飛んでいた。
どうやら、浮遊程度なら可能らしい。
と、正面から黒髪の艦娘がやって来た。
「…あら、どこから入ってきたのかしら?」
そう呟いたのは、加賀。
『クリリ?』
「…食べれるのかしら?」
『クリィッ!?』
首…というか頭を傾げたクリボーに向けられた加賀の言葉に、クリボーは飛び上がった。
「…冗談よ。気にしないで頂戴」
『クリ~…』
ホッ、とした様子でクリボーが胸…というか1頭身故に顔を撫で下ろす。
ゴソゴソと懐を漁って数秒、加賀は飴玉を取り出した。
「食べる?」
『クリッ♪』
文字通り飛び付いたクリボーは、包装紙も剥かずに飴玉を頬張った。
頬張ってから数秒後、狼狽える加賀をよそにクリボーは包装紙だけを吐き出した。
そして、加賀の頭に飛び乗った。
『クリ~』
「…そんなに居心地がいいのかしら」
『Zzz…』
「…まぁ、いいでしょう」
そう言うと、加賀は自室へ向かって歩いていった。
ちなみにこの夜、クリボーに関して古鷹と加賀が喧嘩しかけ、クリボーが増殖する事でなんとかした。
以上。