日本一のエースと天才バッター   作:四つ葉

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プロローグ

7回裏2アウトランナー2,3塁

カウント2−2

「……ふう。」

ここでバッターは三番の太田か

全国中学校軟式野球大会決勝戦はここまで0対1と均衡した試合が続いていた

俺の背番号には4。

しかし今はセンターとして守備についていた

「後一人だぞ。羽島。打たせてこい。」

声を張り上げ必死に声をかける

そして羽島が思いっきり腕を振って投げる。アウトローいっぱいのストレート。スピードは100kmいかないがコントロールのよさはピッチャーの中でずば抜けていた

本当このチームじゃなければエースなんだよな

背番号8をつけた羽島を見てそう思う

そして見逃す相手バッターに俺はその瞬間を待ち続ける

審判は高らかに手を挙げコールする

グラウンドでは少しながらの観客が歓声をあげ歓喜を喜ぶ

そして整列

相手ベンチは18人きっちりそろっているが俺たちチームはたった10人

しかしとても個性的な選手の集まりだった

背番号サウスポーで120kmのストレートとカーブとチェンジアップを扱うエースで幼馴染の前田美帆

今大会全国大会で唯一の女性ピッチャーでありコントロールもいい投手

小柄ながらスタミナもありこのチームの創設者でもあった。

また自分が守備を守るときはライトを守っていた

初戦と準決を投げ12回被安打10失点2と言う完全にエースと言っても過言ではない

中学通算防御率は1.50 

背番号2キャッチャーの茅野誠司

肩が弱いものもリード面でチームを支え、このチームの要だった

コントロールのいいピッチャーだったで非安打数が少なく抑えられたのも茅野のおかげだろう

背番号3ファーストの大山海斗

当たれば飛ぶ。しかしランナーがいないところしか打たない

背番号4内外野どこでも守れるユーティリティープレイヤーの俺こと砂田健斗

自分でいうのもなんだが中学通算打率512出塁率は7割、盗塁成功率9割といういかれた成績だった

しかしその全てがヒットであり、長打を打ったことは一度もない

そんなおかしな選手だった

背番号5、サードの美山清太

守備がうまく肩は高校生レベルはあると思われる

またバントがかなりうまくこいつが失敗したところは俺もチームメイトも見たことがなかった。

背番号6、ショート兼抑えの檜山公司

守備はもちろん。ピッチャーに、回っても確実なピッチングをする。3回を投げ被安打1という完璧なリリーフだった

この打たせてとるムービングボールが特徴の選手だったのが特徴だった

派手なプレーはないものも、確実に守れる選手だった

背番号7レフトの前田春成

特徴は何もない。

苦手なことも何もなく。全て平均並みの選手だ。

背番号8ピッチャー兼センターの羽島清史郎

コントールがよく打たせていくピッチングが持ち味。防御率は11回を投げ被安打152失点

また足が速く俺についで出塁率が高かった

背番号9ライト兼セカンドの小柴海

肩は弱いがバッティングセンスに定評があり得点圏打率4割超えのチャンスに強い選手だった

まぁ得点圏にランナーがいないと打てないのがねっくだが

背番号10マネージャーの大島京子

まぁ人数合わせで入れているのだが、人当たりが良くチームの助けになってくれた。

たった10人で全国制覇

そのニュースは全国の高校スカウトの間で駆け巡った。

 

「ん〜疲れたわね〜。」

「……お前な。」

部活の祝勝会途中に俺は美帆に呼び出され店の外に来ていた

お気楽なエースに俺は苦笑してしまう

「だって負けて当たり前の試合じゃない。私たちのヒットの本数見ればわかるでしょ。」

「……まぁな」

俺たちのスコアボードには点数の右に0という文字

ヒット0本で一点

俺が四球を選びすかさず盗塁

次の美山がバントをし三番の小柴の犠牲フライで1点

その一点を俺たちは守りきった

打率は俺以外は1割台

守備さえきちんとすれば勝てるという監督の指導のもと守りきる野球を実践してきた

なので大会通してのエラーは全国大会決勝まででたったの1

バントが15盗塁が12得点が9

何とも打高投低の中学野球では珍しかった

「……まぁ、この野球部はこの年で終わりなんだろ。それを頂点まで上げることができたのなら十分だろ。それに美帆はこの夏で俺らと一緒にやれるのは最後だしな。」

高校野球連盟のもと甲子園への出場は男子生徒のみ

つまりは女子の美帆はもう俺たちと一緒に甲子園を目指すことはできない。

「……そういや、健斗はどこ行くのよ。」

ショートカットの美帆が言う

「ん〜。今の所声がかかってきてるのは栃木の白龍高校が一番の強豪でつぎは四国の明徳、名古屋の中京、和歌山の智弁かな。でもまだ未定だな。」

「えっ、そんなに声かかっているの?」

「まぁ、今大会は調子よかったし、青葉中の本郷相手に2本打てたしな。あぁいうピッチャー俺得意だし。」

準決勝の相手は北海道の青葉中という中学一のピッチャーと言われるバケモノを相手に戦った

美帆は本郷に3打数3安打を打たれたが全て次のバッターにゴロを打たせゲッツーを量産

俺たちは俺のセンター前のタイムリーと小柴のタイムリーで2点をあげ

2対0で逃げ切った

俺は3打数2安打1打点2盗塁

「あの日からスカウトに声かけられるようになったんだよな〜。小柴はお前去年西東京ベスト8の薬師から声かかっているって聞いてる。」

「そうなんだ。」

と興味なさそうにしている美帆。

お前が聞いてきたんだろと愚痴を言いたかったけど何とか堪える

まぁこいつ本当に他人には興味ないよな

「美帆は?お前野球は続けるのか?それかソフトボールに転向するのか?」

「……えっ?私やらないわよ。」

「……は?」

美帆の言葉に少しおどろく

「だって私は健斗と野球がしたかったから野球してただけだから。」

「ちょっと待て。お前そんだけの理由で野球やってたのか?」

「ん?ダメなの?」

「いや。お前。」

と少し頭が痛くなるようなことを言う

こいつの野球センスに関しては本当に息を巻くほどすごい選手だった。

ものすごく早い球も投げれない。変化球もそこそこ六年になっても補欠のままだった

しかし中学に入ってから今の監督からコントロールという武器を磨きあげ

大門中を中学二年の時に初の全国出場。そして今年の夏に初めてで最後の全国優勝へ導いた

「それに母さんから硬式は痣が残る可能性があるからやってほしくないって。」

「……あぁ。」

多分そっちが本当の理由だと判断する。野球もソフトも正直安心できる競技とは言い切れない。今は軟式だからいいものの硬式に変わると女子は一変する

「ならどうするんだよ。進路。」

「……それだから聞いてるんでしょ。」

「……あぁ。そういうことか。」

俺はいいたいことの全てを理解する

「……マネージャーか。」

「そう。一応そういった仕事も京子から教わったもの」

「そういえば、よくお前たちの掃除に付き合ったりしてたしな。俺。」

大島と美帆は真逆の性格で美帆は元気でムードメイカー的存在

大島は静かだが周りに気を使えるマネージャー。

しかし不思議と仲がよく、仕事を共有していた

「てか又同じ学校選ぶつもりなのか?」

「悪い?」

「いや。悪くはないけどさ。」

こう見えて美帆は成績優秀テストでも優秀で、野球知識もあるし俺以外には気を使えるいいやつなんだよなあ

「……はぁ。まぁ決まったら連絡する。でも監督の昔いた高校が気になっているんだよな。」

昔、今の監督は元々甲子園準優勝へ率いた監督らしくその当時の教え子が監督をしている高校へ進んでみないかと言われていたのだ。

「えっと確か青道高校だったよね。」

「あぁ。俺たちも覚えてるだろ。青道高校を準決勝へ導いた片岡鉄心がその後を引き継いでいるらしい。」

青道高校野球部

全国大会へここ五年は進んでいないが西東京地区で3強と言われている強豪校だ

「まぁ、うちと異なる点はその攻撃力。一度勢いで止められない打線と二遊間の堅い守りは西東京一。今年の西東京ベスト4の高校だ。」

「…」

「ぶっちゃけスカウト来たならそこに行こうかって思ってる。……お前も気になるだろ。あの片岡鉄心だぞ。」

ぶっちゃけ俺がみた中で一番打ってみたい投手の一人だ。

150km超えるストレートに大きく曲がる変化球

気持ちで押していく投手で闘志に溢れているピッチャーだ。

「……って話ししたらマジで青道高校に行きたくなったじゃねーか。監督に頼んで連れて行ってもらおうかな。」

「そういえば、今度の秋の地区予選私もみてみたいピッチャーがいるから一緒に東京行く?」

「そうだな。お互いにいい刺激になりそうだし、母さんに頼んでついでに青道高校を見に行こうぜ。一応監督と相談してだけど。」

「そうね。私も寮見とかなきゃ。」

「お前入る気満々だな。」

「そっちこそね。」

俺と美帆が頷きあう

「……健斗、美帆何してるの。」

母さんの声が聞こえる。

「んじゃ、お互いに検討を祈る。」

「ラジャー。」

と急いで駆け込む俺と美帆。

その姿はお互いに子供のようにはしゃいでいて

俺と美帆の日常だった

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